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ヴォイトレレッスンの日々

00.研究所の複数トレーナーへの共通Q&A(同問異答)

2018年7月28日 (土)

Q. デックングについて教えてください。

.デックングは、ジラーレと同じような意味で使われる場合も少なくないようですが、デックングは「被う。包む。」、ジラーレは「曲げる。回す。」と、まったく違う意味を表します。どちらも高音域の発声に関して、よく使われるので、レッスンを受ける側としては誤解が生じ、誤用が広まったのでしょう。

今は、交通機関や、情報伝達網の進化で、グローバル化が著しく、オペラ歌手の声に関しても地域色がとても薄くなっている気がします。以前は、イタリアオペラの声とドイツオペラの声は、まったくと言っていいほど違ったのです。デックングは、ドイツ語なので、ドイツ的な声楽の発声法の用語として、私はとらえています。文字通り、声を被う、包む、むき出しにしない。(行き過ぎると、明るく輝かしいのはもってのほか、とイタリア的発声の全否定にもつながりかねませんので要注意です。)

そのために必要なのは、軟口蓋を適度に挙げて、口の奥を広めに空けたまま、声を出すことです。たったそれだけですが、軟口蓋を挙げるトレーニングと、口の奥を広げるトレーニングを、充分に繰り返してはじめて、楽にこれができるようになるのです。(♭Ξ)

 

.ドイツ語で「かぶせる、おおう」といった意味で、声楽の指導の際によく使われる用語です。言葉の意味としてはイタリア語のキゥーゾ、英語のカバーとも同じです。声を開き過ぎたり、明るく過ぎるときによく使われます。また、ある一定の音域から音域への移行の際に使われることが多いですね。チェンジの位置、パッサッジョと呼ばれる声が低音域から中音域、中音域から高音域への移行の音域で声楽的技術として音をジラーレ(まげる)しながら歌う必要があります。その際、声が明るすぎるとうまくいかないことが多いのでカバー、キゥーゾ、デックングといった言葉がでてきます。これは指導者がどこで勉強したか、または指導者の得意な声楽ジャンルでも言い方が変わってくるかと思います。

パヴァロッティの師匠であるアッリーゴポーラは「声はカヴァーしたりオープンにしながら歌わなければいけない」といっています。しかし、現場で出てくるデックングの意味あいとして「おおう」というよりも「暗く」という印象をうけることが多いです。発音を暗く、音色を暗くという印象がほとんどです。

デックングがドイツ語という面もあります。テノール歌手がわかりやすいのですが、イタリアのテノール歌手とドイツのテノール歌手は明らかに声が違います。これは骨格や言語によるところが大きいですが、ドイツの歌手はイタリアの歌手よりも太い、暗い、丸い、などの印象をうけます。その結果、イタリア語の作品のようにドイツ作品を歌うと明るすぎるという指導が入り、もっとデックングでという言葉がでてくるのだと思います。実際にドイツ語には開いたオ、閉じたオなど日本語やイタリア語よりも多数の母音があります。暗い母音が多いのも事実です。

しかしイタリアにもキアーロ・スクーロという発声の考え方があります。直訳としては「明暗」です。明るくだしたり、時には音域により暗く出す必要があるという発声のメソードです。実際にすべてを明るく歌うということもないので実際に指導者からデックングという言葉がでてきたら暗く、おおうようなイメージをもつとよいかもしれません。(♭Σ)

 

.発声で高音域のとき喉が上がることを回避するための技法と言えます。また「おおう」という意味からも、母音はやや暗めになります。

私はドイツの音楽大学にいた時期がありますが、実技は全て他の国籍の先生だったからか、私自身は「デックング」での指導を受けた覚えがありません。(またはデックングと言われたところでピンとこなくて覚えがなかったのかもしれません。)よって私自身の経験からくるものはないので、私のレッスンでデックングという言葉を使うことはありません。

ヨーロッパでは、世界的に活躍してきた声楽歌手たちは皆イタリア語、ドイツ語などを普通に話します。ドイツ語でのレッスンでもうまく表現したいときはイタリア語を出してくることもよくありました。今振り返るとデックングではなく「ジラーレ」で指導されていたと思います。(♯α)

 

.ドイツ人の先生やドイツ物の曲を演奏する際に、発声用語として用いられることがあると思います。顎を下げたり口先を開け過ぎないなど、使われる意味合いとしては、イタリア語でいうジラーレに近い部分があるのではないかと思います。

モーツァルトのオペラによく出てくる“sotto voce”で指示されている部分を歌うときなどにも、このテクニックは役に立つのではないかと思います。

ジラーレ同様、奥まった部分を通過する制御により、高音域で花開く方向に道筋につながったり、その過程として、ppのように弱々しい(けれども客席の一番遠くまで届くような)状態で歌うようなことに必要不可欠だと思います。

デックングもジラーレも声楽的には非常に重要なテクニックです。しかし、これらをマスターするためには、指導ができるトレーナーの下で時間をかけてなじませることが重要です。自分自身で判断せず、指導者のもとで時間をかけて、少しずつ確実にマスターしていくことをお勧めします。(♭Я)

 

.音を曲げること、気道から口蓋にかけて息の通り道はまるで直角のように曲がっていますが、声もこのように、曲げる必要があるという、数ある歌唱法のメソッドの一つです。デックンはドイツ語ですが、イタリア語ではgirareとよんだり、英語ではcoverとよんだりします。つまり欧米では割と共通認識の技法なのでしょう。

私は、今はあまりこの技法を意識しません。(私が高音を歌う声種だからなのかもしれませんし、今の発達段階で必要がないのかもしれません。今はストレートに出すことを心がけています。初期のころは意識していました。)

この概念は声楽の初歩の学生には必要な要素かもしれません。ただ何も考えずに声を出しているときは、声の方向性も上方向に一辺倒かもしれないのですが、ある程度の高さになったらこの技術で、声を曲げるように、また英語の発想で言えば、声を上からカバーするかのように、イタリア語の発想で言えば、声を曲げて、歌うことで声をまろやかにすることができると思います。

直線的に出してしまうと、喉が力みやすく、力が入ったままの声になりがちです。このデックングの技法を応用することでまろやかな音色に加えて、声の負担を減らすことができると思います。(♯β)

 

.デックングとは、喉頭をリラックスさせ低い位置に保ち、声帯を伸展させ、丸みのある響きを作ることを言います。

簡単に言うと、「あくびの位置」を思い浮かべていただくとよいと思います。喉頭が下がり、声がクラシック歌手のような響きを持つポイントがあると思います。クラシックの発声法としてひろく知られていますが、この喉頭の使い方はクラシックだけではなく他のジャンルの歌唱にも応用でき、頭声と胸声(いわゆる裏声と地声)のバランスをとりながら広い音域を歌うのに必要だと考えています。ミックスヴォイスの習得にも欠かせない要素の1つとして、必要に応じてトレーニングに取り入れています。

いろいろな声を出すことに慣れていない場合は少し違和感があるかもしれませんが、声のストレッチのつもりでチャレンジしてみるとよいと思います。(♯ё)

 

.ディクングとは、「被せる」ということで、ジラーレのように息を後頭部付近で回すように発声をします。声楽、オペラにおいて、転換区の高音域(ソプラノ、テノールの場合ミからソ、アルト、バリトン、バスの場合ドからミの辺り)を発する際に有効と思われます。

この音域をまっすぐ裸のまま前方にのみ発すると、声そのものが出にくい、音程が下がる、非アカデミックな声になる、喉に負担がかかる。という弊害が生じます。そのような経験をされた人は多いと思います。

そこで、このディクングという被せる発声を使いますと、声そのものの質が向上する(アカデミックな声になる)、声が出しやすくなる、音程がとりやすくなる(キチンと音程がハマるようになる)、喉の負担が減少する、何より音域が広がっていき、転換区より上の音域が楽に発することが可能になる。というメリットが生じます。

ただ、このテクニックが過剰になりますと声を掘る感じになり、声が籠ったり、飛ばなくなる可能性も考えられます。バランスよくディクングを使うことが重要です。(♭й)

 

.高い音を出す時、声を被せる。声に丸みを持って柔らかい響きにするための喉頭を下げ、口唇の開口を減らし、顎を引くなどの一連の動作です。

口の中を開け、声を自分の背中など後ろから前に届けるようなイメージです。また、これらの感覚を使い、低い音から高い音へのチェンジの際に使います。ジラーレなどと共通の要素を持ちます。初めは手などで声の動線を描いたりしながらイメージし、「被せる」「包む」声をイメージするとよいかもしれません。(♭Ц)

2018年6月30日 (土)

Q.ジラーレについて教えてください。

.「ジラーレ」とは、イタリア語で「曲げる」という意味です。高音域を発声するときに、うまく出せない声楽家志望の方に、よく言われる言葉です。「しっかりジラーレして」と。高音域の苦手な方や、どうしてもさらに高音域を出したい方は、顎を上げて斜め上に顔を向け、お腹から力まかせに声を突き上げるように出すことが多いのですが、それでは喉を傷めたり、聞き苦しい声になってしまいます。では、実際に「曲げる」とはどういうことかというと、お腹からまっすぐ上に声を出すのではなく、背中の方に上げてから、後頭部の辺りを通過したところで、前に向かって声を曲げるということです。この、上向きから前に曲げる場所は、頭の上だったり、軟口蓋だったりと、いろいろなやり方があるようです。私のおすすめは、頭の上を超えてからですが、絶対にというわけではありません。これは、イメージだけでトレーニングを続けていくので、不慣れな場合は、とても長いトレーニング期間が必要になるかもしれません。いずれにしろ、一朝一夕に修得できるものではないので、たゆまぬ努力が、必要になります。(♭Ξ)

 

.「曲がる、曲げる」というイタリア語の動詞で、声楽の基本的な技術ですが、とても習得が難しい技術です。私の師匠の一人であるメトロポリタン歌劇場やパリオペラ座、ザルツブルグ音楽祭などで主役をやっていたテノール歌手は、世界で歌っていくためには「マスケラ」と「ジラーレ」の技術がなければいけないといっていました。むしろ技術としてはこれだけを極めれば声としては何とかなるとも言っていました。

簡単に言うならばストレートな声ではいけないということです。いろんな教えの中には、声のチェンジの場所でジラーレが必要と指導する人もいます。しかし、私の経験ではすべての音にジラーレが必要です。特に色濃くでるのが声のチェンジの位置でしょうか。これはジラーレの技術がわかる指導者の下で根気強く勉強するしかありません。

まずは自分の耳がジラーレを判断できるかどうかが重要です。一番わかりやすいのはパヴァロッティです。パヴァロッティの声はファの音で少し暗くなります。まずはこれを聴きとれるかどうかです。

文章で書くと誤解を生みそうなのですが、自分で練習してジラーレができていると思っているときはできていないことのほうが多いです。自分の近くでおこっているのはジラーレふうの音でジラーレではないことが多いです。身体からはなれた声を遠くへ飛ばす中でうまれてくるのがジラーレです。結果的に自分の耳で判断しづらいので指導者と共に地道なトレーニングが重要です。

逆にいうならば、それほど重要かつ、世界的な技術です。この技術の重要性は人種や国を問わないと思います。

(♭Σ)

 

.ジラーレは回る、曲がる、回転するといった意味のイタリア語で、声楽では「声を回す」という発声の技術を指します。もしジラーレなしで歌ったとしたら、声は直線的になり、特に高音域ではレガートで繋ぐことができません。感覚としては、声を回すというより「息を回す」という方がしっくりきます。息の対流に声が乗っていて、ジラーレでは対流している息の回転を増やすのです。ベルトコンベアーの速度が増すイメージに似ています。

またジラーレの状態としては、あくびをしているときが近いと思います。自然とあくびをしたときの口の開き方は十分ですし、咽頭も下がったままです。この咽頭が下がったまま発声できたらジラーレの感覚を得やすくなりますが、逆に咽頭が上がると喉周辺に力みが生じてしまい息を回せなくなってしまいます。慣れない中では喉に負担のかかる練習になるので、質問や疑問点をトレーナーと確認しながら進めるのが安全です。(♯α)

 

.ジラーレ(Girare)は、イタリア・オペラを歌うような声楽家にとっては必要不可欠な発声テクニックです。イタリア語の語源としては「回す」という意味です。一般的に高音域を出そうとすると、喉が絞まっていくような状態になり、叫び声のようになったり、ファルセットのように薄い声になったりというのがよくあるパターンだと思います。その部分について、首絞め状態を改善し、また、高音域でも薄い声にならないように改善してくれるテクニックが、このジラーレです。

声楽的な発声用語の意味合いとしては、中音域から高音域にかけて、一度奥まったような部分を通過させたうえで高音域で先細りしないような輝かしい音色として出せるような道筋を通す過程の部分を意味します。その際に、直線基調発声ではなく、回した感じ、曲げたような感じになることから、このような表現になるのだと思います。このテクニックについては、個人で行うのではなく、この指導ができるトレーナーのもとで時間をかけて確実にマスターすることをお勧めします。安易に自分で判断することは弊害を生みやすく、危険です。(♭Я)

 

.イタリア語でgirareとは回すとか曲げるという意味です。声楽用語で用いる場合は、声を出すときにただ直線的に真っ直ぐ出すのでは、ある程度の高さにくると、詰まりを感じたり、声に丸みがなかったりしてしまうため、声を目線もしくは、頭の上あたりで曲げる感覚を指導されます。

