Q. 本番で歌っているときに声のテクニックのことを考える余裕がありません。
A.考えない方がいいと思います。声を使うことに慣れていないから、声を出すのが苦手だから訓練をしているのであって、料理で言うなら練習とは材料をそろえている段階なのだと思います。いろいろな材料を集めてはじめてカレーが作れるように、私たちも日々、呼吸筋のトレーニング、表情筋のトレーニング、音階のトレーニング、曲の練習を取り揃えて、一つの曲をお客様に出せるように練習するのだと思います。ですので、声のテクニックを練習しているということは、お客様に出す以前のもので、それを考えながら本番で歌わないほうがいいでしょう。曲の表情や言葉の内容にフォーカスすることをお勧めします。お客様はそれを共有したいのです。
歌の訓練をしなくてもできてしまう人を天才と呼ぶのかもしれません。自然にテクニックの表現もできてしまう、そんな人を見てとてもうらやましいと思うかもしれませんが、年を経るとその人もいつか頭打ちになることがあるかもしれません。テクニックを勉強せずに年を経てしまうと、年齢の衰えに対処できないということがよくあります。
人の見ていないところでとことん技術の勉強をして、本番はそれが見えないような表現のこもった演奏が理想ではないかと思います。(♯β)
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