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2017年11月

Vol.56

○自分の声のパターンを知る

 

 敵を知るには、まず味方からです。「味方って一人じゃん」という声はさておき、

 声があなたの味方、いや声を味方にしましょう。そうすれば、万人を味方につけたようなものです。

 「声って一つじゃん」って。

 いや、いろんな声があるのです。次のような声から、自分にあてはまるものをマークしてみましょう。わかりにくければ、身近な人の声をサンプルとしてチェックしましょう。わかりにくければ、誰かにあなたの声についてチェックしてもらいましょう。

 

○声の出だしを高めにインパクトを

 

 声は、出だしのインパクトで決まります。第一印象にあたるのが、声の出だしのトーンです。日本語の語頭は、はっきりと聞こえないと、意味が不明瞭になるので、やや高めに明瞭に言うことです。これは、日本のアナウンサーの話し方の技術の一つで、「高出し」といいます。

 噺家などは、「え~、毎度」と感嘆詞や枕詞をつけて、導入をわかりやすくしています。電話の「もしもし」と同じ役割です。

 話し方の本には、「あの~」、「えー」は、よくないからとるなどととありますが、一般的には、あまり多用しなければかまわないと思います。日本語では、その方が自然に入れるし、相手も聞く準備ができて伝わりやすいからです。

 

○決め手は、語尾ニュアンス

 

 声は音ですから、時とともに去りぬ、つまり、発したところから消えていきます。

 ことばなら、そのときの決め手は、捨てぜりふ、いや、最後のせりふです。声ならだめ押しの声、つまり、最後の声に残るニュアンスが決め手となります。

 デートで、最後に淡白にサッとさよならした人と、もてなせなくても、最後に温かい感じと思わせた人と、どちらが次のアポイントにこぎつける可能性が高いでしょうか。

 「バカでかわいいおまえ」と、「かわいいけどバカなおまえ」と、どちらがましかっていうことです。「かっこいいけどドジ」、「ドジでもかっこいい」では?まあ、人間、大して前のことは覚えていないということです。ですから最後の締め、語尾のニュアンスが肝心です。

 

○重要なことは、くり返す

 

 私はベテランの講師が最後に、今日話したことをまとめたり、最初に前回、やったことをくり返しているのを若いときに聞いて、小学生であるまいし、と思っていました。でも、今はわかります。それなりの歳になると、いろんなことをして、頭がまとまっていません。そこに念押し(リピート)があると、とても助かるのです。そうしなくては、せっかく聞いたことが頭に残らなくなっているからです。日本語では、印象に残すには、強く言うよりもくり返すことの方が効果的なようです。

 

○自分の声のパターンをゲットする

 

 ヴォイスメモに、自分のベスト声全集をつくってみましょう。

 ついでに、自分の声で、自分を励ますことばを録音して聞いてみましょう。

 紙に書いて、毎朝読み上げていると、書いてながめるだけよりもずっと力が出ます。

 あなたが尊敬する人のことばでもよいでしょう。自分の選んだことばが、励みになることもあります。

 がんばっているときのあなたが、そうでないときのあなたに、それを残したと思ってください。

 誰しも、がんばっているときの自分が好きでしょう。ですから、がんばっているときの声を入れておくとよいでしょう。

「期待と準備」 No.315 

 

「間違っていますか」「正しく直してください」という人が、増えてきたように思います。ことばに出していわなくてもそう思っているとわかるものです。

 

 

 

さほどやっていないのですから、達してないしできてないし、そもそも入れてないのに出てきようがありません。

 

そのレベルに、間違いも失敗もないし、そこに注意されたり、まして怒られることなどはありません。

 

 

 

できるだけの準備をして臨むこと、準備がなければ、こちらは待つだけです。先に進めようと努めなければ、遅れるだけです。

 

 

 

期待されないようにならないように。

 

チャンスはいつもそこにあるのに、見逃していくなら、そんなにないのです。

 

 

 

欧米では、現場でのダメ出しや否定の厳しさは、日本の比ではありません。何より時間が限られているからです。

 

元よりできない人を選ばないから準備を優先するように促すのです。

 

準備不足を繰り返す人やそこまでいかない人には、ひとことも言われません。参加の資格がなくなり、そこにいると却って信用と仕事がなくなるだけです。

 

日本のように層が薄く、我慢して、注意して直してまで、その人を使う必要がないからです。常に代役がいるからです

 

 

 

子供の教育とプロの稽古は違います。

 

日本の歌手や俳優がほとんど海外で通用しないのは、こうしたプロ意識の差からです。

 

 

 

一流の俳優や歌手は、大体、本人の基準でみたら失敗しかしません。自分の期待するレベルが高いからです。

 

彼らが本当に自分で満足できるパフォーマンスをできるのは、生涯に何度かでしょう。

 

ただ、ふつうの客はそこまで見ないので、舞台を満足してくれます。そこからは自分との葛藤になります。そこからのレッスンなのです。

 

 

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