日本で誤解されがちなことは、ジラーレさえしてればいいのかということですが、本来の、身体で支えた声が出ていなければ、ジラーレをいくらやってもあまり効果を発揮しないように思います。

まず、発声の基礎的なことを23年くらいやって、ある程度体で支えた声が出るようになり、身体中に呼吸のための筋肉がついてきたら、この技法を意識するといいと思います。

練習方法は、まず口蓋をしっかり挙げてください。声が頭の頭頂部に抜けるイメージが直線的とするならば、ジラーレは頭蓋骨の上を通りおでこの方に90度に曲がっていき、目線の先に声が伸びていくような感覚です。このイメージで声を曲げて出していくことでジラーレの感覚がつかめると思います

くれぐれも、口蓋を上げることを忘れないでください。口蓋を上げることがたどたどしい場合は、まだジラーレをやる段階ではないのかもしれません。トレーナと相談してください。(♯β)

 

.ジラーレは、イタリア語です。girareと表記し「回す、向きなどを変える、巡る、道を曲がる」などの意味があります。やり方としては、まず腹圧、腰、下半身を使って息を上顎後方へ流します。その下から流した息を真上や後方ではなく、「回すように」前方へ流します。そして流した息の上に声が乗るような感じで声を発します。

このような発声をすることにより、声が効率よく綺麗に出ます。発音も明瞭になります。何しろ声にターボがかかっている状態のため、声量が増え、大編成のオーケストラの音量に埋もれることなく飛び出して観客の耳に届きます。正にクラシックの声楽、オペラをはじめとする歌の発声に最適なテクニックです。(♭й)

 

.声をまわす、回るという意味のイタリア語です。直線的な声ではなく、曲線的な声でレガートを意識しながら、声を身体の後ろ側から、後頭部をつたって、ひたいのあたりから前に出すようなイメージで声を回すことです。

口の中が上にあく、あくびなどのイメージに近いところです。習得には、息の流れが必要と考えるため、腹式呼吸と発声がしっかり連動し、息を回し、声が回るように、基礎の練習が大切になると思います。(♭Ц)

 

.あくまでイメージ的にですが、頭骨にはいくつもの穴が開いており、そこに膜があったり、神経、血管などが通っていますが、それらの中には頭声を生み出すための頭骨への入口となるものがあるとします。その中のとある穴をある曲線で音を通していくと、増幅が起こり、ついでジラーレと呼ばれる頭骨沿いに回転していく音が得られます。ジラーレに関しても歴史的に長い間理屈が分からないことではありましたが、それが存在している事は声楽家であれば知っています。現在は道筋を発見できたので、やり方を理解できれば誰もが綺麗な共鳴を得られるようになりました。個人差はありますが、声を入れる角度、回すイメージによって、うまく共鳴が得られます。まるでホルンのように音が回っていくのを実感することができるので面白いものです。(♭∀)

2018年5月26日 (土)

Q. ビブラートがよくないのですが、どうすればよいですか。

. 歌では、ビブラートをかけるということを、よく耳にしますが、声楽ではビブラートはかけるものではなく、よい声が出ているときに、自然に声に付随してくるものと考えています。クラシックでも、楽器になると、弦楽器などに代表されるように、弦を押さえる位置を微妙に動かして、ビブラートをかけます。ですから、ビブラートがかかっている音は、自然で美しいものと思います。

声のビブラートとは、声の自然な揺れですが、これが不自然に細かくなるとちりめんビブラートと呼ばれ、発声がよくない証拠にもなります。揺れ幅が音程的にも長さ的にも大きくなると、ただの揺れで嫌われます。喉にも体(お腹)にも、適度な力で、無理な力が入っていない状態だと、声に綺麗なビブラートがかかります。

ノンビブラートという、ビブラートをかけない声も、声楽では要求されることもありますが、その時は、ちょうどよい発声に、ほんの少しだけ喉や体に力をいれると、ビブラートのないまっすぐな声になります。

ですから、声の揺れ具合を調整するには、喉と体(お腹)の力の配分を、微妙に変化させてみるのがおすすめです。演歌やポップスなどでは、喉仏を上下させたりもする人もいるようですが、お勧めはしません。(♭Ξ)

 

. ビブラートなのか声が揺れているかの判別をしなければいけません。声が揺れているだけの場合は、発声の観点からいくとよろしくない状況です。さまざまな問題があるのでトレーナーと相談することです。

主な原因は支えです。支えているつもりで力んでいたり、呼吸が浅いと揺れる原因になりやすいです。声が揺れている状態では音程も悪くなります。

呼吸と支えの問題を丁寧にじっくり勉強すると改善しやすいです。または、声を前にだして支えられていないときにも揺れやすいので注意しましょう。

揺れではなく、ビブラートの問題で多いのはビブラートがかかりづらい、またはゆれの幅が大きすぎるときです。かからないときには、力みすぎているか息の流れが悪い時です。メロディックな曲や声を大きく出しやすい曲を歌いこんでいくと改善することが多いです。

ビブラートがかかりすぎてしまう人は唇周辺の筋肉がうまく使えていなかったり口を大きく開けすぎてしまう人が多いです。歌うイメージから台詞をしゃべるイメージで歌っていくと改善するでしょう。(♭Σ)

 

. ビブラートは、ジャンルや歌い手によって価値観や好むものが違うので、どのような状態のビブラートを求めているのか(よしとしているのか)を知らなければ答えにくいところです。よくないとされるビブラートを実際に聴いてみないとわかりません。声の揺れ、声の震え、ビブラートを混同していることも往々にしてあります。

個人レッスンで、自分の身体や声の状態を見てもらいながら整えていくことです。自主練習しかないのであれば、基本に戻ってしっかりと呼吸の練習(又は息吐きを含めた発声練習)を行いましょう。

ビブラート(声の揺れ、震えも)は息の流れが大いに関係しています。例えば力みで息が流れにくいとビブラートはかからない、または声が震えたりします。その他にも息が足りない、安定して吐けないなどを解消することでビブラートも元の状態に戻りやすくなります。(♯α)

 

. 「ビブラートがよくない」ということだけでは、具体的に何を指しているのかが不明確です。「ビブラートがかからない」ということなのか、「ビブラートと思っているが、細かく震えるような状態」ということなのか、「音程の幅が広く、いわゆる『揺れ』の状態になっている」ということなのか。いろいろ推測されます。それぞれの対処法について述べます。

まず、「ビブラートがかからない」という状態なのは、最も単純な言い方をすると、「息の流れがよくない」ということです。発声の状態が喋り声そのものに近すぎる状態だと、ビブラートはかかりません。

また、「細かく震えるような状態になっている」という状態も、体の力みが強かったり、息がきれいに流れていない状態になっていることが考えられます。

また歳を重ねると、体が声を支えきれなくなってくることにより、「うねるような、音程の幅が広い、揺れの状態」になることもあります。こちらは、体が支えきれなくなって息を自由にコントロールできていない状態です。

それぞれに共通しているのは、「自然な息の流れを手に入れる」ことです。これをなくしてきれいなビブラートはかかりません。レガートに歌うような曲を用いて、ブレスのコントロールを練習しましょう。(♭Я)

 

. ビブラートを意図的につけようと思うと、うまくいかないことがあります。一部の演歌歌手などにみられるように、音程の幅が半音ほどあるビブラートは、意図的にビブラートをかけることを意識しすぎてしまった結果と思われます。

細身のポップス歌手にみられるような、か細い声でチリチリとかかるビブラートを俗にちりめんビブラートなどと呼びます。これは、声に支えや張りがないことの表れです。クラッシックやミュージカルのような声をしっかり張らなければならない世界においては技術不足とみなされてしまうこともあります。

うまくいっているビブラートは、緊張と弛緩の合わせ技で、最初は音に圧力をかけて緊張させたままノンビブラートで歌い、伸ばした最後のほうだけビブラートで処理をしたりするというやり方でしばしば見受けられます。これは演歌やポップス、ミュージカルやクラシックの人も多用している方法です。最初は横隔膜やおなか周りを固めて、支えをしっかり作って声が揺れないように音をピーっと伸ばし、最後に弛緩させてビブラートをかけます。

またダイナミックな曲で、最初の音からビブラートをかけたりするケースもあります。このときはおなかを固めず、最初から息を吐きだしながら歌ってビブラートをかけます。

とにかく、自分でかけるのではなく、声の成長とともに、力みが取れて、脱力して、かつお腹の支えで歌えるようになった時に、かかっていくととらえたほうがよいと思われます。(♯β)

 

. よくないビブラートとは、声()の振幅が大きくなってしまう、声が揺れてしまうことです。1つの音を長く伸ばすときに半音~1音上下に往復して声が揺れてしまうのです。例えばソの音を長く持続したいのに揺れてしまい、ファ~ラの音を往復してしまうという感じです。

どうしてこのような現象が起きてしまうのかといいますと、みぞおちから下の支えが極端に弱く、喉から上の力が大きいからです。いわゆる「喉に頼って声を出してしまう」現象です。

このことを防ぎ、よいビブラートにするためには、みぞおちから下の支えをしっかりして、長くゆっくり筋肉を使うように息を上顎(口を開けて息を吸うときに冷たく感じる位置)まで運び、息を少なく効率よく流します。その流す息の上に声、音を乗せて歌います。力のかかり具合が、みぞおちから下:喉から上=9:1になるのが理想です。

すると、芯がある声が出て、よいビブラートがかかるようになります。音程も取りやすくなり、言葉の発音も明瞭になります。喉の負担が少なくなり、正にいいこと尽くしです。(♭й)

 

. 私が先生から言われたことは、「自然にかかるようになるまで待つ」とのことです。 よい発声ができるようになれば、無理にかけようとしなくても、かかるようになります。これは私の経験からも、正しいと思います。

ちなみに私はバイオリンを少し演奏しますが、バイオリンの先生も、同じことを言っていました。器用にビブラートをかけることを先に学ぶと、ごまかす方法を覚えてしまう、と。

あえてビブラートのかけ方を説明すると(面白いことにバイオリンも歌も同じです)、ロングトーンで隣接した音を出し、交換を少しずつ素早くして行きます。

ドー

レードー レードー

レドレドレドレド

のように。

いずれにせよ、よい発声ができることを優先して下さい。(♭∴)

 

. 「よくない」というのがどのような状態なのか判断できませんが、「かかりにくい」「安定しない」などのことであれば、ポイントとしては、腹式呼吸と喉の脱力への意識だと思います。

リップロールなどで、息を一定に出す練習をしてみてください。その後、出しやすい音、母音で、上半身と喉の脱力を意識してトライしてみましょう。

初めはわざと音を高低させ、トリルのようなものから始めたり、揺れる感覚を身体、喉で覚え、一定の幅でできるように練習しさまざまな母音でできるように練習していきましょう。(♭Ц)

 

. ビブラートは英語で言うとバイブレーション、振動のことです。一言に振動といってもさまざまな揺れ方があります。同音を高速で連打するように出すトレモロ、もっとゆっくり同音連打するグルッポ(イタリアの初期バロック音楽独特の技法)、音程を軽く上下に揺らす演歌のこぶし、さらに正確に2度の上下を繰り返すトリル等々。ここでお話しするビブラートは、音程をごく細かい振幅で上下させることを指します。

ビブラートにはほかの振動技法と違う点があります。意識的に振動させようとしてできるものではない、ということです。それは自然な揺れであって、無理やり作る揺れではありません。腹式呼吸でしっかり支えて、喉を力ませず、前に前に息を流しながら長い音を出せば、あとは勝手に気流が振動し始めます。

むしろ、小さな声で(ただしゆったりとまっすぐ息を出し続けながら)ビブラートをかけない練習をしてみてください。グレゴリオ聖歌や、ウイーン少年合唱団のイメージです。このノンビブラートができるようになったら、お腹で支えて息のスピードと音量を上げます。喉で無理さえしなければ、自然にビブラートが始まると思います。

上手い人はビブラート、ノンビブラートの使い分けができます。両方交互に練習するとよいでしょう。(♯∂)

 

. ビブラートは、あまり意識しすぎるとわざとらしくなってしまいます。意識しなくても、自然にビブラートはかかります。特に、クラシックでは、ジャンルによってはビブラートをかけない歌もあり、基本、あまり、ビブラートを必要としないが、ポップスなどは、必要になります。

喉で、無理してやろうとせず、ビブラートも、一種の表現ですので、身体を使って、かけることが大事です。ビブラートをかけるところは、主に特に、曲の盛り上がりなど、その曲の中で大事なところで使われることが多いのではないかと思います。

コツとしては、広いところで歌うことを想像して、一番遠くにいるお客様まで、届くように歌うことを想像しながら練習してみるといいと思います。意識は、遠くまで声をとばすイメージですが、身体の使い方は、背中など後も使って歌うようなイメージで歌うと、声が遠くまで届きます。後ろにもお客様がいると思って、歌ってみてください。(♯Ω)

 

. ビブラートは、故意につけるものではありません。自然なビブラートが理想です。クラシックの中でも、ノンビブラートを求められる曲もあります。バロックや、グレゴリオ聖歌の時代のものは、あえてビブラートをつけないようにしなくてはなりません。

というように、クラシックでは基本的に、ビブラートをつけるテクニックは必要ではありませんが、ポップスなど、他のジャンルでは、あえてビブラートをつけることで、表現の効果を上げることができるときがあります。

