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ヴォイトレレッスンの日々

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2022年5月

2022年5月31日 (火)

Q.横隔膜の下、つまり、腹に入っているのは何ですか。☆

A.腹とは、胃というなら、食べたものや胃液です。腹腔でしたら、胃の他に小腸、大腸、肝臓、膵臓、脾臓、胆嚢、膀胱、生殖器などの臓器です。

Q.腰痛の防止方法を具体的に教えてください。☆

A.腹筋や背筋を鍛えても腰痛になります。腰痛を防げるわけではありません。腰痛になって、筋肉が固まってからの筋トレは危険でもあります。水泳も、体を冷やします。心地よく歩くことがよいのです。森林浴がお勧めです。

Q.腰痛の原因は何でしょう。☆

A.重い頭は、直立でないと負担が部分的にきます。それを足の裏だけで立つ、そのために腰はかなりの複雑な動きをもって動くようになっている。ゆえに、人間のみに腰痛がおきます。強く支えつつ、いつも、いろんな方向へ動いて衝撃を吸収しているのです。

 強い支えだけなら肋骨ですべて固定すればよいようなものですが、そうなっていないのは、腰をひねる、というか、腹と股関節をひねるということですが、ためです。

2022年5月30日 (月)

Q.ふくらはぎがむくみがちなのは、よくないのですか。☆

A.ふくらはぎの大半は下腿三頭筋です。腓腹筋とヒラメ筋の総称です。ここは第二の心臓と言われ血液を上へ押し上げています。また、足先に続く長母趾屈筋と長趾屈筋は、立つとき、バランスをとるのに欠かせません。

Q.肩甲骨がずれていると言われました。☆

A.猫背になると肩甲骨は外側に引っ張られ、なで肩になります。胸部の大胸筋や小胸筋も固くなります。いつも動かしていると、大体は治ります。

Q.インナーマッスルと姿勢との関係は、どうなのでしょうか。☆

A.とても深い関係があります。上に横隔膜下に骨盤底筋群、周りに腹横筋、多裂筋(腹部)に囲まれたところに内臓があるのです。それによって姿勢も保たれています。

2022年5月29日 (日)

Q.前屈ができないほど体が固いです。☆

A.立って前屈して、両手を床につけられる人は、股関節、腰椎がスムーズに曲っています。できない人は、腰椎や仙腸関節に負荷がかかって曲げられないことが多いのです。背骨や腰の筋肉が固いように思われますが、股関節の柔軟性が大きいのです。どんな運動でも続けたら改善します。

 ちなみに、腰をひねる動作のほとんどは股関節が担っており、腰椎は左右5度くらいしか回らないものです。

Q.骨盤が歪んでいると言われました。☆

A.医学的には、仙腸関節のねじれなどになるかもしれませんが、姿勢などで歪んでいると、使われるときは、前が下がったり、後が下がったり、左右どちらかが下がる(つまり、その逆が上がる)という傾きのことを指します。姿勢によっても傾きます。この場合は、股関節など、周りの筋肉の問題で、傾きが固定してしまい、歪んだことを示しています。

Q.心技体、ヴォイトレではどれが中心ですか。

A.狭義には、どんなトレーニングも技の習得のメニュを組んでいます。それを心と体が支えています。体の強化、量が質になったところからが技です。それを支えるのが心です。

 一流になると心が全てです。相手が誰であっても、自分の力が100%出れば、よい結果が保証されているからです。アスリートでなくアーティストとしてなら、もう一つ、身口意というのを知ってください。体言葉、心のことです。私は、言葉より口=声として捉えていますが、言霊、マントラ(真言)も、さして区別の必要はないと思います。イメージだけでなく口に出してみることが大切です。

2022年5月28日 (土)

Q.体のイメージの捉え方をアドバイスしてください。☆

A.生物としてみると、人も円柱で真ん中に穴が通っている。上から、口から食道、胃腸、肛門の管のことです。そのイメージで、声を出すという教えもあります。自分の体を樽やドラム缶のようにイメージするのです。オペラ歌手といえば、太っているというのがステレオタイプでした。体を風船のようにしてというのは、上半身を一つにというイメージですね。これは、肋骨で囲んだ円柱のなかに肺がある、というイメージです。重力に抵抗して立つことを支えるのは骨格です。これが骸骨です。そこに筋肉がついて、円柱となるのです。竹組みに紙を貼った提灯をイメージしてください。

Q.もう限界で力が出ないというときは、どうしますか。

A.脳も体も肺も、全ては使われていないのです。限界というのに、自分の決めたイメージです。これまでの経験で何となくこのあたりと決めてしまった、少ない回数や、かなり以前のことで定めたものかもしれません。動物的、野生の勘、気配などと通じるかもしれません。

 それに対し、火事場のバカ力を取り出すことです。

Q.姿勢のバランスをとる方法を教えてください。☆

A.荷物の重さを左右均等にします。あるいは交互に持ちます。リュックサックがよいと言われていますが、前後バランスにはよくないです。後より前でもつのがよいです。靴はスニーカーがお勧めです。靴底のすり減り方でチェックしましょう。

 研究所には「姿勢椅子」があります。前かがみ、中腰で、重い荷物を持つのはハイリスクです。

 

2022年5月27日 (金)

Q.正しい前屈姿勢を教えてください。☆☆

A.重量挙げのときの姿勢を参考にしてください。デットリフト、「死の挙上」と訳せばよいのでしょうか。これでアスリートは、ハムストリングス、大殿筋、脊柱起立筋をメインに、僧帽筋、広背筋まで鍛えています。体操やバレエの前屈も参考になります。背骨、首、頭が一直線上に地面、床と上半身が並行になる、つまり、足―腰―頭で直角を作るということです。

