ご案内

私は10数名のヴォイストレーナーとともに、ヴォイストレーナーにも指導しているため、内外のヴォイストレーナーのアドバイザーやヴォイトレをしている人のセカンドオピニオンもたくさんやってきました。ヴォイストレーナー、指導者、専門家以外にも「ヴォイストレーナーの選び方」などに関する質問が多くなりました。以下を参考にしてください。

 

「ヴォイストレーナーの選び方要項」 http://www.bvt.co.jp/new/voicetrainer/

 

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カテゴリー2:ヴォイトレの論点は、こちら に移動になりました。
カテゴリー4:4.福島英レッスン録アーカイブは、こちら に移動になりました。

 

 

閑話休題 Vol.82「薙刀」(2)

〇歴史

 

人が最初に手にした武器は石でした。石器を発明し、石刀、石鏃(セキゾク)を持つようになり、これを棒の先につけて石槍とします。さらに金属を用いた鉾、長刀と長い柄の武器が出てきます。

薙刀は、「菖蒲造」と呼ばれる形の刀身を、長い柄の先に付けたのがはじまりです。9世紀半ばから矛に代わって使われ始めました。

長い柄の先に刀身が組まれているので、離れた距離からの斬り付けられ、騎馬武者のように弓が扱えない下級武士や雑兵に薙刀は広く使われました。平安末期の源平合戦には僧兵が好んで用いました。

 

鎌倉時代 柄(つか)の長さ約4尺、刃の長さ約3尺で総長約7尺と、比較して短いのが特徴です。遠距離から馬上で弓を射る騎射で名乗りを上げて一騎討ちを行うには、手持ちの武器による接近戦(打物戦)が行われます。やがて、戦闘が、徒戦(かちいくさ)となると、薙刀は武士から足軽まで広く用いらます。

鎌倉時代頃から刀身の身幅を広げて、反りを強くした形状に変わりました。重量を増すため、棟(むね:刃先と反対側)側に山型の突起を付けた薙刀が制作されます。

一騎打ちが、戦闘方法として主流となっていたので、長いリーチを取って相手を攻撃できる薙刀が重用されたのです。

武蔵坊弁慶が義経と五条大橋で振って戦ったのが薙刀です。

♪京の五条の橋の上、大の男の弁慶が、長い薙刀振りかぶり、牛若めがけて斬り掛かる

 

南北朝時代 長大に発達しました。なかには、柄の長さ約5尺、刃の長さ63寸で総長約113寸(約333cm)の大薙刀も制作さました。

小薙刀では、柄の長さ約3尺、刃の長さ22寸という寸法の薙刀が制作され、歩兵の主要武器として使用されました。馬上の武器としては太刀、大太刀、槍、鉞なども使われたが、薙刀が一般的でした。

斬るだけではなく、刺突や石突を使用した打突、柄での打撃ができる薙刀は、騎射技術を失った南北朝時代や室町時代、武士の重要な武器でした。大薙刀では、敵の騎馬の足を薙ぎ払って落馬させました。

南北朝時代後半には、長巻、槍が、戦国時代には、火縄銃が出現して、薙刀は使われなくなっていきます。

応仁の乱の頃より、足軽による集団戦に変わりました。重量のある薙刀を振り回すと、誤って味方を討ってしまうことになりかねません。

槍は、薙刀と同様に長い間合いがある分、足軽なども容易に扱うことができ、甲冑の隙間から相手を突き刺しダメージを与えられます。

 

室町時代 柄の長さ9尺、刃の長さ2尺となり、柄の長さに比べて、刃が短くなります。

 

江戸時代 武士の間では、薙刀は嫁入り道具として定着、美術品としての需要が高まります。名工による刀身を用い、拵は金梨子地、蒔絵、螺鈿などの細工を施し、鞘も実用を外れた特異な形状や豪華な仕上げ。刀身のみならず拵や鞘も合わせて文化財指定された薙刀もあります。これら江戸期の鞘には、家紋が入れられています。女性が菩提寺に奉納することもありました。武道としての薙刀術が確立、各藩で様々な流派が生まれます。

薙刀や槍は、武の威力の象徴として大名行列の先頭に立てられました。

 

明治時代 刃の反り具合から、反りの大きい「巴形」、反りの小さい「静形」と分けられる。撃剣興行で人気。明治中期以降、女子武道として薙刀が重視されるようになり、多くの女学校で薙刀の授業が行われます。大日本武徳会は、昭和9年に薙刀術教員養成所を設立します。

 

大正時代 太平洋戦争後にかけて、女性のたしなむ武道。

 

昭和30年、山内幸子元公爵夫人を会長に全日本なぎなた連盟が発足します。ひらがなでの、なぎなた、に統一します。

 

現在 0地方の伝統芸能や古流武術としての薙刀を伝承する団体が現存。武道・競技としての「なぎなた」が学生の部活動など。

全日本なぎなた連盟によって現代武道として制定されています。天道流、直心影流、戸田派武甲流、楊心流などがあります。剣道などとの異種試合もあります。すね当てを着用します。

「リズムなぎなた」も人気。外国人の人気も高く、海外からの参加者も多いようです。

漫画「あさひなぐ」は、作者こざき亜衣が2011年よりビッグコミックスピリッツで連載されヒットしました。女子高生もの。後に映画、舞台化します。伊丹市でコラボし、なぎなたの街伊丹として地域振興に供しています。

「ヴォーカルトレーニングの全て」 Vol.7

○伝わる声こそ、正しい声

 

ことば1つをとっても、それを本当に伝えて相手の気持ちを動かそうとするときには、体や息が使われるでしょう。その感覚をより確実にパワフルに伝えようとすることで、声の可能性、能力も開いていくのです。