いずれにしても、ビブラートは喉でしてはいけません。横隔膜や丹田を意識して、響かせようという意識で、ビブラートをかける必要があります。ただ単に、声を揺らすのではなく、ビブラートは表現の一部ですから、ビブラートをかけるところは、表現を強調したいから、かけるものであるため、歌詞の内容をかみしめながら、お客様に気持ちを届けるつもりで、ビブラートをかけなくてはいけません。(♯Ω)

 

. ビブラートと聞くと、喉を震えさせることと勘違いしがちですが、間違いです。ビブラートとは、音を伸ばしている時に、息の分量で音に強弱がつくこと(音の高さに、若干高低がつくこと)です。喉の力を抜いて、空気に振動していれば、自然とビブラートはついてきます。

まずは横隔膜の呼吸を習得することです。犬が速い呼吸をしているのを思い出してみてください。「ハッハッハッハッ」と呼吸するたびにお腹が動いていますね。それを私たち人間も行うのです。

この呼吸をしながら「アー」と声を出してみましょう。呼吸が切れるのと一緒に声も小刻みになりますね。これがビブラートの基本です。横隔膜の筋肉が育ってくれば自然とできるようになりますので、決して喉でコントロールしないよう注意しましょう。(♯Å)

2018年4月28日 (土)

Q. 共鳴についてうまくいきません。パワーがないし、一定に保てません。

.共鳴には、いくつかの種類があり、それらの複合具合のさじ加減によって、声はさまざまに変わってきます。それは、トレーナーや先生の好みで決められてしまうことも少なくありません。

どの共鳴にも共通している点は、共鳴のさせ方を体で実感し、繰り返しトレーニングすることで、さらに磨いて強化し、簡単に再現できるようにしていくことです。そうしないと、実際には使えないということを肝に銘じましょう。

共鳴は、力ずくではうまくいかないものですが、ある程度の力があるほうが、やりやすいことも事実です。共鳴させるために必要な、口の中の開け方など、そのために必要な筋肉がうまく育って、楽に使えるようになったところで、初めて、無駄な力を入れずに、効率よく共鳴させることができるのです。

ですから、当然のことですが、一朝一夕でできるようにはなりません。共鳴のレベルにもよりますが、統一性やパワー不足など、ワンランクアップさせるだけでも、1年くらいは、しっかりと自主トレに取り組む必要があります。しかし、考え方を変えれば、時間さえかければ、手に入れることが可能だということです。(もちろん、進むべき方向を間違えてしまっては、意味がありません。)(♭Ξ)

 

.改善策として、まずやるべきことは声を前に出すことです。声を前にだすためにはかなりパワーがいります。できているつもりで、できていない人が多いです。喉が開かないと声は前にいきません。舌根は下がり、下あごも引き(または下げ)ます。嘔吐するような状態になるときもあります。

一人では難しいのでなるべくトレーナーの指示でおこないましょう。レッスンでも、声を前にだすためにさまざまなアプローチをしました。ある人は「これは一人では想像もできない感覚」と言ってました。声を前にだすためには、自分では悪いほうにいくんじゃないかという声の聞こえ方、出し方のアプローチが必要な場合があるからです。

喉が開かないで声を前にだそうとすると、喉をいためたり、ただ怒鳴っているだけの状態になりかねません。喉が開いて声が前に出始めると息も流れますから、共鳴がぶれることが少なくなりますし、パワーもでます。なによりも声が安定しますから歌っていての辛さは減少するでしょう。喉があかない、声が前にでていない中で自分で声を前後左右、上下にコントロールしてもかえって悪い迷路に入り込むことが多いです。一つのことに特化してトレーニングすることも重要です。(♭Σ)

 

.共鳴に統一性を持たせるのは、歌を歌う上でとても重要なことのひとつです。その統一性を持たせた声にパワーをつける・一定に保つ、ためのトレーニングをするという順番で捉えるとわかりやすいでしょう。

共鳴が統一するとは、要するに「母音アイウエオの共鳴を揃える」ということです。大抵は歌いやすい母音=共鳴しやすい母音で一致します。例えば母音ア、イが共鳴しやすい方は、アーオ、アーエ、イーウ、とアやイの共鳴を保ったまま次の母音に移行する練習をします。共鳴しにくい母音だけをどうにかしようと頑張るより、よい共鳴からその状態を引き継ぐやり方が断然に近道です。

共鳴のパワーや一定に保つことについては、息のスピードや息の流れ方が関係します。大雑把な表現ですが息の流れがゆっくりなら穏やかな共鳴、速い流れならパワフルな共鳴、という感じです。また共鳴した声は息の流れに乗って出ていくので、共鳴を保つにはしっかり身体を使って息をコントロールすることが必要です。(♯α)

 

.根本的な原因は、体で支えられていないことだと思います。直接的な原因としては、呼気圧が足りないことによる不安定な状況であると考えます。

共鳴というと、どうしても合唱声のような、軽やかな頭の上で響いているような声のイメージがあると思いますが、声の響きに意識が向きすぎるのはあまりいいことではありません。あくまでも、声を自在にコントロールできるようになった人の最終手段であるべきところなので、いきなり響きを狙いすぎないようにしましょう。

また、音程や高音に対する向き合い方もいろいろな影響を与えます。音を考えすぎてしまうと、声の通り道がその瞬間に途切れてしまうことがあります。声の通り道が変わってしまうことも、声が出しにくく感じる原因の一つになります。

体での支えと呼気圧が足りないことが原因であると述べましたが、呼気圧、つまり、息を吐くエネルギーが不足していると、声の通り道が一定に保てなくなり、結果的に共鳴のビブラートがなくなったり、レガートな感覚が失われることに結び付きます。

それを防ぐためには、しっかりと息を吐ける環境づくり、ブレスの吸い方から、取り入れるポイント、そして、吐き方に至るまで、しっかり体と連携が取れた状態にしなくてはなりません。大きな課題になりますが、全体を改良していくことによって、これらの問題が解決していくことに結び付くと思います。(♭Я)

 

.共鳴を意識したとき、どのような声の種類を用いていますか。頭声でしょうか、それとも胸声でしょうか。

弱々しい頭声、弱々しい裏声ですと、パワーが少なかったり、響きにムラが多かったりするかもしれません。まずは共鳴の前に、しっかりとした発声ができていることが前提になると思います。

共鳴を作るのは身体の内側の作業です。内側の空洞をしっかり確保することが必要です。鼻から吸ったら、その周りはまるで空間が大きく拡がっているかのようにイメージしてください。

ある先生はピザを飲むくらい喉が開いていると表現しますし、またある先生は、軟口蓋が頭のてっぺんまで来るように喉を開けてと仰るし、また、耳も鼻も穴という穴をあけて、という人もいます。

ここで注意しなければならないのは、開けるスペースを確保したために、口の周りや首などに力が入ってしまうことです。リラックスを前提としたうえで、スペースを確保しましょう。

統一性やパワー、一定に保つということに関しては、しっかり身体の支えをキープして、一貫して息のスピードが変わらずに吐けるということが必要になると思います。下半身やお腹周りで身体を支えた上で、喉首肩は極めてリラックスしたまま、頭蓋骨の中の空間を広げて、腹圧を高めたまま息を一定に吐いていくようなイメージで練習してはいかがでしょうか。(♯β)

 

.実際に声を聴いてみないと正確に回答できないのですが、次のように整理して考えたいと思います。

・共鳴に統一性がない。・共鳴にパワーがない。・共鳴が一定に保てない。

・共鳴に統一性がない→各母音間で統一できないということでしょうか。そのようであれば、トレーナーのもと共鳴が統一されるよう練習しましょう。

母音から次の母音への移行に時間をかけて響きを揃えるようにします。

・共鳴にパワーがない→共鳴にパワー(力)が必要かどうかというところから考えてみてください。

リラックスして自然に鳴ることが大切だと思います。

・共鳴が一定に保てない→呼吸のトレーニングからていねいにみていく必要があります。

自分の身の丈以上のことをすぐにしようとせずに、無理やり共鳴させようとせずに、ロングトーンや呼吸、姿勢を見直してみましょう。(♯ё)

 

.原因としては、「体の支えが足りない、体自体が使えていない」ということです。体が使えなくて喉ばかりの発声になりますと、共鳴にある程度のパワーは発揮すると思いますが(元々、喉が強靭な方に限ります)、限度が生じます。音程も正確にとることが容易ではないです。もちろん喉に負担がかかります。

では、体の支えということで、気をつけることは、次の手順になります。みぞおちから下腹部→腰→臀部→下半身へとゆっくり長く筋肉を使います。それが体の支えとなり、その支えからゆっくり上顎へ息を送りこみ、息の上に言葉()を乗せるように声を発します。力の比率が、首より下:首より上=9:1になるようバランスを考えます。軽く声を出しても歌詞がはっきり発音できる支えのバランスです。

これらを注意することにより、体を使う発声が可能となり、共鳴に統一性、一定さを保つことができ、パワーもついてきます。また、健康的な声になり、喉への負担も減らすことができます。(♭й)

 

.まずあなたが「共鳴」を感じたということが大切で、素晴らしいです。それが「正しい」とかそうでないか関係なく。それを弱くても不安定でも、いつでもどこでも取り出せることが大切です。

その次の段階では、共鳴できる高さの一つの音を長くのばして下さい。その感覚を忘れないで。そこから少しずつ強くしていきます。一つの音が強く共鳴してのばせるようになったら、そこから少しずつ音程を広げていけるようにしてください。

何よりも「共鳴した!」と思ったらその感覚を忘れないこと、いつでも取り出せるようにすること、そして少しずつ、強さ、音程を広げていくことです。(♭∴)

 

.声帯で発声した振動は咽頭腔、鼻腔、口腔と言った「共鳴腔」で共鳴します。一定に保ったり、パワーを出していくためには、息を送り出すパワーの部分と、上半身のリラックス、口の開け方がポイントになってくると思います。まず、共鳴する口の開け方を練習し、共鳴の感覚を掴みましょう。

そして、腹式呼吸をしっかりしましょう。その際に無駄な力を抜きましょう。そのことでまず、一定に保つことができてくるでしょう。息の送り方でパワーも出てくると思いますが、出そう出そうと思うことより、無駄な力を抜き、息を流すことを意識した方がパワーにつながることが多いです。(♭Ц)

 

.主に二つの原因があります。

一つ目は、音域による問題。得意な音域とそうでない音域で差がでてしまいがちです。これを解消するために、次のような練習をお勧めします。

prrrrvvvvvzzzzz(できない方はハミング)でスケールの練習をして下さい。これだと母音での発声練習のような大きな声もいい声も出ません。その代わりに、高い音も低い音も、いつも引っかかる音域(いわゆるチェンジ)も難なくクリアできます。

また、この練習では自動的にお腹の支えができます。喉仏が低い位置で保てます。やりながらお腹と喉に手を当てて、自分の身体がどうなっているか観察してみて下さい。

次に、同じようにスケールで、prrrr→ア、vvvvv→ウ、zzzzz→イと、途中で母音へと変化させる練習を行います。母音に変化する瞬間に、支え方が変わらないように。

先ほど観察したお腹と喉の状態を保ちながら。これが完璧にできるようになったら、最後に母音だけでやってみましょう。上手く行かなければ、初めに戻って。

このようにして、自分の身体を騙しながら音域による差を埋めていけば、統一感のある声が仕上がります。

二つ目は、母音の違いによる問題。どの母音でも均質な声が出るように整えていく必要があります。

最終的にはほぼ舌の位置の変化だけで母音をコントロールするのですが、まずは筋トレ感覚で、ハッキリと大げさにアイウエオを言う練習がたくさん必要です。どの母音でも喉仏の位置が変わらないように心掛けると間違えないでしょう。(♯∂)

 

.長時間歌ったり、しゃべったりするときに、悩みを抱えている人がいます。オペラや、語りなどは、長時間にわたり声を使いますが、そうした長い歌や、語りにはたいてい、大事な部分と、そんなに大事ではない部分があると思います。最初から最後まで、まったく同じペースで歌ったり、語ったりする必要はないように、できているのではないでしょうか。マラソンと似ていて、ラストスパートをかけるところ、駆け引きするところ、マイペースに行くところなど、あると思いますが、歌や語りも、同じように思います。

発声をよくすることは、大前提ですが、いくらいい発声でも、体力は疲労します。どこが大事なのか、どこでエネルギーを最大に発揮するのかを、考えてみてください。

パワーに関しても、いい発声を身に付けること、とても大事ですが、歌や言葉に魂をこめることでパワーのある声が出ます。技術的なことだけにとらわれず、どう表現したいか、ということの追及も大事にしてください。

(♯Ω)

 

.発声の基礎は呼吸です。呼吸が正しくない場合、響きが一定に保てないし、パワーもなくなります。また、声帯を無理に締め付けて、喉で音程をとって発声した場合も、響きが一定ではなくなります。どんな場合も、声は喉に負担があってはいけません。話しているときも、歌っているときも同じです。

英語を話す人たちを参考にするのもよいでしょう。

発声しているときに鼻をつまんだら、出しにくい言葉(音)があるはずです。このとき、特に出しにくいなどと感じることがなければ、あなたの声は喉声であると考えなくてはいけません。呼吸を横隔膜で支え、喉や舌根に力を入れずに、楽に息を吐きます。ここに声が乗っかるだけです。

