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「伝えることの複層化★」 No.308

私が直接、伝えるより、伝えられる人を育てられたら、その効果は何倍にもなります。私も、伝えている人と伝えられている人をみることで、たくさんのこと、かつ本質的なことが学べます。

歌手になりたい人が歌手に憧れ、歌手に学ぶのは、もっとも大きな動機のままに、ストレートに学べるのですが、それだけで一人前に人が育つことは、それほどないのです。

一方、トレーナーになりたい人で、最初から俳優や歌手になることを避けている人は、そこが問題になるときがきます。私が、トレーナーの公募をしない理由の一つです。

歌手でトレーナーである人は、一見、理想的にみえますが、どちらも中途半端なことが少なくありません。ピアニストと調律師と音楽監督は分業であり、大きくはチームなのです。また、声の管理だけでは、創造の条件を満たしません。

自らをどのようにプロデュースするのか、演じるのか、歌うのか、声をつくるのか、体をつくるのかもまた、ていねいに一つずつ考えていくことです。

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