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2014年6月

レクチャー・レッスンメモ No.274

谷村新司と菅原洋一 柔らかくと暖かく

いっこく堂と鼻腔共鳴  

ツートン青木のいっこく堂ものまね

突っ張る、つながる 情感 

演ずる世界  実力論

ロングトーン 興味

指揮法  ダンサー

メトロノーム リズムの働き

伸びる、伸ばす 息吐き

読む       語る

正確な基礎  プロセスの勉強

整える  感じ入る

超える  一体化

矛盾の包括  突破する

破格   潜在  くり返す

ガゲギゲガ  足芯   体力

立体感  ガゲギゴグ  エッジ効果

入っている   トンネル堀り オーラ

出てこない   高強太長  ポイント 

加工  声の芯  流れ

曲調  メリハリと切れ ことばの活かし方

理由  2次元と3次元の筆 消し込み

味付け  緊とゆる  ゆっくり丁寧に

バランス  ヴォイスミックス 練る

音色とバランス ヨーガ  自分のくせ

初期のレッスン バレリーナ  代替え

声が出る体づくり ソーシャルダンス 歌と声の比率

ドドレ  呼吸法  写実

重ねる  平坦  アを動かしていく

みるところ  日本語カラオケ 音→つづり→発音

違うところ  カラオケ採点 部分完成力

変換する  職人芸   ベースランニング

写真図化  藤原蘭子  矢沢ライデン

ダイジェスト 藤圭子  形壊す 復元

集約  フィリピン  イメージの評価

創造力  元唄の影響  心身ヴォイトレ

Vol.28

○面接の時に自己アピールする声 「私は(○○の)、○○と申します。」 

 

 あなたが試験官なら、どう考えますか。服装や話す内容は別として、どういう声を好ましいと思うでしょう。私は、誠意、熱意のある声かどうかをみます。そこに素直に学び、ポジティブに仕事をしようと思っているかがみえるからです。

 どんなにはりきって自分をよくみせようとしても、声は案外と、その人の性格や能力、姿勢を実直に語りかけるものです。口べたでも、素直に語る人には好感がもてます。ペラペラと立て板に水でも、なんとなく、口だけの感じに受けとられる人も少なくありません。もちろん、何の能力が求められるかということにもよりますが。

 態度、顔つき、話し方は、面接の第一印象として大きく評価を左右します。自己アピールは、その人の個性の現われ出たものですから、すべての人に通じるマニュアルはありません。

 これまで述べてきたように、自分自身の持つもっとも自然な声で、やる気を伝えるように目一杯に使うことです。

 どんな声が好まれるかは、職によって、異なることもあります。面接官にも好き嫌いがあるでしょう。

 しかし、性格などと同じで、すべての人に同じことが求められるわけでもないと思われます。あなたの持ち味を充分に活かしてください。

 声は個性の一つです。話し方も十代から持つその人らしさがかなり出てきます。

 入社面談であれば、相手の望む話し方に近づけた方がよいでしょう。

 とはいえ、あまりにつくり上げた声や演技した声は、説得力に欠け、うさんくさいので、避けた方が無難です。セルフイメージを明確にして、自分の自然な声をベースに臨機応変に振る舞えるようになってください。

 

○主張、説得するときの声の使い方 「必ず、ご期待にお応えいたします。」 

 

 姿勢や態度も、声にストレートに影響してきます。猫背でうつむいては、声も弱々しく自信なさげにみえます。ときには、狡猾に聞こえることもあるから注意しましょう。日頃から心がけているうちに、少しずつよくなってきます。

 胸を張った姿勢は、威厳をもつとともに、自信のある態度にみえます。張りのよい堂々とした声が出やすくなります。その話し方や声の感じに、相手は信頼を感じます。こうして、説得力をもった声で述べてこそ、あなたの主張が通りやすくなるのです。

 

○司会者の声に望まれる声 「本日はようこそいらっしゃいました。」 

 

 声はハキハキと元気に明るくします。メインのゲストよりも目立つ声を使うのは、よくありません。あくまで司会は、補助という位置づけを忘れないことです。結婚式などでは、祝福している明るい声の感じが欲しいところです。

 「別れる」「切る」など、忌みことばは、覚えておいて、避けることです。声自体も丁寧にすることを気にかけ、でしゃばった一人よがりのものにならないようにしましょう。ほどよく厳かさ、格式をわきまえます。

 二次会の司会などでは、あまりよそよそしくならないことです。立場によっては、やわらかさ、気さくさもストレートに出した方がよいでしょう。

 