 音楽的な才能を伸ばすには、一流の音楽をよく聴き、よく感じることです。精神的な成長により、人間として偉大で奥深く畏敬ある表現を極めること、精神的に覚醒し、感覚を研ぎ澄ますこと、これは実際の能力よりも、どれだけ意欲をもち、真摯に取り組み続けるかということがあって初めて、才能が問われます。

 

私は時折、よい例、悪い例をみせます。何が正しいのかは、すぐにわかります。

伝えようと本気になったとき、働く声、つまりテンション高く体と心と声とが一体になったもの(人間の遺伝子レベルの情報です)<A>、悪い見本のときは、伝えようと思わない、するとテンションが下がり、部分的に声が働き、状態が悪く出ます<B>

トレーニングは、それらとは違います。そこに表現がいるのです。

 そのことによって、発声器官が本来の機能を取り戻していくのです。そこから、自然な声が発現されていきます。

1.伝わらない声 2.伝えようとする声 3.伝わってしまう声の順に向上させていくのです。

 しっかりと音声で伝えられない人は、しっかりとは歌えないでしょう。伝えようとする強い意志があれば、ことばが音声と融合してきます。

すでに知られている世界、あなた自身が決めつけていた世界から、あなた本来の持つ未知の能力を掘り出す世界への探究が、ヴォイストレーニングなのです。

 

〇日本語を音楽的にこなすには

 

 日本語は、第1音節が低く、第2音節が高いことが多く、それに対し、拍は第1拍が強いから矛盾が生じやすく、難しくなります。日本語は、必ずしも低いところを弱く、高いところを強く発音するのではないからです。このへんは、1音ずつ均等の長さにわけず、フレーズのなかで、ことばのイントネーションを生かすように処理していくとよいでしょう。

 音色も変えるのではなく、表現に応じて自動的に変えていく、伝えるイメージによって自然と最もよくなってしまうようでなくてはなりません。発声器官をコントロールして変えようなどとは思わないことです。

 

[発声]

 声を出すときには一瞬にして、母音、ピッチ、音量が定まります。息を声音にすることを声立てといいます。

1.二重母音:2つの母音を1音にするつもりで発声してください。

  ea(エアー)

  ua(ウアー)

  oa(オアー)

  ia(イアー)

  ae(アエー)

  au(アウー)

  ao(アオー)

  ai(アイー)

 

2.こんどは3つの母音です。

  eae(エアエ)

  uau(ウアウ)

  oao(オアオ)

  iai(イアイ)

  aea(アエア)

  aua(アウア)

  aoa(アオア)

  aia(アイア)

 

〇日本語の特質を知っておこう

 

 「A」の響きのまま、「EIOU」と深みが保てるように言ってみてください。日本語のアは浅いので、のどを開き、声を落とさずに出すことです。外国語の母音のなかで最も深い音を使ってトレーニングしてみるとよいでしょう。

 強弱アクセントを利用して、ボールがポンポンと跳ねていくように、ことばを送っていきましょう。ことばが流暢に出て、止まらないようにしましょう。この前へ前へと流れていく動きこそ、ことばがリズムを伴ったときに、音楽的になっていくための第一歩なのです。

 強アクセントのくる母音は長母音が多いので、強くなるとともに長くなりやすいのです(伸ばすのでなく、切り込みを鋭くしましょう)。

ことばの強拍と音楽の強拍が一致すると、自然に前へとことばが動いてきます。アイススケートで左右の足が交互に出て推進力を得るようにです。

 

 欧米人にとっては、すべての音節を同じ長さで発音することはありません。そこで「福島」を「フクシイマア」などというわけです。「シイ」にアクセントがつき、強く、伸び、結果として音楽的になるのです。ことば自体が、ズッター、ズッター(弱強弱強)とかタンタッタッ(強弱弱)というリズム(律)を持っているのです。

 日本語は等拍(長さ)ですから、文字の数で数え、しかも均等においていきます。強弱より高低に区わけがいき、前に行けないのです。従って歌うのも大変です。動き、流れがないから、いつもそれを作らなくてはならないのです。

そのため、ことばでの処理と別に必要以上に長く揺らす、ヴィブラートでの感情移入という、音楽的表現が切り離して発展しました。

 欧米人なら、ことばを自然に歌にすればよいのに、日本の歌は、大げさに歌わなくてはならなくなるのです。そこから、どうしても不自然になります。(お客さんの聞き方の問題もあります。)

 

 たとえば日本語の助詞は、強い拍にきたら、めんどうになります。メロディやフレージングでもメリハリはつけにくく、自然とディミニュエンド(だんだん弱く)させたり、響きに逃がすようになりがちです。(外国人には、日本語は銃弾のように聞こえるそうです。「オ・ハ・ヨ・ゴ・ザ・イ・マ・ス」。)

 日本語は、頭にアクセントがきているので、アクセントが1拍目にあるような場合は比較的、歌いやすいのです。しかし、その場合も頭打ちなので、その後の流れは出にくいのです(アフタービートの弱さ)。

 ピアニストでも、かつての日本人は、頭打ちでポツリポツリと切れるのに対し、海外の人は、後打ちで、ズダーン、ズダーンと次に流れを持っていくので、歌っていてものりやすいのです。あるいは極端なヴィブラートをつけ、音声処理してしまう歌手(多くは声楽出身)も、うまくありません。

 これらのことを含めて考えてみると、発声を日本語でなくイタリア語あたりで習得することは、理にかなったことでしょう。つまり、イタリア語で学んだフレーズの感覚やセンスで日本語を処理して、しかも、日本人に伝わるように歌詞の見せ方を考え、歌うというステップを踏んだ方が、実際のところ、早いようです。「NHKイタリア語会話」など、お勧めです。

