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2014年2月

レクチャー・レッスンメモ NO.270

1人で歌い確認する
他のワークショップで手伝う
オペラ、長唄などみる
活かせるものを取り入れる
喉―体の共鳴させる
喉をからさない
高い、大きい、長い
疲れる声、疲れる歌とは
表情を声に移す
受け手で受けない
声の朝の立ち上がり
大きい声が表現しやすい
疲れる声はベースにしない
やりすぎのよしあし
すぐれていると学べない
謙虚第一
復習中心に
息づかいとシャウトとせりふ
パッセージ、ロングトーン
同じ量で伝えるのを大に
息を強く吐く
表情筋
スロートレとハードトレ
世界観とオリジナリティ
目的につなぐ
中立として立つ

Vol.24

○気持ちが伝わる声の基本シミュレーション

 

ケース別の声の使い分けのイメージづくりについて述べます。

 

○高音を使うトレーニング・・・明石家さんまさんのように

 

 「騒がしいなかで注目を集められない」ときは、相手に届きやすい高めの声を出す

 声を出すとノドや胸部、額などが共鳴して振動するが、響きをほほのあたりに集中させるように意識すれば、高音が出る

 

 注目を集めたいときは、ちょっと高めの声で相手が聞き取りやすい音を出しましょう。アナウンサーの声の高さが、人の耳によく届く目安となります。さらに、軽い咳払いや、「えーと」や「あのー」といった、母音で始まる言葉も耳に入りやすいので、うまく使いこなすことです。男性でいうと、明石家さんまさんがよい見本ですね。声の大きさだけで争っても、大勢にはなかなか勝てませんので、まずは第一音目で引きつける工夫をしてみましょう。

 

○高低を変えるトレーニング・・・大竹まことさんのように 

 

 「お願いや要求をうまく断りきれない」ときは、語尾の高低で拒絶の意思を表そう

 低くて鋭い声は、息を強く吐くことを意識しよう。地声が高めの人でも、あごを少し引くだけで声に深みが出る。

 

 低くても鋭い声を出して、「拒絶」の意思をハッキリ示します。文の終わりにこの調子を上げると「疑問形」になり、下げると「断定」の印象が強まります。イントネーションには声の高低も含まれていますから、この変化でも「問いかけ」や「念押し」が表現できます。単に大声を出すだけでは、相手と衝突する可能性を生んでしまいがちです。大竹まことさんのようなキレと迫力のある声を意識して、静かでも相手に「肯定」と誤解されない言い方を身につけましょう。

 

○抑揚をつけるトレーニング・・・鶴瓶さんのように 

 

 「場をしらけさせてしまう」ときは、豊かな抑揚で聴衆の感動を巻き起こす

 「みなさん ようこそ お集まり ください ました」の文で一カ所だけ強さや高低を変え、よどみなく発音できるまで反復しよう

 

 スピーチのような公の場で棒読みや暗唱はいけません。たとえば、鶴瓶さんの話し方には、落語家特有の巧みな抑揚があって、言葉に感情がこめられています。ここでは滑舌の良さも大切です。滑舌と抑揚は絡んでおり、滑舌をよくすれば、抑揚がつき、聞き手にも聞き取りやすくなります。文節ごとに適度な抑揚を加えることと、より発声しやすい会話文になるのです。大事なところで言葉が詰まらないよう、心掛けましょう。

 

○声量を下げるトレーニング・・・森本レオさんのように 

 

 「相手の怒りをヒートアップさせてしまう」ときは、怒りを声のコントロール(調節)でなだめる

 相手の声の大きさ、スピードを冷静に分析しながら、じっくりと相手の”会話のリズム”を変えていこう

 

 人間には同調作用というものがあって、相手が10の大きさで話してきたら10の大きさで返そうとする意識が働きます。そこで相手をなだめるときは、10の声に対して7で返そうと意識して下げることが大切です。会話のスピードも同様で、相手以上の早口で対応してはいけません。小さく低く、遅くです。極端な話、常に森本レオさんのナレーションのようなおだやかな声が返ってくる状況になれば、怒っている側も自然と落ち着きを取り戻すようになるというものです。

 

○安心感を与えるトレーニング・・・古舘一郎さんのように 

 

