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Vol.101

〇どんな声になりたいですか

 次の4つの声について考えてみましょう。

1.仕事の声

 2.普段の声

 3.笑い声

 4.泣き声

あなたは、どういう声の使い方をしたいですか

どんな声の人が好きですか

相手のどんな声が好きですか

幸せな声って何でしょうか

声は、仕事にもプラスになります。声でも魅力的になりましょう。

 

〇DNAで声は選ばれてきた

 今、生きている私たちは、誰もがとても厳しい環境の中、生き残ってきた人類のDNAを受け継いでいます。わずか○年前(○は、あなたの年齢)、受精のときもわずかな可能性をオンリー1で勝ち抜いて生命を得たのです。

頭や体と同じように、声をつくる発声器官もまた、そのなかで育まれてきたものです。今の日本で生きているだけで、あなたはすでにとても幸運な人であるのです。

〇あなたも声を選んできた

 

あなたが声や歌に興味をもち、アートに感動するというのは、何かしら昔から受け継がれてきたレセプターに愛されたのです。その多くは遺伝のなかで培われてきたものです。

 ここまでのDNAに加え、この世に生み出されて○年、あなたも育ってきたなかで、いろんな声のなかで本能的にもっともよい声を選んできたのです。とはいえ、ここには大きな個人差があるのです。

○降臨するもの

 

私は、文章を書くときに、アイデアが出てくるのを待ちます。話も同じです。人を前にして、話すことが出てくるのを待ちます。これは私が学んだ体験や学習の記憶があるからですが、どうもそれだけではないようです。

知識といえない知恵は、どこかで得ていたに違いないように感じるのです。まして、直観となると、もはや個人の能力を超えてくるものと思います。

 それは親や祖先から継承、前世からということかもしれません。その母体が日本人や人類の場合もあるでしょう。

 

〇声のつながり

 

声を出そうと思っても出しても、声は出るだけです。しかし、人とつながろうと思ったときに、声は人とつながるような動きをとるのです。そのためには心身のリラックスと快の状態を整え、神様のおりてくるのを待つのです。

〇笑い声効果

 笑顔になると、気持ちも華やいできます。手っ取り早くそうなりたいなら、笑い声を出すことです。笑い声のあふれている場は、幸せな花が咲きます。

「おもしろくもないのに笑えない」と思うでしょう。でも、何もなくても笑っていると楽しくなるものです。

 ワークショップのなかで、「無理に笑う」というテーマがあります。笑っているうちにおかしくなって、原因もないのに笑えて楽しくなってくるのです。「相手の顔を指さして笑い合う」などというのもあります。日常ではタブーですが、原因がない実習だからこそ、開き直って笑えます。すると、心から楽しくなるのです。

〇笑いを思い出す

 

 思えば、私たちはいつから無邪気に笑うことを忘れてしまったのでしょう。邪気ばかりに声も笑いも抑えられ、表情も頭も心も硬くなってしまいました。

 あなたがお腹を抱えて笑うことは、どのくらいありますか。考えてみてください。

○笑い度のチェック

 笑っているときは、とても魅力的な声が出ているものです。「覇気がある笑い声、その声を活かしなさい」というのが、声をよくする最短の道です。

 笑い声や泣き声は、それだけでまわりの人の注目を集めます。声の力によって集まる人の顔つきまで違ってきます。笑い声は、周りの人を期待にあふれた顔に、そして、泣き声は心配そうな顔にします。

○笑いの伝達

 もらい泣きと同じく、もらい笑いというのもあるでしょう。周りの人が笑っていると、自分の頬も緩みます。人は人に同調するものだからです。笑い声を聞くと、自分の声も笑おうとするのです。

〇笑う運動

 

 笑い続けるのは、大人になると1分間でも難しいでしょう。全身運動だからです。笑い過ぎるとお腹が痛くなります。しかし腹筋も顔筋も鍛えられます。笑っていることが、声のトレーニングになるのです。

 お笑いやコメディ映画をみて大いに笑いましょう。

〇一声、加える

 とにかく声を出すことです。そして、どんなことでも自分にとってはよいことと思うことです。何ごとも受けとめ次第で変わるということを知ってください。

 確かに、声によって、ほとんどのことは解決できるのです。今すぐムリなことは、時間を待ってください。悩んでも仕方ないことは、悩まないようにおいておきましょう。

〇テンコブポーズに声

 

 かつてミリオンセラーとなった「キッパリ」という本には、5分間で自分を変えられる方法が入っています。その表紙は、天高くコブシを突き上げ、テンコブボーズです。でも、私が思うに、そこに一声あれば、さらにパワーアップです。

 「ブルーなときは、歌を口ずさむ」(自分のために歌おう)というのもありました。

○堂々と現実逃避

 私は、昔、辛いとき、歌を聴いてやる気を起こしました。さらに声を出します。声がうまく出るとか出ないとか、気にしません。そして、頭の中をからっぽにします。

 そう、これ以上なく、堂々と現実逃避するのです。現実の入ってこられない時間と空間をもつのは、保身に大切なことです。完全にプライベートな時空でストレスを解消する。ですから、一芸を仕事や家庭とまったく関係なくもつことは、精神上、とてもよいのです。

 歌は、エネルギーを与えてくれます。音楽を聞く人が多いのは、ストレートに心を動かし、すっきりさせてくれるからです。

○感情を声に出そう

 泣くのも怒るのも大いにけっこうです。まわりには迷惑をかけないように、一人で号泣し、ぶち切れてみてください。

 号泣すると、すっきりします。怒りも抑えをはずして、大声で怒るとすっきりします。中途半端に抑えるとストレスがかかります。声を出せるところにいって、思いっきり怒り泣いて笑ってください。

 これが、カタルシス効果をもたらします。映画や芝居を見に行かなくても、自分でてっとり早く、カタルシスを得られるのです。

 それが難しいなら、思いっきり楽しい歌と悲しい歌をカラオケで熱唱してください。連れがいてもよいし、一人でもよいではないですか。

〇イメージ力を使う

 

現実がどうであれ、頭の中のイメージは自由です。どれだけのイマジネーションをもてるか、もち続けられるかが、すべてです。

 あなたも毎日の現実の世界で何かをやっていることでしょう。それはあなたが選んだことです。しかも、やめる自由もある、なのにやっているなら、何かしらあなたに合っているからです。

これがどれだけ恵まれたことか、それだけでもあなたは先祖代々に感謝してください。人類史のなかで、こういう自由を手にするのは、宝くじにあたるより難しかったのです。

 合っていないと思うのでなく、合っているからそうしていると肯定して、より大きく生かすように考えてみてください。

〇時空環境を変える

 

 人は、自ら環境を切り拓く力がある唯一の生き物です。他の動物なら、環境が変わると滅びる。人間はそれを防ぐ知恵を出して乗り切ってきました。

 人はまた、明日のことを予測できる唯一の生き物です。今日のことを、やらされるようにやっているだけでは、人として与えられた能力を充分に使っているとは言い難いです。目標をもち計画を定め、実践していきましょう。

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