« 「持続的に問うということ」No.356 | トップページ | 「本物の声、自分の声」 »

Vol.97

〇いい声の相性

 声には、なぜか好きになれない声もあります。それは嫌な思いとともに、聞いた声などです。

よくも悪くも、特徴のある声は、要マークです。もちろん好きな人、好きなタレントの声などなら、個性的なほど、好きになるものです。

 落ち着いた声、リラックスできる声は、声そのものが深いこと、それとともに、声の使い方、テンポ、トーン、声をかけるタイミングなどのよさがあります。

 

〇声で伝える

 

 「好きと言った方が負け」、日本では、まだそんな感じですが、最初にそう言ったからといって、どうなのでしょう。思いも、時とともに変わるのです。今がそうでなくとも、その気持ちがあり、可能性があるのなら待ちましょう。とうてい無理なら、離れることです。

 「裏切り」などと、自分のいたらなさを棚にあげてはよくありません。相手に左右されるから、いけないのです。

 好きなら「好き」と言い、だからといって相手の思うようになるわけではないし、ずっとそうだというわけでもないでしょう。言葉でいうのは難しいなら、声を使って伝えたらよいのです。

 

〇相手の声もよくしよう

 声は、あなたが育てるということもできます。あなたが自分の声を通じて、相手の声をよくしていくのです。

 「その声が好き」「そういう声をかけてくれると安心する」「声を聞かせてね」、相手はうるさいなどと思いません。嬉しくなって、さらによくすることでしょう。

〇声の掛け合い

 恋愛ごっこでよいのです。映画のシーンのように、声を毎日かけあい、確かめ合う、それだけでよいのです。

 「おはよう」、「元気?」、「体調は?」、「食べたあ?」、「大変だったわね」、「お帰りなさい」、「明日もがんばってね」、「会えて嬉しかった」。

 たいそうなことを言い出すまえに、こういう普段の言葉での声を大切にしましょう。その心がけが続く限り、安泰です。あなたも声もよくなっていくでしょう。相手もそれに答えてくれるでしょう。

〇声の力で解決する

 声がやっかいでもあるのは、声だけで声が決まるわけではないからです。たとえば、悪声や悪い声の使い方であっても、TPOによっては、とても効果的なこともあります。

 カップルで歩いていて、絡まれたとします。毅然として、ど太い声で、怒った上に、相手をぶちのめしてしまったらやりすぎでしょう。逃げるが勝ち、いや戦わずして勝つ方が数段上です。

声の力で解決できるのが理想です。言葉にならなくとも、声で出てくるのが本当の力です。

〇生活力

 

遊び相手としては楽しい人でも、パートナーとして生活を一緒にするとなれば、踏みとどまりませんか。

いくらぞっこんでも、働かない人はどうでしょう。相手を幸せにしたいなら、豊かになりたいと思うのが、しぜんです。

こういうときは、よほどのドラマが起きなければ、大半は自然消滅してしまいます。

 

〇気のある声、気のない声

 恋は盲目、恋は手探りのうちに始まり、声のニュアンスを頼りに探り合い、やがて求め合うようなものです。人は、強い気のある声の方に引き寄せられるのです。

別れるときは、気のない声が、現実を顧みさせ、ハートを冷やしていきます。そう、ピークへ至ったプロセスの逆です。もちろん、タイプによっても異なります。

 気のない返事が続くと、続けることが難しくなります。優しくて鈍い人もいますから、反応が変わらなければ、教えなくてはいけません。

 たとえば、他の人には気のある返事をして、離れたい人だけ、どうでもよい声にするのです。とはいえ、あなたのちょっとした変化にすぐ気づくことのできる人なら、ダメな人でない可能性大です。

 

〇声終わる関係

 

