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ヴォイトレレッスンの日々

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2022年4月

2022年4月30日 (土)

Q.正しい姿勢とは一つですか。先生の本にチェックリストがありましたが、絶対なのですか。☆

A.姿勢のリストは、結果的には、フォームです。身についていくとそうなる、そう感じる人が多いという目安です。身につけていくことがトレーニングのプロセスというのは、時間の経過によって変わるのです。どう使うのかという実践での動きを入れると、正しい姿勢とは、一つに定まっているのでなく、動きになります。もっとも柔軟に対応しやすい基本姿勢というくらいでしょう。

 スポーツでも構えとプレーは違います。まして、ファインプレーやエラーのように、無理な負担やリスクが生じたら、正しさからは逸脱するかもしれませんが、必要があればそうするでしょう。

 正しいことの一つの目安としては、体に部分的に同じような負担を長くかけないことです。同じ状態で長時間保てることがあります。そこからみると、部分的に疲れや痛みが出るようなものは、どこかよくないとなります。

しかし、筋トレなどは、そういう負担を強います。まして、舞台では美しいとか格好いいとかいった振りもつけるでしょう。アスリートも楽器のプレイヤーも、それぞれの用途に合った姿勢になるでしょう。

 正しいというのが、一般的にみて偏った姿勢となることもあるでしょう。個人差も相当あります。

歌も、顎を引くのがよいと言われても、顎をあげて歌っているプロ歌手もいますし、あげて歌うこともあるでしょう。それで正しくないとはなりません。

 人それぞれです。ヴォイトレもトレーナーのアドバイスを基にとはいえ、柔軟に対応しましょう。アドバイス自体を、柔軟に捉えてください。

 

Q.数多くの質問への答えは、どうしているのですか。☆☆

A.レッスンの現場では、いつもさまざまなことが起きます。それ以外に、私は他のトレーナーの報告や、生徒のレポートも目を通し、打ち合わせやカウンセリングでこたえています。そこで出てきた質問やカウンセリング内容やレポートを、研究所では、トレーナー、スタッフと手分けしてまとめています。

 他に気づいたこと、私の本からの引用なども含め、できるだけ問題を拾い集め、提供しているのです。レッスン受講者やトレーナーはもちろん、全国の皆さんの勉強の糧になればと思っています。私の知っていることだけでなく、現場のトレーナーや皆さんから与えられたもの、引きだされたものに感謝します。

Q.学び方の秘訣を教えてください。

A.「門前の小僧、習わぬ経を覚える」「念仏百万遍」

2022年4月29日 (金)

Q.いろんな理論があって、迷っています。その上、あれこれと言われると困るのですが。

A.私の本やブログを読んで、あれこれ言われても…という人もたくさんいると思います。その通りなのです。しかし、言語はツールであり、使いようによっては役立ちます。トレーニングというわざとらしいものを提唱した以上は、言語化して説明責任も負うことになると思うのです。

 体が覚えるためには、「体が覚えなくては死ぬ」というくらいの気持ちをもつことからです。例えば、戦いでは、頭の判断でなく体の判断で行動しないと危ないのです。危険なところへ行ったり、危険なことに関わるときも同じです。状況で信じられるのは体だけとなるから、体も敏感になるのです。

 どうやってできるようになったのかを、できた人が、わかっているわけではありません。ですから、皆がノウハウとして取り出したり、説明できるわけがないのです。

 トレーナーは、そのプロセスとかやり方を教えているわけです。しかし、それは、大体は、自己分析、教えられた経験、教えた経験の3つでパターン化しています。といって、他の人全員に当てはまるわけではないのです。

 マナー、モラルなどもその類ですが、まだチェックはしやすいです。体に何かを身につけるには、そのプロセスで、それらのみえないものを得ていきます。そう簡単にみえないもの、語れないものを身につけていくと思うことです。

Q.なぜ、体で覚えられないのですか。

A.身につける経験で、よく例に出されるのは自転車に乗ることでしょう。一度乗れると二度と乗れなくなることはありません。体が覚えているからです。似たものではスキーやスノボ、スケート、サーフィンなど、体でバランスをとるものが多いようです。竹馬や一輪車なども、覚えるときに、マニュアルや理論も使わなかったでしょう。もし、それがあったとしても、関係なく身につけたはずです。理論とあまり関係なく身につく、発声もそういうものです。

Q.究極の発声について、知りたいのですが。

A.ここへ質問というのは、最終的なレベルのことでしょうか。ということならば、私の思う発声が身につくとは、発声を教えている人の多くでさえ、まだ身についていないレベルのことです。

体で覚える、身につくという点では、私もまだまだ追い求めています。ことばにならないことですから、身につくとどうなるかからみていくしかないでしょう。声が通るとか、座っているイスや部屋がびりびりするとか、そこが最低ラインでしょうか。声そのものとして、歌手や役者とは、また別の基準としてみています。

2022年4月28日 (木)

Q.発声法、歌唱法は、しぜんに身につくのですか。

A.それらは、歌唱やせりふとして、あるレベル以上に問われる発声としての発声や独唱の方法です。何が身についているのか、何をこれから身につけるのかをはっきりさせる必要があります。そうでないと「歌がうまくなりたいのですが」という質問と同じです。とことん絞り込まないと効果が出ない、いや、何を効果とするかわからないまま、となりかねません。どうやってというのは、私の本やブログに書いてあります。

