Vol.95
○声の呪言
次のような呪言をあげましょう。
声を大切にする。
声がよくなっていく。
声を気に入っている。
声が健康だ。
声が人をひきつける。
声が友だちをつくる。
声で仲良くなれる。
声で好かれる。
声で仕事がうまくいく。
声に感謝している。
〇声をよくするワード
次の言葉をキーワードにして、いつも自分で感じていてください。
すごくいい声。
気持ちのいい声。
人生をよくする声。
リッチな声。
○声を使う
実際には、次のように声を使いましょう。といっても、いろんな声があります。
声をたくさん使う。
声を長く使う。
声を大きく使う。
声を強く使う。
いい声を聞いて眠るのも、自分の声をよくするのに効果的です。
あなたの好きな声をコレクションして、いつも聞いて眠りましょう。
〇声の目標を具体的にする
話を聞いて、よくわからないときは、大体、当の本人が、はっきりイメージしてないからです。
よく、「プロになりたい、だからヴォイストレーニングをやりたい」という人がきます。「プロって何ですか」と聞くと、「誰々みたいなの」、「歌で生活できる人」くらいで、それ以上に何ら明確でないことが多いのです。
自分の欲していることが漠然としていては、叶いません。まずは明確にすること、無理なら明確にしていくこと。それが目標を立てるということです。「○○年に○○でライブができ、お客が○○人、CDは○○というタイトルで○○枚出して」
その上で生活するというなら、お金です。これも、数字をはじけばよいのです。わからなければ、いろんなプロから、そのパターンを借りたらよいのです。
〇ヴィジョン
あこがれの人が「○歳で○○○のオーディションに受かり」というなら、自分も「○歳で、○○○のオーディションに受かる」のために、どうすればよいのか考え、調べたらよいのです。するとバンドを組もうとか、曲を年に何曲つくらなくてはということになります。目標が定まると行動を促すのです。それがヴィジョンです。
トレーニングしているだけで動かない人が少なくありません。うまくやれている人を、「運がいい」と思ってしまうのです。行動しないと年齢だけとっても何もわからず、変わりようもないのです。
○言葉を声にする
あなたの生活や仕事はどうでしょうか。
声に恵まれて、いいことがおきる。
声は喜びを与える。
私の声は皆を、幸せにする。
とにかく、
1.頭の中で考える 2.言葉として出す 3.心がこもるように声にする 4.声を録って、いつも聞く それが人生での、声を使った成功回路です。
何ごとも具体的にイメージして強く願うことで実現していきます。思いだけでも実現するのですが、そこに声という具体的ツールに介在させたら、成功率は飛躍的に伸びます。
〇話と声力
何ごとも自分一人では、叶いません。必ず他人に協力を仰がなくてはなりません。そのときに、話が通じるかどうかが、常に成功のカギを握っているからです。
いつも活躍している人は、無意識にもこのパターンの上で人生、仕事、生活を築いているのです。
あなたは、声の力を加えることで、さらに確実に成功を入手できるでしょう。声は、そのための具体的ツールだからです。
〇言葉の起源論に、声の恋愛説
声と恋愛というと、寝物語、いやかつては声と性ということで、極めて強い結びつきがありました。いえ、今もあります。現代は、それが、祭りや夜這いから、カラオケボックスや合コンに変わっただけです。
第二次性徴期、女性は胸が出て、体が丸味をおび、男性は筋骨がたくましくなり、のど仏が突き出します。そこで声帯が伸びて、約2倍伸びるから、1オクターブ低くなり、デュエットができるという、摩訶不思議な発展をしたのです。
ホルモンなどの違いでも明かですが、まあ、男性が女性から生じたのですから、不思議でもないでしょう。
そして、人間を人間たらしめる言語の誕生、その起源には、いくつかの説があります。私は、恋愛起源論をとるのですが、それはこのような経緯があるからです。
〇動物の声
動物にも、声があるのかというと、少し違います。九官鳥などの発声は、人間とは、まったく別の原理です。チンパンジーなどは、唇が薄く、口内も違って、うまくしゃべれません。
今は、「言語を扱うから人間である」という説は、根拠を失いましたが。人間として生まれても言語習得には臨界期があります。狼少年のカンジは話せませんでした。
〇動物の声は恋愛モード
オスとメスでできあがっている世界では、動物も雄は飾りたてて、音を発して雌の気をひきます。たてがみや大きなきらびやかな羽などを得ます。
声の低さ、太さなども強さを誇示する一つの手段だったと思われます。文化より根深い生物進化のレベルの話です。カエルのゲコゲコも、アヒルのガアガアも、目的は同じです。生物にとって、自分の命を守ること、それと、それに優先して、種族の種を残すことは、最大目的なのです。