 「堂々と話すことができない」ときは、低くて響く声で安心感を演出する

 「アエイオウ」を発声してみよう。口を横に大きく開く「アエイ」、縦に小さく開く「オウ」を組み合わせることで、口の開閉が身につく

 

 緊張する場面で周囲に安定感を感じさせたいときには、低くてよく響く声が理想です。こうした声を出すには「ノドを開く」ことが大切です。口を大きく動かす必要もあります。古舘一郎さんは、実況をやっていた頃よりも今の方が声が低く、落ち着いて聞けます。こういった声は、聞き手にも自分にも安心感を与えるものです。ちなみに、重要な場面では最初のひと言をアドリブにしない方が無難です。準備万端で挑むことで、心を落ち着かせましょう。

 

○謙虚に対するトレーニング・・・間寛平さんのように 

 

 「頼みごとがうまくできない」ときは、控えめなかすれ声でお願いする

 ややのどに負担をかけ、舌を少し引いてノドの奥を閉じ、鼻からも息を出しながら声を出しかすれ声にする

 

 声には心理状態が表れやすく、頼み事のような申し訳ないことをするときに、饒舌な話し方をするのは逆効果です。本当に心が痛むなら、自然と声は詰まりがちになります。頼み事はややかすれた声で、かつ弱めのトーンで話すのがベターです。かすれ声とは息が効率よく声になっていない状況で、いわゆる息漏れのようなもの。間寛平さんが周囲の顔色を伺いながら話すときの「あの~」という声を聞くと、つい耳を傾けてしまいます。

 

○声色を変えるトレーニング・・・アンタッチャブルの山崎さんのように 

 

 「謝罪の気持ちを伝えきれない」ときは、声色で謝罪の気持ちを表わす

 腰から体を曲げて腹部を圧迫したり、首を曲げてノドを圧迫したりして、普段の声との違いを確かめてみよう

 

 謝罪するときには”こもらせた声”を出すのがポイントです。謝るときに腰から頭を下げれば、腹部やノドが圧迫されて暗く、くぐもったような声になります。よく電話中にも頭を下げる人がいますが、これは正解なのです。ただ、声がこもると聞き取りづらくなるので、声量には注意が必要です。本当に申し訳ないと思っているなら、大きく明るい声は自然と出てこないものでしょう。若手芸人には謝り方がうまい人が多いので、参考にしてはどうでしょうか。

 

○沈黙を保つトレーニング・・・そのまんま東さんのように 

 

 「しゃべりすぎて相手を引き込めない」ときは、間を使って相手を引き付ける

 「私は先日、別件でこの近くに来ました」というセリフの好きなところに句読点や「…」「~」を入れ、実際に声に出してみよう

 

 相手を自分の話に引き込むためには、話の”間”をうまく使うことが必要です。この場合の”間”は文章の句読点とは少々異なり、話のなかのどこに置くかによって、相手に与える印象を変えられます。たとえば東国原知事の話し方は、言葉以外でもその場から移動したりポケットから何か取り出すなど、動作でうまく沈黙の時間を作り出している好例です。一方的にまくし立てる話し方は相手を疲れさせるだけです。聞き手に考える時間を与えることも大切です。

 

○相手に心地よく対応する声

 

 「はい」は、あなたのいうことをきちんと受け止めました。私の仕事として、責任持って行います。「ハイ」を使わないと、「手伝いますよ」というニュアンスに伝えたいことがあっても、まず受け止め、確認相手のボールを正面で受け止めなくては、キャッチボールになりません。

 応答の間は、2.8秒の間、3秒待たせてはなりません。

 違和感、不信感、不愉快にします。不満や横柄な態度の表れ、威張っている口癖になると悲惨です。

EX.「はい」「ああ」「ええ」「うん」「いいですよ」

 

○「ハイ」と芯のあるクリアな音

 

 何度か出していくと、「ハイ」の音が、上に響くときと、下に響くときがあると思います。声は、物理的に体の中でいろんなところで響いているわけです。それを口の中にこもらせるのではなくて、前にできるだけのどの力を抜き、鼻を通すような感じで、体からの息を使って出すことです。

 現在は、大きな声を出す機会も減ってきていると思います。たまには、Jリーグやプロ野球の応援に行って、大声を出してみてください。そうやって日頃、声を出していると、声も強くなります。

