Q. 外国語の喉の位置を教えてください。
A. 私が学生時代、イタリア人の声は響きが高いもの、しゃべる声が歌声のよう、という先入観がありました。実際にそういう教えを多々受けてもいました。声楽家のソプラノ、テノールの先生方は話している声から、響きの高さを意識されているような、高めのキーで喋られて、歌っているような声でした。
しかし、私自身が毎年イタリアに渡り出会う歌手達、一般のイタリア人の声は決して高くありません。むしろ声は低くて、歌っているような声の人はいません。例えば、マリア・カラス、バルバラ・フリットリのようなソプラノの大歌手達の普段の声を動画検索してみてください。かなり低いです。
イタリア語もドイツ語も、英語も喉が低い位置で喋る原語です。歌う以前に低い喉の位置から発せられる日常会話と発音が、彼らの声の基準ともいえるといえます。日本の声楽はまず響きの高さや位置を教える傾向がありますが、本来は、外国人と同じ喉の低さ、深さで喋ることがとても重要です。そこを基準にして音域を広げていくことが世界基準とも言えます。
歌うように喋るのではなく、外国語が喋れる位置で歌うというほうがより感覚として近いと思います。(♭Σ)