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第55号 「一般のレベルをあげる」

○悪循環ということ

 

 あなたがもし声や歌がすぐれているなら、すぐれようとしているなら、それこそ、その道でがんばって欲しいと思うのです。

 日本のプロのレベルは、海外に対して充分でないのに、その先に目を開いている人がいないのは残念なことです。

 ヴォイストレーニングなどバカにして、というよりは、単に食わず嫌いなのです。日本はレベルが低いのに、ヴォイストレーニングしなくてもステージで通じてしまうから、さらにレベルがあがらないという、悪循環になっています。

 

○本で伝えることの限界と考え方

 

 拙本を読んだ人に正確な意味が伝わらず、間違って行なわれる場合もあるかとは思います。心配している人もいらっしゃるでしょう。専門家でさえ、今までの説明とは異なると誤解される部分も少なくないのです。そのときは、こう考えてください。

 私の本のヴォイストレーニングは、一般的な部分で述べたものであり、すべてではありません。しかし私は、これだけを使ってトレーニングを行なう人が出ることを前提に、気を使っています。あまり具体的ノウハウを述べず、トレーニングに必要な根本的な考え方やイメージづくりを中心に進めているのも、その方がトレーニング上、有益だと思うからです。

 やっていることよりも、それをどういうつもりで何のためにやるかということが大切だからです。具体的な方法は、それがわかっていれば、どんなことをやろうと効果が出るものです。

 

○一般に通じるということ

 

 会ったことがなく、本だけを頼りに行なう人には、低い声の方から見直していくこと、言葉を中心にフレーズづくり、最後に歌唱の発声へと、順を踏んでいます。

 どんな楽器をもっているかわからない人に対しては、危険なことは避けなくてはいけないからです。ヴォイストレーニングで、のどをこわす危険のあることは、原則として除かなくてはいけません。ある人にはとても有効なトレーニングでも、他の誰かには危険のあるものは、勧めるわけにはいかないのです。

 メールなどの質問に答えられないときは、一般的な答えが、個別に当てはまらないと思われるときです。

 

 私の本は、特に一般向けに安全にトレーニングをやっていくために書かれたということは知っておいてください。トレーニングの方法などを抜きにして、ヴォーカリストがしぜんに歩んだ方法をなぞっていることを忘れて欲しくありません。このヴォイストレーニングが公にでき、誰にでも確実に効果をあげられる理由です。

 

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