 一歩外に出ると、街角で声をかけられて、あなたの声の変化にまったく気づかない人、気のない声を出していて、ダメさ加減であなたの上をいく人なら離れましょう。

 いつも強くガミガミ言うのも、タイプによっては有効です。これ以上一緒にいても、楽しくないと声でアピールするのです。
 何といっても、声でやりとりしているのは、まだ何か行き交うものがあるのです。究極の拒絶は、無言、無声状態です。それは“離れた”ということです。

〇声で反応しない

 ことばたくみに近寄ってくる悪徳商法、新興宗教、マルチまがい商法と、大変だったことがありませんか。家にいてもセールス、押し売り、そういう人に、意に反して高い買い物をさせられたことはありませんか。

自己防衛のための声はあるのでしょうか。これは、無言無視が一番。声で答えるのは、相手に反応することになるのですから。

〇悪い人を近づけない声

 それでもしつこく迫ってきたら、はっきり強めに「No」、日本語では「イイエ」、「イヤです」、「けっこうです」、「いいです」、「急いでいます」、「いりません」と、否定的なニュアンスをきちんと込めて、撃退しましょう。

悪い声、大きな声は、公害です。しかし、こういうときは、ここぞとばかり、それを使いましょう。悪い人ほど大きな声には弱いものです。

 日本語は、「けっこう」、「いいです」など、どちらにもとれる言葉があります。それを使うには、強い声で、ためらってはいけません。「でもー」、「だけどー」、「ううん」など、迷いのニュアンスを声に出したら、相手につけこまれるスキとなります。

〇声で魅力的になる

 声のメーキャップをしましょう。声を明るく爽やかに伝えるようにすると、口角(口の両端)が上がります。

 顔の筋肉がよく動き、脳が刺激され、脳内モルヒネのようなホルモン、βエンドルフィン、エンケファリンが出て、快感になります。これは病気や老化を防止し、若さを保ちます。自律神経の働きで、内臓も好調になり、スリムにきれいになれます。

〇つくり笑顔、つくり声から始める

 

 つくり笑顔からでも、笑顔は磨かれていきます。明るいつくり声からスタートすればよいのです。笑っていたからおかしくなり、嬉しくなり、魅力的になるのです。

 つくり笑い声でもよいから、たくさん使いましょう。愉快に楽しくなり、よい声になれます。

 日本人は、外国人に比べて、表情が乏しく、声の変化も少ないです。もっともっと顔と、それに伴う声の表情を豊かにしましょう。

〇若さを失わない声

 しっかりと声を出すことは、体も呼吸も使う全身運動ですから、健康によいです。カラオケでも詩吟、声楽など何でも声を出す芸能に親しみましょう。朗読など、せりふ、言葉をいうのも効果的です。

ボケ防止に「音読ドリル」というのが使われていますが、言葉を声を出して読むだけでも、ボケにくくなるのです。

 

 日常生活のなかでも、どんどんと声を出しましょう。自分からまわりの人に声をかけるように努めましょう。ちょっとした勇気がいるでしょう。それがとてもよいのです。

 

 老化は、動かなくなり、しゃべらなくなることで促進します。よく食べ、よく動き、よくしゃべる人は、いつも若々しくいられます。実年齢と関係ありません。若くても、声を使わなければ、声も心身も衰えてしまうものです。

 

 

〇よい声になるためのレッスン

 

 

 好きな写真を目の前におき、声に出して、語りかけてみてください。

 

 それが人なら、その人が返してくる言葉と声を、想像してみてください。思いっ切り親しげに話してみましょう。その人と楽しかったときのこと、そのときの会話を思い出して、もう一度、言ってみましょう。気持ちよく満たされた体験なら、何でもかまいません。そのときの声の感じを、よく覚えておきましょう。

 

« 「持続的に問うということ」No.356 | トップページ | 「本物の声、自分の声」 »

3-1.声の話」カテゴリの記事

ブレスヴォイストレーニング研究所ホームページ

ブレスヴォイストレーニング研究所 レッスン受講資料請求

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

発声と音声表現のQ&A

ヴォイトレレッスンの日々

2.ヴォイトレの論点