Q.発声は、覚えていっている自覚なしに身についているものですか。

A.はい、それは身体技法に多くみられます。ベーシックなものは、命を守るための行動です。声では、「わっ」とか「あっ」とか「熱い」とか「危ない」とか発してしまうことがあるでしょう。これを練習した覚えはないでしょう。レッスンやトレーニングで覚えていくのは、特別なのです。しぜんと身についていく環境下におかれて身についたものではないのです。

Q.どうやって発声を覚えていくのですか。

A.誰しも幼い頃、声を出しているうちに覚えてしまうのが発声です。母語のように、そこから日常の学習によって、しぜんと覚えていくものと、母語を基に学習していくものがあります。外国語を、いきなり外国に連れていかれて日常生活のなかでマスターしているケースもあります。同じバイリンガルでも、幼いときにそうであったのと、その後、母語を基に覚えていくのは違うでしょう。方法にそって覚えていくのです。

2022年4月27日 (水)

Q.教育では、なぜ伝統音楽を重視していないのか教えてください。

A.発表の場も演奏会、コンサートという形式が中心です。音大となると、歌は、オペラ科となっているし、創作となると、西洋の技術中心で、民族的な伝統素材を中心とはしていません。形ばかり和を使うことはあっても、です。

 

Q.なぜ、いろんなメニュが、トレーナーやトレーニングによって違うのですか。

A.ありとあらゆるメニュがあり、その多くのパターンや目的、処方を私は知っています。しかし、その多くは日常の健康改善に役立つ、その結果、声もよくなるというくらいのものです。間違いとはいえないが、メニュや方法として、特別といえるようなものでないのです。

 メニュからトレーナーのタイプ、得意不得意や経歴もわかります。それに対して、あなたが自分自身のものとして、つくっていかなくてはいけないのです。問題は、メニュを与えるのでなく、その使い方、つくり方を必要に応じて与え、本人が使えるようにしているのかでしょう。

Q.最初に理論ありきですか。

A.いえ、実践あり、です。理はみえてくるものです。革新的なもの、つまり、新しいものやこれまでにないものであれば、周りから否定されるのが当然です。そういう状況において、叩かれ、潰されることのないように、実践を通じて効果をあげるのに理論立てをしていかなくてはいけないのです。独りよがりか、そうでないかは、そこに一流の人が育っているのか、それは一流のトレーナーとの切磋琢磨がなされているのかです。

2022年4月26日 (火)

Q.他の人は間違っていて、自分が正しいという人をどう思いますか。

A.1.自分だけが正しいと言う人は裸の王様です。

2.安易にすぐに効果を上げるやり方や方法はドラック、脱法ハーブに近いです。それで改善されたところで、それに頼るところで終わっています。地道な基礎訓練で効果がみえないときに、そういうものに飛びついてしまう人は多いのです。

3.毒にはならないとしたところで、メンタル的なもので、キャリアとして不毛なものに頼らない方がよいでしょう。くじや占いも、勇気づけられ実力にもなるということはありますし、自信をもって結果が出るのはよいと思いますが。

Q.個人的な経験の評価の絶対性について、どう考えられますか。

A.「自分が体験してよくなった(悪くなった)のだから、それは、間違いない」というのも、大半は誤解です。何かを行って何かの結果を得ると、人は原因-結果と因果関係に捉えてしまいますが、必ずしもそうではないのです。もっとずっと前にやったことが効いてきたのかもしれないし、とのとき、よくなったという結果の判断が、長い眼で見ると、逆だったいうこともあります。

何よりも「○○ができた」は「でも○○はできなくなった」が隠れていることが、ほとんどなのです。「○○のやり方で高い声に届いた。けれど、今まで出していたしっかりした声が薄まった」など。よくなったようでも、そのために別の可能性が狭まったということもあるのです。評価をどう扱うかが、もっとも難しいことです。

Q.「ある方法で声がよくなった」という効果は、本当だと思いますか。

A.「回復していく病人に○○を処方したから回復した」というのも、「成長している子供たちに○○を食べさせたから成長した」というのも、それがある方法の効果とは限らないのに、そう言う人は少なくありません。臨床的な実験は、回復に対しては、ある程度、信頼できる検証ができますが、トレーニングで上達させるというようなことに対しては、難しいのです。

2022年4月25日 (月)

Q.「レッスン感想」の活用は☆☆

A.私は、研究所のなかの「レッスンの感想」は本人とトレーナーだけでなく、他の学んでいる人の大きなヒントになると思って公にしています。感想で参考となるのは厳しい意見、反応です。

 うまくいかなかったりクレームだったり、不信を生じたときのデータ、トレーナーの見解の差異についてのことが、もっともよい検証材料となります。並べただけでは、何ら発展性はありません。

その人の最初の声と比べ、トレーナーの差異がどういうことかを比べ、本人とトレーナーと私とのなかで目的とプロセスを明らかにします。レッスンが順調にいっている人には、その必要はないようにみえますが、気をつけてみています。

 

Q.「体験談」は、どう活用しているのですか。☆☆

A.体験談、効果談は、生徒さんの感想です。それを読んで、トレーナーは、その意味するところを徹底して検証しなくてはいけないと思います。生徒さんが満足しても、トレーナーは常にもっとよい可能性、よりよく、より早くできないのか、できなかったのかを考えることです。レポートには本音でなく、気遣って褒めてくださるような生徒もいるからです。