パワーをつけたい場合も、力で押すのではなく、腹背筋や声帯の周りの筋肉などを強化して、力強い声、張った声を作ります。一定に保つことも腹筋の力です。少しでも緩めば声は揺れます。

これをビブラートと勘違いしてしまう方がいるようですが、これはビブラートではありません。決して間違った解釈で自己流でやらないよう充分注意して、練習に励みましょう。(♯Å)

2018年3月31日 (土)

Q.イーウが共鳴しにくいのですが、どうしたらよいでしょうか。

.たまに、「イ」は共鳴しやすいという人もいますが、ほとんどの場合、何度も繰り返し訓練して、共鳴しやすくなったことが多く、何の努力も訓練もせずに、響きやすいという人はあまりいないでしょう。

「イ・ウ」が共鳴しにくいということは、それ以外の「ア・オ・エ」は共鳴しやすいということが、前提になっているということが、重要です。「ア・オ・エ」が共鳴しやすければ、その訓練の延長として、「イ・ウ」にも取り組めばよいのですが、トレーニングした憶えがない場合は、まず、「ア・オ・エ」が均等に共鳴するように、訓練しましょう。いちばん響きのよい声に、そろえていくのです。

たとえば、「ア」が共鳴しやすければ、「ア」を出すつもりで「オ」や「エ」を出し、均等になったら、今度は、「オ」を出すつもりで「ウ」を、「エ」を出すつもりで「イ」を出すトレーニングを繰り返すことです。これは、それまでの下積みがものをいうので、割と早くできる人もいれば、なかなか難しく、時間のかかる人もいます。すぐにできるとは限らないので、繰り返しトレーニングしましょう。(♭Ξ)

 

.共鳴しにくい理由として、イ、ウは口を開けない母音なので、口内の空間も必要以上に狭くなっていることが考えられます。口を開ける母音ア、エ、オを活用して今までよりも口内を開けてイ、ウを発音してみましょう。

一般的にやりやすい組み合わせは、母音ウにはアーウ、オーウ、母音イにはエーイです。まずはアーと声をのばし口内の空間を保ちながら口を徐々に狭くしてウにもっていきます。(もちろんアと全く同じ空間のままでウは難しいですがなるべく保つように心がけます。)アとウが同じ響きで行うことができたら、アーウ:ドードと音程をつけて練習し、さらにはアーウ:レード、ミードと音程の幅を広げていきます。オ―ウ、エーイもやり方は同じです。

なお、イ、ウに限らず発音すること自体に力んでしまう人にとっては、これだけでは不十分なので、顎や口周りの力みを緩めるトレーニングも並行して行うことが必要です。(♯α)

 

.「イ」も「ウ」も、普段日本語を喋っている感覚で歌おうとすると、なかなかうまくいかないことがあります。いつもの感覚で発音しようとしたときに起こっている現象としては、「イ」では、口が横に広がり過ぎていて、なおかつ上下方向に狭い状態になっているのではないかと推測します。この状態では、口の中は狭くなり、上下方向の空間が確保できないので、響かずにつぶされたような声になると思います。また、喉への負担も増します。

「ウ」では、口を突き出したような状態での発音になってしまうと、「イ」なのか「ウ」なのかわからないような発音になってしまい、この状態では、本来の「ウ」の状態とはかけ離れてしまいます。理想とする本来の「ウ」というのは、欧米原語のuの発音であり、限りなくoに近いものがあります。非常に深みのある音色になるはずです。

いずれにせよ、ieaouという5つの母音を発音する際に、口の形状、特に口腔内の空間が変化し過ぎるということが、最もよくないことだと思います。一語一語喋り過ぎないこと、oの口の形状をベースにして、それを動かし過ぎないように、ほかの母音を処理できるようにしていくといいでしょう。(♭Я)

 

.イーウは口の中も狭いため、共鳴腔も必然的に狭められてしまい、なかなか難しいところではあります。

ある有名なイタリア人テノール歌手が、自伝で書いていることで大変意義深いなと思ったことがあるのですが、「歌手はすべての母音に”オ”母音の要素を含んでなければならない」ということです。

口蓋が下がっている日本人がよく注意される項目の中に、口の中を大きく開けてなどというのがあると思いますが、イタリア人までも、口の中を丸く保つということが重要と考えられるようです。

これを踏まえて、私がやっている練習は、口蓋を上げる、喉の奥を開く、頭蓋骨の後側に空間を意識する、かぶったキャップを持ち上げるかのようにように少し頭蓋骨後ろ部分を持ち上げるなどです。このような広い空間を頭蓋骨の中に作ったうえで「イ」「ウ」を発声します。母音が浅いからと言って、決して音の響きをつぶしません。丸い響き、後頭部の空間を保ったまま発音するのです。これで明瞭に発音できているのか不安になるかもしませんが、聞いている人からすると、何の支障もなく、明瞭に聞こえるものです。(♯β)

 

.i」も「u」も舌の位置が高い母音です。母音を発声するときに、口唇を横に引っ張ったり(日本語のi)、すぼめたり(u)して形を作りますが、口唇の形の違いだけで母音を作ろうとすると口腔内のスペースが狭くなり発声・共鳴しにくいことがあります。

訓練として行っているのは、口唇の形をあまり変えずに下の位置によって母音を変えていく練習です。もちろん連動して口唇も形も変わりますが、主に舌の位置を頼りに母音を作っていくと響きが統一されてくるのが実感できると思います。

また、「i」「u」は声帯を閉じやすい母音でもあるので、人によっては声が出しやすいという人もいます。逆に「a」「o」などは開いてしまって声になりにくいなど、人それぞれの状態があります。

i」「u」が共鳴しにくいのであればご自分にとって鳴らしやすい母音から丁寧に注意深く「i」「u」へ移行するという練習も有効だと思います。その際に口唇や舌の動き、どの時点で共鳴がなくなってしまうのかをご自身またはトレーナーとともに研究してみるとよいと思います。

i」「u」は前だけではなく、後頭部や首の後を意識する母音なので、「後ろの感覚」が苦手なのかもしれません。

 苦手な母音を克服する過程は自分のクセに向き合うよいチャンスなので、トレーナー等に相談して実際に声を聴いてもらうのがよいと思います。(♯ё)

 

.イ、ウは、欧米人(イタリアなど)と比べますと日本人は浅く、平べったくなりがちです。日本語を話す時、日本語歌唱をするときは、場合によっては浅いイ、ウのままで(結果的にそのようになっても)許容できます。しかし、欧米の言語、歌唱になりますと日本語のような浅いイ、ウは違和感を感じます。詰まる感じがし、共鳴しにくさを感じることがあります。

欧米の言語、歌唱では、どの母音も共通しますが、特にイ、ウは縦に伸びるように響きを作ることを特に意識します。体の中に一本の筒が入っていて、その筒の中に息を流しているイメージです。その意識を持つだけでイ、ウが縦の響きになり、共鳴することを感じると思います。

ちなみにウ母音を発する際によく「オのように発音しなさい」と教えられたことが少なくないですが、一理あると思います。(♭й)

 

.イとウは別の問題だと思います。私はイは、あまり口を閉じないようにしています。そして舌の横の部分に歯が当たっていることを確認すると、口の形が安定します。男声の場合は特に問題がないように思います。

ウは、オの共鳴を確認してから「オ―ウーオーウー」と近づけていきます。イタリア語のuoに近いので、oができてればoの共鳴を逃がさないようにすればOKでしょう。日本語の歌詞の場合は、私はイタリア語のuから逆にどの程度、日本語っぽく(薄く)するかを考えます。

しかし、語頭がウの時は例えば「うつくしい」を「utsu…」とかなりイタリア語っぽく露骨にやってもわざとらしく聞こえません。前の母音と繋がっているときは、前の母音の共鳴を変えないようにします。(「さまよう」など。)また、子音が付いているときはその子音にエネルギーをかけます。(「さすらう」を「sasssu…」など。)しかしいずれにしてもウは難しいので緊張しますね。(♭∴)

 

.イとウの母音は口腔内の容積が小さくなるので、アのように開放的に声を出しづらい母音ではありますが、反対に少ないエネルギーで効率よく鳴らすことが可能な母音でもあります。

まず、「イ」の母音の発音方法から見てみましょう。舌の両サイドのみを上の歯に押し付ける。まずはこれだけで「イ」をやってみて下さい。高音に行けば行くほどこの状態のキープは難しくなりますが、苦しくなってもやめないで、さらに強く舌を上に押し付けます。もう無理!という段階に来たら、唇の両端を上げてください。楽になります。

すると、喉だけが開いて、空気の通り道が狭まるのが感じられます。狭い道を抜けていく空気が勝手に「イ」という音を立ててくれます。これがよく共鳴する「イ」の状態です。

次に「ウ」です。前提として日本語の「ウ」は、ヨーロッパの諸言語の「ウ」に比べて浅い位置で発音するので、ここからはヨーロッパの諸言語の「ウ」の話をします。声帯をなるべく下に下げて喉で「ウ」というのがポイントです。つい口先を丸くすることに気を取られて「ウ」と言ってしまいがちですが、口先ではなく、喉で言います。

例えばドイツ語には何種類もの「ウ」がありますが、全部喉の位置は同じで、口先の形だけを区別して発音します。

これができるようになれば、日本語の「ウ」にも応用が可能です。(♯∂)

 

.イやウは、口の中が狭くなりがちなので、共鳴しにくいと思われます。ですから、他の母音よりも意識して、口の中を開けると共鳴しやすくなります。しかし、なかなか、他の母音と統一することが難しいです。アイエオウの順で、ロングトーンなどで、確認することが大事です。なるべく、音色が変わらずに、統一されていることが重要です。見た目の口の形も、気をつけてみましょう。口に力が入ってると、共鳴しにくくなります。発音は、口で作るよりも、鼻の奥を意識して発音すると、イやエが、響きやすくなります。口の開け方も、とても重要です。

イは決して、横に開かず、ドイツ語のUウムラウトのイメージがよいと思います。ウもなるべく、見た目、口をあげず、丸い感じをイメージして歌うとよいです。

顔の表情も、気をつけるべき点で、目をしっかりと開き、後頭部を開くようなイメージで歌うと、共鳴しやすくなります。顔や口など、気をつけるべき点は多くありますが、それらは、すべて、支えあってのことです。恥骨から、背中を通って、息が出るのをイメージして、歌うとさらに共鳴してきます。口の開け方は、音の高さにもよりますが、基本は横に開けないこと。高い音になるとそうもいかないかもしれませんが、なるべくたてに、口を開けるようにすると、共鳴すると思います。(♯Ω)

 

.母音の中でイとウがもっとも難しいと言われています。皆さんが一番苦労する母音ですし、私も繰り返し練習を積んだ母音です。「イ」と「ウ」は口の中が狭くなります。特に「イ」は口を横に開く、と学校で習います。子供のころによく見た50音の口の形の解説図にも、しっかりと横に開いた図が載っていますね。

確かに「イ」は横に開くのですが、それでは歌うときに喉がしまってしまうし、あごも固まってしまい歌いづらいです。

「イ」の時の舌の位置を鏡で確認してみましょう。舌の両脇が、上の奥歯を軽く押しているのが分かると思います。

舌の奥は喉と一緒に上に上がってこないように、初めは意識的に力を入れて下に下げるようにすると口の中が広くなります。もっと分かりやすく言うと、「イ」の母音の時でも軟口蓋は常に高く、そして舌の先は下の歯の裏に軽くついている状態を保ちます。これで「イ」の発声が出来るよう繰り返し練習します。

「ウ」の場合も同じです。唇を丸くし、口の奥は「オ」の状態で広く、高く保ちます。音の高低に伴って、喉(声帯)が一緒に動いてしまわないようしっかりとお腹で支えます。息のラインは「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」すべて同じ場所を通るのです。響きは頬骨の辺りや鼻筋のところにあたるよう意識します。

覚えるまで時間がかかると思いますが、正しいラインで声が出せればとても楽ですので、がんばって練習しましょう。(♯Å)

2018年2月24日 (土)

Q. 共鳴についてうまくいきません。パワーがないし、一定に保てません。

.共鳴には、いくつかの種類があり、それらの複合具合のさじ加減によって、声はさまざまに変わってきます。それは、トレーナーや先生の好みで決められてしまうことも少なくありません。

どの共鳴にも共通している点は、共鳴のさせ方を体で実感し、繰り返しトレーニングすることで、さらに磨いて強化し、簡単に再現できるようにしていくことです。そうしないと、実際には使えないということを肝に銘じましょう。

共鳴は、力ずくではうまくいかないものですが、ある程度の力があるほうが、やりやすいことも事実です。共鳴させるために必要な、口の中の開け方など、そのために必要な筋肉がうまく育って、楽に使えるようになったところで、初めて、無駄な力を入れずに、効率よく共鳴させることができるのです。

ですから、当然のことですが、一朝一夕でできるようにはなりません。共鳴のレベルにもよりますが、統一性やパワー不足など、ワンランクアップさせるだけでも、1年くらいは、しっかりと自主トレに取り組む必要があります。しかし、考え方を変えれば、時間さえかければ、手に入れることが可能だということです。(もちろん、進むべき方向を間違えてしまっては、意味がありません。)(♭Ξ)

 

.改善策として、まずやるべきことは声を前に出すことです。声を前にだすためにはかなりパワーがいります。できているつもりで、できていない人が多いです。喉が開かないと声は前にいきません。舌根は下がり、下あごも引き(または下げ)ます。嘔吐するような状態になるときもあります。

