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「しぜんと宇宙」 No.333

自然は、じねん、大自然ということです。しぜんとは、やさしい環境とは真逆のものです。天変地異の異常事態の常なることを指していました。それを知っていたからこそ、自ずからとして、習俗は生まれ、慣行として継承されてきました。人の心に「天」があったのです。

私たちもまた、たまたま生まれ、たまたま生き残っているにすぎません。それは、そうでなかった死んだ人の思いを引き継いでもいるのです。

他力本願で私欲を捨て、阿弥陀仏への絶対的帰依と回心で、無限の命、宇宙的な生命を得ることを説いたのは法然、私の父方の宗派です。

私には、そこまでのことはわかりません。ときに、祈りを捧げます。私が消えて、念仏の声と音だけがひびくときに、生死が一体化しているように思います。無我無心となり、自他共にしぜんに溶解するのです。

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