 全てのレッスンを記録するのは当然のことです。そういうプロセスの記録がしっかりしていないのでは、実践として組み込むのは避けるべきです。

Q.一般の人にも、プロのヴォーカリストと同じメニュを使っているのですか。☆☆

A.ヴォイトレのメニュもいろいろとあります。やり方やメニュでみるのでなく、レベルや目的に対してマッチしているかどうかです。設定、セッティングがもっとも大切です。

 私はプロのJポップス歌手に、同じようなJポップスの歌をあまり歌わせません。歌う練習にはなるし、歌詞は覚えますが、歌えてしまう声はすでにもっているので、声のトレーニングになりません。そのレベルの声をもっているからプロなのです。

でも、そういう人でもオペラのサビになると5秒ももちません。オペラを歌う必要はなくても声のパフォーマンスとして地力を上げるなら、その刺激で負荷を与えます。

つまり、常に明確なギャップを与え、みえるようにして、そこを埋めていくことこそがヴォイトレなのです。今の感覚、身体にどのように対して、その適応能力を引き出していくのかがトレーニングで問われているのです。

2022年4月24日 (日)

Q.意味のないトレーニングとは何ですか。☆☆

A.その人にとって、負荷のないトレーニング、方法やメニュといって目先を変えただけのトレーニングは無意味です。例えていうと、サッカー選手に100メートルを10回歩いてくださいと言うようなものです。

これは、3週間ほど寝たきりで退院したばかりの患者にはハードトレーニングですが、サッカー選手の技術や筋力向上には何にもならないでしょう。そんなレッスンやメニュ、というか、使われ方が多すぎます。

Q.トレーニングの原理とは、なんですか。☆☆

A.何かの刺激や負荷に対して適応しようと身体が変化していきます。すると、少しずつ、それに耐えられるようになります。それがトレーニングです。ですから、メニュや方法ではなく、そこでどのくらいの刺激、負荷を与えるのかがもっとも大切なのです。

Q.すべての人にお勧めの方法はありますか。

A.万人に当てはまるトレーニング方法はありません。自分に合ったものをみつけましょう。

トレーナーは、その手伝いをしていきます。当てはまらないものを無理に当てはめるのではありません。いわば、タイミングに応じて、よい材料を出していくのが仕事です。

2022年4月23日 (土)

Q.くり返しのトレーニングで力がつきますか。

A.慣れていくことも、身につけていくことも、マンネリになることも、トレーニングの進歩です。くり返しつつ、同じレベルで甘んじるのなく、レベルをアップさせていくのです。同じことを新たな視点でみせたり、違うことを新しく得ていく発想力、想像力が必要です。トレーナーは、それを必要に応じて気づかせる存在でありたいものです。

Q.どんなメニュや、どんな方法がよいでしょうか。☆☆

A.どんな方法やメニュもどれがよくて、どれがダメということはありません。短期的にみて、片方は少しよくなり、もう一方は、よくなる前に少し悪くなるときがあるとします。それを、よいもの正しいものと、悪いもの間違ったもののように多くの人が思っています。本当は、どちらにもメリット、デメリットがあります。

 一方は、このメリットがあるが、このデメリットがある。もう一方は、このデメリットはあるが、このメリットがあるのです。

メリットだけのメニュや方法はありえません。両方のメリットだけを活かせる人が有能であり、本当のトレーニングはそうなるように力をつけていくのです。頭の中だけでの机上の正誤論議はやめるべきです。

 

Q.早くうまくなれるというトレーニングは、本当にあるのですか。☆☆

A.「早く少々できるようになることは過大に評価され、長くかかってすごくできることは過小に評価されるもの」です。

 自分のトレーニングには、トレーナーとしての適任者を、よくよく考えて選ばなくてはならないと思います。難しいなら一人は応用、今すぐうまく、もう一人は基礎、将来によくなるように分担するのもよいでしょう。

 

2022年4月22日 (金)

Q.喉を鍛えるのはよくないと言われました。

A.私は、トレーニングとは鍛えることだと思っています。ヴォイトレは、ヴォイストレーニング=声トレーニング=声を鍛える、です。筋トレ=筋肉を鍛える、ですが、これと異なります。声を鍛えることは、よくわからないことがたくさんあります。喉の筋肉を直接、鍛えることは難しいです。

 鍛えられるということは、そこが弱っている人がいることからも確かです。しかし、鍛えた筋力で声を押し出すわけではないからです。また、他の筋肉のように壊して再生、強化するのでもないでしょう。

 声のトレーニングとなると声に関して行うトレーニングとなって、もっとぼやけます。でも「鍛えられた筋肉」というのに「鍛えられた声」というのを対置するのはおかしくないでしょう。それは確かに存在すると、多くの人が感じているからです。現実に、言語機能回復のリハビリでは「鍛える」ようにしているのです。

 今のヴォイトレというのが、鍛えられた声を目指すとは限らない、むしろ、目指していないから、わかりにくくなっているともいえるのです。

Q.日本人が英語を話せない理由について。

A.1.英語の必要性のなさ

 私たちの日常生活において、日本語以外は、ほぼ使う必要がありません。学問などの専門知識の分野では、日本語の翻訳が高度に発達しています。海外の文献を日本語のままで、ほぼ理解できることが大きいでしょう。

 これは、英語を使ってしか学問知識を取り入れたり、最新の問題を論議できない国では考えられないことです。日本の翻訳技術の高さ、書物などの発行数、映画などの字幕、吹き替えなどの多さ、早さと、取り入れの体制のよさは豊かさの恩恵です。日本語の柔軟性も、その一端を担っています。

 

