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2014年3月

レクチャー・レッスンメモ NO.271

なつかしいをとる

「あおい」と「あまい」

民謡の共鳴と柔らかさ

過剰過多

読み深める

気持ち、情

安全の範囲

つながりつながる

5年先に歌う

発明家と同じ

発見と創造

声を届ける

イメージトレーニング

イメージの否定をしない

息を少なくする

同じもので異ならせる

ブレス2つにを1つに

パンチを効かせる

声は感情

声のよい人、大きい人の失敗

見所見刀

その人のマップ

こうあるべきのよしあし

形から抜ける

頭をとる

修行

シンプルに

量と時間の累積

Vol.25

○いろんな「ありがとう」を使い分ける

 

 日本人の好きな、そして一番美しいことばとしてあげられるのが、「ありがとう」です。ありがたい、有り難いところから変じてきた感謝のことばですが、これも心がどのくらいこもっているかで、まったく受け手に働きかける力が変わってきます。「ありがとーヤンしたっ」って言われると、腹が立つと思いきや、ことばでなく、言い方、テンポや抑揚や声のトーンによって、大きく変わるものなのですね。

 

「ありがとさん」

 私は、「ありがとね」「あんがと」というのも好きですね。しみじみ言われると、それだけで目頭が熱くなります。映画のシーンでも、いいなあと感じます。

 「ありがとうございます」と「ありがとうございました」が、代表例です。しっかりとトレーニングしましょう。ともに、「ます」「ました」と「す」「し」のサ行がポイントで、よい感じで抑えます。「ありがとう」はケースによって、かなり違います。

 

EX:元気に「ありがとう」 しみじみと「ありがとう」

 それに下のフレーズ、「ございます」「ございました」をつけてみましょう。

 

○「ありがとう」の声

 

 たとえば、「ありがとう」と、自分が心を込めていっていても、相手にはそれが通じるとは限りません。逆に、そんなに気持ちをこめていないのに、相手がよい方に受け止めて好意をもってくれることもあります。声一つのやりとりで、いろんな違いが出てくるのです。

 そして、こういうことは、あなたの人生に大きく関わってくることです。それで出会いも、その後のつきあいも大きく変わってくるのです。

 心ではすごく感謝していても、声がそういう感じでなければ、声のイメージの方があなたの評価になってしまいます。あまり感謝もしていないのに、声だけがとてもよい感じになっていると、相手もすごく感謝して、あなたはいい人だという評価になります。その逆なら、どうでしょう。好かれないばかりか、恨みを買いかねません。それはあなたの言った言葉とか、内容で決まっていくのではないから怖いのです。

 

 コンビニで何も買わずに出るときに、「ありがとうございました」といわれて、「また来てもいいな」と思う店員さんと、「皮肉で言っているのか」と思うような店員さんがいます。でも、本人は、マニュアルどおりに、大して意図せずに言っていると思うのです。もちろん、その人の表情とか年齢も関係してくると思いますが、お店からすると、次から入りにくくなる店員の言い方よりは、また心地よく来てもらいたくなる店員の言い方のほうがよいわけです。

 電話でのセールスなどでは、声の影響力は、さらに大きいでしょう。商売と声はずいぶん深く関係しています。

 

○シチュエーション別トレーニング 

 

「ありがとう」から、やってみましょう。

最初に、けっこう軽めの「ありがとう」でやりましょう。

次に、本当に心をこめてみて「ありがとう」といってみます。

 

「ありがとう」というのは、どういうときでしょうか。具体的に相手や状況を思い浮かべてみてください。

誕生日にプレゼントをもらったときはどうでしょう。普段、何かをもらったときに、「ありがとう」という言葉を使っていますか。

「どうも」とか、「うれしい」「サンキュー」で代用して、「ありがとう」は使わないかもしれませんね。

でも、目上の人の場合は、「ありがとうございます」ですね。とても心の伝わる言葉なので、これからはできるだけこの「ありがとう」を使ってみてください。

 

「ありがとう」

 録音して再生して、聞いてみてください。

 声は、その人の個性とも大きくつながっています。相手にもよります。あなたのこの声が心地よい人もいれば、物足りないと感じる人もいるでしょう。会っているときは表情がわかるから、言葉だけでいえなくてもよいのです。ただ、電話のときには、声で表れる気持ちがすべてですから、いつも以上に気をつけましょう。

 

「ありがとう」

 今度は、高い声を使ってみてください。少し作ってもよいので、テンションをあげましょう。

 次に、嫌な人から、何かもらった場合はどうなるでしょうか。

「ありがとう」

 しぜんに、低くなりますね。先ほどみたいな元気な声は出ません。でも、恨まれたくはないし、という義理でのギリギリの感じでしょうか。

 

○声は変わっている

 

 普段、発声というのは、あまり意識してはいないと思います。それでも、声は微妙にいつも変わっているものです。

 多くの人は、実際に出した声を、自分では認識していません。どういう感じでいったかは、その瞬間忘れてしまうでしょう。

でも、相手には残るのです。そこが肝心です。

 敏感な相手には、声の調子からいろんなことが伝わります。だからこそ、ビジネスにおいては、最高の声で「ありがとう」といっておくことです。

 言葉も声も言った端から消えていきます。言ったほうは忘れるのですが、聞いた相手にはそのときのことばやニュアンスが残るのです。それで感謝されたり、うらまれたりするわけですから、困ったことですね。