一人では難しいのでなるべくトレーナーの指示でおこないましょう。レッスンでも、声を前にだすためにさまざまなアプローチをしました。ある人は「これは一人では想像もできない感覚」と言ってました。声を前にだすためには、自分では悪いほうにいくんじゃないかという声の聞こえ方、出し方のアプローチが必要な場合があるからです。

喉が開かないで声を前にだそうとすると、喉をいためたり、ただ怒鳴っているだけの状態になりかねません。喉が開いて声が前に出始めると息も流れますから、共鳴がぶれることが少なくなりますし、パワーもでます。なによりも声が安定しますから歌っていての辛さは減少するでしょう。喉があかない、声が前にでていない中で自分で声を前後左右、上下にコントロールしてもかえって悪い迷路に入り込むことが多いです。一つのことに特化してトレーニングすることも重要です。(♭Σ)

 

.共鳴に統一性を持たせるのは、歌を歌う上でとても重要なことのひとつです。その統一性を持たせた声にパワーをつける・一定に保つ、ためのトレーニングをするという順番で捉えるとわかりやすいでしょう。

共鳴が統一するとは、要するに「母音アイウエオの共鳴を揃える」ということです。大抵は歌いやすい母音=共鳴しやすい母音で一致します。例えば母音ア、イが共鳴しやすい方は、アーオ、アーエ、イーウ、とアやイの共鳴を保ったまま次の母音に移行する練習をします。共鳴しにくい母音だけをどうにかしようと頑張るより、よい共鳴からその状態を引き継ぐやり方が断然に近道です。

共鳴のパワーや一定に保つことについては、息のスピードや息の流れ方が関係します。大雑把な表現ですが息の流れがゆっくりなら穏やかな共鳴、速い流れならパワフルな共鳴、という感じです。また共鳴した声は息の流れに乗って出ていくので、共鳴を保つにはしっかり身体を使って息をコントロールすることが必要です。(♯α)

 

.根本的な原因は、体で支えられていないことだと思います。直接的な原因としては、呼気圧が足りないことによる不安定な状況であると考えます。

共鳴というと、どうしても合唱声のような、軽やかな頭の上で響いているような声のイメージがあると思いますが、声の響きに意識が向きすぎるのはあまりいいことではありません。あくまでも、声を自在にコントロールできるようになった人の最終手段であるべきところなので、いきなり響きを狙いすぎないようにしましょう。

また、音程や高音に対する向き合い方もいろいろな影響を与えます。音を考えすぎてしまうと、声の通り道がその瞬間に途切れてしまうことがあります。声の通り道が変わってしまうことも、声が出しにくく感じる原因の一つになります。

体での支えと呼気圧が足りないことが原因であると述べましたが、呼気圧、つまり、息を吐くエネルギーが不足していると、声の通り道が一定に保てなくなり、結果的に共鳴のビブラートがなくなったり、レガートな感覚が失われることに結び付きます。

それを防ぐためには、しっかりと息を吐ける環境づくり、ブレスの吸い方から、取り入れるポイント、そして、吐き方に至るまで、しっかり体と連携が取れた状態にしなくてはなりません。大きな課題になりますが、全体を改良していくことによって、これらの問題が解決していくことに結び付くと思います。(♭Я)

 

.共鳴を意識したとき、どのような声の種類を用いていますか。頭声でしょうか、それとも胸声でしょうか。

弱々しい頭声、弱々しい裏声ですと、パワーが少なかったり、響きにムラが多かったりするかもしれません。まずは共鳴の前に、しっかりとした発声ができていることが前提になると思います。

共鳴を作るのは身体の内側の作業です。内側の空洞をしっかり確保することが必要です。鼻から吸ったら、その周りはまるで空間が大きく拡がっているかのようにイメージしてください。

ある先生はピザを飲むくらい喉が開いていると表現しますし、またある先生は、軟口蓋が頭のてっぺんまで来るように喉を開けてと仰るし、また、耳も鼻も穴という穴をあけて、という人もいます。

ここで注意しなければならないのは、開けるスペースを確保したために、口の周りや首などに力が入ってしまうことです。リラックスを前提としたうえで、スペースを確保しましょう。

統一性やパワー、一定に保つということに関しては、しっかり身体の支えをキープして、一貫して息のスピードが変わらずに吐けるということが必要になると思います。下半身やお腹周りで身体を支えた上で、喉首肩は極めてリラックスしたまま、頭蓋骨の中の空間を広げて、腹圧を高めたまま息を一定に吐いていくようなイメージで練習してはいかがでしょうか。(♯β)

 

.実際に声を聴いてみないと正確に回答できないのですが、次のように整理して考えたいと思います。

・共鳴に統一性がない。・共鳴にパワーがない。・共鳴が一定に保てない。

・共鳴に統一性がない→各母音間で統一できないということでしょうか。そのようであれば、トレーナーのもと共鳴が統一されるよう練習しましょう。

母音から次の母音への移行に時間をかけて響きを揃えるようにします。

・共鳴にパワーがない→共鳴にパワー(力)が必要かどうかというところから考えてみてください。

リラックスして自然に鳴ることが大切だと思います。

・共鳴が一定に保てない→呼吸のトレーニングからていねいにみていく必要があります。

自分の身の丈以上のことをすぐにしようとせずに、無理やり共鳴させようとせずに、ロングトーンや呼吸、姿勢を見直してみましょう。(♯ё)

 

.原因としては、「体の支えが足りない、体自体が使えていない」ということです。体が使えなくて喉ばかりの発声になりますと、共鳴にある程度のパワーは発揮すると思いますが(元々、喉が強靭な方に限ります)、限度が生じます。音程も正確にとることが容易ではないです。もちろん喉に負担がかかります。

では、体の支えということで、気をつけることは、次の手順になります。みぞおちから下腹部→腰→臀部→下半身へとゆっくり長く筋肉を使います。それが体の支えとなり、その支えからゆっくり上顎へ息を送りこみ、息の上に言葉()を乗せるように声を発します。力の比率が、首より下:首より上=9:1になるようバランスを考えます。軽く声を出しても歌詞がはっきり発音できる支えのバランスです。

これらを注意することにより、体を使う発声が可能となり、共鳴に統一性、一定さを保つことができ、パワーもついてきます。また、健康的な声になり、喉への負担も減らすことができます。(♭й)

 

.まずあなたが「共鳴」を感じたということが大切で、素晴らしいです。それが「正しい」とかそうでないか関係なく。それを弱くても不安定でも、いつでもどこでも取り出せることが大切です。

その次の段階では、共鳴できる高さの一つの音を長くのばして下さい。その感覚を忘れないで。そこから少しずつ強くしていきます。一つの音が強く共鳴してのばせるようになったら、そこから少しずつ音程を広げていけるようにしてください。

何よりも「共鳴した!」と思ったらその感覚を忘れないこと、いつでも取り出せるようにすること、そして少しずつ、強さ、音程を広げていくことです。(♭∴)

 

.声帯で発声した振動は咽頭腔、鼻腔、口腔と言った「共鳴腔」で共鳴します。一定に保ったり、パワーを出していくためには、息を送り出すパワーの部分と、上半身のリラックス、口の開け方がポイントになってくると思います。まず、共鳴する口の開け方を練習し、共鳴の感覚を掴みましょう。

そして、腹式呼吸をしっかりしましょう。その際に無駄な力を抜きましょう。そのことでまず、一定に保つことができてくるでしょう。息の送り方でパワーも出てくると思いますが、出そう出そうと思うことより、無駄な力を抜き、息を流すことを意識した方がパワーにつながることが多いです。(♭Ц)

 

.主に二つの原因があります。

一つ目は、音域による問題。得意な音域とそうでない音域で差がでてしまいがちです。これを解消するために、次のような練習をお勧めします。

prrrrvvvvvzzzzz(できない方はハミング)でスケールの練習をして下さい。これだと母音での発声練習のような大きな声もいい声も出ません。その代わりに、高い音も低い音も、いつも引っかかる音域(いわゆるチェンジ)も難なくクリアできます。

また、この練習では自動的にお腹の支えができます。喉仏が低い位置で保てます。やりながらお腹と喉に手を当てて、自分の身体がどうなっているか観察してみて下さい。

次に、同じようにスケールで、prrrr→ア、vvvvv→ウ、zzzzz→イと、途中で母音へと変化させる練習を行います。母音に変化する瞬間に、支え方が変わらないように。

先ほど観察したお腹と喉の状態を保ちながら。これが完璧にできるようになったら、最後に母音だけでやってみましょう。上手く行かなければ、初めに戻って。

このようにして、自分の身体を騙しながら音域による差を埋めていけば、統一感のある声が仕上がります。

二つ目は、母音の違いによる問題。どの母音でも均質な声が出るように整えていく必要があります。

最終的にはほぼ舌の位置の変化だけで母音をコントロールするのですが、まずは筋トレ感覚で、ハッキリと大げさにアイウエオを言う練習がたくさん必要です。どの母音でも喉仏の位置が変わらないように心掛けると間違えないでしょう。(♯∂)

 

.長時間歌ったり、しゃべったりするときに、悩みを抱えている人がいます。オペラや、語りなどは、長時間にわたり声を使いますが、そうした長い歌や、語りにはたいてい、大事な部分と、そんなに大事ではない部分があると思います。最初から最後まで、まったく同じペースで歌ったり、語ったりする必要はないように、できているのではないでしょうか。マラソンと似ていて、ラストスパートをかけるところ、駆け引きするところ、マイペースに行くところなど、あると思いますが、歌や語りも、同じように思います。

発声をよくすることは、大前提ですが、いくらいい発声でも、体力は疲労します。どこが大事なのか、どこでエネルギーを最大に発揮するのかを、考えてみてください。

パワーに関しても、いい発声を身に付けること、とても大事ですが、歌や言葉に魂をこめることでパワーのある声が出ます。技術的なことだけにとらわれず、どう表現したいか、ということの追及も大事にしてください。

(♯Ω)

 

.発声の基礎は呼吸です。呼吸が正しくない場合、響きが一定に保てないし、パワーもなくなります。また、声帯を無理に締め付けて、喉で音程をとって発声した場合も、響きが一定ではなくなります。どんな場合も、声は喉に負担があってはいけません。話しているときも、歌っているときも同じです。

英語を話す人たちを参考にするのもよいでしょう。

発声しているときに鼻をつまんだら、出しにくい言葉(音)があるはずです。このとき、特に出しにくいなどと感じることがなければ、あなたの声は喉声であると考えなくてはいけません。呼吸を横隔膜で支え、喉や舌根に力を入れずに、楽に息を吐きます。ここに声が乗っかるだけです。

パワーをつけたい場合も、力で押すのではなく、腹背筋や声帯の周りの筋肉などを強化して、力強い声、張った声を作ります。一定に保つことも腹筋の力です。少しでも緩めば声は揺れます。

これをビブラートと勘違いしてしまう方がいるようですが、これはビブラートではありません。決して間違った解釈で自己流でやらないよう充分注意して、練習に励みましょう。(♯Å)

2018年1月27日 (土)

Q.イーウが共鳴しにくいのですが、どうしたらよいでしょうか。

.たまに、「イ」は共鳴しやすいという人もいますが、ほとんどの場合、何度も繰り返し訓練して、共鳴しやすくなったことが多く、何の努力も訓練もせずに、響きやすいという人はあまりいないでしょう。

「イ・ウ」が共鳴しにくいということは、それ以外の「ア・オ・エ」は共鳴しやすいということが、前提になっているということが、重要です。「ア・オ・エ」が共鳴しやすければ、その訓練の延長として、「イ・ウ」にも取り組めばよいのですが、トレーニングした憶えがない場合は、まず、「ア・オ・エ」が均等に共鳴するように、訓練しましょう。いちばん響きのよい声に、そろえていくのです。

たとえば、「ア」が共鳴しやすければ、「ア」を出すつもりで「オ」や「エ」を出し、均等になったら、今度は、「オ」を出すつもりで「ウ」を、「エ」を出すつもりで「イ」を出すトレーニングを繰り返すことです。これは、それまでの下積みがものをいうので、割と早くできる人もいれば、なかなか難しく、時間のかかる人もいます。すぐにできるとは限らないので、繰り返しトレーニングしましょう。(♭Ξ)

 

.共鳴しにくい理由として、イ、ウは口を開けない母音なので、口内の空間も必要以上に狭くなっていることが考えられます。口を開ける母音ア、エ、オを活用して今までよりも口内を開けてイ、ウを発音してみましょう。

一般的にやりやすい組み合わせは、母音ウにはアーウ、オーウ、母音イにはエーイです。まずはアーと声をのばし口内の空間を保ちながら口を徐々に狭くしてウにもっていきます。(もちろんアと全く同じ空間のままでウは難しいですがなるべく保つように心がけます。)アとウが同じ響きで行うことができたら、アーウ:ドードと音程をつけて練習し、さらにはアーウ:レード、ミードと音程の幅を広げていきます。オ―ウ、エーイもやり方は同じです。

なお、イ、ウに限らず発音すること自体に力んでしまう人にとっては、これだけでは不十分なので、顎や口周りの力みを緩めるトレーニングも並行して行うことが必要です。(♯α)

 