 頭が下がると血が下がりますから下げないこと。両手はだらりと下げてください。足は少し開きます。

Q.着物を着たときのピンとした姿勢は、よいのですか。☆☆

A.骨盤が真っ直ぐ、背筋真っ直ぐ、一見、正しそうですが、腰椎の前弯がなく、脊椎がストレートになり、仙骨の前傾もないのは、よくありません。つまり、S字カーブがないのです。壁に背をつけてみると、仙骨と肩がついて、後頭部がつきません。フラットバックといいます。これは、大腰筋、ハムストリングスを鍛えましょう。

Q.よくない姿勢とは、例えばどんなものですか。☆☆

A.疲れたら、姿勢は、顎が出て膝が曲がります。「明日のジョー」の両手だらりの戦法「打倒、力石へのスウェイバック」で、不良姿勢ということですね。このとき、壁に背をつけると、頭とお尻がつきません。骨盤は後傾しています。ガニ股になる人にも多いです。

2022年5月26日 (木)

Q.どうしても座ると猫背になるのですが。☆☆

A.骨盤を前傾にしておくには、胸をあげて顎を引く意識と脊柱起立筋を保つことができなくては、難しいのです。普通に座ると膝が曲がって、そのハムストリングスは、坐骨と脛骨や腓骨についています。そこで、坐骨が前に出ると骨盤が後傾します。崩れた姿勢になり、そこで首を前に出すと猫背となります。足を開いて、またがるように座るとよいでしょう。

 

Q.椅子とあぐらと正座は、どれがよい姿勢になりますか。☆☆

A.椅子の背もたれに腰、背中が付いて、真っ直ぐに座るなら、椅子がよいでしょう。正座は、脊柱起立筋に緊張をかけませんから、同じくらいによいです。前屈み、横座り、あぐらは、負担が大きくなります。

Q.体の状態をつかむことばを教えてください。☆

A.頭が高い

愁眉をひらく (柳)眉を逆立てる

頬が緩む

顔向けできない 汗顔の至り

手に汗握る

引け目 弱り目 落ち目 祟り目

首が回らない

肩をいからせる 肩肘張る 肩身が狭い

胸が詰まる

息がつまる 息苦しい 息を殺す 息抜き

息が合う 腹立つ 腹を据えかねる 腹を割る

背筋を正す

腰が引ける 逃げ腰 および腰 腰を据える 腰を入れる

腰が低い 粘り腰 二枚腰 腰が重い

2022年5月25日 (水)

Q.発声では、声の他にどこをみますか。☆

A.呼吸、筋反応、歩行、姿勢、表情(特に眼)対人折衝能力などでしょうか。

Q.鬱になりやすい姿勢はありますか。☆

A.鬱に向くのは、うつむく姿勢です。肩を内に入れ胸を狭め、前かがみの猫背、下を向くか目を閉じます。

Q.鬱と姿勢と声は関係ありますか。

A.はい。うつむいた姿勢でいると落ち込み、鬱になりやすいと言われています。暗く籠った声になります。

 

2022年5月24日 (火)

Q.筋肉を緩める方法を知りたいです。☆

A.ヨーガ、気功、ストレッチ、自律訓練、野口体操、野口整体、西野式呼吸法、西式呼吸法、アレクサンダーテクニック、フェルデンクライスメソッド、ゆる体操など、他にもたくさんの心身技法があります。体操、武道やスポーツにもたくさんあります。

Q.腰の筋肉をほぐすには。☆

A.腰の筋肉をつまむつもりで、背骨のところの筋肉に触ってみましょう。

 そこで上体を前屈したり、反らしてみます。前者で緊張し、後者で緩むのがわかりますね。ときおり、背を反らしてほぐしておくことです。

Q.なぜ、ストレッチでリラックスできるのですか。☆

A.筋肉を緩めたいときに、緩めた感じを受け入れるのは難しいが、緊張させた感じにはすぐできます。そこで先に、それを行ってからの方が、やりやすくわかりやすいからです。ストレッチで筋弛緩になるのがリラックスといえるのかは、私は別問題と思うのです。ただ、例えば、肩をリラックスさせるには、肩を上げて緊張させてから下した方が早いのは確かです。

2022年5月23日 (月)

Q.気をつけの姿勢は、だめなのですか。☆☆

A.骨盤が前傾して、反り腰もよくありません。腰(椎)が反っているので肩が前に出ます。内股の人が多いですが、前のめりになりやすいです。顎が出て頭部が後ろにいきます。腹が出たり、妊娠しているときやハイヒールを履くときにこうなります。

Q.気をつけは、よい姿勢なのですか。

A.背筋が伸びているのはよいのですが、背中の筋肉だけをピンと張る、気をつけ、では、反り腰気味になりますので、発声ではよくありません。腰痛にもなりやすいです。

Q.日本人の姿勢は、どう違っていたのですか。☆

A.日本人は、腰を落とし膝を曲げて踏ん張って生活してきました。農耕生活がベースです。私は、ドジョウ掬いなどを思い出します。バスケットボールの基本練習で似たメニュがあります。重心を落とすのです。ただし、骨盤はまっすぐ、上半身もまっすぐでした。着物で畳に床座、帯で下腹部を前に張ったとき腰骨で引き締めることができます。それは、張らないと帯がずれてしまうので、腹を膨らませてキープするわけです。腰を入れる、膝を伸ばさないのは、素早い動きのためで、骨盤は後傾しています。リヤカーを引く、神輿を担ぐなどの動きです。不安定な足場でふらつかないためです。

2022年5月22日 (日)

Q.「上虚下実にしろ」とは。☆

A.下腹に落ち着け、上腹は力が入っていないこと。ときに下腹で力む、つまり、腹づくり、腹を練る、丹田を練る、などの意味をもちます。

Q.楽な姿勢がよいのですか。

A.楽な姿勢というのは、大体において、悪い姿勢です。外見が悪いなら、よくないのです。よい姿勢のときは、長くそのままでいられます。悪い姿勢は、どんどん悪く、だらけていきます。体幹を使っていません。そこで見分けてください。

