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Vol.98

〇仕事でつける声力

 仕事に使う声にも、さまざまあります。

 仕事は生計を立てるのに必要です。男性は女性にプレゼントするのに稼ぎ、養うのが長く続いた慣習でした。しかし今や女性も、仕事をして自立するようになっています。生活のためだけではありません。仕事が人生を充実させあなたを成長させるからです。

 生活は、消費を伴います。生活を支えるためには何かをしなくてはいけません。

 人生は仕事だけに賭けることもできます。人は食べなくてはなりませんが、仕事は生活の糧になるからです。その分、自家中毒にもなりやすいでしょう。しかし、仕事に恋した人は、幸せかもしれません。多くの人と関わり、何かを成し遂げていくというのは、快感の一つでしょう。私などは、かつて仕事が途切れると人と出会う機会も減り、大してやることがないのに、唖然としました。

日本人の大半は、これまで仕事を人生の生きがいにしてきました。今の日本人は、有史のなかでも恵まれていると私は思うのです。というのは、仕事で自分を成長させるところに、多くの人がおかれているからです。

 そして仕事で声の力はつくのです。

〇仕事と恋愛と声

 仕事と恋愛の切り替えなどといわれますが、声のことであったら大きくは、同じです。仕事ではパートナー同様かそれ以上に、気をつかわなくてはいけない相手やシチュエーションもあります。

 仕事をもつことで能力に、自分の価値、アイデンティティを確立させることができます。

 仕事での声は、能力として自分で高めていくこと、その声で行ったことが、相手にも価値となるのです。

 どんな生き方もその人が選びます。恋愛そのものに価値をもつなら、生涯続くことよりも刹那的に、いや自分の心に正直に、次々と変じていくというのも、理に適ったものでしょう。恋愛は、お互いが精一杯、背伸びして、はったりあえる期間です。しかし、家庭の生活は、たいていは収入なくして成立しません。ですから、身の丈の仕事が欠かせません。

どちらにしても、声への自信は相手の信頼を引き出し、あなたを成功へ導きます。

○現実の声

 現実での対応は、「現実的な声で」となります。ですから、真に魅力的な声は、現実を忘れたときに出てくるのかもしれません。

 歌手などでも恋をすると、大きく歌えるようになるといいます。失恋して、より感動が伝わる歌を歌えるようにもなります。体験のもたらす糧は、何ごとにもかえられません。

 「もっと魅力的になりたい」「すばらしい人と思われたい」「評価されたい」と思っていくからです。

 それが極まって「何も手につかない」などというのは、破滅型の大恋愛でしょうか。

〇声の使い分け

 

 いろんな状況によって、多くの人は、声をしぜんに使い分けているはずです。声の使い方がうまい人と、へたな人では、その成果に雲泥の差が表われるでしょう。

 あなたのもつ次の4つの声を考えてみましょう。

1.自信にみちた声、パワフルな声、説得力のある声、意志の強く伝わる声

2.やさしい声、おだやかな声、さとせる声、くどく声

3.おだてる声、本心からほめている声、心から喜んでいる声

4.申し訳なさのにじみ出る声、心底あやまっている声、命をかけて詫びている声

〇仕事の多くは、言葉で決まる

 声そのものも肝心ですが、それよりも、声で得られる結果、目標を、しっかりと掲げましょう。とりあえず、仕事、趣味、恋愛、お金、豪邸、なんでも欲しいものを欲張って書き出してみましょう。

 あなたのその思いが、あなた自身のなかで明確になると、セルフイメージによって、声が変わってくるのです。

 今の声がどうであれ、大したことではないのです。そこでの問題を、声の使い方、声への思いに、置き換えてみてください。

 声は外側からでなく、内面の思いや感覚が変わって、変わるということです。

○覚えておきたい声のルール。

 幸せになるには、いろんなものが関係します。まずは話し方で、それには声への自信が必要です。

 しかし、それは、思い込みでよいのです。セルフイメージが、あなたの声を理想的に変えます。 

鏡をみるのと同じく、声を録音して聞きましょう。まわりの人の状況と声を把握しましょう。他人の評価は、気にしすぎないようにしましょう。表面的に変えてもあまり意味もありません。

 常に目標をもち、その思いをもち、内面から声を変えていきましょう。

〇基本は、あいさつから

 

 声の基本のトレーニングは、あいさつからです。オアシス運動を知っていますか?

 「おはようございます」「ありがとうございます」「失礼しました」「すみません」(「失礼します」、「すみませんでした」)。

これを朝一番にくり返しましょう。口と声を起こして、仕事に備えます。

大きな声でやる会社もありますが、急に大声では、のどもびっくりしてしまいます。声にも個人差があります。

 

〇明るい声の「おはよう」は、朝をさわやかにする

朝にはなかなか起きにくいのが声なので、無理は禁物です。声を起こすには、体を動かせばよいのです。先に体操をした方が、声が出やすくなります。

 朝の「おはようございます」は、爽やかでなくてはなりません。無理やり大声で、朝から疲れた声での挨拶では困ります。

 

○大きな声で挨拶する

 

 それでも、大声を出すと、仕事への気分の切り替えができます。目的が、気分の切り替えなら、他にもやり方がありますが、声をしっかりと出すことで羞恥心を取り去ることもできます。

お店での日本独特の、「いらっしゃい」式リレーの流用を、私は美的ではないと思います。客商売に、敬語も使えない店員、でもない限り。

日頃、出していない声を仕事で使えるのはよいことです。出し惜しみしないで、仕事で声をブラッシュアップしましょう。

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