〇声と生殖
人間も同じです。声は、生殖のための大きな手段だったのです。
雄だけではありません。雌も同じです。優秀な子孫を残すには、声を利用してきました。体が弱く頭が弱く、生存率の低そうな子どもを残すことは、自分の遺伝子の根絶を意味します。そこで、強く、たくましい声の雄に惹かれます。
文明化してしまった人間を動物と、同じにはできませんが、あなたがタイプとして、健康、体力(性力)、お金(生活力)の三つを優先するなら、近いかもしれませんね。
〇声の相性
声の相性の話に入ります。心が合うとか体が合うというのと同じく、声が合うというのもあります。私の知り合いが、そういう研究や占いをつくったこともあります。また、音相という研究もあります。音相は、音での感じです。かつて「怪獣の名前には、なぜガギグゲゴが多いのか」という本がヒットしました。
赤ちゃんの名前をつけるにも、字画とともに、音相の研究があります。名前は、最初に呼ばれ、ずっと呼ばれ続けるために、名前を呼ぶ声の感じが、性格に影響を及ぼすということです。
などと考えていくと、声での相性、気になりませんか。
声は、同じタイプがよいのか、違うタイプがよいのか。
残念ながら、確信できるものはありません。声だけを取り出して比べることはできないからです。
○夫婦の声
夫婦ならアウンの呼吸がもっとも大切ですね。どちらかが一歩引いているところは、うまくいきます。
声は、「売り言葉に買い言葉」をもじり、「売り声に買い声」、ちょいっと、強く言われるだけで、ムカっときますね。ですから、争わないためには、一歩引くことが大切なのです。
今や、「オイ、メシ、フロ」の無言亭主は、ぬれ落葉から、粗大ゴミ、リサイクルもされない廃棄物になった感があります。とはいえ、口べたで声を出さない夫をたてて、実を握っていた嫁さんは、不幸ではなかったと、私は思います。
○声の変化でわかること
声調っていうと、中国の四声が有名ですが、八声もあるそうで、ベトナムは六声です。アジの中でも日本語の音声はホントに単純で、ひらがなでそのまま読むだけです。日本人は外国語を学ぶことで発音での耳が鍛えられるのです。
声の調子で嘘を見抜くと述べましたが、相手の心は、声の変化でわかりますね。急にやさしい声になったとき、急に饒舌になったとき、アヤシイしアブナイのです。
あと、話し方が変わったり、知らない言葉が出てきたり、寝言に違う人の名が出てきたり。
〇声と健康
声で健康状態もわかります。顔色、目や舌もですが、覇気、集中力、意志、やる気も、声に表われます。
もし異常があれば、医者に行きましょう。診断というのは、普段の状態とどう変わったかがポイントです。声も、判断材料の一つです。
ですから、いつもの普通の状態をよく知っておくことが大切なのです。
自分の声の変化に気をつけると、自分の健康、体調、気力、バイオリズム、いろんなことがわかります。女性なら、生理もわかる。のども充血し、風邪声のようになります。本当に風邪のときもあるから、要注意です。個人差がかなりあります。
〇声の変化で、自分の心がわかる
恋すると、饒舌になるといいますが、恋すると寡黙になる人もいます。おしゃべりな人が、その人のまえではベラベラしゃべらない。他の人にあまりしゃべらない人なのに、特定の人にはベラベラしゃべるようになる。ふだん言わないことまで言ってしまう。
そして、はたから「恋してる」とわかることもあるでしょう。自分より先にまわりに悟られることも多いかもしれません。
○本心がわかる
声で自分の本心もわかります。「なぜ、声が上ずっているのか」それを起こしているのは、緊張、それはどうして?
私もときに、自分の声が喜んでいたり、怒っていることに気づき、状況をみることがあります。
気を鎮めなくてはいけないときは、ブツクサつぶやくのは、よい方法です。般若心経を唱えるとか、マントラとか、何か座右の銘を一つもって、いつでも唱えられるようにしておくと助かります。あまり抹香臭いのは、人のまえではタブーですが、ゆっくりと低めに声を出していると、心が落ち着くのです。
« 「問いのレベル」 No.354 | トップページ | 「ステージ論」 »
「3-1.声の話」カテゴリの記事
- 「よい声になれるヴォイストレーニング~声の科学」 Vol.12(2024.08.05)
- 「よい声になれるヴォイストレーニング~声の科学」 Vol.11(2024.07.05)
- 「よい声になれるヴォイストレーニング~声の科学」 Vol.10(2024.06.05)
- 「よい声になれるヴォイストレーニング~声の科学」 Vol.9(2024.05.05)
- 「よい声になれるヴォイストレーニング~声の科学」 Vol.8(2024.04.05)