「高次の目的とそのためのツール」 No.344
多くの人にとって、ヴォイトレは、目的ではなく手段です。ですから、目的を遂げるための手段として使えるように、トレーナーはレッスンをしますが、そのスタンスは、最終的に本人が決定することだと思います。
元々、ヴォイトレがないときは、そうしたメニュは、歌やせりふ、演技などと一体で使われていたのです。大きくみるなら、歌、せりふの練習などというのも、目的ではなく手段といえます。
では、表現のためというのが目的でしょうか。いや、まだ、何かありそうです。自己実現、自己満足、世のため、人のため、人を元気づけるため、幸せのため、など、できるだけ高次の目的が望ましいのは、確かです。
そうなると、ヴォイトレが部分的なものになり、一つのツールになってしまいがちです。
私は、ヴォイトレの目的は、そのツールとして声の力をつけることでよいとも思っています。皆さんには、その力をつけたときにどうするのか、つまり、その力は何のために使うのか、どう使うのかを、いつも考えていくように、と伝えています。だからこそ、ツールとしての完成度を高めることに専念していくのです。
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