2.日本語の文字としての機能の高さ

 日本語は、文字として、表意文字の漢字(音読み、訓読みをもつ)、表音文字のカタカナとひらがながあります。ラテン文字(ローマ字)やギリシャ文字なども用います。縦書き、横書きがあります。擬態語、擬声語、オノマペトなど、多様に言語や音や感情の表記機能をもちます(ex.静かさ、閑さ)。

 

3.日本語の音声機能の弱さ

 日本語には母音5つ、子音13くらい、その組み合わせを中心とした音数はわずか108200くらいです。そのなかで、認識するので、同音異義語が多く、誤解も生じやすいのです。ほぼ似た音で認識してカナで書きとれます。音声ではシンプル、音数も少ないことが、似たように聞こえ、カナ文字にして共通に認識できるわけです。音数の少なさが、他の言語や音の取り込みを曖昧ながら容易にしているのです。

 それは同時に、言語以外の音も表記しやすく、オノマペトも多いことになります。さらにそれを補うために絵文字なども発達しています。この点で、デジタル記号というよりもアナログ絵(GUI:グラフィカルユーザーインターフェイス)のような性格でしょう。

 どの外国語も、外来語としてカタカナで、似て異なる発音のまま取り入れ、日本語に編入してきました。それが、反面で、正確な外国語の発音の矯正の障害の一因にもなっています(ex. va→バ)。

 当然のことながら、母語で音の種類が多い言語を使っていると少ない音数の言語を学ぶのは簡単であり、逆は新たに学ぶべき発音が多い分、難しいのです。

 

4.日本の歴史、風土、生活、性格

 日本は、かつては、あらゆるものを大陸から漢字(漢語)で、明治維新以降は、欧米から西欧の言語(外来語)で取り入れてきました。世界の情勢のままに、ポルトガル語、スペイン語、蘭語、そして仏語、独語、英語と、見境なく吸収してきたのです(そのため、向こうに行ってきた人や、翻訳家、プロデューサーの立場の人が偉く扱われることになりました)。

 元より、日本人は、「話す聞く」よりも「読み書き」中心で生活し、その上に、学問、生活、芸能文化なども発達してきました。農業中心の島国であり、長老制、一子相続で家や村中心、以心伝心で察する文化の国です。人見知りをし、シャイで、見知らぬ人との音声でのコミュニケーションや自己表現を苦手とし、説得や交渉、自己主張をよしとしない文化風土だったのです。

 日本語もその性格を帯びています。息を強く吐かず、表情筋も、口、顎などをあまり動かさないで発することができます。体から大きく響かせない、明確に発音したり、語尾まで強く言い切ったりしません。

 教育においても家庭や学校でスピーチや討論も大して学ばない。敬語などの複雑なマナーなど、立場や使い方が優先され、音声表現のことまで気にかけられません。公の場での対話経験は少ないし、話し方や朗読の練習も大してしない。自分の意見を主張しない、ぺちゃくちゃしゃべらない、歯を見せたり声を出したりして笑わないなど、口に出さないことをよしとする精神文化がありました。日本において、このような音声には、文字や書面ほどに信用がなかったということもあります。

 現在でも、会話は12分以上も一方が続けて話すことはなく、相槌のなかで曖昧に進めます。以前ほどに論争や口喧嘩もなくなったこと、メールなどの発達が、さらに日本人の音声言語力の劣化を進めています。

 日本人でも、日本語より他の言語の方が、明確に意見を伝えやすい、他の言語の方が話しやすいとか歌いやすいと言う人が少なくないのです。

Q.ヴォイトレは脳トレになりますか。

A.「脳トレ」は、音読と関わっていたので、関心をもってみていました。多くは、「○○という脳トレをすると脳が活性化する。だから○○すれば脳がよくなる」というものでした。脳の活性された状態が、簡単にセンサーできるようになったため、データがたくさん出たのです。この活性化と変化、成長のもたらす効果との結びつきの証明がないのです。「○○すればα波が出やすくなる。悟りをひらいた高僧はα波が出ている」からといって、「○○すれば仕事ができるようになったり、成績が上がる」とは証明されないのです。

 脳が活性化していようがいまいが、表に効果が出ていることにしか意味はありません。

 ヴォイトレも同じ勘違いをよく起こしています。歌手のα波を測るくらいなら、客のα波動を測ることでしょう。脳トレの限界は、MRI(磁気共鳴画像法)についても同じ見解です。

2022年4月21日 (木)

Q.いろいろとたくさん読んでいるうちに、何が正しいのか混乱してきました。どう考えればよいのでしょうか。☆☆

A.このような説明と現場のトレーニングの場とは、分けて考えた方がよいと思います。私発言に関しては、現場のフォローとして述べていることが多いので、なるだけシンプルに言っています。そこだけで正誤や論議の対象にできるほどのものでないと述べてきました。

 内容に関しても、答えではなく表現の一つであり、問いの立て方のヒントとして公開しているのです。なかには、異論、反論、及び、不快に思われルもの、極端なケースでは、そのまま誤用して実害を被るケースさえあるかもしれません。

 質問で受け付けたものは、回答の限界も示しています。回答のなかには少数意見も、大多数の人がそう答えるであろう意見もあります。因果関係や科学的、実証的見地からは、疑わしいものもあります。

それらの是非について正しく判断できる人は、この分野にはいないと思います。全体を通して「基本」とか「判断」についての考え方を伝えるのが主になっていると思います。

 これだけの情報量になると、却って混乱し、正論の不在、対立、矛盾が明らかになることもあります。研究所として、そのときどきに、それらの問題の抱えるものを公開しています。