 

〇母音のトレーニング

 

 日本人の声は、薄くひらべったく浅いのです。ここは、欧米人の深い発声を見習った方がよいでしょう。外国人の映画の俳優やキャスターを手本に発声(発音でなく)トレーニングをしましょう。日本人のアナウンサーは、この点ではあまりお手本になりません。

 出だしを高め強め、一音単位にすべての音をはっきりという、しかも高低アクセントに気をつける、これは日本人が歌を習って歌うとき(あるいは、音程のための「コールユーブンゲン」を使う練習法)に似ています。

 

○母音

 

 すべて、のどをあけて同じように響くようにしていくことです。たとえばイタリア語は、ことばの最後以外はすべて母音とともに発声されます。

 支えが浅く、胸に力が入っていると、ふるえ声(トレモロ)になります。

 日本語は、子音が発音上、独立することがあります。たとえば、スーパーのスはsuですが、スケートのスはsで母音のuがつきません。トレーニングでは、カタカナで読んだままの発声ではよくないのです。(子供の教科書読みのようなものです。音は、はっきりしているのに、逆に内容が伝わらない、心を打たないのです。)

 それでは、やってみましょう。一番、出しやすい高さの音でやってください。

「よい声になれるヴォイストレーニング~声の科学」 Vol.5

〇男性の声の高音化現象

 

以前の日本人の男性の声は、基本周波数が150ヘルツくらいで、300ヘルツ以上の声を出すことはほとんどありませんでした。しかし、最近では驚いたときや感情をぶつけたいときに、そのくらいの高周波数を出すことが珍しくなくなってきています。

高音を出すのは声を聞こえやすく、通りやすくしようとするからです。周波数の幅が広がって、抑揚がつくので、注意を喚起し、声を伝えやすくしているのです。

職業や客層にもよります。

 

〇性別も声紋分析ならば間違わない

 

たいてい声変わりは、十代半ばに起こります。男性は、声帯の振動数が大きく変わって低い声になります。思春期以降であれば、声を聞くだけでそれが男性なのか、女性なのか判別できます。ただ、声の低い女性、声の高い男性などといった例外もあります。電話で声を聞いたときに男性なのか、女性なのかがわからないといったケースも起こります。

 

〇なぜ声で年齢がわかるのか

 

年齢も、声紋分析によってほぼ正確に判別できる要素です。

声は25歳を過ぎるころから少しずつ衰えていきます。声帯と、口の構えを作る筋肉、神経の伝達能力が劣化するためです。脳神経が声帯と口の構えは指令を出しますが、脳神経自体も衰えます。声紋にあらわれる口や喉の奥の筋肉の老化状態を読み取っていくと、年齢は5歳刻みで推測することができるという研究者もいます。

たとえば「アー」と声を伸ばしたとき、若い人なら波形の揺れが少なく、年齢をとるほどに揺れは大きくなります。筋肉の衰えが起きて、声帯を長い間、同じ状態に維持することができなくなるからです。口の形も一定に保てなくなります。

また、年をとると肺からも一定の圧力で空気を送り込むことが難しくなります。つまり、加齢とともに、声帯の状態、口の形、肺から送る空気などを一定に保つことが困難になり、それが声紋の波形にあらわれてしまうのです。

高齢者の声がかれてくるのは、咽喉内の粘膜が老化して、喉に炎症が起きたときと同じように粘膜に凹凸ができてくるからです。肺から送られた空気がこの凹凸を通過するときにいくつかの渦が生じ、かすれた声を作り出すのです。肌や体や脳の老化に個人差があるように、声の老化にも個人差はあります。ですが、急に声を「若作り」しても、声紋分析すればわかってしまうそうです。

 

〇赤ちゃんの泣き声はサイレン

 

<赤ちゃんの泣き声が遠くまでよく聞こえるのは、ヴォリユームが大きいというよりも、人によく聞こえる周波数だからです。救急車のサイレンとほぼ同じ25004500ヘルツで、人間の耳の感度のいいところを本能的に捉えています。

この泣き声を分析すると、「おなかがすいている」「眠い」「苦しい、痛い」「さびしい」という、おもに4種類の感情にわけられます。>

一般的にいって通じやすい声の基本は、お腹からの腹式呼吸で出す声です。これは、人にとって聞きやすい、2500ヘルツから4000ヘルツ付近の音がよく出るのです。

 

〇体調判断も声でできる

 

風邪をひいたときには、声が悪くなります。これは、喉や鼻に炎症が起こり、痰がからむなど、共鳴体の大きさも形も微妙に変わってくるからです。体調が悪いと、体力も失われます。すると、腹筋を使った発声ができなくなります。それらによって、声自体にも変化が生じるのです。

喉に炎症を起こした場合は、声帯や声道の状態も変わります。摩擦音を発することもあります。すると声がかれる状態となります。さらに症状が悪化して気管支炎になると、呼吸が気管支を通るたびにゼーゼーといった音が鳴るようになります。

声によって体調を判断するのは比較的容易なことなのです。

 

〇自分のよいときの声を聞いてまねする

 

自分の絶好調のときの声を録音しておき、それを聞きながら、その声が出るまで、トレーニングを重ねるとよいでしょう。また、声は体調のバロメーターとしても活用できます。体調がすぐれず腹筋に力が入らなければ、声も低くなるからです。

「イーロン・マスク氏の3つのミッション」 No.389

「何が最も人類の未来を左右するのかを考えた。

その結果3つの領域が最も重要だと思うに至った。

1つ目はインターネット、2つ目は持続可能エネルギー、3つ目は宇宙開発だ。」

イーロン・マスク氏のことばです。

 