 日頃でも、自分の中で言って、ちょっとニュアンスが違うとか、ギクシャクしたとか、そういう感じを抱くことはあると思います。

 なのに、「もう言ったことだから、今さら声が変わるわけでもない」と、反省したり、修正しないから、そこで終わってしまい、また同じことをやってしまうのです。あなたの印象は悪くなりかねません。

 

○声をうけとめる

 

 気をつけるためには、どうすればよいでしょう。自分で言うときには無意識に言ってしまうものですから、逆に、自分が言われたときのことを考えてほしいのです。声で嫌な思いをしたときのことを思い出してみてください。

 

 言葉というのは、言った人のものではなくて、受け止めた人のものなのです。

 誰でも、自分の気持ちで、自分の言葉のつもりで言っているのですが、誰かに向けられた言葉というのは、プレゼントと同じです。言った人は声を相手に渡し、相手が受け取って、持ち帰るのです。

 そう考えると、声一つかけるのも、責任があると思いませんか。実際、知らない人に声をかけられて、一日嫌な気分になったこともあるでしょう。もちろん、逆のこともあるかもしれませんが。

 このようなシチュエーションで練習してみると、少しずつ伝わったのかどうかということがわかってきます。

 すぐに伝え直した方がよい場合もあるのです。そこで放っておくと、いつの間にか、なんとなくうまくいかなくなってしまうものです。

 

○謝って謝意を伝える声「ごめんなさい」

 

 今度は「ごめんなさい」と言ってみましょう。二つシチュエーションを変えて言ってみてください。

 たとえば、

1.仕事中にバタバタしているときの失敗をしてしまったとき

2.異性を振るとき、あるいは、相手との約束を守れなかったとき

の感じで言ってみてください。オフィシャルとプライベートの場で言い分けてみるのです。

 このシチュエーションはわかりやすいでしょう。

 相手を振るときといっても、これは相手によりますね。同じ「ごめんなさい」でも、こういう相手にはこういう言い方をするけれど、違う相手にはそんな風には言わないということもあるでしょう。

 すごく嫌いな人の場合は、どうですか。これがほとんど同じ声だと、ビジネスではともかく、プライベートでは困りますね。

 プライベートのときは、少し低くなって、息が混ざった感じになる人もいます。

 すごく嫌いな人の場合は、どうでしょうか。 「ごめんなさい」

 少しトゲが出てきて、嫌だというニュアンスがわかればよいでしょう。それがないと誤解されかねません。「好きだけど、ごめんなさい」とも取られかねないニュアンスを残してしまうと、拒絶の「ごめんなさい」になりません。

 

○ニュアンス

 

 「ごめんなさい」というのにも、いろんな意味があります。この言葉だけでなく、ニュアンスも含めて、あなたの態度を伝えることにもなります。自分ではそういうふうに伝えたつもりなのに、相手の受け止め方が違う場合もあります。

 「嫌だ」ということをストレートにはいえなくても、「ごめんなさい」に声のニュアンスを加えることによって、そういうメッセージを示すことができます。

 

 これは人間が群れとして生きていく中でうまく使い分けてきた部分です。何かの事情で仕方なくという場合もあれば、生理的に嫌だという場合もあります。その使い分けができるときもあれば、うまく伝わらないときもあります。

 相手の感性にもよります。非常に敏感で、ちょっとしたあなたの声や表情の違いなどから、すごくわかってくれる人もいます。逆に、何回も「ごめんなさい」と、言い方を強くしても、全く違う方向にとる人もいるでしょう。

 これは、言葉の場合も同じです。言葉ではっきりと言ったからといって、それが伝わるかというと、そうでないことも多いのです。声の感じというのは、いろんなものが入っているから、うまく使い分けないと、とてもあいまいになるわけです。

 

○「すいません」のパターン練習

 

 何であれ、謝る日本人にもっとも使われるフレーズですね。「ちょっと避けてください」という意味の「失礼いたします」と軽いバージョン。向こうでは、「Excuse me」「I’m sorry」と2つのケースがありますが、どちらも「すいません」で済んでしまいます。

 

 故 林家三平師匠の「どーもすいません」は、頭をかきかき謝りますが、現実にはあまり支障のない遅刻とかでのときしか使いません。

 謝るのは、「すいませんでした」というのが、よく使われます。漫才のU字工事の「ごめんね!ごめんねー!」は、けんかを売ることになります。「すみません」の意味もあるので、「すみませんでは、すいません」とか、同音異義語の「たばこはすいません」などと、よく混同されます。「すいませんが・・・」と依頼されます。

 

EX:

1.呼びかける 「すいません、質問ですが・・」

2.願い、依頼 「すいませんが、(通してください)」

3.謝る  「誠にすいませんでした」

4.お礼  「すいません(ねえ)」

「学ぼう、育とう」 NO.271

自分よりすぐれた人を使えないのなら、自分よりすぐれた人など育てられないではありませんか。

私はトレーナーも生徒もあまり区別していません。内外も同じです。ここをやめても、会報などを継続している人が何百人もいます。トレーナーよりもずっと活動したり、レベルの高い人も学びにきています。トレーナーの方が教えられることも多いと思っています。

 教えようとするとムリがきて続かないものです。自ら学ぼう、育とうとすればいいのです。トレーナーが育てば、生徒も育ちます。

トレーナーは生徒自身に、一人では気づきにくいことを多角的、多面的に将来的にみて与えることが望まれます。それをどうとるか、活かすかは、本人にかかっています。

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