Q.心を落ち着かせる姿勢とは。☆

A.爪先立ちして、このとき、背が反らないように注意します。そして、トンと踵をおろす。重心もおとせます。電車で揺られても崩れない安定した姿勢は、楽でバランスのよい、長く保てるものです。

 

2022年5月21日 (土)

Q.なぜ、フォームづくりが大切なのですか。☆

A.偏りや崩れを防ぐための型なのです。矯正というのは、誰しも窮屈に感じるものです。しかし、そこから、無念無想、しぜんに動けるように身につくのです。

 型は、自由にすると偏り崩れるのを正します。つまり、しぜんに任せ、くり返すとついてしまう悪い癖、崩れ、偏りを防ぐのがレッスンなので、型として、メニュを使うわけです。☆

 

Q.姿勢とは何ですか。

A.「姿勢とは、私がこの世界に存在し、世界に触れている、その形である」と竹内敏晴氏が言っています。

Q.一瞬で、緊張状態を緩和させるには。

A.フッと強く息を吹く、それで心も体も変えることができます。ため息の効用です。

2022年5月20日 (金)

Q.すべての力を抜けばよいのですか。

A.虚脱状態では、体の重さを支え切れず、倒れるしかなくなります。支えましょう。

Q.声について述べられたものに関心はないのですか。

A.読むよりも、話したり伝えることの仕事なので、できるだけ、すべてに目を通していますが、優先はしていません。とはいえ、自分で完成させてしまい、同じところをくるくる回らないように、自分と相手のために誰よりも語り、答え、残してきました。

 記したものは分析となり、報告となり、歴史となります。一方、仕事はリアルな直感、創造、即興での対応を問われます。

 こうして述べるときは、いろんな脚色もできます。しかし、声というリアルな空気中での波動のキャッチボールは、まさに身体的接触なのです。その感覚を文章にはできなせん。歌を聞いたことのない人に、いくら文章で伝えようとしても、伝わりません。述べられたものは、あくまで余技で、参考で、補充です。

 

Q.なぜ、他のヴォイトレと違うのですか。★

A.その一つは、会ってきた人があまりに多く、タイプも多様だったことによります。Q&Aでも、他では20くらいのものが、ここのは一万個以上、公開してきたわけです。

 他のヴォイストレーニングは、せりふや歌をみます。私は声をみます。声の理論やメニュもたくさん知っていますが、それよりも、その人を動かしているものや、その人のなろうとしているものをみます。

 ですから、そこがはっきりしていない人は、訳がわからないと思うか、一緒にはっきりさせていこうとするかに分かれます。トレーニングというなら、その人が今どこにいてどうするのかでなく、ずっと先にどうなるかです。

そういうことで老若男女、キャリアを問うてはいません。また、声を仕事とする専門家以外の声についても、広汎に興味があり、研究してきました。歌や劇のように形づくられたものから声をみるのでなく、声からの生成、プロセスまで遡ってみています。

2022年5月19日 (木)

Q.「Q&A」を読むと、どんどん迷ってくるのですが。☆☆

A.○か×かを知りたい人が読んで迷うなら、それは私の願うところです。つまり、答えを求めにきた人は、考えだしたから迷うのです。問えるようになったわけで、一つ深まったのです。未熟な人は、すぐに白黒を求め、誰かそれを言ってくれる人を探し、その答えに安心します。しかし、声のようなものは実にリアルなものです。それを知ったからといって、あなたの声も何ら変わらないからその先もありません。私も、こうして述べていくにつれ問いが深まっていき、結局、問いのつくり方を述べるしかなくなりました。つまり、私の能力は、あなたに答えられるのでなく、あなたにより深く問えることなのです。

Q.先輩のアドバイスで混乱しています。☆☆

A.技をことばにできるのは熟練者だけといわれます。なまじ中段階では、ことばにすることで上達を妨害してしまうことが多いようです。

「規矩作法守りつくして破るとも離るるとても本(もと)を忘るるな」(利休、道歌)

「心はそれ自身を組織化することによって、世界を組織化する」(ピアジュ)

 

Q.「教えない」、「直さない」と言って、人が来るものですか。

A.全面的に依存する人は少なくなるかもしれません。そういう人は、どこかで全依存できたら少しはよくなるかもしれませんが、その先には行けません。そこで気づけば、いらしてもよいと思っています。

 だからこそ、ライフスタイルから心身まで、徹底して変えようという必要を感じている人は、単に教えられたり直されても、大して変わらないことを感じて、ゼロからやるつもりでいらっしゃいます。今の状況を表面で捉えるか、根本から捉えるかは、その後のプロセスも全く違うものになると思います。

 

2022年5月18日 (水)

Q.あまりアドバイスをしてくれないトレーナーはだめなのでしょうか。☆☆

A.トレーナーさえも消えているのが理想のレッスンです。なら、一人でやればよいのでしょうか。いえ、トレーナーが場を作っているからこそ、声が導き出されるのです。

 トレーナーが教えないどころか、そこにいないとなると、スクールに通うような人からは、この時代、非難ごうごうでしょう。レッスン時間が1分、2分、短いとか、一回のレッスンがいくらだとか、考えるところが全く違う時代となりました。そのあたりの取り組みを変えないと、とてももったいないと思うのです。

 

Q.芸事に、アカウンタビリティ、説明責任は必要ですか。

A.多くの場合は、責任逃れ、つまり、説明した上で合意した上で、なのだから責任はとらない、賠償はしないということに使われているのです。大事に無事にという願望に対して保証をしているのではありません。芸事はコンプライアンスとして、説明できるものでない。目標、目的がなくても何となく当てがあるのでよいともいえるのです。

Q.騙されたくないのですが。☆☆

A.信じるのは、騙されるということです。唯一絶対と言うなら、他をすべて知った上で、しっかりと判断すべきことですが、すべてを知ることはできません。他の人に聞いたところで同じでしょう。