そして、彼は、学生時代の夢を遂げていったのです。

幼い頃、いじめられたため、SFの世界へのめり込んだそうです。

 

この3つは、ペイパル、スペースエックス、テスラに当たります。

今や、彼は、全米一、37兆円の資産を持ちます。

 

ロケット3回の打ち上げ失敗の直後、

「楽観的、悲観的、そんなことは知らん、やり遂げる、

地獄なぞ、ものともせず、必ずやり遂げると、神に誓うことだ。」

 

当時、婚約していた女性によると、

「寝てるのに、突然叫びだし、私にしがみついてきたりするんです。

内臓に来てしまって、叫んでは吐いていました。

私はトイレで横から彼の頭を支えてあげました。」

(10/5国際報道「イーロン・マスクの素顔と野望」)

閑話休題 Vol.81「薙刀」(1)

〇特徴

 

薙刀は、奈良時代から平安時代にかけて出現した、相手を薙ぎ斬ることを目的にした日本固有の長柄武器。「太平記」に最も登場する武器で、南北朝時代に普及しました。

薙刀は、間合いが広く、斬る以外にも刺突や打撃を与えられます。刃の先が大きく反っているのが特徴で、刃の長さによって「大薙刀」と「小薙刀」に大別されます。

 

長い柄の先に反りのある刀身を装着し、「長刀」(ながなたとも読まれた)と言われていました。「刀」に打刀が生まれると「短刀」と区別するために呼称した「長刀」と区別するため、「薙刀」となりました。

長巻(ながまき)は、長大な太刀を振りやすくするために柄をそのまま長く伸ばした柄の長い刀で、薙刀は、刀の柄を長くしただけではなく刀身と柄も斬撃に特化させたものです。

 

柄の先に反りのある刀身が付いており、刀剣に近い。

突くと斬るを目的に使われ、刀身は平均約30cm60cmの長さ。

(拵え)は平均約90cm180cmで刀の鍔がある。

全長約210cm超の「大薙刀」もあり、通常のは「小薙刀」とわけられる。 

 

槍とは違い、柄の断面が楕円形。

戦場では刀身は剥き出しであるが、平時には刀身には鞘が被せられていた。

槍と違い地面に突き立てることはないため、石突は先尖形ではなく半月形など石突側でも斬り付ける用途に向いた形。

水軍用もあり、柄が短く、艪としても用いられるように石突が翼状。

実戦用は、必要最低限の金具に漆塗。

熨斗付薙刀(のしつきなぎなた)や銀蛭巻ノ薙刀(ぎんひるまき)のように、柄に装飾を施したものもある。鍔は小振りなものが主流、

鍔のないものもあるが、大太刀のように大型の鍔を持つものもあり、鍔付薙刀とも呼ぶ。

 

遠心力を利用して、腕力を要せず使用できる薙刀は扱うのには技術が要ります。その長さを利用して、敵を自分の懐に入れないようにして、距離を保ったまま、薙ぎ払うか突くなどの攻撃を繰り出すためです。

刀よりも遠い間合で戦える

長くも短くも扱える

切るだけでなく、打つ、祓うなど多彩

左右を持ち変えて使える

重量があるため、衝撃が強い、

両手を広げて持てば扱いやすい

反りがあり、ひっかけることができる

腕だけでなく全身足腰を使うため、身体操作を学ぶのに適切。

 

欧米では、日本の薙刀はヨーロッパの長柄武器であるグレイブ、パルチザン、ハルバードなどと類似の武器。グレイブと比較して、薙刀は刀身の部分が日本刀のようになっています。中国の青龍刀も似ています。

 

アニメ映画もののけ姫で、サンが持っているのが槍、ゴンザがアシタカに曲げられたのが大太刀、タタラ場の人々が手にしていたのが薙刀。地侍や鎧武者にも長巻を使う者がいます。

「ヴォーカルトレーニングの全て」 Vol.6

〇音質と音色を出すバランスを

 

 同じピッチ(音高)で同じ強さの声でも人によって差があります。その音色が魅力的な声の人も、そうでない人もいます。ヴォイストレーニングにおいては、ことば(歌詞)やピッチ、音程、声域や声量よりも、音色、音質を優先すべきだというのが、私の考えです。

 音質とは、複合する音の倍音構成、つまり、基音と倍音とが密集したり分散している配置関係のことです。音質は、そこに含まれる倍音の数、振動数、強さなどで決まります。その振動の集合したものが母音の帯といい、これが母音の音質となります。

 倍音は、母音の帯の外部にある部分音ですが、そのあり方によって、音色の感じが違ってきます。光沢があるとか、鋭い、やわらかい、重いなどという音質は、ここから生じるのです。

 この調和がくずれると、声がひずんで聴こえます。この調和を私はバランスということばで表わしています。

 まず、単音のトレーニングです。それが確実にマスターできたら、ちょっとした変化に対応していきます。音の表情に、耳をよく傾けることです。ピアノやギター(できたら、サックスがよい)の音色をよく聴いて、その通りに声を出してみましょう。向こうのヴォーカリストが、トランペットやギターなどと掛け合いで声を出しているのを聞いたことはありませんか。

 ヴォーカリストには、ことばという特権があります。しかし、それがなくとも、スキャットや「ラララ」でも歌えるのです。そこで通用する力を求めたいものです。(音色とリズムだけでも、歌が成り立つのは、スキャットわかることでしょう)

 

[音質を獲得するためのトレーニング]

 ( )内の音程をとって、自分の最も出しやすい音から始めて、高音、低音へ動かしてください。

1.「ラーラーラー」(ミミレ)

2.「バーバーバー」(ミレド)

3.「ヤーヤーヤーヤーヤー」(ミレドレミ)

