Q.個人的な経験の評価の絶対性について、どう考えられますか。
A.「自分が体験してよくなった(悪くなった)のだから、それは、間違いない」というのも、大半は誤解です。何かを行って何かの結果を得ると、人は原因-結果と因果関係に捉えてしまいますが、必ずしもそうではないのです。もっとずっと前にやったことが効いてきたのかもしれないし、とのとき、よくなったという結果の判断が、長い眼で見ると、逆だったいうこともあります。
何よりも「○○ができた」は「でも○○はできなくなった」が隠れていることが、ほとんどなのです。「○○のやり方で高い声に届いた。けれど、今まで出していたしっかりした声が薄まった」など。よくなったようでも、そのために別の可能性が狭まったということもあるのです。評価をどう扱うかが、もっとも難しいことです。
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