Q.ミックスヴォイスとは何ですか。
A. ミックスヴォイスとは、混ざった声で地声(表声)と裏声の混ざった声(mixed voice)と理解されていることが多いようです。正確な定義はありません。
A. ミックスヴォイスとは、混ざった声で地声(表声)と裏声の混ざった声(mixed voice)と理解されていることが多いようです。正確な定義はありません。
A.声の声区転換、いわゆるチェンジのところがうまくいっていないのではないかと思います。地声もしくは胸声で出始めた低い声は、だんだん高音にいくにしたがって頭声に移行します。これは声帯を動かしている筋肉が変化することを意味し、その結果声帯の形状も変化します。太く厚い声帯が、引き延ばされて高音では薄く使われます。
どこでその声区転換、チェンジが起こるかというと、ソプラノで言うと真ん中のドレミくらいまでが胸声、そこから上は中声区といういわゆるしゃべり声のトーンを経て、頭声へと移行します。アルトの人は一音くらい低く頭声へと移行しさらにもっと低いところまで地声が使えると思います。
くれぐれも低音も高音も同じ声で歌おうと思わないでください。故障してしまいますし、若いうちはよくても、30代でガタが来る人がよくいらっしゃいます。頭声に移行して、より高い二点ミファソのあたりで、更にチェンジがあります。このチェンジのところでは喉が突っ張るのを避け、なるべく弛緩させて歌うことが重要になります。
A.声の高い・低いや声質などは、その人の持つ声帯によって決まるもので、その人特有のものです。声帯をとり換えることはできないので、声の本質的な部分を変えることはできないのです。
あなたの声が低いのであれば、ご自身の声帯は長くて太いということです。逆に、声が高い人は短くて細いのです。これは、ただそうである、という事実だけであってどっちがよいも悪いもありません。それぞれが持って生まれた自分の声帯をいかに使いこなすか、ということに視点をあてていくことが大切です。
そしてもう一つ、高い声=女性らしい声、低い声=女性らしくない声、というのはあなたの固定概念にすぎません。その捉え方がコンプレックスを助長しているのでは。とも思います。
あなたが思っているほど周りの人は声が低いことを気にしていないし、声が低い女性に好感を持つ人も男女問わずたくさんいるのです。ぜひご自身の声に対する思い、姿勢を見直していっていただきたいです。
A.発声で「喉を下げる」ということは多くでてきます。私自身は低い喉頭であろうとしていますが、自分から喉を下げにいこうとはしすぎないようにしています。喉を下げるということは喉のスペースの確保と繋がっていて、「喉を下げる=喉を開ける」という考え方もできます。また、喉を下げることで深い声を実現することができます。
しかし、私の経験上喉を下げるだけに意識がいくと喉が硬くなったり、こもったような声になったりとかえって声の悪影響がみられたりすることも多く、それよりも下あごを下げる、喉の下からみぞおち辺りまでを開いていくようなイメージの方が結果的に喉が下がった状態になりやすいです。唇周辺の筋肉の使い方で、さらに補助が可能になります。
しかし生理現象でいえば高音をだせば喉は上がりますし低音をだせば喉は下がります。ポップスなどを歌う場合はあまり喉を下げたまま高音へのアプローチなどはやりすぎないほうがいい場合も多いと思っています。(トレーニングとしてはあり)(♭Σ)
A.しっかりとご自身の意志を持ち、積極的に取り組まれる姿勢はよいですね。そのご希望はなるべく考慮したいと思います。しかし、音域を固定し過ぎるのは、あまりお勧めしません。声が低い人は、高音域までトレーニングすることで、低音域も充実していきます。同じように、声が高い人も低音域まで行うのです。これは、私自身も体験がありますし、他の人々のレッスンでも多く見てきています。
要するに、低い声を育てるアプローチは、低い声にだけ行うのではない、ということです。これからは、声帯を柔軟に使っていく中で低音域も育っていくのだと捉えて、低音域だけに偏らずに他の音域も含めてトレーニングしてください。
この「偏らない」ことに関しては、歌い方にも言えます。たとえば、何かの役柄で重々しい歌い方ばかりした場合には、歌い方が偏らないよう、発声で軽やかな音型を使って声を動かし柔軟性を戻す(その感覚を戻す)という作業をして状態を整えることです。(♯α)
A.これは若い時の私のケースです。音大の入試を控えている、しかもソプラノで受験するというのに、G5(二点G)までしか出ませんでした。こういう場合は、ソプラノではなく、アルトとして受験するケースもあるのですが、私の先生は私の声は絶対ソプラノだということでソプラノで受験しました。歌のための筋肉がなく、高音を支えるだけの体ができていないということ、圧倒的な経験不足が原因だったと思います。
