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Vol.48

〇アーティキュレーション(articulation)滑舌

 

 

 

 これは、音の切り方、次の音との続け方、歯切れ、滑舌のことです。聞いていて歯切れがよいというなら、アーティキュレーションがよいといえます。

 

 そのためには、滑舌がよい、つまり舌が滑らかに動いてつっかからず、ことばがスラスラと出てくるようになることです。

 

アーティキュレーションには、発音の正確さにとどまらず、その声自体の伝わりやすさ、聞きやすさも含まれます。

 

 体の柔軟体操から顔面の筋肉体操と、舌や唇がいつも動きやすいようにトレーニングしておくのも、大切な準備です。

 

 

 

〇早口ことば(滑舌=アーティキュレーション)のトレーニング

 

 

 

 最初はゆっくりと発音をはっきりとさせてやってみましょう。あご、唇、舌などの発声器官を柔軟します。少しずつ速くしていきます。

 

 

 

<ア>あら、また、あかいはたがあがった、かった、かった、あかがかった。

 

<イ>いちり、にり、しちり、いちにちに、ぎりぎり、しちり、いった。

 

<ウ>歌うたいが歌うたいに来て歌うたえというが、歌うたいが歌うたうだけうたえ切れば、歌うたうけれども、歌うたいだけうたい切れないから歌うたわぬ。

 

<エ>蝦夷(えぞ)で暮すも一生、江戸で暮すも一生。

 

<オ>老いては負(お)うた子に教(おしえ)られ。

 

 

 

<カ>神田鍛冶町の角の乾物屋の勝栗(かちぐり)買ったが、固くて噛めない、返しに行ったら、勘兵衛のかみさんが帰ってきて、かんしゃく起して、かりかりかんだら、かりかり噛めた。

 

<キ>菊桐菊桐三菊桐(みきくきり)、合わせて菊桐六菊桐(むきくきり)

 

<ク>くりくり坊主が栗食って、くりくり舞をくりかえし、くるりと庫裡(くり)へくり込んだ。

 

<ケ>怪我負け、怪我勝ち、大怪我、小怪我。

 

<コ>小卵大卵(こたまごおおたまご)、大卵小卵。

 

 

 

<サ>笹原さん、佐々木さん、佐々三郎さん、三人早速あさって誘ってさしあげましょう。

 

<シ>信州信濃渋井村、新家(しんけ)の重(しげ)さんの尻にしらみが四匹(しひき)しがみついて死んだ。

 

<ス>住吉(すみよし)のすみにすずめが巣をくって、巣早すずめの巣立ちするらん。

 

<セ>浅草寺(せんそうじ)の千手観音(せんじゅかんのん)、専念千日千遍(せんじつせんぺん)拝んで、千束町(せんぞくちょう)で煎餅(せんべい)買って千食べた。

 

<ソ>そんじょそこらのそばかす小僧が、そちをそしって逃げたとしても、そちはそれほど、そっとこらえてそしらぬ顔とは感心だ。

 

 

 

<タ>この竹垣に竹立てかけたのは、竹たてかけたかったから、竹立てかけたのです。

 

<チ>茶たばこのんでたばこ茶のむ、茶たばこたばこ茶々たばこ、のむ。

 

<ツ>つるてんつるてんはぎわらてん、破れた前だれあててんてん、夏は寒天心太(ところてん)、島島弁天(とうとうべんてん)手をうちゃ合点、一天合中六天(いってんがっちゅうろくてん)、それで私のもとでこてん。

 

<テ>テレピン油(ゆ)を掌(てのひら)にたらして手と手でもんでおてんてんへつけて見ろ。

 

<ト>とてちてた、とてちて、とてちて、とてちてた、おっと踊った。とんつつ、とんつつ、ととんつつ、どんたく踊りをおどろうぞ。

 

 

 

<ナ>長持(ながもち)の上に、生米、生麦、生卵。なた豆七つぶ生米七つぶ、七つぶなた豆。七つぶ生米。

 

<ニ>二条の西の洞院(とういん)、西入人形屋(にしいるにんぎょうや)の二階で、鶏が二羽、西向いて逃げた。

 

<ヌ>盗人と濡衣担(ぬれぎぬにな)い、悩みぬぐえず、七日七晩(なぬかななばん)泣きぬれる。

 

<ネ>年々ふえる年祖捻出(ねんそねんしゅつ)、なんとかならぬか泣言(なきごと)ならべた。

 

<ノ>農商務(のうしょうむ)省特許局日本銀行国庫局。

 

 

 

<ハ>パイプの火の不始末から火花ふいて、本家分家を灰にした。

 

<ヒ>かえるひょこひょこ三(み)ひょこひょこ、四(よ)ひょこひょこ、五(ご)ひょこひょこ、六(む)ひょこひょこ、七ひょこひょこ、八ひょこひょこ、九ひょこひょこ、十ひょこひょこ。

 

<フ>武具馬具(ぶぐばぐ)、武具馬具、三武具馬具、合わせて武具馬具六武具馬具。

 

<ヘ>家(うち)の牛(べ)こはよい牛こ、隣の牛こもよい牛こ、向こうの牛こもよい牛こ、三つ合わせて三よい三牛こ。

 

<ホ>坊主の貧乏、非常にふびんと坊主と坊主の父母が、奉仕と募金。

 

 

 

<マ>青巻紙赤巻紙黄巻紙(あおまきがみあかまきがみきまきがみ)、黄巻紙赤巻紙青巻紙、長巻紙に赤巻紙。

 

<ミ>猫が拝(おが)みゃがる、犬が拝みゃがる、馬が拝みゃがる。

 

<ム>麦ごみ麦ごみ三麦ごみ、合わせて麦ごみ六麦ごみ。

 

<メ>ちょっと流し目したら、目くじら立てて怒られて、ひどい目に会った。

 

<モ>すももも桃ももう熟れたから、もう売れよう。

 

 

 

<ヤ>おやおや、八百屋さん、お綾(あや)は親とお湯屋(ゆや)よ。

 

<ユ>湯河原に遊びに行って夕月を眺めたら、愉快になった。

 

<ヨ>居合(いあい)の用意はよいな。用意はいいよ。よいよい。やあやあ、いよいよ居合をやるぞ。

 

 

 

<ラ>雷鳥は寒かろラリルレロ。

 

<リ>瓜(うり)売りが瓜売りに出て瓜売れず売り売り帰る瓜売りの声。

 

<ル>虎をとるなら、虎をとるより鳥をとり、鳥をおとりに虎をとれ。

 

<レ>冷蔵庫から、冷凍料理を出してこいと言ったら、冷蔵庫から冷凍料理を出さないで、冷蔵庫からビール出してラッパのみした。

 

<ロ>とろろ芋をとる苦労より、とろろ芋からとろっとするとろろ汁をとる苦労。

 

 

 

<ワ>わらわば笑え、わらわは、笑われるいわれはないわえ。

 

 

 

○滑舌のチェック

 

 

 

 最初から急いでやらなくてかまいません。少しずつ、スピードをあげていきましょう。スピードよりも、伝えることを忘れないように。

 

□のどが疲れない

 

□お腹からしっかりとことばをとらえている

 

□口先をあまり動かさなくても、相手がはっきりと聞き取れるくらいに言い切れている

 

□ひとつひとつのことばがしっかりと言えている

 

□そのうえで流れに、流暢にことばがのっている

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