4.「ゲーゲーゲーゲーゲー」(ドレミレド)

5.「ガーゲーギーゴーグー」(ドドドドド)

6.「あなたに」(ソミレド)

7.「こいびとよ」(ソファミレド)

8.「あいたいね」(ソミドミソ)

9.「ゆめのよう」(ドミソミド)

10.「アラアラア」(ソドミドレ)

 

〇声量を引き出す

 

 大きな声をしぜんに出して気持ちよく歌っていた人が、レッスンで大きく出すことを禁じられ、つまらなくなってやめたというのは、よくある話のようです。

 確かに、統一した音声を獲得するために、喉の酷使や明らかに間違った発声は禁じなくてはなりません。身体で歌うといっても、身体の力をストレートに使うわけではありません。

 ただ多くの場合、相手の状態によらず、小さな声しか使わせず、誰にでも同じマニュアルを押しつけている人も多いようです。

 ポピュラーに関していうと、一流のプロとなった人が皆、そんなトレーニングを経たとは、到底思えないでしょう。必ずしも小さく出すところから始めるべきだとは思えません。喉が疲れ、練習ができず、やると確実によくない方向にいく場合は、声量を出すのはやめるべきですが、それ以外の理由でやたらと制限してはならないと思います。

自己流で喉を痛めたから、ヴォイストレーニングに行く人の多い日本では、レッスンは、こうなりがちです。私からみると、それは繊細な神経、ていねいさ、声の配慮、品質に欠けているのに過ぎません。声を壊したことからくる経験もまた、身体や喉を知るのに、その人に入っているのです。子供には親の苦労はさせたくないと、一見、親切で、リスク回避に専念します。本当の意味で、“先生”なので、生徒はほとんどがこのパターン、その人のファンです。

 逆に言うなら、喉さえ疲れず、負担にならないのであれば、できる限り、大きな声を出してみるべきではないでしょうか。

 プロのヴォーカリストが、いかに声を使うことができるかを知ると、弱々しい声でこわごわ調整しているトレーニングの無力さがわかります(ただし、喉を壊していたり、本番のための調整トレーニングは、まったく別です)。

 大声は喉を痛めるから使わせない、というトレーナーの多くは、無理に高い音域や複雑な曲を長い時間トレーニングさせているからです。つまり、悪い喉の状態をキープさせているから悪くなるのです。自分ができたことが、必ずしも人にできるものではない(またその必要があるとは限らない)、その逆もあるということです。

 たとえば、ドミソドソミド、ここで低いドから高いドまで1オクターブにわたるトレーニングなどは、よく使われているようです。しかし、これを初心者が本当にこなせるはずはありません。こなせたら、すでに歌うのに充分すぎるプロの技術をもっているということだからです。

 

[声量を得るためのトレーニング]

1.下のラから上のラまで、1オクターブ、半音ずつ上がっていきましょう。「ハイ」で。

2.下のラから上のラまで、1オクターブ、半音ずつ上がっていきましょう。「ラー」で。

3.下のラから上のラまで、1オクターブ、半音ずつ上がっていきましょう。「マー」で。

4.半音で4つ(レ♯、レ、ド♯、ド)でハミング。

5.半音で4つ(レ♯、レ、ド♯、ド)で「ラ」。

6.「ん(ハミング)ーラーんー」(同じ音で)

7.「ん(ハミング)ーラーんー」(ミレミ)

8.できるだけ大きな声で「ハイ」

9.できるだけ大きな声で(ハアーイ」

10.できるだけ大きな声で「アオイアオ」

 

 こういう課題を大声でやれば、当然、喉を壊すばかりか、悪いくせもつきます。間違った発声でも出しているうちに、歌らしくなっていくけれど、声ができてこない、急がせるからです。

 試しに、もっともうまく出せる1音(音高)だけにしてみてください。かなりの声までしっかりと出せるようになります。そうやって、声や身体について理解していくことの方を優先すべきなのです。

 ヴォイストレーニングを受けずとも、歌えるヴォーカリストの多くは、自分の耳と表現すべきものは何であり、どうあるべきかということに真摯にとり組んできた人です。

 こうなると、トレーニング方法を見わける眼にも大いなる勉強が必要です。

いつも、こう問うてください。今、やっているトレーニングが、自分がめざしている声や歌の、どの部分をつくるためにやっているのか、それがわかっているのかと。

 

〇深さとパワーのある声をめざす

 

 楽譜の読みから始めるピアノの練習が苦痛なように、出ない声で歌わされるトレーニングも楽しくないはずです。なら、やめましょう。

 私は、明らかに間違ったところや相当の危険なレベルでしか注意しません。身体から自由に声が出るようになるまでは充分に自分の身体や息を感じ、思いっ切りやってもらいたいからです。

できないからやるのですから、最初はできっこありません。それを忘れてはなりません。そこに細かな注意をしたら、委縮するだけです。できることを少しでも見つけ、自信をつけると共に、それを全力でやらせる期間を充分にとることです。

 できることは、できるのだから何も言わなくてもよいし、できないことは言っても仕方がないのです。中途半端なトレーニングを急ぐより、できているかできていないのかを、その人のレベルから高いレベルへと自分自身で判断できる耳を養うことこそ、最も大切なことなのです。

 そのためには、まず声を「より強く、より太く」していくことです。すると、できないということがはっきりして、そのギャップを埋めるためにトレーニングか効果をもたらします。

日本人のもつ感覚「長く、高く、響かして」では、いい加減になります。これは、結果でよいのです。「強く大きく太く」していくべきです。はっきりと声で伝え、歌を扱うには、身体から捉えた深い声が必要となるからです。

