「専門家はいない」
声という、ほとんどの人間活動のすべてを扱う分野において専門家はいません。それぞれにおいて、どこかが深い人や広く浅い人がいるのです。まだ新しい分野なので浅く狭い人は多いのですが、深く広い人はほとんどいません。
そこが、楽器やスポーツという用途が特に限定されたものとは大きく異なります。役者も歌手も普通の人を演じるものだからです。普通の人にも役者や歌手がいるということです。
一方で、ここはアーティストと関わるところでもあります。アーティストとは、すべての表現にすぐれているわけではありません。
他人に替えられない高い価値をどこかに持っているのです。しかも、それは必ずしもすべての人に対してというのではありません。
ということは、私の好き嫌いで判断してはならないのです。私がどんなものであっても私のように(よくても悪くても)なるように教えてはいけないのです。できるのは、本人が自らで育つように時間と材料をセットすることです。
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