.「イ」も「ウ」も、普段日本語を喋っている感覚で歌おうとすると、なかなかうまくいかないことがあります。いつもの感覚で発音しようとしたときに起こっている現象としては、「イ」では、口が横に広がり過ぎていて、なおかつ上下方向に狭い状態になっているのではないかと推測します。この状態では、口の中は狭くなり、上下方向の空間が確保できないので、響かずにつぶされたような声になると思います。また、喉への負担も増します。

「ウ」では、口を突き出したような状態での発音になってしまうと、「イ」なのか「ウ」なのかわからないような発音になってしまい、この状態では、本来の「ウ」の状態とはかけ離れてしまいます。理想とする本来の「ウ」というのは、欧米原語のuの発音であり、限りなくoに近いものがあります。非常に深みのある音色になるはずです。

いずれにせよ、ieaouという5つの母音を発音する際に、口の形状、特に口腔内の空間が変化し過ぎるということが、最もよくないことだと思います。一語一語喋り過ぎないこと、oの口の形状をベースにして、それを動かし過ぎないように、ほかの母音を処理できるようにしていくといいでしょう。(♭Я)

 

.イーウは口の中も狭いため、共鳴腔も必然的に狭められてしまい、なかなか難しいところではあります。

ある有名なイタリア人テノール歌手が、自伝で書いていることで大変意義深いなと思ったことがあるのですが、「歌手はすべての母音に”オ”母音の要素を含んでなければならない」ということです。

口蓋が下がっている日本人がよく注意される項目の中に、口の中を大きく開けてなどというのがあると思いますが、イタリア人までも、口の中を丸く保つということが重要と考えられるようです。

これを踏まえて、私がやっている練習は、口蓋を上げる、喉の奥を開く、頭蓋骨の後側に空間を意識する、かぶったキャップを持ち上げるかのようにように少し頭蓋骨後ろ部分を持ち上げるなどです。このような広い空間を頭蓋骨の中に作ったうえで「イ」「ウ」を発声します。母音が浅いからと言って、決して音の響きをつぶしません。丸い響き、後頭部の空間を保ったまま発音するのです。これで明瞭に発音できているのか不安になるかもしませんが、聞いている人からすると、何の支障もなく、明瞭に聞こえるものです。(♯β)

 

.i」も「u」も舌の位置が高い母音です。母音を発声するときに、口唇を横に引っ張ったり(日本語のi)、すぼめたり(u)して形を作りますが、口唇の形の違いだけで母音を作ろうとすると口腔内のスペースが狭くなり発声・共鳴しにくいことがあります。

訓練として行っているのは、口唇の形をあまり変えずに下の位置によって母音を変えていく練習です。もちろん連動して口唇も形も変わりますが、主に舌の位置を頼りに母音を作っていくと響きが統一されてくるのが実感できると思います。

また、「i」「u」は声帯を閉じやすい母音でもあるので、人によっては声が出しやすいという人もいます。逆に「a」「o」などは開いてしまって声になりにくいなど、人それぞれの状態があります。

i」「u」が共鳴しにくいのであればご自分にとって鳴らしやすい母音から丁寧に注意深く「i」「u」へ移行するという練習も有効だと思います。その際に口唇や舌の動き、どの時点で共鳴がなくなってしまうのかをご自身またはトレーナーとともに研究してみるとよいと思います。

i」「u」は前だけではなく、後頭部や首の後を意識する母音なので、「後ろの感覚」が苦手なのかもしれません。

 苦手な母音を克服する過程は自分のクセに向き合うよいチャンスなので、トレーナー等に相談して実際に声を聴いてもらうのがよいと思います。(♯ё)

 

.イ、ウは、欧米人(イタリアなど)と比べますと日本人は浅く、平べったくなりがちです。日本語を話す時、日本語歌唱をするときは、場合によっては浅いイ、ウのままで(結果的にそのようになっても)許容できます。しかし、欧米の言語、歌唱になりますと日本語のような浅いイ、ウは違和感を感じます。詰まる感じがし、共鳴しにくさを感じることがあります。

欧米の言語、歌唱では、どの母音も共通しますが、特にイ、ウは縦に伸びるように響きを作ることを特に意識します。体の中に一本の筒が入っていて、その筒の中に息を流しているイメージです。その意識を持つだけでイ、ウが縦の響きになり、共鳴することを感じると思います。

ちなみにウ母音を発する際によく「オのように発音しなさい」と教えられたことが少なくないですが、一理あると思います。(♭й)

 

.イとウは別の問題だと思います。私はイは、あまり口を閉じないようにしています。そして舌の横の部分に歯が当たっていることを確認すると、口の形が安定します。男声の場合は特に問題がないように思います。

ウは、オの共鳴を確認してから「オ―ウーオーウー」と近づけていきます。イタリア語のuoに近いので、oができてればoの共鳴を逃がさないようにすればOKでしょう。日本語の歌詞の場合は、私はイタリア語のuから逆にどの程度、日本語っぽく(薄く)するかを考えます。

しかし、語頭がウの時は例えば「うつくしい」を「utsu…」とかなりイタリア語っぽく露骨にやってもわざとらしく聞こえません。前の母音と繋がっているときは、前の母音の共鳴を変えないようにします。(「さまよう」など。)また、子音が付いているときはその子音にエネルギーをかけます。(「さすらう」を「sasssu…」など。)しかしいずれにしてもウは難しいので緊張しますね。(♭∴)

 

.イとウの母音は口腔内の容積が小さくなるので、アのように開放的に声を出しづらい母音ではありますが、反対に少ないエネルギーで効率よく鳴らすことが可能な母音でもあります。

まず、「イ」の母音の発音方法から見てみましょう。舌の両サイドのみを上の歯に押し付ける。まずはこれだけで「イ」をやってみて下さい。高音に行けば行くほどこの状態のキープは難しくなりますが、苦しくなってもやめないで、さらに強く舌を上に押し付けます。もう無理!という段階に来たら、唇の両端を上げてください。楽になります。

すると、喉だけが開いて、空気の通り道が狭まるのが感じられます。狭い道を抜けていく空気が勝手に「イ」という音を立ててくれます。これがよく共鳴する「イ」の状態です。

次に「ウ」です。前提として日本語の「ウ」は、ヨーロッパの諸言語の「ウ」に比べて浅い位置で発音するので、ここからはヨーロッパの諸言語の「ウ」の話をします。声帯をなるべく下に下げて喉で「ウ」というのがポイントです。つい口先を丸くすることに気を取られて「ウ」と言ってしまいがちですが、口先ではなく、喉で言います。

例えばドイツ語には何種類もの「ウ」がありますが、全部喉の位置は同じで、口先の形だけを区別して発音します。

これができるようになれば、日本語の「ウ」にも応用が可能です。(♯∂)

 

.イやウは、口の中が狭くなりがちなので、共鳴しにくいと思われます。ですから、他の母音よりも意識して、口の中を開けると共鳴しやすくなります。しかし、なかなか、他の母音と統一することが難しいです。アイエオウの順で、ロングトーンなどで、確認することが大事です。なるべく、音色が変わらずに、統一されていることが重要です。見た目の口の形も、気をつけてみましょう。口に力が入ってると、共鳴しにくくなります。発音は、口で作るよりも、鼻の奥を意識して発音すると、イやエが、響きやすくなります。口の開け方も、とても重要です。

イは決して、横に開かず、ドイツ語のUウムラウトのイメージがよいと思います。ウもなるべく、見た目、口をあげず、丸い感じをイメージして歌うとよいです。

顔の表情も、気をつけるべき点で、目をしっかりと開き、後頭部を開くようなイメージで歌うと、共鳴しやすくなります。顔や口など、気をつけるべき点は多くありますが、それらは、すべて、支えあってのことです。恥骨から、背中を通って、息が出るのをイメージして、歌うとさらに共鳴してきます。口の開け方は、音の高さにもよりますが、基本は横に開けないこと。高い音になるとそうもいかないかもしれませんが、なるべくたてに、口を開けるようにすると、共鳴すると思います。(♯Ω)

 

.母音の中でイとウがもっとも難しいと言われています。皆さんが一番苦労する母音ですし、私も繰り返し練習を積んだ母音です。「イ」と「ウ」は口の中が狭くなります。特に「イ」は口を横に開く、と学校で習います。子供のころによく見た50音の口の形の解説図にも、しっかりと横に開いた図が載っていますね。

確かに「イ」は横に開くのですが、それでは歌うときに喉がしまってしまうし、あごも固まってしまい歌いづらいです。

「イ」の時の舌の位置を鏡で確認してみましょう。舌の両脇が、上の奥歯を軽く押しているのが分かると思います。

舌の奥は喉と一緒に上に上がってこないように、初めは意識的に力を入れて下に下げるようにすると口の中が広くなります。もっと分かりやすく言うと、「イ」の母音の時でも軟口蓋は常に高く、そして舌の先は下の歯の裏に軽くついている状態を保ちます。これで「イ」の発声が出来るよう繰り返し練習します。

「ウ」の場合も同じです。唇を丸くし、口の奥は「オ」の状態で広く、高く保ちます。音の高低に伴って、喉(声帯)が一緒に動いてしまわないようしっかりとお腹で支えます。息のラインは「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」すべて同じ場所を通るのです。響きは頬骨の辺りや鼻筋のところにあたるよう意識します。

覚えるまで時間がかかると思いますが、正しいラインで声が出せればとても楽ですので、がんばって練習しましょう。(♯Å)

2017年12月30日 (土)

Q. マスケラについて教えてください。

.「マスケラ」とは、イタリア語で、「仮面」のことですが、ここで安易に普通の「お面(めん)」と混同してしまうと、少し話が違ってきます。「お面」は、ほとんどの場合、お祭りの屋台などで売られているように、顔全体を覆うものですが、「マスケラ」は仮面舞踏会などでよく使われる、目を中心に鼻の上部やおでこを覆うもので、顔の上半分を覆うものです。

つまり、目を中心とした顔の上半分に、「声を響かせて」とか、「声を集めて」あるいは「声を出して」などといった使い方で、「マスケラ」は声楽のレッスンの中で使われる言葉です。特に、イタリア人好みの、輝かしいテノールの声を出すためには、必須のテクニックというイメージがあります。

声がこもり気味の場合や、前に出ていない場合には、とても役に立つメソードで、しっかりと取り組む価値は十分にありますが、これだけに固執してしまうと、音程が悪くなったり、声が浅くなり過ぎたりすることもあるので、他のメソードとも併用して、うまく活用することが大切でしょう。(♭Ξ)

 

.副鼻腔など、目の周辺には大きく分けて4つの穴があります。その空間を使って共鳴させて歌う技術を使うときに使われることばです。私自身は30歳くらいまではテクニックとして一番重要視していたのはマスケラを意識して声出すことです。

メトロポリタン歌劇場やパリオペラ座などで活躍していたテノール歌手は世界的な歌手の声の条件は「マスケラとジラーレ」 と言っていました。

しかし、マスケラを意識しすぎると喉があがりやすくなり薄い声になりがちです。浅い声になるのでかえって響かなかったり高音が出しづらく、聞き手にも苦しそうに聞こえます。重要なのは自分でマスケラを狙うのではなく勝手に声がマスケラに響くようになることだと思います。(♭Σ)

 

.学生のときにレッスンで折に触れて耳にしたマスケラ(イタリア語で「仮面」の意味)は、発声用語のように使われていることがあります。仮面という意味からも、顔の部分どこか一点、一か所ではなく、どこか一面を指します。ヴェネチアンマスクでアイマスクのタイプ(顔の上半分、目元を覆うタイプ)を思う浮かべてみると分かりやすいでしょう。

イタリアや近隣国にいた頃、もっとマスケラ!とアイマスク部分から声が出てくるイメージを手のしぐさで表わす人や、マスケラに声を載せて!とか、やっとマスケラに声が乗り上げたね、といった表現の指導を受けた覚えがあります。観察してみると、その顔は集中していて不要な瞬きはなく必要最小限のようです。マスケラから声が出ているという感覚、またそこに意識を向けて歌唱している、ということです。

ただし、マスケラに響かせる、といった表現で教えを受けたことはなく、個人的にもそれでは違う方向になってしまう(鼻声になってしまうなど)と認識しています。(♯α)

 

.マスケラは、人間の骨の中で一番大きい骨でもある頭蓋骨を鼻腔あたりから意識して声を共鳴させるテクニックの一つです。一番大きい骨である顔や頭蓋骨を響かせる為には、鼻の周りと頬骨のあたりに声を響かせるイメージで、具体的には頬骨と目の周りに自分の口があり、そこから声が出るぐらいの感覚で声の響きを集めて下さい。

練習方法としては、ハミングの練習(ハミングが苦手であれば、少し口を開いて声を鼻に響かせるでもよいです。)ハミングを最大限に生かしやすいM行やN行を子音に使って、鼻腔を必ず意識しながらの発声練習もおすすめです。ただ、響きを前にイメージしすぎると、顔の前ばかり当てて、声帯を絞めて歌いやすくなるときがありますので、息を送り出すときは後頭部から息を回して前方に送り出すようなイメージを持つことも大切なのかなと思います。そして、肩から上、首のあたりの力を抜いて、軟口蓋をしっかり上げて歌う意識もしっかり持ってください。そのとき、頬骨の一番高いところを保つために、少し微笑んだ状態で発声するとよいと思います。

(♯Δ)

 