○客商売に有利な声 「私も、そのように存じます。」 

 

 商売によっても、声はずいぶんと違います。

 一般的に高級商品のときは、威厳、礼儀や雰囲気が重んじられます。そこでは、格式の感じられる、信用の伝わるような声が大切でしょう。若々しすぎるよりは、落ち着いた、年配の紳士、淑女の声をイメージしてください。

 しかし、安い商品は、明るさや人情味など、この人からすぐに買いたいと思わせる声の方がよいです。元気で思わず、つられてお客さんが買うような勢いが欲しいところです。

 セールスマンには、最終的に契約に持ち込むためのさまざまな技法があります。声の使い方からも学んでみてください。

 クロージング(契約をとること)には、最終的な判断を委ねたら、声をはさまない、つまり無言で間をとって待つというのもあります。あいづちやyes but方式など、セールスマニュアル通りに対応している例も少なくありません。もちろん、ベテランとなると、そのマニュアルが消えたところで、変幻自在に声も使いこなしているわけです。ともかく、最近では、話し上手よりも聞き上手の方が、おしなべて勝率が高いようです。

 

 サービスや商品、会社、自分のキャラクター、相手の客の性格といった、この三つの因子のなかで、さまざまなケースがあるのです。

 そういうなかで、声がもっとも関係するのは、応対するときのことです。特に、電話での対面応対においての声の使い方は、とても重要です。それによって、信用信頼が生まれたり、壊れたりするのです。

 

○セールスのうまくいく声 「今日はよいお天気ですね。」 

 

 セールスマンは、声において、これまで述べたことを自由に応用して使えなくてはなりません。以前は声が高く、元気のよい声を使うのが、日本のセールスマンでした。ピアノの「ソ」(G)の音などといわれていた頃もありました。

 しかし、最近では、高く元気なだけでは安っぽく、うさんくさいように聞こえなくもありません。もちろん、商品やサービスによっても、店の格や売りものによっても、使うべき声は違うでしょう。なぜなら、それぞれの客が期待するものが違うからです。

 人間の社会は、さまざまな人で成り立っています。指輪でも、露店でイミテーションのものを買う人と、ブランド店で高級なものを買う人とでは、売り場の人の声も違うでしょう。

 ですから、より細かく声のTPOを知ることです。その現場で売れているセールスマンの声に学びましょう。

 どうであれ、お客さんは、商品、サービスとともに、セールスマンを信頼したいのです。そこで元気な声、明るい声を求めているのは確かです。

 

○敬語を美しく話す声 「お出かけになりましたか。」 

 

 語の頭をはっきりと切り出しましょう。語尾までしっかりと言い切りましょう。

 相手との距離を考え、そこで大きくも小さくもない声で話します。

 まわりがうるさいときは若干、大きくても構いません。もちろん、まわりに聞こえるとまずい話では、声をひそめましょう。

 相手によっては、表情やジェスチャーも有効ですが、あまり大きく振る舞うのは、考えものです。語気が強いと、いんぎん無礼な印象になることもありますので、気をつけましょう。

 一般的には、少し高めのやわらかい声で通すのが無難です。年配の人は、高い声が聞こえにくくなりますので、低い声でゆっくりめにするとよいでしょう。とにかく相手を立てて、相手よりも早く話したり、たくさん話しすぎないように気をつけましょう。聞き役がつとまれば充分というつもりで接しましょう。

 

○会議などで説得力のある声 「それでは、ご発言よろしくお願いします。」 

 

 進行役を務めるときは、会議を司るのですから、はっきりとした明確な声が望まれます。一番遠いところの人に届く声量が基本となります。どちらかというと、淡々と表情を出さず、進行役に徹した方がよいでしょう。感情はもちろん抑えます。

 論が逸れたり、余談に入ってしまったときには、ほどよいタイミングで切り込み、全体の進行に戻します。そのときは、少々、強く、説得力のある声が望まれます。

 出席者として臨む場合は、充分に時間を与えられているときは、内容をしっかりとした声でゆっくりわかりやすく伝えることに専念します。内容は充分頭に入れ、そこでは伝えることに専念するのです。話すだけでなく、自分の声がきちんと伝えられているかどうかを確認しながら話します。時間のないときは、スピードをあげるよりも、分量を減らします。

 声の方向にも気をつけましょう。一番聞かせたい相手に向けるのが基本です。そうでないときは、全体に平均に聞こえる方向を正面として話します。体や顔の向きはとても重要です。

 

