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第24号 「リズムと音感」

○グルーヴ感をつける

 

確実に強拍に踏み込んでから、アフタービートにのって放すグルーヴの動きを捉えておきます。(音楽、曲、リピート、リズム、グルーヴ、音色中心の動きなどを意識します。)

1音の音のタッチに音色が出て、次に2つ目の音との関係で音楽の演奏が始まります。タッチとは、その人の表現のやり方といえます。これを一曲で描いていくのです。

楽譜を歌うのでなく、そこから、その歌の本質を取り出し、自らの呼吸で流れをつくり、音楽たらしめていく。その一端だけ経験し、体と感覚に、自らの声の動き、呼吸とともに入れていくのです。

 

感覚の切り替え

 

フレーズの中では、出だしから次の音へのつなぎは、そのあとの方向性を決める大きなポイントです。もちろん、そのフレーズのまえの息(ブレス)もこれに深く関わってきます。

海外では、音(息)の強さ、音色とリズム・グルーヴで打楽器的に声をたたみかけて(言語感覚そのままのリズム、子音中心)結果として、メロディや高低を処理します。この感覚の切り替えこそが、ポイントです。

 

いつも感じて動くこと

 

普段からノリのよい音楽を聴き、体でリズムに慣れるように心がけることです。たくさんのリズムパターンを体に叩き込んでおきましょう。ジャズ、フラメンコ、ラテン音楽をお勧めします。

3拍子の感覚を身につけるには、馬に乗ったときのタンタータン、ダンスのズン・チャッ・チャッのリズムが基本です。

ダンスミュージックを聴いて、体を実際に動かしてみましょう。

楽器演奏をたくさん聞くとよいでしょう。ヴォーカル教材より、楽器の教材がよいです。

 

○テンポをキープする

 

いくら複雑なメロディがついても、一定のテンポとリズムパターンを乱してはなりません。とはいえ、そこで感情を込め、部分的にメロディやリズムをフェイクしてもよいのです。そのズレこそが、個性であり、歌唱の本髄なのです。しかし、テンポの感覚を失って戻れないと、元も子もありません。

ですから、最初のテンポを曲の最後まで保つこと、つまり、一定のテンポ感を保つことを身につけましょう。ドラムやベース、リズムボックス、メトロノームで学ぶのもよいでしょう。

自分の歌を、リズムで読んでください。楽譜をみて、メトロノームにあわせ、音符を打楽器の楽譜と思って、叩いてください。足は、小節の頭を打つとよいでしょう。これを何度もやって、体に覚えさせてから歌いましょう。

 

○音程を正す前に

 

音程をはずす、リズムののりが悪いなどは、それをどう直すかでなく、そんなことが起こっていることがもっと大きな問題なのです。

本来、問題に上がってこないために、一流のアーティストがしてもいないトレーニングを、そこに設定することの意味のなさを考えて欲しいのです。それだけ音楽の世界に親しんでいない、よく聞いていない、ていねいに音を扱っていないことの表れです。クイズのように、正誤問題であたった、はずれたというのは、楽器の初心者ならともかく、芸事には、余分なことです。

積極的に声を出し、歌に慣れましょう。自分にあった歌で音域や音程の高低幅が少なく簡単なものにしましょう。簡単な音階の発声トレーニングをするとよいでしょう。発声がよくなれば自然と音程も狂わなくなることが多いものです。まず量、そして質にしていくのです。

 

音楽の流れで覚える

 

音程をトレーニングするなら、その課題ができるのでなく、そのうち無意識に歌の中でおかしな流れにならないように、結果が出てくるようにするためです。

つまり、より心地よく快感に相手に伝えようとし、その声の起こしていることを繊細に把握していく能力がつけば、正されていくと考えてください。音楽そのものを聞き、感じ、体や息を動かすことから学ぶことです。

 

○読譜力、初見力について

 

楽譜は、音の高さ(ピッチ)と音の長さを表わします。瞬時に出ては消えていく時間軸の音楽を空間に目でわかるようにしたものです。そこに示された、論理、秩序、法則性(作曲家と音楽のルール)が、その音楽の形です。解釈や比較、他の人への伝達に便利です。ヴォイストレーニングをするなら、マスターしましょう。

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