もちろん、そう思われない人も、そう歌わない人もいます。日本では、この条件がなくても通用する歌い手も少なくありません。でも、あなたが、本当に上達するなら、ここにポイントを絞り込まないと、難しいのではないでしょうか。

 

[声をより強く、太くしていくトレーニング]

1.「あいの」(ドレミ)

2.「あまい」(ミファソ)

3.「とおく」(レミレ)

4.「マリア」(ラドド)

5.「ひらすら」(シドレレ)

6.「ふたりの」(ドレミファ)

7.「いのちかけて」(レミファミファソ)

8.「あおぞらに」(ソソラソファ)

9.「よあけまで」(ドソソソソ)

10.「ひかりに」(ファミレミ)

「よい声になれるヴォイストレーニング~声の科学」 Vol.4

〇外国人(欧米人)の方が声では有利

 

外国人との発声の大きな違いの原因となっているのは、日本語の浅い発声、日本人の生活様式など、さまざまです。姿勢一つとっても、私たちはどうしても猫背になりがちで、響く声を出すのにひと苦労です。言語を発するポジションも、喉のあけ方も違います。

頭骸骨も、鼻、あごの形なども、民族によってかなり違いがあります。その違いは共鳴体にも変化をもたらしています。たとえば、共鳴体が違うと声や言語も違ってくるのです。

共鳴体の違いは、声の違いを生むとともに、民族によって出しやすい音と出しにくい音という差異も生んでいます。その民族にとって出しにくい音を使った言語はなじまないので、それぞれの民族に適した言語体系が形成されていくのです。

英語教育による影響をもっとも強く受けているのが、海外生活の経験がある子どもです。同じような体格の子どもであっても、海外で生まれ育った子どものほうが20ヘルツほど声が低くなるという調査結果があります。体格的な理由以上に環境や文化が声に影響を与えているのです。

 

〇日本人も音声に関心を

 

日本人は、話し声も小さく、メリハリ、響き、パワーに欠けます。しかし、外国人は総じて身体についた声で、明るくはっきりと発しています。

もう日本人も、体格、骨格や背の高さなども外国人と変わらないようになりました。きちんとした発声を身につけることができれば、同じように声が出せるはずです。

ただ、声を引き出すのは、必要性ですから、言語、文化、風土の問題の方が大きいのです。日本では、異民族、異言語にさらされてきた多くの外国人ほどに、音声に対する関心や表現力が必要にせまられなかったのです。

とはいえ、邦楽では、80歳でも朗々とした声を出す人もいます。歌う声も、話し声もトレーニングしだいで克服できるのです。

 

〇英語に、パワーや勢いをつける

 

日本人の英語の発音は、とてもよくなりました。しかし、発声とリズム(強弱)がまだよくありません。

口先で英語を器用に発音しているだけでは、英語らしい雰囲気で聞かせているだけといってもよいでしょう。声は前に飛ばないし、強い息にのっていない。歌も声の芯や深い息がないので、私は、その一声で、およそ日本人だとわかります。

欧米の言語は、強い息を発し、舌、歯、唇で生じさせる子音を中心とします。日本語にないパワー、勢いがあります。それがしぜんに深い声や多彩な音色につながるのです。そこまで耳と声で捉えている人は、日本人には稀でしょう。

しぜんな発声と呼吸を身につけた身体があってはじめて、外国人と対等に声で渡り合える実力につながるのです。ですから、身体からの深い息を深い声にするようなトレーニングを続けることです。

 

〇日本語と英語との違い

 

日本語と英語のニュースで、同じ内容を伝えるためにどれだけの時間を要したかを測定してみました。その結果、日本語では14秒、英語では21秒でした。さらに、10分間で何音節話しているかを調べると、日本語では160、英語では110でした。

日本語では少ない時間内に多くの語数を費やし、より多くの情報を伝えようとしていることがわかります。つまり、日本人は早口だということになります。このスピードの違いは、英語ではひとつの単語を伸ばして話したり、強調するための間などが多く見受けられるのに対し、日本語では比較的どんどん言葉を進めていってしまう違いによるのでしょう。

 

〇性格と声

 

日本人の声の大きさは、欧米人の声に比べると小さいといえます。音圧にして、34デシベルほどの違いがあります。日本人にとっては、人前で話すことや声を大きく出すことは、まだまだ抵抗があるのでしょう。欧米人は、そういう恥ずかしさを逆手に取るようなところがあります。

洋画や海外のドラマなどを見ていると、自分が失敗をして恥ずかしくてしょうがないというときに、ひときわ大きな声で笑い飛ばす、なんていうシーンが少なくありません。自分の感情をどんどん前に押し出していくのです。

 そういうふうに、声で伝えるというのは、日本人にはあまりみられません。楽しいときには豪快に笑い、怒ったときには派手に怒声をあげるとよいのです。

「自立して知的に協力する」No.388

緒方貞子さんが尊敬していた聖心女子大学初代学長マザーブリットは、

Be independent 、

Be intelligent、

Be cooperative、

この3つを備えた人間を育てようとしていました。

自立、知的、協力、この3つをしっかりと備えるのは、なかなか、難しいことです。

閑話休題 Vol.80「大和魂」(2)

<歴史

 

明治に入り、西洋のものが流入すると、岡倉天心らによって、日本流に摂取すべきという主張が現れ、和魂洋才が用いられます。和魂漢才のもじりで、大和魂の本来的な意味を含んでいましたが、西洋の知識や文化を必要以上に摂取することへの抵抗感もありました。

 

欧米列強に対抗できる国家づくりを目標に、欧米を模倣した中央主権的な国家体制が整備され、国民の統制教育も整備されました。それまでの自由主義的傾向の教育から、中央集権的・国家主義的傾向へと変わる過程で、大和魂は、日本精神として、国家忠誠心的な部分が強調されました。