 信頼できる人=信じられる人=騙す人、何でもありです。健康食品、サプリ、投資、すべて同じです。騙されるのは自分です。自分を騙しているのなら、信じているのだから、どちらがよいとか悪いではないのです。自分で考えることです。

 でも、考えてわかることでないし、人に聞いてその通りにするのは、信じることで騙されていることです。騙されてだめでなく、騙されて騙されて、身につけばよいのです。歌手も役者も声優も、アーティストは皆、フィクションや虚構をリアルに感じさせて騙す仕事なのですよ。

2022年5月17日 (火)

Q.苦手な人への対処法はありますか。

A.媚びたり無視するのでなく、なびかず、白けさせてわからせるとか、間を持たせない、間を外す、など、いろいろとあります。

Q.レッスンでのことばが、わかりにくいです。

A.レッスンのなかでのことばゆえに、わかりにくいものもあるのですが、わかりやすい言葉にして空回り、テキストのメニュの音読のようなものになりかねません。二者の間で声やことばが変じるのです。そこにレッスンの活きた何か(ことばだけでなく表現や所作も含まれる)が生じるのです。そこを記録し、少しでも伝えられたら、と思うのです。

Q.どこでやっていくと、学び上手でなく世の中に通じるようになりますか。☆☆

A.シンプルには、厳しいレッスンのあるところでやっていくことです。自分に合ったところ、合うトレーナー、合うやり方というのを望む人が多いのですが、やれていないのなら、自分に合うことよりも、世の中に通じることの方が優先ではないでしょうか。今、世の中に通じていない、よほどのことをしないと通じないとするなら、自分に合わない方を選ぶ方が大きな可能性があるとさえいえます。そこまで掘り下げて、ゼロからもう一度やり直すだけの努力のできる人は少ないものです。尚、厳しいとは、ヴォイトレでいうと、指導が厳しいのでなく、声や音に厳しい、精度が緻密ということですから、間違えないように。

2022年5月16日 (月)

Q.くり返しのトレーニングで力がつきますか。☆☆

A.慣れていくこと、身につけていくこと、マンネリになることは、トレーニングの中心での進歩です。これをくり返しつつ、同じレベルでなく、レベルをアップさせていくのが大切です。ですから、同じことを新たな視点でみせたり、違うことを新しく与えていく発想力、想像力が必要なのです。トレーナーは、それを必要に応じて気づかせるべき存在です。

Q.どんなメニュや、どんな方法がよいでしょうか。

A.どんな方法やメニュもどれがよくて、どれがダメということはありません。短期的にみて、片方は少しよくなり、もう一方は少し悪くなるのを、よいもの正しいものと、悪いもの、間違ったものに思っているのです。本当は、どちらにもメリット、デメリットがあります。

 こちらは、このメリットがあるが、一方で、このデメリットがある。もう一つの方は、このデメリットはあるが、このメリットがあるというものです。メリットだけのメニュや方法はありえないのです。

 両方のメリットを活かせる人が有能であり、本当のトレーニングはそうなるように力をつけていくのです。それにはまず、頭の中だけの、机上での正誤の論議はやめるべきでしょう。

Q.早くうまくしてあげるというトレーニングは、本当にあるのですか。☆☆

A.早く少々できるようになることは過大に、長くかかってすごくできることは過小に評価されるものです。だからこそ、自分のトレーナーとして適任者をうまく選ばなくてはならないと思います。

2022年5月15日 (日)

Q.すべての人におすすめの方法はありますか。

A.万人に当てはまるトレーニング方法などありません。自分に合ったものをみつけましょう。トレーナーは、その手伝いをしていくのであり、当てはまらないものを無理に当てはめるものではありません。

Q.理想的なトレーニングで、留意することはありますか。

A.1.あるがまま、何も行われていないことでよしとする。

2.判断、比較、非難、評価もない、決断もしないものとする。

3.自ら悟るようによくなるものとする。

欠点の補充と成長は違います。   

ステージの次元をあげ、至高体験からのアプローチするのが理想です。

最善状態で自らが完全に機能することを目指します。

自ずから生じる自発性によってのみ満ち足りたものとなります。

二分化は、統合を妨げるものです。それを伴わせましょう。

Q.どうすれば変われますか。

A.変わるには手順があります。

1.すべての状況は、自分がつくり出していることを自覚する。

2.とはいえ、それも元々は、他のことからつくり出されていることも多いと知る。

3.ここに留まりたい、このままが楽でいられる、というところから思い切って、これまでを断ち切ります。

4.臨場感、気、生命、太陽エネルギー、DNAと食など、別のものを利用し、場の力で、書き換える。

 ただ、この意図的な手順をふまえないのが、本来は望ましいかもしれません。意図せずしぜんと行われるのがもっともよいということです。

2022年5月14日 (土)

Q.ヴォイトレのサービスのよし悪しの判断がつかないのですが。★

A.例えば、日本の医療に、高級なサービスというのはないです。サービスとは、技術そのものでないのです。病院では、お金によって個室に入れるサービスはありますが、治療の時間や手術内容は変わりません。タクシーと同じで、技術料は、均一です。

サービスとは周辺のことなのです。ですから、サービスの利用の仕方をよく知らないことからの不満が多いのです。

名医への一方的な依存では、受け身すぎるようですが、技術は、一般の人にはわかりません。私としては、技術的にはトレーナーを信頼して、コミュニケーションを密にすることが本当に必要なサービスをよくすることと思います。

Q.皆に、共通の上達する方法はないのですか。

A.話なら話すこと、歌なら歌うことでしょう。そのなかで本人が、使ってうまくいったと思う方法があるとしたら、それを使えばよいのです。しかし、それが上達を制限してしまうこともあるのです。方法とは、常にその人の方法であり、その人の方法でしかありえないと思います。