自分だけが正しいと言う前に、現状を明らかにするところからスタートするべきです。それが、この分野の今の段階です。

 これらも皆さんへの支援であることをご理解いただければと存じます。それに支えられて続けています。問題の提起であり、トレーニング現場の否定でなく、その改善のための一石となることを願っています。表現の前にある現場、現実をみて考えて欲しいと思っています。

Q.科学的なメソッドに基づくヴォイトレはありますか。

A.「科学的」については、この「ヴォイストレーナーの選び方」や論点で取り上げてきました。結論からいうと、発声の現実について、科学的な論を引用しているメソッドはあるのですが、科学的にヴォイトレの効果を証明したものはないです。

 科学的というのは、客観的な根拠が必要です。そのデータから帰結された結論、主張が、第三者によって実証されていることです。

 ですから、発声や発声法を、物理学や生理学で科学的に実証されたデータ、理論からの説明をしたものがあっては、それはヴォイトレに、その分野で実証されたものを引用したものにすぎません。

科学的なメソッドというなら、それを使ったときの効果を証明しなくてはなりません。ところが、ほとんどはトレーナーやその関係者だけがデータを出しているだけですから、それでは体験談と変わりません。ヴォイトレの効果の測定での実証というと、とても難しいことになります。

データとしてなら、私の研究所が長年に渡って研究しています。何をもって効果とするのかから始めなくてはなりません。

その前に、発声の原理の全容の解明が必要となります。その部分がヴォイトレでどうなることで改善されるのかということになります(ポリープを手術でとると、しゃがれ声でなくなるというようなものは、わかりやすい例です)。

Q.ヴォイトレに、声としての物理や、生体としての生物を学ぶ必要はありますか。

A.ヴォイストレーナーでも、そこまでは求められていないと思います。マクロコスモスとミクロコスモス、物理学を究めると、仏教の世界となり、生命に辿り着くし、生物の細胞レベルでは、物質と宇宙に関わるので同じようなことかと思います。

2022年4月20日 (水)

Q.どんな質問でもいいのですか。

A.この質問でもいいのですから、質問に遠慮はいりません。スルーさせていただくこともありますが、それも一つの答えです。私は、質問という形でよこしたところに、何らかの存在と、その存在の意味を見出したく思っています。

多くの読者や生徒、多くのトレーナーや先生方がいなければ、私一人ではこんなものは生まれなかったでしょう。そこから誰よりも学ばせていただき、心より感謝しています。

存在しているというのは、すでに理があるのです。理をつけていくことで、その存在もみえてくると思います。

 

Q.情報や知識が多すぎて、調べるほどに混乱します。どれも疑うとキリがなく、不信に陥ってしまいます。

A.情報や知識は、いつでも誰でも手に入るのですから、そんなものを調べるのに時間を使うのはムダです。ネットや本で調べて覚えることも不用です、ここでも、Wikipediaをみればわかることに関わるムダはしません。現場とトレーナーたちと、オーソドックスな考え方を元に対応しています。

Q.次のような理由で、ことばでのQ&Aに限界を感じますが、どう思われますか。 1.ヴォイトレにおいては、ことばでは伝えられないことが多い。 2.ことばのアドバイスを誤解して捉え、声をつぶしたり間違ったテクニックを覚えかねない。 3.ことばで説明することは難しいし、ことばに囚われるのはよくない。 4.当事者同士のことばは第三者には、正確には伝わらない。

A.簡潔に答えます。

1.これは、多いどころかほとんどだと思います。

2.これは悪い方向にいくということですが、情報のあることで、よい方向にいくことも、間違いを避けられることもあります。読み手の使い方しだいです。それを、どちらで捉えるかということです。

3.ことばでは難しいし、不可能に近いことも、不可能なこともあります。しかし、ことばでの説明の努力は、怠るべきでないと思います。残す=記録ということも重要です。もちろん、使い方でよしあしがあります。

4.レッスン中は、ある状況が二者間にあって、そこでは、説明やアドバイスに適切なことばが共有されたら使えます。その状況を離れたところでは、その状況がわからないので共有されにくく、ことばが一人歩きすることは避けられません。それを第三者へ公開することは、よくないということでしょう。

私は、情報については、ないよりもあった方がよいと考えています。それをどう使うのかは、無視する、捨てるを含めて、その人の自由です。情報をうまく使うことを学ぶことです。なぜなら、仕事もアートも声でさえ、情報を発するということは緊密に結びついているからです。

2022年4月19日 (火)

Q.整形と形成は、どう違うのですか。

A.一般的に、美容整形外科と呼ばれているのは、整形外科ではなく形成外科です。それは手術のときについた傷を目立ちにくくしたり、火傷の痕を消したりするようなことを担当することが多いです。

その高度な技術が応用されているのが、美容整形外科、あるいは美容外科です。

整形外科というのは、体を動かしたときの不具合に対処するところで、筋肉筋骨への症状を扱うものです。

ですから、本当は、美容整形外科は、美容形成外科と呼ぶべきです。

Q.精神科と心療内科は、どう違うのですか。

A.精神科は、心の不調がある場合、イライラ、不安、気が滅入って死にたいなどというときに行くところです。

ストレスによって、体の具合が悪くなってお腹が痛いとか頭痛がするのは、心療内科になります。どちらに行けばよいかは、そこで教えてくれるでしょう。

Q.アドリブとフェイクは、同じことですか。

A.フェイクは、ある曲の和音の上に新しいメロディを置き、装飾します。アドリブほど崩さず、下のメロディを少し加工するくらいです。かなり幅広い意味で使われています。

2022年4月18日 (月)

