第44号 「トレーナーに必要なこと」
○トレーナーに必要な経験
トレーナーの経験としては、次のことが必要に思います。
1.プロを育てたり身近かで長く見てきた経験
できたら、外国人プロ、外国人トレーナーを使った経験
2.本人の俳優、声優、歌手などの実際の体験
アーティスト活動、世の中での仕事の経験
教えるというのは、多くは自分よりも若い人、未熟な人を相手にするので、初心者相手にしか経験を積んでいないトレーナーがほとんどです。
1.歌の判断(業界、ステージでの経験)
2.声の判断(自分の声)
3.体の判断(自分の体)
これらは、プロや一流のアーティストと比較してこそ、わかるのです。
秀れたトレーナーの資格は、その上で、他人の声や体にどう働きかけられるかです。
1.国際的基準、発声や音楽として専門レベルの判断をすることができる。
2.オリジナリティ優先の判断ができる。
3.声づくりの方法が確立している。(試行できる)
これらを合わせて、最低限の条件です。ただし、対象を絞り込んでいるときは、その相手に必要なことでよいのです。
○専門の力をつける
タイプ別にわけると、出身や経験が次のような人が多いです
1.プロデューサー 2.声楽家 3.音声医 4.作曲家 5.役者や声優 6.ヴォイストレーナー
トレーナーのよく陥りがちなのは、なんでも自分一人で引き受け、他の専門家やその人に合った人を紹介しないことです。
1.自分でできなかったことに向き合わない。
2.マニアック、知識中心で、過去のやり方に偏向。
3.固定観念をもちやすい。
ヴォイストレーニングメニュのうち、矯正については、音声学を参考にするとよいでしょう。
音の流れや呼吸としては、指揮者のように音を観る感覚と連動していきます。日本語教師や言語聴覚士などの勉強も役立つでしょう。
○演出家的な視点をもつ
演出家、プロデューサーは、自分が歌ったり演じるのではなく、それを人にやらせることによって、人の心を動かす仕事です。トレーナーならそれもわかっていないと困ります。
世の中には両方をできる人もいますが、ふつうはどちらかをベースにしています。ですが、歌手が教えて大成したケースはあまりありません。
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