 

1894年8月「支那征伐大和魂」鬼石学人

日清戦争が始まった頃には「銀の匙」(1913~1915年)中勘助で「朝から晩まで、大和魂とちゃんちゃん坊主でもちきってゐる」と。

 

1900年、新渡戸稲造の「武士道」に“Yamato Damashi, the Soul of Japan”「大和魂は遂に島帝国の民族精神を表現するに至った」として宣長の歌を引いています。

 

夏目漱石は「吾輩は猫である」で、巷に大和魂が溢れている状況を皮肉って「大和魂は、それ天狗の類か」と(190510月、日露戦争直後、発表の6章(「ホトトギス」)。

 

日露戦争以降の帝国主義の台頭に伴い、国家への犠牲的精神とともに他国への排外的・拡張的な姿勢を含み、日本精神の独自性・優位性の表現に変容。明治天皇も大和心、大和魂を詠んでいます。(1904年、3首)

 

第二次世界大戦期には、軍国主義的に、現状打破、突撃精神を鼓舞するのに使われました。日本の国家(国体)を支える日本人(臣民)の大和魂となります。

 

 「大和魂に磨きをかけて生産性を戦い抜くことである」(19439月、武田春爾 戦時安全訓)

「砲の不足は大和魂で補え」(中内功の談)

 

戦前のタバコの名称、敷島、大和、朝日、山桜。戦艦名、関島、大和、朝日。

神風攻撃隊、敷島隊、大和隊、朝日隊、山桜隊。

 

1967年「大和魂と星条旗」竹下トマスK    アメリカ移民日系人

 

2004年 なでしこジャパン 新語流行語大賞2011年 

 

2011年から 侍ジャパン WBC野球チーム

 

発言「大和魂を貫いてまいります」豪栄道/「大和魂で戦う」K1渡部

21世紀に入り、大和魂と入った本が、たくさん発行されるようになります。

 

2020年「大和魂」田中マルクス闘莉王(サッカー選手)幻冬社

 

アカツキ5(オリンピック女子バスケット2021

 

2021年ヘビメタバンド「LOUDNESS」が40周年、新曲をNFT(非代替性トークン)で販売。8/5日夜、初披露、新曲「大和魂」

 

<映画>

 

「大和魂」“The Man Who Laughs Last”(アメリカ)

早川雪洲氏がワーナー・ブラザース映画のために米国で出演録音した英語版映画。原作は雪洲氏が十八番ものとして上演した舞台劇(エドモンド・ジョセフ脚色、マレイ・ロス監督)。

長崎の名家の息子オトヤはスペインの血をうけた混血児ロジエタを愛していたが、ジムという男はオトヤを恋敵として憎み、一夜だまし討にし、ロジエタを誘拐して逃れる。10カ月後、南海の小港にジムとロジエタは姿を見せる。ジムはロジエタを監禁し、彼女は逃れようとしている。ジムはロジエタが意に従わないので嘆く。そこへ死んだと思ったオトヤが入って来る。オトヤはロジエタが自分を愛していること、長崎のピストルの件はロジエタの関知しないことを知り、ジムと最後の決闘をする。倒れたジムに向ってオトヤは笑う。「おれは勝った。10カ月前、長崎で貴様は笑った。勝って笑った。しかし、今はおれがこうして笑っているぞ。最後に笑う方が勝つのだぞ」

 

参考文献:「大和魂のゆくえ」(2020年)島田裕巳(インターナショナル新書集英社)/WikipediaWeblioほか

 

 

「ヴォーカルトレーニングの全て」 Vol.5

〇鼻声、喉声をやめる

 

 鼻にかけると鼻声、押しつけると喉声になります。どちらも意図的に声にしようとするところで、すでに間違いを犯しています。理想とする声は、そのどちらでもないところ、特に最初は不安定で頼りなく感じるところにあります。

 本当の正しい声は、出てしまうのです。最初はそうはいきませんから、このバランスを少しずつまん中にとっていくことです(日本人がよい声と思うところは、演歌などでわかるように、やや上に無理に集めているところにあると思われます)。

 余計な力を抜いてみましょう。もちろん、すべてがたるんでしまうのもよくありません。

 間違ったままの声をそのまま使おうとすると、間違った発声となり、問題がいつまでも解決していきません。いつまでも喉は疲れやすく、壊れやすい状態から抜け出せないのです。疲れが回復せず、ベストな状態を維持できないことから、喉にも精神的にもプレッシャーなどがかかることが日常となり、よい状態が得られなくなるのです。

 まずは鼻声、喉声をやめることです(ここでいう鼻声は、わざと上に響かせようとした[方法]のことで、その人の声質、あるいは病気で鼻にかかっている声を指しているのではありません)。

 

[正しい声を得るためのトレーニング]

1.声を出して、テープにとって聴いてみましょう。

2.口やあごを動かさず、腹話術のつもりで「会いたい」といってみましょう。

3.上(頭)のひびきを使わずに地声で「あまいことば」といってみましょう。

4.勢いのよい声で「ハッ」と掛け声をかけてみましょう。

5.「イエイ」「ヨオ」など、ノリのよい声を大きく出してみましょう。

6.「ガヤダ」と20回言ってみましょう。

7.「アー」と20秒、伸ばします。

8.「エー」と20秒、伸ばします。

9.「イー」と20秒、伸ばします。

10.「オー」と20秒、伸ばします。

鼻や喉にかかっていないかチェックします。

 

〇ナチュラルヴォイスの発見

 

 発声器官とか筋肉などは、意識すると、逆にその部分を緊張させ、解放できなくなるものです。バッターやピッチャーが、腕や手首を意識して、よい結果になることはないはずです。そこを使うからといって、そこに意識を持つことはないのです。