Q.アドリブとインプロの違いは、何ですか。

A.アドリブは演奏上の技法であって、インプロは1つの演奏形式です。つまりインプロの方が抽象的なことばで、そこで何を行うかというプレイに、アドリブを使うのです。

ジャズなどではその出来によって評価が決まるほど重要なものです。

Q.アドリブとは、即興のことですか。

A.近年、ドラマやお笑いなどで、アドリブということばが多用されてきたため、「前もって用意をせずに即座にその場のひらめきで行う」ことで使われています。これは演奏であればインプロビゼーションといいます。

Q.アドリブとは、どういう形態の演奏などでしょうか。

A.アドリブは、ラテン語のad libitumで、自由に、随時に、意のままに、ということばの省略形です。つまり即興演奏を許す表示となります。

クラッシックの場合は、メロディはそのままですが、表現を演奏者の自由に任せます。ジャズは、まさにその演奏にあたってプレーヤーが自由自在に個性を発揮するところとなります。

2022年4月17日 (日)

Q.日本では、懐メロがスタンダードナンバーにあたるのでしょうか。

A.懐メロは、NHKの番組の「懐かしのメロディ」から来たことばです。懐かしく思われるような、前に流行したような歌謡曲のことです。

この番組は、敗戦で軍歌が聞けなくなったために、戦前の懐かしいメロディを流していました。ですから、スタンダードナンバーとは、ニュアンスも指し示すものも違います。

 

Q.エバーグリーンとは、何ですか。

A.ジャズやポピュラー音楽で、長年にわたって受け継がれていく曲です。ロングセラーであり、スタンダードナンバーです。いわば、老若男女誰もが知っているナンバーといえます。

Q.こぶしは、他の国でも使われていますか。

A.アジアの音楽、アラビアの音楽にも多く見られます。その影響を受けたスペイン、トルコなどの支配下にあったギリシャなどでも民謡に出てきます。こうしたものは、定義によって表すものも変わってくるし、使い方にもよるということです。

2022年4月16日 (土)

Q.洋楽に、こぶしはありますか。

A.洋楽ではメリスマといいます。一音節の中に56の音符で装飾音をつけています。揺らすのは、速さや大きさによって変わります。

自然に心地よくついたビブラートというのも含まれます。ビブラートが乱れたものは、揺れ声といいます。

Q.邦楽のこぶしは、どういうものですか。

A.邦楽においては、こぶしといっても、分野や、流派ごとに違っています。よしあしの評価も異なります。

一般には、演歌で歌い手がつける楽譜では表せない節回しでしょう。○○節というのと、こぶしというのは違うのですが、誰々節というようなことで示すこともあります。装飾技巧ですので、使いすぎるとよくありません。

Q.こぶしとはなんですか。

A.日本の伝統音楽、謡曲、民謡などで旋律の合間に装飾的な細かな節を入れて歌い上げる技巧のことです。そこのフレーズのことを指すこともあります。

2022年4月15日 (金)

Q.日本の音楽教育で欠けているのは、何ですか。☆

A.西洋には、音楽の技術は専門学校で教え、総合大学には音楽美学のような哲学系の講座があります。日本には、鑑賞者や批評家を育てるような講座はなかったのです。生の演奏を熱心に聞いてくれる聴衆がいなければ、演奏家も育ちにくいでしょう。

Q.「蛍の光」は、日本の曲ではないと聞きました。

A.この歌は、海外の歌曲の歌詞を翻訳してメロディに当てはめました。

1888年、スコットランド民謡を翻訳して「故郷の空」にしたのを皮切りに、その後、「旅愁」「庭の千草」「埴生の宿」「蛍の光」など、日本風にした歌が教えられました。長い伝承のある自国の音楽を教えない、世界に類のない国になったのです。

Q.日本の音楽は、自分で歌うことが基本ですか。

A.日本の音楽では、ことばがないものは、あまり流行しません。長唄は初めから器楽曲をつくりませんでした。合方といわれる器楽だけの部分は、気分を変える働きをするためにあります。箏曲、地歌に、「六段の調べ」「きぬた」という器楽曲の名作があるくらいです。

 

2022年4月14日 (木)

Q.日本では残響のある楽器は、あまりなかったのですか。

A.はい、そこに仏教の鐘などが入ってきました。日本の弦楽器の音は、急に立ち上がり、急に消えます。胡弓などは明治維新以降、尺八に代わられます。胡弓は揺れがあったのです。

Q.邦楽では語尾を伸ばすのですか。

A.邦楽では語尾の母音を極端に伸ばしたり震わせるものが多いです。能楽の謡や三味線音楽の長唄、清元が、歌謡曲にも受け継がれました。田端義夫の「かえり船」など。

Q.能などの伝統芸能は、敷居が高いと思います。

A.様々な流儀や流派があります。家元という制度で、専門家以外にはわかりにくくなっています。能楽のシテ方には5つの流派があります。

2022年4月13日 (水)

Q.邦楽に、子供に伝えるための教本はありましたか。

A. 古来、日本では、芸能に限らず、あらゆるものに神が宿っていると考えられてもいました。子供のための入門曲や練習曲などは、ありませんでした。

Q.日本文化の特殊なところは、何ですか。

A.日本では江戸時代に庶民が習ったり子供のお稽古事が盛んになります。お琴、三味線、お茶、お花などは、嫁入りにもよかったようです。

寺子屋で読み書き算盤を学び、小説や物語、俳句なども親しまれていました。

Q.雅楽は、日本のものですか。

A.中国から舞楽を輸入しましたが、舞を退けて、管弦を雅楽として残したところが日本的な特色です。

2022年4月12日 (火)

