Q.体幹トレーニングと発声の関係を教えてください。
A.発声と体のトレーニングとは一見関係のないもののように見えて、実は密接な関係があります。体のトレーニングといっても、ボディービルダーのように鍛えるトレーニングではありません。表面の筋肉を鍛えるのではなく、発声と結びつく部分はインナーマッスルの部分。つまり体幹の部分を鍛えることが非常に重要なのです。
巷で話題になるのは、「筋トレをすると、体が硬くなるからよくない」というワードです。これらに関しては、どの部分をどれだけ鍛えるのかによって変わってきますし、絶対的な筋肉の量はないよりはあったほうがいいので、正誤判断となると難しい部分です。
発声にダイレクトに効果がある部分としては、体の奥底の部分をいかにして使えるようになるかということです。例えば、片足立ちになって、なおかつひざを曲げて垂直に重心を下げた状態の姿勢を保ったまま発声ができるか、という部分です。この部分に関して、音域が上がった状態というのは、人間の癖として重心が上がりやすくなります。その状態ではふらつきやすくなるので、姿勢を保とうとすると、重心を安定させることや、その姿勢を保つための体幹部分が必要になってきます。固める使い方ではなく、しなやかに制御するために、体幹を鍛えることは非常に重要なのです。(♭Я)