「基本に戻るということ」
この頃の世の中では、すぐによくするというのが、もてはやされています。トレーナーとしても即時に相手の状況に対応できる、その日によくして喜ばれるのはよいことですが、ここに大きな落とし穴があります。
研究所では「徹底した基本を身につけ、応用し、また基本に戻れ」と教えています。応用は、さらなる基本の力をつけるためにするのです。そこからみると、ステージ、作品、現実社会も、切りとられたプロセスにすぎないといえます。
一人で基本トレーニングをしても、自己中毒になりかねませんから、レッスンを受けるのですが、即効的な効果をねらった教え方は、目先を変えているだけなのです。(それもモティベートをあげる技ですから使ってはいます。)なのに、それで本人はすべての問題が解決したように思いやすいのです。自己中毒とは、目先の効果にとらわれ、基本に戻れなくなることです。
本当のところ、その日の効果は状態がよくなった、その人のなかでバランスが整ったというだけです。病気でいえば完治にはほど遠く、習い事でいえば方向づけにすぎないのです。それでは、もともとのその人の力以上のものは出ないのです。力をつけるには、そこまでの備えを整える時間がかかります。その手間を短くするのでなく、受け入れる覚悟をすることが、本当のレッスンに必要なことなのです。
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