Q.舶来品の方がよいと思うのです。

A.日本では、いつも、どこかから輸入されたものがよいという考え方がありました。地元のものはあまりよくないという考えです。くだってきたものがよいということからきた「くだらない」ということばは、それを表しています。

Q.歌舞伎などで、襲名は「何代」ですね。

A.演奏家は「何世」、役者は「何代」で表します。

Q.音楽の成立には、どういう人が必要なのでしょう。

A.音楽は演奏する人、聞く人、研究批評する人がいて、初めて成立します。

2022年4月11日 (月)

Q.連濁とは、何ですか。

A.日本語で手が人手(で)になったり、木が枕木(ぎ)となったりするのを連濁といいます。tkの音素が母音の間に挟まれて、dgの有声音に変化するのです。

 

Q.なぜ母音のアは、母音の体系表の下の真ん中に置いてあるのですか。

A.母音の表では、口の開きの小さい母音は上に、大きな母音は下になるように配置しています。左は舌の盛り上がる位置が前、右は後ろを表します。

母音のアについては、口の開きが大きいだけで、盛り上がる位置で区別されなければいけないのではないのです。そこで、真ん中に置いてあります。

Q.足首が固いと言われます。

A.血液中の水分やリンパ液が滞ります。老廃物が溜まってむくみ、膝関節や股関節も硬くなります。すると、歩いたときの衝撃が腰に直接きて、腰痛になったりします。

足首の曲げ伸ばしを司るのは、ふくらはぎの奥のヒラメ筋です。ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれ血液を心臓に戻すポンプです。仰向けになって手足を上にして振る運動をするとよいでしょう。

2022年4月10日 (日)

Q.日常で上下の歯をつけたままにしていると、よくないのですか。

A.頭から首や肩にかけての筋肉に負担がかかります。知覚過敏や顎関節症、耳鳴り、偏頭痛、肩こり腰痛などが出てきます。唇を閉じて奥歯を離しましょう。舌は上顎につけ、顔の脱力をしておくことです。

Q.炭酸水はあまりたくさん飲めないですが、おすすめですか。

A.水分の吸収が早いです。二酸化炭素が体内に取り入れ込まれると血中の二酸化炭素濃度が高くなります。体は酸素濃度をあげようとして血管を広げて血流量を増やそうとするので、血行がよくなり水分の吸収が早まります。

また体内に蓄積する疲労物質の乳酸を分解します。乳酸を炭酸水に含まれる重炭酸イオンが分解して体外に排出するのです。

Q.何で水分補給すればよいですか。

A.水分補給にお勧めするのは、水、白湯、麦茶、そば茶、ハーブティー、炭酸水など、無糖のもの、カフェインが入っていないものです。

2022年4月 9日 (土)

Q.お酒で水分補給できますか。

A.アルコールも利尿作用があるので水分補給には不適切です。ビールは1リッター飲むと1.1 ℓの水分が失われます。飲んだお酒の量と同じ以上の水を飲むとよいでしょう。

Q.経口補水液やスポーツドリンクを飲むようにしています。

A.それらは塩分や糖分が含まれているので、脱水状態やスポーツした後にはよいです。しかし、日常生活で飲むと肥満や高血糖の原因となります。

Q.水は、いつ飲めばよいのですか。

A.食事前の水は、胃酸を薄め、消化に負担をかけることもあります。食事中に水を飲みすぎるのも唾液の分泌や咀嚼を妨げることになりかねません。

水を飲むのは朝、起きたとき、寝る前30分、食事の前30分、そして入浴時がお勧めです。

2022年4月 8日 (金)

Q.硬水のよくない点は何ですか。

A.日本人は硬水に慣れていないので、下痢や肌荒れになることもあります。腎臓に疾患がある人が摂りすぎると、カルシウム過多となって尿路結石ができやすくなります。

Q.水は、硬水の方がよいのですか。

A.硬度の高い水、つまりカルシウムとマグネシウムを多く含む水を硬水といい、その含有量が低い水を軟水といいます。

硬水を飲んでいると脳卒中や心臓病になりにくいというデータもあります。また便秘を解消する効果もありダイエットにも効きます。

 

Q.水分は、摂りすぎないほうがよいのですか。

A.急に大量でなく、こまめに摂ってください。喉が渇いたと思う前に補給するのをお勧めします。

水分不足を感じると、水分をため込むので体がむくみます。便秘にもなりやすくなり、腰痛や肩こりなど、いろんな症状が出ます。倦怠感、めまい、頭痛、手足の冷えなどもです。

2022年4月 7日 (木)

Q.水を飲みすぎると危険と言われますが、どのくらいですか。

A.低ナトリウム血症になる危険性があり、水中毒とも言われます。体内の塩分濃度が薄くなることでひき起こされます。1時間に1 ℓ以内くらいであれば、腎臓は排出できるので危ないことはありません。

Q.生活習慣を変えられますか。

A.生活習慣は、何であれ、何かを続けているうちに、よくも悪くも変わっていきます。

 

Q.人の体は、どのくらいで変わるのですか。

A.人の細胞の入れ替わりは、部位によって違います。胃腸は約5日、心臓は20日、皮膚は28日、筋肉は60日、骨は90日くらいだそうです。

2022年4月 6日 (水)