 だから、誰かの方法を他の人が使えないわけではないですが、使うとしたら、その人の影響下におかれるのです。方法でなく、そこにある独自の工夫、創造に学ぶべきものなのです。

Q.科学といえるポイントは、何でしょうか。☆

A.科学とは、比較で共通性を見つけること、そして分類することです。ですから、DNAの解読、その他は、紛れもなく科学の結果として、偉大なる成果です。でも、人とサルの区別なら、見た目の方がわかりやすいのではないでしょうか。

2022年5月13日 (金)

Q.声楽は、科学的発声法に基づくのでありませんか。☆☆☆

声楽が、発声や歌唱の正解のように普及したのは、いろんな理由があります。特に日本では、欧化政策の影響と欧米文化への憧れが大きかったということがあるでしょう。

 他の分野に比べ、クラシック音楽はオーケストラをはじめ、見事にプログラム化が成されていたからに他なりません。高度に声を扱えるレベルのスターが複数いて、レコードやラジオなどで世界的に普及したたことも大きいと思います。

 オペラ、オーケストラの規模は、一見、同一性を目指しているようで、実際は、もっと多様なもの、人、技に支えられています。問われるのは、数、量、均質な全体でなく、個性のある人、個の技の調和なのです。

 とはいえ、その結果、観る者(客)と、観られるものを厳密に分け、主体―客体を持ち込みました。それゆえ、コンクールなどを含め、同じ演目のくり返しの演奏、継承のために、統一した基準ができてきました。そして、演目の上達のためのプログラム化、教材化もなされたし、できたのです。

 

同じメーカーのつくった同じ楽器で、同じ曲を合わせていく。すると、うまい、下手が明確に基準化され、オーディション、コンクールの基準ができます。それを補う方法や教材、教育プログラムも研究されます。

 世界中の歌手、歴史的にもすぐれた歌手と比較できるのは、クラシックの強さです。他の歌、民族音楽では、ある地域である時期にできても、クラシックほど広汎にサンプルや基準をとれません。

 科学は、物理学や生理学的に、発声について詳しく説明しようとしていますが、あくまで、発声モデルの解説なのです。トレーニングによる変化などについては、解明されていません。

ヴォイトレは、発声法として扱われてきましたが、歌手には、必要悪でした。声の仕組みや原理にこだわることで正すのでなく、歌の聞き方とイメージで感覚的にとり入れて、一方で自らの体でもっともよい使い方を学んでいくようにしてください。

Q.誰にでも通用する、科学的な上達法というのは信用できますか。☆

A.人は、生きもので、個別に違い、特殊です。それは、ハイレベルで問うほど、もはや同じことは一つとないものとなります。元より、原点から違う、だからこそ、そこに価値の差はなく一人ひとり尊いのです。

 それを科学のように普遍化し、単純化するのは、乱暴で雑なことです。そういうのは、「人は皆、人だから同じだ」ということでの捉え方です。そこから、真に有効な具体策は何も出てきません。

 ただ、初めの一歩のセッティングとして、無理に同化できなくはありません。これは会社員に、スーツを買って着こなし、同じように仕事を覚えて、というマニュアルレベルでの話です。どの分野も一人ひとり違うのです。

 まして、芸ごとでは、同じことでなく違うことが売りとなるのです。同じことを売り物としていると衰退していくものです。ただ同じことから入るのは、おかしなことではありません。

 

 

Q.質を高めるのに、科学的手法を使いたいと思いますが。☆☆

A.わかりにくいかと思いますが、科学は、質を使うのでなく、量で考えるものです。ですから、数式などでクリアにできるのです。文明は便利なものを産み出し、増やして普及させます。それを数えて多い方をより豊かとみるのは、そういう見方です。

 しかし、人間の一人ひとりは、それぞれに違います。ウエスト85センチ以上の男性はメタボ、その数値が減れば健康ということは、自分自身の実際の健康とどのくらい関係あるのでしょう。個の質の差でなく、多いから同質とみなす、あるいは、分析したものを分類して、グループ化する、つまり、そこで質は扱われていないからこそ、パソコンで処理できるのです。コメだけたくさん食べるより、多品目のおかずを少しずつ食べる方が豊かですよね。個として考えることです。

2022年5月12日 (木)

Q.独自の発声理論は信用できますか。☆☆

A.仮説なのか実証したのかによります。声に関することですから、本人だけでなく、同じことを行った相手がどうなったかということです。治療はともかく、トレーニングなら、5年、10年、20年と、その先を、その人の人生で得たもの、成し遂げたものをみていかなくてはわかりません。何をもって効果、信用というのかでも違うでしょう。健康食品や漢方薬、整体のようなもの、人によって相性によって、不向きがあると思ってください。

 

Q.安易にすぐに効果を上げるやり方をどう思いますか。

A.まさにドラック、脱法ハーブに近いのです。それで改善されたところで、それに頼るところで、もう終わっていると思うべきでしょう。

 毒にならないとしても、メンタル的に変わっただけで、そのままでは自身の実力とかキャリアとしては不毛です。本当は、最初から頼らない方がよいでしょう。でも、やってみてわかるのならよいと思います。くじや占いも、勇気づけられ、実力になるという人もいます。

Q.レッスンで先生から何でも学びたい。☆

A.どんなレッスンでも何かは学べます。何でも学んでみたらどうなるかを考えるとよいでしょう。よくないのは、レッスンそのものの知識、メニュややり方や説明の仕方ばかり覚えてしまうことです。先生と同じことを他の人に話せるようになっても、あなたは先生ではないのです。先生から学ぶべきは自分です。先生の言わないこと、知らないこと、できないことを学ぶのに先生が必要なのです。☆

先生は、この世の基準の一つです。先生と同じことをくり返しているだけでは、時代に遅れるのです。

 

2022年5月11日 (水)

