Q.声について述べられたものに関心はないのですか。
A.読むよりも、話したり伝えることの仕事なので、できるだけ、すべてに目を通していますが、優先はしていません。とはいえ、自分で完成させてしまい、同じところをくるくる回らないように、自分と相手のために誰よりも語り、答え、残してきました。
記したものは分析となり、報告となり、歴史となります。一方、仕事はリアルな直感、創造、即興での対応を問われます。
こうして述べるときは、いろんな脚色もできます。しかし、声というリアルな空気中での波動のキャッチボールは、まさに身体的接触なのです。その感覚を文章にはできなせん。歌を聞いたことのない人に、いくら文章で伝えようとしても、伝わりません。述べられたものは、あくまで余技で、参考で、補充です。