Q.体内の水分の出入りと危険の量を知りたいです。

A.身体からの排出は、大まかにですが、尿で1.5ℓ、便で0.1ℓ、汗で0.6ℓ、呼気で0.3ℓ、合計で2.5ℓとなります。

それに対し、取り込むのは、飲むのに1.2ℓ、食べ物で1ℓ、これは分解されて、さらに0.3ℓですから合計で2.5ℓです。

その20%を失うと、命が危ないのです。50キロの人なら30キロが水分、その20%は6キロです。つまり、2日半、水を摂らないと2.5ℓ×2.56.25ℓですから、もう危ないのです。

Q.体の水分不足は、何によくないのですか。

A.水分が奪われると、血が濃くなり水を欲します。血液は、PH7.3545です。胃酸はPH2の強い酸性で、食べ物を分解します。その後、十二指腸で、アルカリ性の胆汁や膵液で中和され、小腸へ送られるのです。

身体が酸性に傾くと、骨からカルシウムが体内に溶け出します。カルシウムで体を弱アルカリ性に保つためですが、そのままでは骨は弱ってしまいます。

Q.運動すると、呼吸が荒くなる、喉が渇くのはなぜですか。

A.肺から気化した水蒸気を息を吐いて外に出します。そのとき、熱を奪うのですから、水分を失うことになります。

2022年4月 5日 (火)

Q.姿勢と水分は、関係ありますか。

A.水分の不足で血流が悪くなり、筋肉は固まります。

わき腹を押すと腸腰筋の刺激になり、お腹の支えを感じられるでしょう(猫背を反る)。

膝をまげて前屈(反り腰を前屈する)して、脚の付け根(骨盤横のでっぱりから腿へ)を押すと、腸腰筋からお腹を緩めることができます。

Q.母乳は、育児とどう関わりますか。

A.本能に対して、知能は、状況に応じて判断するためのデータがいります。そのためには、誰かに教わる必要があります。そこで、子育てが求められるのです。

人は、母乳で育てるために教える時間がとれるのです。それを遊びとまねで覚えさせていくのです。

Q.呼吸の変化と人の出産について、知りたいです。

A.人独自の呼吸コントロールの複雑化は、脳の発達を促しました。二足歩行により、人の骨盤の形が変わり、産道が狭くなり、難産になりました。それゆえ、人は、未熟で小さいまま生むことになったのです。

2022年4月 4日 (月)

Q.日本の会議は、議して決めずなのですか。

A.「始めさせていただきます」と始めるのが、すでに、本人の責任抜きの自己防御のためです。空気を読み、忖度しているのです。

Q.役人みたいな受け答えとは、どんなものですか。

A.官庁文体のように、責任をとらなくてすむ文言を使うものです。

意図的にぼかして自由に解釈でき、意味を勝手に決められるようにしておくのです。

Q.スピーチの準備について教えてください。

A.状況の把握、相手の状態の理解、

どういう行動をするべきなのか、

結論までの道筋、話す順番、組み立て、

意思決定の伴う覚悟と責任などについて、しっかりと考えておくことです。

2022年4月 3日 (日)

Q.スピーチの内容で、よくないのはどういうものですか。

A.意見と事実の区別をはっきりとさせていないものです。意見は自分の自由、事実は自分だけのものとはいかないです。

Q.よいスピーチとは、どんなものですか。

A.聴衆に気づかせ、信じさせ、当事者意識をもたせ、行動の準備に向かわせることが目的です。よいスピーチは、聞く人がとるべき考えや行動をわかり、聞いた後に、そう変わるものです。

Q.スピーチのために気をつけることは、何ですか。

A.スピーチでは、私、相手、その関係をしっかりと捉えておくことです。その上で、保護、実現したい目標、戦略、手段、メンバーと役割、問題とコストとリスク、スケジュール期限を示します。

2022年4月 2日 (土)

Q.一流のスピーチとは、どんなものですか。

A.事前に言うことを決めておいて、そのまま言うのではなく、即興の神がかり的なものでしょう。スピーチの後で、言うことがこうなのだとわかるようなものが、すごいスピーチです。結果として、今、言うべきことを、しっかりと適量で適切なことばで述べられているものです。

Q.音によって、語感が変わるのですね。

A.たとえば「~から」は口蓋音の「か」、「~ので」は鼻音の「の」が使われているので、固いイメージと柔らかいイメージ、公式っぽいのと私的なもの、つまり、心理的な距離の違いになります。

Q.オノマトペに音が多いのは、なぜですか。

A.自然音や物理的な音と破裂音、摩擦音、共鳴音が結びつくのは、しぜんなことです。特に、日本語では、たくさんの音と意味が結びついて語ができています。

2022年4月 1日 (金)

Q.英語にも、語感のようにスペルと意味のつながりがあるものはありますか。

A.flは動く光、glは動かない光、slは湿っていてすべる、krはうるさい音の語頭につく子音で、オノマトペのような語感をもちます。

Q.日本語にオノマトペが多い理由は、何ですか。

A.擬音語が多いのは、音を聞いて視ることが多いからでしょう。

擬態語は、みえ方や心理状態、動作ですので、他言語に訳しにくいのです。英語では、オノマトペを使うと子供っぽくなりやすいので副詞や動詞にしてしまうことが多いようです。

Q.日本では、論争が盛んではないですね。

A.日本の国会などでの論戦は、「読み上げるだけ」の質問に答弁です。教育の現場で、学校の授業や大学の講義も、先生がノートを読み上げるスタイルが長らく主だったのです。

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