その時の先生にご指導いただいていたのは、とにかく息を流しながら、下の音から少しずつ音域を上げていくレッスンでした。「ドレド」のような感じです。使ったことのない声帯のトレーニングになるので、慎重に、力を抜きつつでもしっかり息を流して音域を広げていくという練習でした。地道な練習を続けていくうちに、その息を流すために必要な筋肉、支えるための筋肉がついてきて、だんだん楽に歌えるようになりました。あまりにも当たり前の話ですが、地道な訓練というもの以外に、乗り越える方法はないと思います。(♯β)
A.この声が好きだなとかよい声だな、と普段から周りの「声」に意識が向いているのは、声をトレーニングしている中で好材料だと思います。ただ、人それぞれが持つ声帯は、一つとして同じものはなく、声が似ているということはあっても、必ず一人一人が違う声帯です。「よい声と思う人」にとっての低い声と、あなた自身にとっての低い声の基準は決して同じではありません。もしあなたが同じくらい低い声を出せる声帯であれば話は別ですが、低い声を鍛えたいと思うのは、すでに低い声が本領とはお感じではないのでは。
この声がよいという憧れや声が高い・低いの好みはあって当然ですが、それだけを基準にしてご自身の声を求めるのは、声を作ってしまう、声が偏ってしまう原因になるので気をつけたいところです。まずは「低い声=よい声」という固定概念を外して、中低音域から(無理のない)高音域までまんべんなく声を出してトレーニングしてみることをお勧めします。(♯α)
A.裏声がちの声で歌っていると、どうしてもこのような現象が起きやすいと思います。裏声のみしか使わずに歌う人は、高音はいいのですが、その声のまま中低音を歌うために、声がスカスカして響きの充実が全くない音になっているのだと思います。
そこでミックスボイスというものを訓練する必要があるのです。これは、地声と裏声を混ぜたような声という概念かもしれませんが、裏声の声のフォームのままで地声のように声を前にべたーっと出していくのです。
まず初めに地声で「アー」と低く大きく話してみます。その感覚で、裏声のフォームで声を出すのです。裏声と地声の両方がミックスされた音を出すことができます。さらに、この音をおなかの下の方や横隔膜で支えるように出してみましょう。喉に力が入っていたり、声帯が上に突き上げられるような動きをしていてはうまくいきません。なるべく喉は下方向に緩めるように心がけてください。(♯β)
A.高い音を歌うときに、音に合わせて自分の意識や体の感覚も上の方に上がってくる人がいます。私自身も、そのような身体感覚があり、そのせいで音にかなり制約を与えていたことに気づきました。
音が高いと気を負ってしまい、ここ一番頑張らなきゃというプレッシャーや気合、そして物理的に頭の上の方に音を狙おうとするがために、肩が上がり胸が上がり横隔膜が上がり、体を固くしてしまった結果、音は出にくくなります。それでも声を出さなきゃならないとなると、力で押してしまうという負のスパイラスに陥ってしまいます。
逆に、体をリラックスして、高い音であっても体を下方向に意識してリラックスしておく必要があるのです。その結果、喉の周りも柔らかく保たれ、声帯はいいパフォーマンスをすることができます、横隔膜もストンと下がりやすくなるので、声はより充実した音が出せます。
ですから、高い音といえども音の高さに騙されずに、自分の中心をしっかり保って、そこにステイしたまま歌うことが基本になると思います。(♯β)
A.クラシックでは、それが一流の条件の一つでした。フランチェスコ・タマーニョ、エンリーコ・カルーソ、アウレリャーノ、ペルティーレ、マリオ・デル・モナコなど。(♯)
00.同問異答(20人のヴォイストレーナーと専門家の回答) 01.姿勢 02.呼吸 03.発声 04.発音/言葉 05.声域/声区 06.声量/フレージング 07.共鳴/ミックスヴォイス 08.リズム/リズム感 09.音程/音感/聴音 10.歌唱とステージング 11.トレーニング/日常の練習 12.表現/オリジナリティ 13.知識/医学/科学など 14.メンタルヘルス 15.役者/声優/ミュージカル/アナウンサー 16.一般/会話/話し方など 17.喉、身体 、生理学 18.トレーナーについて 19.ヴォイストレーニングの考え方 20.このQ&Aブログについて 21.その他、アーカイブ、研究所史 22.音大、教育法、声楽、クラシック、オペラ 23.他のスクール、トレーナーのレッス ン 24.声の基本メニュ 25.ブレスヴォイストレーニング研究所とトレーナー 26.研究所のレッスン 27.レッスン受講について 28.福島英 29.ブレスヴォイストレーニングメソッド 31.体と息のメニュ 32.発声、声量のメニュ 33.発音、ことばのメニュ 34.共鳴、声域のメニュ 35.せりふ、感情表現のメニュ 36.リズム感、音感、音楽基礎のメニュ 37.ビジネス、話し方のメニュ 38.メンタル、パフォーマンスのメニュ 39.歌唱、ステージングのメニュ 51.[2014/08/01~2015/03/31のQ&A] 52.(☆~☆☆☆)[2014/08/01~2015/03/31のQ&A]