○スピーチが受ける声 「最初に簡単にご挨拶申し上げます。」 

 

 スピーチに使う声を選ぶとしたら、現在では、マイクに通りやすい声となります。マイクに通りやすい声は、大きな声でなく、うまく共鳴している声です。早口にならないように抑えましょう。

 印象に残るためには、他のスピーチする人とできるだけ異なる声がよいのですが、これは、あらかじめ準備したり、そこで使い分けられるものではありません。話は、テンポやリズムがあまりに同じに続くと、聞く方が飽きてきます。

 最大の問題は、あがりです。あがってしまうために声が上がって、うわずったり、言い間違えたりします。大して聞く方は気にしていないのですが、話す方は一つ間違えても、とても大きなミスをしたように思ってしまうものです。あなたのスピーチを商品として売るわけではないので、完全なスピーチは、目的からはずしましょう。相手にわかりやすく語ろうと思えばよいのです。

 原稿を読むときでも、できるだけ目線は、聞く人に向けることです。下を向いているときはコミュニケーションがとれません。できるだけ原稿に目を落とさず、メモなどにして、最小限の回数にとどめましょう。

 スピーチも芸と同じです。覚えたものをくり返すのでなく、その場に応じて即興でよりうまく伝わるような声の使い方をしましょう。他の人と違う声、違うテンポで大きなメリハリをつけられたら、上々でしょう。

 

○研究発表のときの声 「これまでの説明にご質問はありませんか。」 

 

 研究発表などは、内容本位ですから、人柄や気持ちが出る声よりも、正確に内容を伝えられる声を使います。強調して、伝えたいところでは、声を張りましょう。スピードが速くなりがちなので、予め時間を配分しておきましょう。

 相手をよく考えて、テンポやことばを選びましょう。

 数字、専門用語やわかりにくいことばは、ゆっくりとしゃべります。

 全般的に声ははっきりと切り、相手が聞きとれないことのないように気をつけましょう。年配の人が多いときは、ゆっくりと低めに出します。

 

○異性にアピールする声 「一杯、飲みませんか。」 

 

 声に容姿ほどに異性を引きつける力があるのかどうかはわかりません。相手によるからです。その人を好きになると、その声も好きになるということが多いようです。

 しかし、何となく嫌いな声というのがある人もいます。女性などは、生理的に受けつけない声もあるでしょう。

 それがどのくらい声自体の問題かはわかりませんが、その声や似た声で嫌な思いをした人など、特別な場合をのぞくと、話し方やことばの使い方のほうが大きいように思います。

 もちろん、声は男女で著しく違うものの一つです。第二次成長期のもっとも目立つ性差の一つで、つまり異性としての魅力に直結しています。海外では、日本よりも、声の感じや使い方は、セックスアピールに結びついているように思います。

 男性は、やや低く太くすると、頼りがいのある優しい感じになります。女性はやや甘えた鼻にかけた声にすると、男性にアピールするというようなことも言われます。

 しかし、一人ひとり、好みは違うのですから、自分の出しやすい声を中心としましょう。あまりに発音などに正確で機械的なイメージ声や、落ち着きのないカン高い声では、モテないという気がしますが・・・。

「疑う、の誤解」 No.274

疑うことの大切さは、何度か説いてきました。それは、一面としては、客観性を重んじる科学的な態度として、近代に確立してきたものです。「疑い、確かなものを選び出すこと」で間違いを防ぎ、正しいことを得る。この学問的態度は、芸事にも社会生活にも、大きな影響をもたらしました。

 しかし、この正しい間違いの判断や、選択というものは、結局のところ、自分の外にあるものに対してにすぎません。いわば、ゲームの世界と同じです。他人のゲームで遊ぶのでなく、それを糧に自分のゲームをつくっていくために役立てるべきなのです。

 まして、ただ疑い、ものごとを怪しいと思う態度からは、新しく学ぶこともできず、行動もできません。そういうことを言う人を批判したり、否定したりすることに陥るだけです。

疑うのは、疑い抜いて信じるために必要であるとわかります。感性を磨き、自分を信じるのでなく、信じられる自分に高めていくしかないのです。真にクリエイティブなものは、それを創ることのできていない自らの否定をしていくのです。そのために他に自らを学ぶことです。このことをこれまで暗黙知、心理、真実、本質、本物、いろんなことばで述べてきました。そのためには、他を疑わずに、どれだけ早く、完璧に自らのこだわりを捨てられるか、ということになります。行き着くところ、忘我、バカになりきり、集中して、自分に積み上げていくのかということに尽きます。

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