.マスケラとはイタリア語で「仮面」を意味し、英語なら「マスク」のことを言います。顔の表面、鼻の裏あたりに声をあてて歌う歌い方です。ここで間違えてはいけないのが、「鼻腔」ではなく、「副鼻腔」共鳴するということです。「鼻腔」共鳴だと、ただの鼻声になってしまい、声が閉じたようになってしまいます。「マスケラ」はクラシックの声楽を学ぶと聞く言葉ですが、ポップスではあまり聞きなれない言葉でしょう。

私の感覚としては、口の中を大きく開き、発声したときに呼吸が頭蓋骨から顔面に向かって流れてくるような感覚です。そして顔の表面がビンビン鳴る感じというのでしょうか、共鳴しているという感じです。

マスケラで歌うということは、その前に正しい深い呼吸(腹式呼吸)ができていないといけませんし、喉や胸の周りの開放、高音発声時の支えなどがわかっていないとできませんので、初心者の方にはあまりお勧めできませんし、クラシック以外の音楽を目指している方にはあまり縁のない唱法だと思います。(♯Å)

 

.イタリア語で「仮面」を意味する言葉で、声楽的な発声用語としては「響きの位置」を意味します。響きに関しては、自分も過去には「狙ったり集めたりするもの」と教わったことがありましたが、最近、新たなメソッドで教わっていく中で感じることとしては、「狙い過ぎない。集めすぎない。」ということの方がどうやら大事なようです。自ら狙ったり集めたりという方向に持って行ってしまうと、本来のマスケラの位置に到達せず、鼻声になったり響きが下がったりという現象が起こります。

マスケラの位置で響く声というのは、あくまでも自然なところを通ってきた声が結果的におでこの先の方で響く感覚のある声だと思います。キンキンとした甲高い声ではなく、ゆとりのある倍音に満ちあふれたキラキラとした声で響く部分。イタリア・オペラを歌う名テノールによくある声だと思います。

できたら録音ではなく、生で実際に聴いてみるといいと思います。耳がキンキンせず、煌びやかな音色として響く部分。発声を磨いていった結果、結果としてその位置に到達する部分というのが、真のマスケラのポイントだと思います。(♭Я)

 

.マスケラとはmaschera、つまりイタリア語で仮面の意味です。ここで、出てくるということは、発声に必要なワードとして出てきたのだと思います。

声は、訓練しないと日本人は特に口の中でこもったような発声になりかねません。喉のあたりでもごもごしてしまったり、張のない声でしたら、聞いている人はとても聞き取りずらいと思います。そのような声を解消するために、よく声楽講師は、マスケラに乗った声、マスケラにあてた声などを表現します。

声を顔の中ではなく外に響かせます。目安にするのは、頬骨、鼻の上のほうなどを意識していただいて声を出します。顔に当てる、意識するといっても、ただ意識しただけでは不十分だと思います。そのときに必要になるのはお腹の底の支えと、息のスピードです。この、息にスピードがなければ、顔のほうまで声が飛んでいきようがありません。また、口の中よりも上あご、頬骨の位置を意識して、その位置に声を置くようにしましょう。(♯β)

 

.マスケラ(Maschera)は、イタリア語で「仮面」を意味する言葉です。想像していただきたいのは、ヴェネツィアのカーニヴァルなどで使われるのは、鼻から額までの仮面です。

トレーニングの際に「マスケラ」に響かせて」という言い方を聞くことがあるかもしれませんが、これはその顔面上部のことを指し、前頭部を中心にした共鳴のことを言います。イタリアオペラの確立とともに発声法も研究されたため、ベルカント発声の用語にはイタリア語が多く使われます。

 一方、日本の伝統芸術で「仮面」というと、真っ先に思い出すのはお能の面です。こちらは顔全体を覆うものも多くあります。以前、日本の発声を研究すべくお能の謡のお稽古をしていただいていたときに先生が「仮面をつけても声が通るには、身体の中に響かせること」とおっしゃいました。確かにお能の演じ手は仮面をつけていても会場の隅々までよく声が通ります。

西洋の発声と日本の発声という違いはありますが、マスケラに響かせようとするとき、外側へ響かせようとするよりも、骨を中心に自分の身体の中へ響かせるという感覚も大切なことです。(♯ё)

 

.まずマスケラとは、マスクのことです。とは言いましても、普段口に装着するマスクのことではありません。欧米に仮面舞踏会という催しがありますが、その際に目元を隠して素性を表さないためにするマスクのことです「仮面舞踏会」(ヴェルディ作曲)、「コウモリ」(ヨハン・シュトラウス作曲)といったオペラ、オペレッタ作品で見掛けた方もいるかと思います。そのマスクを装着する目元及び額の辺りから、光線のように声が飛び出てくる現象が、所謂「マスケラに当たった声」ということになります。

マスケラに当たった声は、声のポジション(声を発する位置)が高く、声の飛びが非常によいです。もちろん、喉元に引っ掛かる、声がこもるということは皆無です。また、大編成のオーケストラや大人数の合唱と同時に声、音を発しても、オーケストラ、合唱を飛び抜けて聴衆の耳に聴こえてきます。

マスケラに当たった声にするためには、体の支え、体の筋肉(腰、臀部、足、背中など)を使って息を軟口蓋へ送ることが必要です。その送り込んだ息の上に声を乗せると、結果としてマスケラの部分に声が当たると思います。首から上に余計な力が入ることなく声が出ます。

ここで注意が必要なこととして、始めからマスケラの部分へ声を狙わないということです。この場合、重心が上がり、体の支えがなくなる可能性が考えられるからです。(♭й)

 

.「マスケラ」とはイタリア語で「仮面」の意味です。イタリアのお祭りなどで使用する、顔の上半分の仮面をイメージしてみていただき、そこを響かせることを意識することで、響きのある声、そして、音程を取りやすくなります。そのためにはまず、ハミングをしっかりできるようにすることが必要です。

喉で響くハミングをしてしまう人が多いですが、しっかり鼻が響くハミングをつかむことで、マスケラの響きをつかみやすくなります。また、声を鼻にかける練習も、ハミング同様にマスケラをつかむ有効な練習です。

(♭Ц)

2017年11月25日 (土)

Q. 声域が狭いので拡げたいのですが、どうしたらよいでしょうか。

.声域の狭い方は、2つのタイプがあるようです。ある程度の大きめの立派な声が出せるが、声域が広くない場合と、声そのものがあまり出せない、あるいは出し慣れていないタイプです。

後者の場合は、声を少しずつ出し慣れていけば、意外に声域が狭くないことはよくあるので、まず、声そのものを出し慣れていくことです。しぜんに声域も広がっていくことが多いので、あまり心配はいりません。

問題は、前者の場合です。すでに、ある程度の立派な声が出せるようになっていると、喉の使い方が、その立派な声の声域で、固まっていることが少なくなく、声が立派になればなるほど、喉の柔軟性が低くなっていることが多いのです。つまり、その立派な声の出し方でしか、喉を使わなくなってしまっているので、より高い、あるいはより低い声の出し方自体をできなくなってしまうのです。

それを取り戻すには、喉を柔らかくして、立派ではない声・頼りない声で、まずは声を出せるようにすることですが、これはなかなか時間がかかり、一朝一夕には進まないものです。喉の力を抜いて、何度も何度もトライし続けることが、成功の鍵です。(♭Ξ)

 

.声域というのは生まれ持った声帯の長さ、太さ、幅、または声帯を引っ張る筋肉などでも変わってきますのである程度は生まれ持った自分の楽器とその後の努力で変わります。

声域を下に広げる場合には胸に響かせるようなトレーニングが重要ですし、高音域に広げる場合には男女でちがいますが、男女とも声をチェンジする技術があったほうがいいです。

また、共鳴を意識すると音域は高くのびていくことが多いです。目の周辺、鼻、後頭部を意識することで音域が広がりやすくなります。母音を変えてトレーニングするとよいでしょう。男性の場合は高音域でエやイの母音を、女性はアやイの母音を用いると高音が出しやすくなります。

しかし本来は生まれ持った楽器(声帯)がどの音域を出しやすいかは決まっているのでそれを逸脱した声域の拡充は喉の消費を激しくして壊しやすくなる原因にもなるので注意しましょう。

昨今の日本のポップス、カラオケの高音重視、原調重視の方向で明らかに喉を壊している歌手も少なくありません。自分の声、体とよく相談しながらよい耳をもった指導者のもとで行いましょう。(♭Σ)

 

.声の専門家ではなく、ご自身の判断で「声域が狭い」というときは、発声の状態を改善することで拡げることができます。高音域を拡げたい(のに拡がらない)場合に絞ります。状態は個人個人で違いますが傾向としては、喉の力みが強い、息が流れていない、顎が上がっている、という状態が見てとれます。

それらの改善として発声練習では、SFHといった無声子音をつけた発音(SaFaHaなど。後ろにつける母音は様々)で、下降形・細かい音・速いテンポの音型(例:16分音符でソファミレド Sa----ア)で発声します。すると子音で息を吐くので歌い出しから喉に当てなくなる、速いテンポで音が動くので力めなくなる、という状況の中で音階練習をすることができます。

このように声を動かしやすくしてあげることで、高音へのアプローチもしやすくなるのです。またロングトーンで力強く発声するときよりも半音の差も狭く感じられると思います。(♯α)

 

. 声は声帯というところで出ています。この声帯は薄い粘膜出てきていて、長さ、厚さは人それぞれです。

リコーダーを思い出してみてください。ソプラノリコーダーの長さに比べてアルトリコーダーは太くて長いですね。ヴァイオリンも同じで高い音が出ますが、それより低い音が出るビオラはヴァイオリンよりも少し大きめです。さらに、チェロは低い音が出ますので大きく、床に置いて引きますし、コントラバスにいたっては人間と同じくらいの大きさがあり、もっと低い音が出ますね。

声帯もこれらの楽器と同じです。高い声の人は声帯が薄く短く、低い声になるにつれて声帯は太く分厚くなっていきます。この自分の声帯の範囲でならば声域を広げることは可能ですが、もともと持っている楽器(声帯)が例えば高音向きならば、持っていない音域の低音はどんなにがんばっても出るようにはならないのです。

では、自分の楽器の範囲で声域を広げるにはどうしたらよいのでしょうか?体をリラックスさせること、呼吸を正しくすること、そして、「ソファミレド」のように、高い音から低い音にかけて、だいたい中音域の辺りから発声練習をします。軽く、小さく、スタッカートで行うとよいでしょう。その時に決して喉を締め付けないように。徐々に音を高くしていき、喉に負担がくるようならばその時点でやめることです。低い音も同じです。無理して出さずに、徐々に音域を広げていきます。

体の筋肉が育っていけば、高音も低音も、自分の持っている範囲の音域は出るようになります。無理せず練習を積み重ねていきましょう。(♯Å)

 

.声域を拡げたいと思った時、高い声ばかりを練習したり、逆に低い声ばかりを練習すれば、それが叶うかというと、そんなことはありません。また、低音域、中音域、高音域というのを、意識して変えることもあまり望ましいものではないと思います。

自分のしゃべり声くらいの無理のない音域から、喉で過度に調節しない状態(喉が痛くなるような状態や喉仏が上がるような状態)というのを作っていき、その部分と同じような状態を保って、低音域も高音域も出せるように訓練していくことが重要だと思います。

音域が狭い人の特徴としては、低音域を、無理に低く出そうとしているという人や、その人にとって、高音域というほど高音域ではない音域にもかかわらず、とんでもなく高い音を出しているような状態になっているという人が挙げられます。このような人は、本人の意思と体の反応がマッチしていないことが考えられます。また、高い音を出そうとして、体を固くしてしまっているような場合もあります。体を固める力が働いてしまうと、制御不能になるので、音域は狭くなり、声も余裕がなくなります。リラックスした状態で、中音域の練習を心がけ、少しずつ、それと同じように上下に伸ばしていくようにするといいでしょう。(♭Я)

 

.声の高さは、声帯の伸び縮みで決まります。声が高いときには声帯は薄く引き伸ばされ、低い声の時には、声帯は厚く、短くなります。この伸縮性を自在に操れるようにならないといけません。しなやかな伸び縮みのためには、毎日練習をして動きやすくトレーニングをする必要があります。

ドレミファソファミレドを、グリッサンドでドーソードというような感じに音をつなげるようにして歌ってみましょう。それを半音ずつ上げていったり下げていったりしてみてください。

さらに声帯にうまく息を使わなければ、音はならないため、呼吸の練習は必須となります。ろっ骨を広げて肺に息が入りやすい状態を作りましょう。また下腹を腰のところで両サイドからつかんでみて、この部分を固めず、でも縮ませないで、流動的に使えるよう意識してみてください。

さらに高音(ハイCより上)などはソープラアクートといって、また特別な技術が必要です。声帯がとても薄く合わさらないと出ない音域です。表の声、低音の声のまま出してしまうと、そばなりのうるさい声になるだけでなく、声の故障を招きかねません。音域を広げるにも練習あるのみですので頑張って励みましょう。(♯β)

 

.ある女性の方ですが、最初は地声の音域が一オクターブほどを出すのがやっとで、裏声の音域がほとんど出ないという方がいらっしゃいました。

「呼吸」「身体への共鳴」という点を重点的に訓練し、低音域で声帯がきちんとくっついた声で身体への共鳴を感じ、それがご自身で気持ち良いと思うということを習慣にしています。

