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Vol.84

〇自分の声を好きになる

 本当に声がよいかどうかよりも、声に自信があるかどうかが、とにかく声には大切です。

 声をよくするための最高の方法は、まずは自信をもつことです。

 自分の声はとてもよいと思い込みましょう。

自分の声に自信があると信じ込むと、よい人が近寄ってくるものです。

 秘訣というのなら、自信をもって生きている人は、声もよいのです。そうして生きているうちによくなるのです。いえ、声そのものがどうであれ、よい声に聞こえるようになるのです。

 本当は、悪声であるにも関わらず、そう聞こえる人も少なくないのです。そこがウィークポイントとなっている人もいます。モデルなどには、悪声なのに美声と思われている人もいます。いつもほめられるから、よくなることはないのです。

〇声は相手のもの

 何よりも大切なのは、よい声であるという事実よりも、よい声に聞こえるという現実です。

 「よい声であることよりも、よく聞こえること。」

 声はあなたのものですが、人間関係やビジネスにおいては、あなたの声はあなたのものではありません。相手の耳に入るのだから、相手のものと考えることです。

 ここを最初に押さえておくことです。コロンブスの卵のように、発想の逆転が必要です。

 すると、声をよくするというのは、自分の声をよくするのでなく、相手に聞こえる声をよくする、いや、相手があなたの声をよいものと聞くということがわかります。これを知ることで、声について大きな勘違いをしないですみます。

〇声は個性そのもの、他人と比べない

 モデルになれる人は限られています。スタイル第一です。それと自分のスタイルを比べる必要はありません。 どこか一つだけでもすぐれているなら、大きなメリットではないでしょうか。

 その点、声は、簡単には他人と優劣、うまさへたさと比べられません。つまり、優劣よりもオリジナリティで評価されるのです。

世の中には、いろんな声がありますね。あなたがどんな声でも、気にする必要はありません。あなたには、あなたの声があるのです。

 

〇声は歴史

 生まれつきの声のよしあし、育ちによる声の使い方のよしあし、そこで他人の判断は総合的になされます。

 しかし、声ほど、その人がどういう人なのかがすべてに正直に出てくるものもないのです。

 だからといって、自分の声にうぬぼれ、自己陶酔して使っているのではよくありません。一人よがりのカラオケでは、座はしらけるばかりでしょう。

 あなたが自分の声は魅力的と一時でも思えたら、間違いなく、声がよい、あるいは声がよくなるのです。これは声そのもののよしあしでなく、同じ声でも相手に声がとてもよく聞こえるようになるのです。なんかマジックみたいでしょう。(本当に声がよくならないと嫌だと思う人は、もう少し待ってください)。

 魅力とは、そんなものなのです。自分がどうであろうと、他人がそう思ってくれるのが魅力、これを忘れるから、方向違いの無駄な努力をするのです。

 整形よりもメーキャップ、メーキャップよりも明るい素顔だから、本人の努力しだいで何とでもできます。そこから、手をつけましょう。つまり、内面から磨くのです。

〇自分の声を認める

 今の自分の声を認めないで変えたいと思う人は、たくさんいます。でも、多くの人は、何ら手を打ちません。やり方を知らないというより、変えられるとは思わないのでしょう。確実なフェイスメーキャップ、もっと身近に売られている化粧品やその使い方に気持ちもいくのでしょう。そして声についてはまた、いつものように、いつのまにか忘れるのです。

 「あこがれの人と違う。」「あの人のようになりたい。」

 それは、多大な努力を要するし、声については、そもそも、持って生まれたものが違うなら、無理です。

 あなたが、かっこよい俳優にあこがれても、そういう顔になれますか。なれっこありません。なったら困るでしょう。他人を羨望することって、そんなものです。

 自分の声もきちんと認めるから、声があなたを幸せにしてくれるのです。これも大切なことなので、よく覚えておいてください。

 自分の声が嫌いだといくら声をよくしようと思っても、よくなりません。いえ、声そのものがよくなっても、「声がよいなあ」という作用を、まわりに及ぼさないからです。

〇事実よりも、思われること

 声そのものはとてもよいのに、ぜんぜん魅力のない人もいるでしょう。私のまわりの音大生にも、たくさんいました。声がよいのに人気がない。それは、声をよくしてきたかもしれないが、声で伝えることを学んでいないからなのです。クラシックでさえ、そうなのです。

 A.本当はよい人なのに、そう思われない人。

 B.本当はよい人なのに、そう思われているのに、もてない人。

 C.本当はよい人でもてているのに気づかない人。

なんかより、

 D.本当はよい人でないのに、よい人と思われいる人。

 E.本当はよい人でないのに、そう思われているのに、もてる人。

 F.本当よい人でないし、もてていなそうでないのに、人に慕われ、仕事にも成功している人が、よくありませんか。

 あなたにとって、本当の目標はどれなのでしょう。

〇なぜ声にこだわるのか

 なぜ声にこだわるのかというのは、声はルックスも含めたキャラクターのイメージと切っても切れないからです。それとともに、今、まだそこに気づいていない人が少ないから、大した投資をせずとも、大きな見返りが得られるからです。

 よいところに住んでいる、豪華な家をもっている、高級車に乗っている、プランドの持ちもの、アクセサリー、宝飾品、洋服、靴、ヘアー、香水、メーキャップ……と、ハリウッドの化粧、メーキャップ法などから銀幕のスターの持ちものなど、あこがれのものが、一部はお金しだいで、相当に私たちも手に入れられるようになりました。

 お金は、お金持ちの彼氏や親がいたら、同じとはいえないまでも、手に入ります。エステやジムでダイエットし、化粧したら、変身できます。

しかし、もっと基本的なことを忘れていませんか。それは、仕事や生活の決め手となることです。

〇もつべきものとは

 

 第一線の女優は、名誉も地位も財も手に入った成功者です。彼女たちがもっていて、私たちがもっていないものは、生まれつきの外形の美しさでしょうか。いえ今は美貌だけなら、もっと恵まれた人がいます。

 

 実はそれは、演技力と表現力なのです。美しくなくとも美しくみえる、かわいくなくてもかわいくみえる、それはもって生まれたものだけではありません。そこから声も見直して欲しいのです。

 

 「演技でしょう?」って、一般の方は言うのです。でも、演技って、嘘をリアルに見せ、他人の心を動かすのですから、とても難しいのです。そこで、みようみまねでやったからといって、簡単に通じるようなものではありません。今の自分でない役柄を、起きてもいない状況で、言ったこともないせりふを言って、みている人を納得させてしまうのですから。

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3-1.声の話」カテゴリの記事

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