Vol.34
○礼儀正しく、畏敬を持って伝える声
基本トレーニング
1.「いつまでもお変わりありませんね」
2.「お変わりなくて何よりです」
3.「素敵なお召しものですね」
4.「お似合いの色ですね」
5.「その後、お体の具合はいかがですか」
□チェックポイント
A.姿勢、体 呼吸、フレーズ
やや低めの姿勢で
B.顔の表情
相手の顔を伺いながら
C.発声、高低、強弱、トーン
少し高めで張りすぎない
D.発音
しっかりと音を区切る
E.声の表現法
一歩引くように、相手を立てるように
○礼儀正しい声とは
礼儀正しい声というのは、落ち着きがあり、ややゆっくり、深めの声というイメージです。せわしくならずに、相手の動きの一歩あとをついていくような気持ちで出してみましょう。呼吸をゆっくりに、声もおもむろに出します。ただし、べたっとだらだらした感じはタブーです。発音は、きびきびと、語尾などをもたつかせずに、くっきりとしましょう。お見合い声、冠婚葬祭用のあいさつ声です。
○浅い声でなく、しっかりした声にする
外国人の話す声を聞いてみてください。言語の違いもありますが、総じて日本人の話し方は音量も小さく貧弱で、話のリズムも平面的でパワーに欠ける気がしませんか。
私は、選挙の応援演説やアエロビクスのインストラクターで、こんなに声をつぶしている人の多い国を、他に知りません。
それに対して、外国人は体についた深い声で話し、明るくはっきりとしていてリズム感があります。これは歌などで比べてみると、さらにはっきりとします。特に欧米人は、話しているときの声が日本人よりも深いので、そのまませりふや歌に入っていけるのです。
彼らは話しことばに強弱のリズムがあるので、おのずとメリハリがつきます。その結果、どちらかというと単調に話しがちな日本人よりも、様になるのです。
○お腹から出る理想の声とは
ある程度、訓練ができていないと、自然な声を保って、いつも使うのは、容易ではありません。
私たちの普段の声そのものや仕事で使われる声が、自然に出ているとは言い難いところがあるため、その判断をわかりにくくしています。そこで一見、遠回りのようですが、のどに疲れのこないタフな声を鍛えていくのも、トレーニングの目的です。
目標は、お腹から出ている深くて魅力的な声、切れとコクが同時にある声です。これは、腹式呼吸でコントロールされた深い息を、確実に声にして、もっともうまく共鳴させ、前にひびかせた歯切れのよい声を目指します。
○声に厚みをつける
うすっぺらい声に聞こえるのは、声の共鳴不足です。
口の開け方(特に口の奥)が大切です。腹式呼吸と、母音の口の開け方のトレーニングをしましょう。口の奥の開け方が狭く、共鳴が少なくなると浅くなります。口の奥を開き、天上を高くしましょう。
○全身で表現する
日常生活から、ことばをはっきりと明瞭に話すよう心がけましょう。
日頃から手を動かし、大げさにしゃべる習慣をつけておくとよいでしょう。大きく体で語るようにしましょう。
体での表現を、ボディランゲージといいます。特に、顔の造作、表情を大げさにすると、その動きで声にも自然に表情をつけやすくなります。
□落ち着いた声で英語をいうトレーニング
1.「How do you do?」「Fine. Thank you.」
2.「Good morning, have a nice day!」
3.「Thank you so much.」「You’re welcome.」
□母音の口の開け方のトレーニング
口の奥がのどの方まで広がる感じであくびをしてみてください。
その口のかたちを変えないで、声を出します。明瞭な音でなく、あいまいになってもかまいません。
1.「オーウーアーエーイー」
2.「アーエーイーオーウー」
3.「おお おう おあ おえ おい」 (「お」は太く厚くするように)
応用例文トレーニング
1.「いかがですか。思ったよりも元気そうに見えますが…」
2.「おめでとうございます。本当によかったですね」
3.「これをお子さんにお渡しください」
4.「ご遠方より、ありがとうございました」
5.「このたびはご愁傷さまでございます」
6.「まことに残念なことでございます」
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