「眼の人と声の人」 No.288
日本人が、元より自由を求めないで自主規制する。その傾向が、ますます高まっているように思われます。有事に対し、無口になる、無言になるのが日本人なのでしょうか。
かつては対話の決裂でけんかする欧米人に対し、対話もなく無言からいきなり罵り合い、けんかするのが日本人だったそうです。これからは、常に主張して自衛する能力、自己表現能力は、誰であっても必要です。
「眼の人と声の人」と、木村尚三郎氏は日本人と西洋人との違いを述べていました。日本と欧米(西洋)とは、抽象的・観念的と具体的、実感的の差があるとしています。
日本人の世間のもつ共感は、発声不要、眼で察するわけです。眼が口よりもものを言うため、目配りに留意します。観念、美学、実技と、知っているのに、力となっていないのが日本人です。
それに対し、文字の意味ではなく発音で暗誦するのが西洋人です。一人ひとりが、はっきりした声で自らを表現したところから思想は生まれたということです。
ことば、対話は、武器です。それは発声、発言する主体として、生きるための自衛の活動なのです。
沈黙は、無関心、殺意、自殺、無視、敗北であるということです。
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