「ライフワーク正念場」 No.329
巷ではヴォイトレやヴォイストレーナーも一般化して、広く知られるようになりました。それは確かによいことでしょう。
しかし、いえ、それゆえ、私は相変わらず、声の世界が低迷していることにじくじたる思いでいます。「何が変わった」「何が効果」「誰がどう育った」「誰が世界に出た」「昔より本当によくなったのか」など。
多くの試みをして、多くのことを立ち上げてきました。その分、多くの無理難題にあたりました。多くの挫折、失敗、無理、無駄、無謀をしてきました。それは事実なので、何といわれても仕方ありません。むしろ、批判されなくなることを立ち上げてきた者として恐れています。
それは歌や台詞などという応用でなく、声の力という基礎そのもののことですが、私が思うにいまだにそこで論じられず比べられず行われず深められず、相変わらず、表面的なのです。世界との絶対的な差が広がるどころか、もう見えなくなっているようなのです。
“なぜ”“どうして”「こんなぐらいでよいといえるのか」「これで満足できるのか」「だからだめなんだ」を、常に自分自身に突きつけてきました。
21世紀になるとき、研究所を大きく変えました。平成の終わりにあたり、今度は世の中を大きく変えようと思います。
ライフワークとして、これまでの生涯、心身を賭けて行ってきたことを、自分だけの一個人の軌跡で終えず、さらなる実践を現実に対して起こしていかなくてはと思っています。
今年もお互いにこれまで以上に励みましょう。
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