Q.目標を達成できないので、レッスンを受けたいです。☆

A.目標は、自分の延長上にあれば、時間が解決してくれます。そこまで生きられるかどうかです。レッスンは、その時間を縮めてくれるでしょう。

 しかし、目標が延長上にないときにワープしなくてはなりません。それを達成できるようなレッスンは少ないものです。レッスンは、今の延長上を早く進むというのと、ワープするきっかけをもたらすようなセッティングになっていることの二つ、そこが私の考えるレッスンの真価です。

 でも、レッスンをする人もレッスンを受ける人も、大抵、そんなことを考えていないのです。だからこそ、本人のスタンスを定め、それに応じられるような体制づくりが必要なのです。

Q.レッスンをすると、何がわかりますか。

A.自分の力の不足がわかります。その課題をより具体化するのがレッスンの役目です。それを解決するのは、そこからのあなたの時間と努力、つまりトレーニングです。本気でやると不足が大きくなり、解決に至らないものです。それが現実であり、それゆえ、トレーニングを必要とするのです。でも、世の中でうまくいっていれば焦らなくてもよいともいえるのです。

Q.他の人が出せる声量を出すと、無理がかかり声がかすれます。☆☆☆

A. 最低のレベルの声の人に対しても、言語聴覚士は、「声は無理に出してはいけない」と言っても、「全く出すな」とは言いません。声を出さなくなっては、さらに衰えます。それはよくないので、毎日“適度に”声は出すことを求めています(手術後など傷口があり、発声をとめ、休めるべきときは例外です)。腰痛などでも、全く動かさないとさらに動かなくなります。体というのはそういうものです。

2022年5月10日 (火)

Q.トレーナーにかけられることばで、よし悪しが大きく変わります。

A.ことばの使えないトレーナーはあまり勧めていません。レッスンには、ことばは声よりも大切かもしれません。私も、声については任せていても、ことばについてはトレーナーにいろんな要求しています。特に、ことばを使い過ぎないように、と。

 トレーナーは、最初は、本人が声が出せたらよい、歌えたらよいと思っているかもしれませんが、レッスンとなると、ことばを使えなくては、コミュニケーションが制限されてしまいます。ことばは万能どころか、かなり制限されたものです。両刃の剣です。一言で信用、信頼をなくすことも、やる気を奪うこともあります。そこをわからずに、今の時代のヴォイストレーナーは務まりません。

Q.発声についての科学的なヴォイトレの成果は出ていますか。限界はどこですか。☆☆

A.声の科学といっても、まだ、データや実験をする前からわかっていることを確認するだけのことが多いのです。すぐれたトレーナーだけにわかるレベルならともかく、多くは素人でもわかることのデータ化です。それだけでは何にもならないくらいのことです。

 声に関して素人は語る術をもたないので、何か、原理やメカニズムで科学っぽく言われると、なるほどと思ってしまうのです。それは、科学でなく概知のことの言語化、論理化にすぎません。大抵は、物理学の法則での音の説明からもってきたものです。

 声の動きやそこに関わる箇所で、動きの分析はあったとしても、トレーニングによるプロセスでの変化、上達の分析などについてはほとんどありません。結果として、そうなった例を分析して、理由を後付けしている段階と思えばよいでしょう。

Q.よく述べておられる、次元のことを教えてください。

A.4次元、5次元…11次元のような話は、専門書をお読みください。レッスンのなかでレッスンが消えてしまうのが、トレーナーもスタジオも消えてしまうのが、上の次元です。声も消えてしまうとすると、二つ上かも。どうせ一つ上さえみえないから、どう考えてもよいでしょう。説明したくともできないが、そういうことを考えないと追いつかない現象もあるとしかいえないのです。

 人間はイメージで想像できます。自動車教習所で運転を学んで街の道路に出ると、運転そのものの感覚も見え方もかなり違いますね。すると、F1ならもっと違うと想像できますね。そんな違いのことです(今やドライバー視点のカメラでのシミュレーションゲームもあり、似た体験はできますね)。

2022年5月 9日 (月)

Q.心で歌え、頭を切れと言われます。

A.頭で考えることは、脳を使うことなので、それは、心と同じというのが、科学者の現在の見方です。脳=心なのですが、現実には胸=心臓=心や、腹=丹田=(覚悟)=気、のように捉えた方がよいように思います。表現の力、想いや意気込み、注意深さ、集中力が足らないということです。

Q.レッスンでの発声でコマ送りで、上達のプロセスを知りたい。

A.発声の原理の仕組みは他のところにたくさん述べていますので、参考にしてください。ただ、レッスン時で発声プロセスを気にするのはよくありません。声は、一区切りつくまで出すことです。途中で止めては直すようなのは感心しません。

Q.万能のメニュはありますか。☆

A.「一人の患者に効く治療は、その人だけに効くのであり、必ずしも他の患者に効くわけではない」アンドレ-・ワイル博士のことばですが、本人の性格、考え方、体調、信頼関係など、すべてが関係しますからメニュだけでは語れません。

2022年5月 8日 (日)

Q.両立できない問題の2つの要素を詰めて導く解決法は、よく使うのですか。☆

拙書からの質問ですね。QA集に原則的な解決の一つとして上げた例では、「高い声で大きく出せない」「大きな声で高く出せない」のようなことですね。ある問題が起きたときにもう一つ、別の軸の要素をみつけて組み合わせてみるのは、よく使います。その間を細かく詰めていくと、よりはっきりとした問題点がみつかることが多いからです。

 元より、Aの要素、Bの要素との対立を、A0A1A2、…、B0B1B2…のようにメモリを細かく刻んで問題をはっきりさせていくのが一般的です。あるいは、別の要素を加えてみて、ABの二極対立を変えます。

 例えば、「高い声で小さく出す」「大きな声で低めに出す」そこでAB(高さ-大きさ)を詰めていく、つまり、高さで1オクターブ(12音)と大きさ(fmfmpp)で4つの掛け合わせで48をチェックするのです。実際のレッスンでは、こんなに面倒くさくしません。勘で23パターンのメニュをつくって、それで行います。そういうメニュの創出力がトレーナーの価値と思うのです。つまり、レッスンを受ける意味です。

