« 第42号 「トレーナーの経験と能力」 | トップページ | 「少しの違い」 No.330 »

第43号 「トレーナーへの誤解」

 

○トレーナーの思い込みと喉ロス

 

 

 

 トレーナーが手っ取り早くまねて、歌って、それをそっくり真似させて習得するのは、形をつけるのに早い方法です。いわば、口移しのようなものです。ただし、皆、トレーナーと同じような発声、歌い方になります。

 

 若いトレーナーには、人を育てたり、5年、10年と人をみつづけた経験はありません。

 

 なぜ、そのトレーナーは、プロ歌手にならなかったのか、なれなかったのか。ルックス、スタイル、カリスマ性、ヒットに恵まれなかった、それとも、教えているから、教えたかったから、教える才能があるからでしょうか。

 

 他人に声を教えることは、自分ののどをロスしがちです。少なくとも自分の声が鍛えられ、自分の声を知り尽くしてからでないと、トレーナーという危険な仕事は、お勧めできません。

 

 

 

〇曲を歌うだけのレッスン

 

 

 

 日本のポップスのヴォーカルは、曲を正しく歌うことを教えられているだけです。ですから、ピアノの伴奏のうまい人か作曲家で充分です。

 

 歌謡曲の時代、ヴォイストレーナーは、ピアノで音をとってあげるのが大きな役割だったように思えます。すでに選ばれた個性、声、歌がその人にあったからです。

 

 プロにも、楽譜が読めない人はいます。美空ひばりさんやサザンの桑田さんは別格です。海外でも口うつしで歌を教えられている人もいます。その仕事はヴォイストレーナーのものとは違います。

 

 

 

○トレーナーの経験からの判断ミス

 

 

 

 20代後半以降にトレーニングした人のやり方は、必ずしも10代や20代前半の人にあてはまりません。若い人は、トレーナーにではなく、それ以下の世代に歌うのです。年配の人の思いもしないことができるのが、彼らにとっての最高の歌だと思います。

 

 

 

〇トレーナーとトレーニングの効果

 

 

 

 よく、トレーナーを変えやり方を変えたら、成果があがったという人がいます。これもどこまでがそうなのか、本当のところは本人には正しくわかりません。ほとんどが思い込みなので、そのように言う人は注意しましょう。

 

 また、下積み期間を、自分に効果がなかったからといって、そこでのキャリアを無視してはいけません。知らずにベースづくりが、声が強くなるなどということが起きていて、それが違うやり方、引き出し方で開花することが多いのです。ベースづくりとその使い方は、異なるものだからです。

 

 

 

○トレーナーのPRにとらわれるな

 

 

 

 知り合ってすぐに、その人の名をPRに使用したり、あるいは○○を育てたなどという人がいいます。そこに大して、声のよい人の名が出ていないのは、残念なことです。人を育てるというのは、10年がかりのものではないでしょうか。

 

 実際、その人と会ったときに聞くと、そのトレーナーのことを覚えてないこともよくあります。プロは何人ものトレーナーにつくことも少なくないからです。トレーナーは黒子役、あまり宣伝がましいことは避けるべきでしょう。

 

 10年で成り立つものに、「何回かで上達しました」というなら、マジックです。

 

 

« 第42号 「トレーナーの経験と能力」 | トップページ | 「少しの違い」 No.330 »

1.ヴォイストレーナーの選び方」カテゴリの記事

ブレスヴォイストレーニング研究所ホームページ

ブレスヴォイストレーニング研究所 レッスン受講資料請求

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

発声と音声表現のQ&A

ヴォイトレレッスンの日々

2.ヴォイトレの論点