 トレーニングで、この「ハイ」に、いろんな感情をつけていきましょう。

 

○「はい」という返事ですべてを決める

 

 自分の中での目一杯、明るくした「ハイ」を言ってみてください。「ハイ」

 最初はなんとなく、形だけのような感じがしますが、あなたの中には、もっともっといろんな声があるのです。いろいろと試しながらよい声を出していきましょう。

 今度は、遠くから人に声をかけられて、明るく「ハイ」と返す感じでやってみてください。

 そこから「はい、△△です。」というところに戻してみましょう。

 かなり変わるはずです。そのまえに、息吐きと「ハイ」とやっておくとよいでしょう。

 

「はい、かしこまりました。」

 「はい、かしこ」「かしこまりま」とかで切る漫才(ハイキングヴォーク)でのふしぜんさを思い浮かべましょう。

 

○「いらっしゃいませ」での練習

 

 店に入ると、「いらっしゃいませ」と声がかかります。その声がさわやかだと、気持ちがよくなります。ゆがんでいたり、こもっていると、何かちょっと落ち込みます。お寿司屋さんの「へい、いらっしゃい」という声でも、気合の入った威勢のよい声と、しょんぼりした声とでは、その声一つで、ネタの鮮度、印象を大きく変えてしまうでしょう。

 三人くらいの声が飛んでくると、よい声の人、悪い声の人、普通の声の人というのが、大体のお店ですね。もし、それが三人とも気持ちのよい声なら、どうでしょう。何だか、繁盛しそうですね。

 

○「いらっしゃいませ」の音声の解説

 

 「いらっしゃい」は、「い」で切り出す威勢のよいことばです。勢いありすぎると、寿司屋さんのように、「ラッシャイ」とか「ンーラッシャイ」などと、「ラ」から聞こえることもあります。ビジネスマンでは、「ませ」をつけてていねいにすることが多いですが、私は、「いらっしゃい」も嫌いではありません。「あーら、○○さん、いらっしゃい」となると、水商売っぽくなりますが、男性同士でも、「あ、らっしゃい」と親しみを込めて使います。案内するときに、「(こちらに)いらっしゃい」とも使います。

 ただ、ここでは「いらっしゃい」、「ませ」で練習しましょう。「いらっしゃい」のあとの方の「い」をあまりゆっくりはっきりいうと、「ああ、きたよ、きた」という嫌みになりかねません。

 「い、し、い」がイ例、間の「ら、ま」がア列、「せ」がエ列で抑えと、まさに挨拶ことばとして、さわやかに人を迎え入れることばになっています。挨拶のことばと同じく、冒頭で使われるだけに、とっても大切なキィワードです。

EX:「おいでやす」「お久しぶりです」

 

次の「いらっしゃいませ」を比べてみましょう。

 1.早口でいう 2.ゆっくりという 3.抑揚をつけない 4.つける

 

○「こんにちは」での練習

 

 ある店では、「いらっしゃいませ」では、一方的でお客さんが返せないからと、「こんにちは」と声をかけるようにしたそうです。「こんにちは」と言われると、思わず「こんにちは」と返すものです。それが面倒という人でも、何回も続けていると、そのうち「こんちわ」と小さな声で、下を向いていうようになり、いつの間にかその声が大きく、はっきりになった頃には、顔にほほえみが浮かんでくる。毎日の店の出会いでも、一期一会、重ねていくと、人と人との関係は深まっていくのですね。

「本当の自己肯定のために」 NO.270

 一人でいると誰しもお山の大将になる、そういう人たちの論争は、みるに耐えないものがあります。目的が、相手の存在の嫌悪、否定のための批判(というより非難)には、同情を禁じえないのです。私はそういう類いのものに応じることはしていません。
それを教えることと思っている人が多いのは、どの分野でも似たようなものですが、声の分野について、今の現状では、ときに絶望的にも思うのです。だからこそ、やりがいもあると思ってもきたのですが。
自分の人生を生きるための我というものの欲を、社会的使命を自覚し、社会に活かして、天命、天職にまでとすることです。価値観の次元をアップするための、自己否定、自己批判、自己破壊であるべきです。反論は、まず他人でなく自分に向けられるべきであるということです。               

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