低音域の安定とともに、オクターブの発声練習ではよく共鳴する高音が出るようになり、歌の表現に合わせたキーでまだ自由自在にとはいきませんが、歌っていて気持ち良くて歌えば歌うほどエネルギーがわいてくるということをおっしゃっています。

人それぞれの身体の使い方の癖や声帯の形状、喉の筋肉の柔軟性などあるため、一概にこうすれば良いということは言えませんが、呼吸と低音域の安定が結果的に持っている声を無理なく引き出したよい例です。(♯ё)

 

.声域が狭い原因としまして、体を使えず喉のみで声を発していることが考えられます(時折、喉のみの発声で2オクターヴ以上の声域が出る方もおります)

もう1つはある声域に達すると「これ以上高い(低い)音の声は出ない」と構えてしまう、精神的な原因が考えられます。

まずは、横隔膜→丹田→臀部→腰→背中(肩甲骨)の順に筋肉をゆっくり長く使うイメージを持ちまして、息を上顎の軟口蓋に送ることを心がけます。次に声の響きを縦長に拡げるイメージを持ちます。そして顎を少し引き、姿勢を正します。頭頂から踵までの体の後ろ全てを壁にくっつける姿勢です。頭頂から踵まで1本のまっすぐな線ができ、息が通りやすくなります。疲れたり、高音域になりますと顎が前につき出すようになり、息の通りの線から外れて声が出しにくくなることを防ぐためです。

以上のことから「体を使ってしっかり声を発する」自信が多少ついてくると思います。その自信によって声域から身構えてしまうということが無くなり、少しずつ声域が拡がるのではないかと考えられます。13ヶ月(これより長い期間でも構いません)で半音ずつ声域が上下に拡がると万々歳、というくらいの気持ちで声域を拡げることに、取り組んでみましょう。(♭й)

 

.まずは正しい姿勢、正しい呼吸、正しい発声を学ぶことをお勧めします。喉声などでは出せる音域が狭いことが多いので、しっかりした発声を学ぶことで音域が広がることがあります。

その際、タイプにもよりますが、まずは高音部のトレーニングを積むことで、呼吸、響き、ポジション、口の形などを見つめなおし無駄な力がない正しい発声を身に着けると、低音も伸びてくることが多いです。

角度を変えると、まず、自分の音域をしっかり把握することが大切です。歌を歌うぞっと意気込んでしまうとあまり音域がなく感じてしまいますが、普段の生活の中では意外に多様な声を使っていることが多いです。

例えば、電話に出た時のお母さんはいつもより高い声で話しています。自分の現状をしっかり把握することで、それらを利用し、そのうえでさらなるトレーニングをすると、より効果が見えてくると思います。(♭Ц)

 

.大多数の方が高い音を出すのに苦労されていると思いますので、声域を高い方まで拡げる方法についてお答えします。

高音を出すのが苦しくなる主な原因は、喉仏が上に上がることです。深い呼吸をしているときや、低い音を出すときは、喉仏はしぜんと低い位置にありますので、そのままの状態で高音を出せばよいのです。でも呼吸が浅くなったり、肩まわりに力が入ったり、緊張したりすると、喉仏は上がってきます。

「喉仏を下げよう」と意識しても難しいので、あくびをしてみて下さい。そのときに喉仏を触り、それがなるべく動かないように気をつけながら高音を攻めてみて下さい。上がってきたら、またあくびからやり直すとよいです。(♯∂)

2017年9月30日 (土)

Q. ハミングのトレーニングの目的とやり方

. ハミングのレッスンメニュとしての使い方は、他のメニュと同じようにトレーナーによっていろいろだと思いますが、基本的には、鼻腔共鳴を上達させるために使われていると思います。以前の日本人は、邦楽(和製ポップスや歌謡曲などのことではなく、歌舞伎や能などの日本特有の声楽。)の影響も大きかったのか、今の日本人に比べると、かなり口腔共鳴に偏っていたようです。

大きな声を出すには、応援団の発声に見られるような(今は少し違うのかもしれません)、喉から絞り出した声を、大きな口を開けて、大きく響かせるというのが、一般的でした。確かにそういう口腔共鳴の使い方もありますが、口腔共鳴のよいところは、声色をさまざまに変化させやすいということなので、邦楽では重視されているように感じます。

鼻腔共鳴では、声色を変えることはほとんどできませんが、声を柔らかく響かせることができるのが、その長所でしょう。メニュとしてのハミングは、口を閉じて、声を鼻のあたりに響かせるように練習することですが、たまに間違えて鼻にこもった声になることがあるので、注意が必要です。(♭Ξ)

 

.一番多い目的は共鳴の改善でしょうか。響きを上げる、音を明るくする、喉への負担を減らすという意味あいが大きいと思います。鼻腔共鳴、マスケラなどを重要視する指導者は多く用いるメニュだと思います。

また、違う意味でいうと声帯をしっかりと合わせるためにハミングを持ちいる指導者もいます。

私自身もトレーナー業を始めて5年近くは、レッスンの開始はまずハミングでした。しかしだんだん減っていき、現在では自分の練習でもレッスンでも使わなくなりましたね。使わない理由は、ハミングはうまくいできると喉への負担が減り、響きが増して音量の増加、倍音の増加、声域が広がるなどのいい効果も期待できるのですが、一人でわかった、できる気分で練習しつづけるとかえって悪い方向へいくことも多いのです。

ハミングは理解できる指導者のもとで徐々につかんだ方がいいです。理由としてはハミングはより、自分の中に響かせようとして喉を絞めて、窮屈な音を出しがちです。また正しいハミング、悪いハミングの差が自分では分かり辛いのが難点です。

また、指導者によって口を開けたハミング、口は開けるが舌はおろしておくハミング、口は開けるが舌は上の前歯につけておくハミング、口を閉じたハミング、唇は閉じるが、歯は開けておくハミングなどさまざまでどれが正しいとも言えないのがこれまでの経験から言えます。

ただ、これまでの経験でいけばどれが正しいのかもわからないことがあるのでいろいろ試してみるのもひとつだと思います。(♭Σ)

 

.トレーニングにハミングを取り入れるときは、響きを捉える、息の流れを整える、力み過ぎを改善する、などの目的で行っています。例えば必要以上に息が漏れてしまい声に響きが乗らない人は、ハミングをして鼻からのみ息を吐くことで息漏れを修正して響きが集まりやすくなります。

逆に、喉で押してしまい息が流れず声が固い人、声が前に進みにくい人は、ハミングをすることで吐く息が増え(息を吐かざるを得なくなるので)、息の流れが出てきます。このように双方にとって「息の流れを整える」 ことに有効です。

やり方としては、無理のない中低音域で簡単な音型を使いゆっくりとしてテンポで行うのが安全です。通常は口を閉じますが、その際歯はかみ合わせず離して行う方が顎の力みも入らず、響きも捉えやすいです。口を閉じるとどうしても力みが生じる人は、口を軽く開けた状態で行ってください。

またハミングでも喉で押してしまう場合には、鼻筋に指を当てて、その指に響きを集めるように意識して行ってください。(♯α)

 

.息が気管を通って声帯を通過することによって、左右の声帯が振動して声が出ます。その際、ハミングが一番喉に負担がかからず、そして副鼻腔に響いていることを確認しやすいため、ハミングのトレーニングをすることをお薦めします。

まず鼻から息を吐きます。このとき、確認のため、鼻の下(上唇の上)に人差し指を横にして置いてみましょう。この人差し指に「シュー」と風が当たって、その後に「ン~」とハミングになるように発声します。

先に息の風が当たらなければ、声帯を正しく息が通過していないことになりますし、また、喉や舌根に圧力をかけて力で押しているかもしれません。

この状態がよくわからない人は、「うん」や「ううん」など、自然に楽に言ってみましょう。顔の裏側が空洞になっているような感じで、鼻に抜ける感覚、顔全体に響いていることを確認します。このとき、響いている感覚がなく、喉がかゆいとかイガイガするようでしたら、またそれも間違った発声です。(♯Å)

 

.声は息に乗って流れます。この息の流れを確認するために、ハミングのトレーニングが適しています。

口を閉じ、鼻から楽に息を吐きます。ため息の要領です。息が通過したのを確認したら、そのままM~と声を出します。そのときに、喉をこすったり、締め付けたりなどの違和感がないよう、あくまでもため息をつくような感覚で息を吐きます。

このハミングの状態から、口を開けるとMA(マ)になります。ハミングで流れた息を変えずに口だけを開くのです。顔面がモワッとするような、響いている感覚がつかめれば正しくハミングができています。ンマンマンマ・・・と同じ音で、口を開いたり閉じたりして、ハミングのポジションとマのポジションがずれないよう、腹筋で支えて声を出してみましょう。

次に、下降形のフレーズでハミングしてみましょう。(ミレド、ソファミレドなど)音が変わるときに、喉で変えずに、息の通過と腹筋の支えだけを頼りにします。これができるようになったら子音をつけて発声練習をしてみます。ハミングのラインと同じように発声できれば、正しい発声と言えるでしょう。(♯Å)

 

.これは教わってきたメソッドによって解釈が分かれる内容だと思います。現状、自分の中でのハミングの目的は、「力まないで息が流せること」、「響きのポイントを狙いずぎずにあてること」の2点だと思います。

以前、教わった中に、「鼻に集めてハミングをしなさい」というのがありましたが、今ではそれは、自分にとっては合わないことであったと認識していますし、そのような教え方はしないようにしています。

ハミングの練習は、実は高度な練習方法です。初心者が行うと、先に述べた鼻声になったり、喉が上がって、力みすぎたりとよくないことばかりが起こります。自分がハミングの練習を行うときは、「息の流れが極めて悪い時の確認」、「鼻声になりそうな場合の確認」、「力まない状態で歌うための確認」、「いい部分を通ってきた声の響きの位置の最終確認」という場合に行うことが多いです。

いずれにせよ、ハミングの練習の本質を理解・実感し始めたのは、ごく最近のことですので、トレーナーの監修のもとで練習を行う以外、ご自身でやられるのは難しいと思い、初心者にはお勧めいたしません。(♭Я)

 

.歌うときに、太くなっているとか、焦点をもってなどと言われたことはありませんか。慣れてくると、いい声が簡単に出るので、幅の広い声、大きい声を出してみたくなるかもしれません。しかし、プロの歌手は、声を効率よく遠くに届けるために、そして声のクオリティを高め、より響きの密の高い声を求めて、とても高いポジションを目指して訓練します。その訓練にとても役に立つのがハミングです。

口を閉じて、舌も口蓋にピタッとくつけて、いつもは開けてと言われている口腔内をきわめて狭くします。そこでハミングをすることで鼻の付け根、目に近いほうがピリピリと振動すると思います。さらに、頭蓋骨が丸いことを思い出し、声がこめかみのあたりに響くようにイメージしてみてください。

ハミングで単音で練習します。次に「m(ハミング)ーイーm」で音階練習します。次は「m-イーエーイーm」「m-イーエーアーエーイーm」などとバリエーションしていきます。必ずハミングで響いている位置を変えずに発声してください。一本の金の糸が鼻からすうっと伸びているようなイメージを思い描いてみましょう。

(♯β)

 

.ハミングの練習には、「声帯を起こす」「声帯の粘膜に適度な潤いを与えて守る」「声の響きを感じる」という目的があると考えています。他にもあるかもしれませんが、私の場合はこの3つを感じています。

まず「声帯を起こす」ですが、スポーツをするときに準備体操をするように、声帯もいきなり使っては負担がかかってしまいます。ハミングによって声帯および口頭筋群のウォーミングアップができます。

また「声帯の粘膜に適度な潤いを与えて守る」ためには、できるだけ低い音域でロングトーンのハミングを数分続けます。そうすると、声帯粘膜が潤い乾燥から声帯を守ります。また、風邪の初期などにも気付いたら(外出中でも)低い音でハミングをするのはとても有効です。

最後に「声の響きを感じる」ですが、口を閉じて低い音域から声を出して行くと身体にびりびりと振動を感じると思います。まずは胸、鼻すじ、おでこ、頭のてっぺんと音域によって振動する場所が変わることを感じてみてください。口を開けて母音を作るときにもその響きを保ったまま発声します。口を閉じているハミングの状態は振動をより強く感じられます。(♯ё)

 

.ハミングは唇を軽く閉じ、息の振動により発する音のことと思っています。実際の楽曲にもジャンルを問わず、時折ハミングが聞こえてくることがあります。

ハミングは、声を出す前の準備運動に最適です。スポーツでいうところのランニング、ストレッチに相当します。確かに準備運動なしにいきなりフルパワーでボールを投げたり、打ったりしますと怪我に繋がる恐れがあります。それと同じように発声練習なしでいきなりフルに声を出すと喉に負担がかかる、喉が壊れる可能性がかなり高いです。よって、ハミングをすることにより、声、体が起こすことが大事になります。

ハミングのやり方は、上下の唇を軽く合わせ、体を使ってゆっくり息を下から送り込みます。丹田~腰~肩甲骨~首~上顎という順です。息を送り込みましたらソファミレドの音階で「ん~」発します。音域を上げたり下げたりします。

ここで注意することは、唇及びその周辺に力を入れない、横に平べったい音ではなく、縦の響きを意識することです。力加減としましては、唇が振動し、唇、鼻の下辺りがムズムズする程度が丁度よいです。

以上のハミングのやり方により、声、体が起きてきます。特に午前中、デスクワークの後に声を発する前は最適です。(♭й)

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