Q.ボディマップなどで、体のすべてのパーツの正しい位置や形を覚えるべきですか。★

A.よいと思えば覚えればよいでしょう。ヴォイトレにおいて、それは、直接必要となること、それに基づいて行う必要のあることとはならないと思います。

 研究所のスタジオには、体や喉の模型や図表があります。あるということは、何らかの必要もあるということです。研究者やトレーナーに対して説明したり、より細かく議論するのに便利です。

 大切なのは、位置や形でなく動きであり、動きのもたらす結果なのです。

私がレッスンでそれらを使うことはほとんどありません。その生理的、解剖的知識が正解となって、習得を邪魔するのを避けたいからです。

Q.なぜ、科学的なデータは公開しないのですか。

A.数値や理論などは、私はあまり信用も信頼もしていませんが、そういうもので信用、信頼するという人も多いので、モチベーションづけに、使えるときは使います。体験談や喉の模型などと同じです。その人がそれに基づいて考えるのでなく、それを無視してもできるようになれば、もっとよいと思います。

2022年5月 7日 (土)

Q.トレーナーは、プロよりうまくないのですか。

A.歌うとか語るというのは、比較するものではありません。声は顔のように、正しいや間違いはない、お互いに与え合い、研究しあってwin-winに関係を築ける人たちと声を通した関係を保っています。

 最近は、世の中、lose-loseになりたがる人が多いのでしょうか。人生を負け組とか勝ち組と考える時点で、あまりに浅いことでしょう。満点から減点していくカラオケの採点のような価値観はもたないことが幸せです。

Q.歌ったり朗読したりしないのですか。

A.そこは、そのプロの仕事です。私は、何でもやろうと努めていますが、なんでもできるわけではありません。ここに来ている、その道何十年の人たちを前に、そんなことはしません。私にとっては、歌や朗読よりヴォイトレの方が深いのです。

私は、今のプロの歌や演技をどう思っていたしても、がんばっている人に文句を言いません。ここに述べているのは、共に最大限に変えていける可能性について追求しているといくためです。

 声からみて、何を云々と言っても、それはこちらの価値観です。もっとレベルが高くなり、がんばれるようになるために、レッスンやこういうアドバイスが役立てばよいと思うのです。

Q.不調になることはないのですか。

A.声だけをみると不調だらけです。未だに完成、実現とは程遠い、未熟です。しかし、声だけで生きているのでないから、そのときは、どこかで何か別の事でも調子がよければよいと、あまり気にしません。私自身は、声で競うところにいないのです。他人の声を診る仕事です。でも声で仕事したり、生活をしています。この文章も、小説やエッセイではなく、声のことなのです。それをどう捉えるかは自由です。

2022年5月 6日 (金)

Q.KYにうまく対応したい。

A.声からの対応もあります。声で相手を読みつつ同調していく。声を投げかけ、反応をみるなど。仕事や生活で大切な基本は、笑顔や声かけ、ことばかけです。知らない人にもアイスブレークできます。そのうち、声を使うのでなく、あなたの雰囲気で、しぜんと溶け込めるようにもなります。

 ヴォイトレでは、実際のステージングを想定するとよいです。スタンスということで立ち位置や立ち振る舞いが身についていきます。しぜんと本人が本人らしくなると対応できていくものです。

ただ、日本の社会のように皆が、他人を演じようとしているところでは、演じる方へ動かされます。そこをよしとするかどうかはあなた次第です。

 

Q.声、ヴォイトレの魅力とは何でしょうか。☆☆☆

A.心身の支えが必要なので、頭よりも体で覚えることの一つです。そこで深められることです。声というものは、外に表れる現象として捉えられるので、わかりやすいでしょう。声帯の振動から共鳴して心身から時空へ自己を延長します。他人の鼓膜を振動させ伝播します。スポーツ、武術と同じようにわかりやすいのがよいと思うのです。わかる人には一瞬で実力がわかるのです。

 ラジオとレコードの時代は、もっとわかりやすかったのです。それで歴史が変わりました。

 声は、その人の成長に結びついています。頭のよし悪しでなく、生きるものとしての深さが表れます。顔や所作もそうでしょうが、声はよりストレートでもあり、隠れてもいます。人の魅力であり、能力であり、個性です。

Q.プロと専門家は違うのですか。

A.プロとは、職業という意味が強いと思います。普通は、それを収入源として生計を立てている人を指します。求道者のような人もいます。クリエイターとアーティスト、職人と芸術家など、いろいろと区別は考えられているようですが、私には関心ありません。

2022年5月 5日 (木)

Q.何に興味があるのですか。

A.人にとって声は何なのかということです。声によって人生は、人はどう変わるのか。声から宇宙や人類、人間の存在理由を知ること。声の共鳴、共振、共感、共時性。声と宗教、芸術、生活、社会など神羅万象に至ります。

Q.調律は、440HZが悪く、444HZがとてもよいと聞きました本当ですか。☆

A.そんなことはありません。(rf)そのときの回答に加えておきます。

 今の日本では、基準音を、ほぼ442HZ、その間をとっています。楽器他の調律器具自体、温度などの条件で1HZくらいはぶれるし、最高レベルの音感の持ち主でも2HZくらいの違いしかわからないそうです。

 調律師でも絶対音感の人は、あまりいないようです。

絶対音感の人も個人の能力差がかなりあります。まして歌唱においてこだわる必要はありません。

ビブラートなどでは10HZくらい高低が動くこともあります。そのズレのなかで、ずり上がり(日本人に多い)よりは、どうせずれるのなら高めがよいとなりました。そのうち音響のリバーブ効果技術がよくなって、ノンビブラートで(ビブラートが全くないのではない)ピッチ狙い(カラオケの点数でトップクラスのえなりかずきさんのような唱法)に代わるようになったわけです。