 発声器官の図やビデオを見ても、実際の器官の具体的な動きをイメージしてトレーニングしない方がよいでしょう。(科学的な発声原理や生理的解剖図を知るのはよいことですが、実践であるトレーニングがそれにとらわれてはいけません。

なぜなら、多くの理論は仮定されては否定され、そのことと実践とは、結びついていないからです。トレーニングで視野が狭くなるときに常識としてやっていることがおかしくないかを考えてみるために必要というくらいのものです。

たとえば、「強く大量の息が、高い音や声量をもたらすのでない」というようなことは、原理から証明しなくとも、音色を変えることを考えてみれば、誰でもわかります。でもトレーニングするのは、感覚での統御のためであり、そこから離れなくてはならないのです。

 空手家は実演をアップで、スローモーション、タイム入りで見なくとも、うまく習得してきました。見るのはよいのですが、そんなことを考えると、できなくなります。

意識の持ち方は大切です。むしろ、メンタル・トレーニングの方法に学ぶことです。私は、「喉は、ない」と思うようにイメージさせています。

 

○欧米のトレーナー

 

 欧米のポップスのヴォイストレーナーには、喉の締め方や使い方を教えている人もいますが、それは一般の日本人にはハイ・レベルです。そのトレーニングは、部分的であり、それをマスターした人と似た体質(声帯、言語、音楽環境)がなくては、あまり効果があるように思えません。喉を完全に解放できて初めて使えるものですから、多くの日本人には逆効果になりかねません。

彼らにはみえない、日本人特有の問題を、彼らのやり方で解決するのは、よほど素質に恵まれた人にしか不可能です。その結果が、今の日本のレベルです。

 喉から意識を離して自分の声に集中できるようにすることです。それも頭や眉間よりもまず、胸の中心、ハートに、意識も声の出口のイメージをもっていきます。歌の原点はハートです。

 意識はお腹(丹田)におくのですが、胸のところから始め、そこに声との一体感を感じていくとよいでしょう。鏡をみてください。首から上だけで声を出そうとしているようなら、間違いです。一声出したときの姿勢で、その人の力の判断ができるくらいです。

 肩から上には、力を入れないことです。固定させて、口もあけたまま、あご、口の中などは動かしません。

 このことによって、最もしぜんなあなた自身の声(ナチュラルヴォイス)を発見し、獲得していきます。

 

[ナチュラルヴォイスを見つけるトレーニング]

 次の順で、なるべくしぜんに、できるだけ大きな声でやってみましょう。

1.「アーエー」

2.「エーイ」「オーイ」「ウーイ」「アーイ」

3.「ハマヤラワ」

4.「アカサタナ」

5.「ナニヌネノ」「マミムメモ」

6.息を吐く感覚で声にすることを目指します。「(ハァー)アー」

7.床かイスにすわって、「ハイ」「ラオ」「ララ」を同じようにそろえて言ってみてください。

8.自分の最も声がうまく出ていることばでやってみましょう。

9.自分の好きな歌の最も好きなフレーズのみ、歌ってみましょう。

10.「ラララ……」で簡単なフレーズを歌ってみましょう。

2音、3音が1音に聞こえるように継ぎ目をなくすことです。

 

〇統一された声 バランスのチェック

 

 それでは、統一された声の見わけ方について述べておきます。

 

1.高い音と低い音の強さが均一 音色、音質が音高(ピッチ)によって異ならない(同質性)

 高い音はキンキンになったり、かすれて自分のコントロールできないところで響きます。ある一定の高さから上は、高くなるほどヴォリューム・ダウンし、中間音や低い音もまた、ヴォリューム・ダウンするような声では使えません。

 

2.ヴォリュームが出る(声質)

 ヴォリュームのある声を出すことは、胸でしっかりと声をつかまえておき、そこに息をより強く送ることで可能となります。そのとき、高音ではバランスよく響きが集まり、大きく聞こえるのです。

 弱すぎる声も不安定なら使えません。

 

3.ことばをシャウトできる(応用性)

 声を出そうとがんばるほど、喉にかかるのはよくありません。やわらかく、しっかりとヴォリュームのある声が出てこないといけません。

 

4.ピアニッシモにできる(柔軟性)

 統一された息のコントロールと流暢な流れが伝えられないと、上の響きへの移行がしぜんでなく、弱く保つことができません。

 自分が好きになれ、素直にしぜんに聴こえる声をめざしてください。その声を「コクとキレのある声」といっています。これは、鋭く強く思う存分出せて(キレ)、しかもやわらかく響き、小さく微妙にコントロールできる、味のある(コク)声ということです。

 

5.持続できる 再現できる(再現性)

 喉が疲れやすく、声を出しているうちに音質も変わってきます。

 

[声を統一するためのトレーニング]

 次のトレーニングで確認してみましょう。

1.下のドから上のドまで、1オクターブを、「ラー」で上がっていきましょう。

2.下のドから上のドまで、1オクターブを、「ハイ」で上がっていきましょう。

3.「ラア」「テエ」「ニイ」「フウ」「モオ」の2音目を大きく叫んでみます。

4.「ヘイ」「イエイ」をシャウトします。

5.「カコク」「サセス」「タトツ」をシャウトします。

6.「カアア」「マアア」「ラアア」をシャウトします。

7.高い音で、4,5,6をシャウトします。

8.「ムー」「ミー」「レー」を高音で小さく出してみましょう。

9.「ルー」「ラー」「レー」を中間音で小さく出してみましょう。

10.「ハァー」「マァー」「ラァー」を低音で2030秒、伸ばしてみましょう。

 

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