 A444HZで調律したときの上のCの音の528HZは、DNAの修復をするという人もいます。千年以上も前にそれを使っていた人というのもいますので、そう信じられる人は、その効用を使えばいいと思います。声や歌に関わる以上、私もスピリチュアルなものとして、接してはいます。

 440HZより444HZがよいと思った人は446HZ4448HZで聞き比べてみてください。5つくらいのHZでブラインドテストしてみてください。結論として、よいというならよいけど、だめならだめってことでしょうね。

 

P.S.計算すると、平均律でA444HZならC528.011…で合いません。ちなみにA440で純正律にするとC528。どちらを使おうにも、理論そのものが破たんしているのです。

Q.毎日のトレーニングメニュのつくり方について。

A.実感できる、楽しい、身になっている感じがする、おもしろい、でもややめんどう、という感じです。調子のよいときも悪いときも用いることのできるように23パターンつくるといいでしょう。人間の可能性と限界に挑めるメニュにしましょう。

2022年5月 4日 (水)

Q.トレーニングで、どう調整するのですか。

A.調整するのでなく、まず鍛えられるようにセットしましょう。鍛えるところを鍛え、調整するつもりで臨みたいものです。

Q.脱力の感覚がわかりません。

A.よくあるのは、力を入れて抜くというものです。脱力は難しいのです。水の上で脱力して浮かぶことができますか。

Q.レッスンの緊張なのか、肩が突っ張ります。☆

A.これは僧帽筋上部繊維の膠着が原因です。緊張やストレスでそうなったなら肩を温めましょう。水泳のクロール、バタフライは肩だけでなく肩甲骨から動かします。そのために両腕を同時に逆に回すような特別なトレーニングをします。最初は片腕ずつでもよいから回してみましょう。

2022年5月 3日 (火)

Q.ナチュラルな姿勢は、しぜんと体がリラックスすれば、どんなのでもよいのですか。☆

A.姿勢はつくるもの、つくられるものです。

Q.ハイヒールでの練習はないのですか。☆

A.反り腰になり、スタイルはよくなりますが、お勧めしません。つま先に重心という感覚をつかむために使われることはあるようです。

Q.モデルの姿勢はどうなのですか。☆

A.腰が反りお尻が上がるようなら、軍隊式の構え敬礼と同じく、深い呼吸に不利です。椎間板に負担がかかります。クラシックバレエの姿勢も、そのままでは発声には向きません。

2022年5月 2日 (月)

Q.マッサージばかりに行っています。☆

A.マッサージは、必要以上の使い方をしたときに元に戻すのによいです。一定期間ハードな舞台が続くのなら、そのフォローとして仕方ありません。しかし、それを必要としないレベルに鍛え、維持できるのが理想です。芸を日常化するには非日常の体をもつしかないのです。

Q.発声にも役立つ用具、薬などを使えませんか。☆

A.この回答は原則として、健康な人でかつ前向きに昨日よりも進歩したい人に述べています。あらゆる補助具やケアは、気づくのに有効なこともあります。しかし、それらに頼り、常用するのは依存してしまい、体や自分の能力を、そこで甘んじたり弱めてしまいかねません。

 私は、研究所をバリアフリーにはしていません。注意して足をあげることで筋トレにもなるわけです。もちろん日常の家庭でくつろぎたい人は別ですが。

 ヴォイトレも調整ばかりでは、23年で限界がくるのです。この23年を鍛えていたら、さらに可能性がでます。そこは分けられないので、別に息や体の補強トレーニングもあるのです。

 それを否定する人はもうプロで、現状維持、そして長年のキャリアを重ね、体をつくってきた人でしょう。そうでない人は、プロの人の自分と同じ年齢の頃の声を聞いて考えてみてください。ほぼ、できあがっているとしたら、トレーニングを必要としなかったのです。レベルはともかく、ポピュラーはマイクがあるので、判断しにくいですが。

Q.姿勢矯正ベルトはよいですか。☆

A.強制された姿勢の感覚を知るのに使ってみるのはよいですが、常用することは、腰痛の人にもお勧めしません。バンドで負荷をかけるならよいのですが、ベルトが助けるとしたら筋力は付かないどころか衰えます。それでは今よりも筋力、ひいては声も歌も維持は難しくなります。

2022年5月 1日 (日)

Q.猫背が直りません。☆

A.背筋を伸ばし、胸を張れ、姿勢をよくすること、などと次々に注意されても疲れてしまうものですね。しぜんと丸まるから、そうならないように体幹を鍛えること、腹筋を鍛えるということなどに取り組む人もいますが、それだけでは逆に丸まりかねません。

 下半身から鍛えること、歩いて筋肉を増やし血液やリンパの流れをよくすることがベースです。姿勢を意識して毎日1時間1駅区間を歩くとよいでしょう。あとは、肩甲骨の運動です。猫背とは、背だけでなく丸くなるには、肩が前に出て肩甲骨が外に開くのです(歩くと手の平が後ろを向く)。その間の菱形筋が弱くなっているし、胸の大胸筋が固くなっているのです。これには懸垂とかストレッチが効きます。あとはまっすぐ前を見て歩くことです。スマホをみながら下を向く歩きは、だめです。

Q.体が硬いとだめですか。

A.よく聞かれますが、硬いより柔らかい方がよいというだけです。できるのなら柔らかくしましょう、ということで、プロにも硬い人はたくさんいます。

Q.姿勢が悪いと言われます。整体師さんにも左右がずれていると言われました。☆☆

A.体のことは、体のプロと直していくのがよいと思います。体のプロといっても、いろんな人がいます。ただ、ヴォイトレや声、歌に使うことからいうと、日常はともかく、体が左右対称にならないとか歪んでいるようなことはよくある、いや、ほとんどの人がそうなので心配はいりせん。

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