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「物語」(2) Vol.59

「説話」:国文学・民俗学・民族学・神話学などの領域で使用される。古くより伝承されて来た話・物語。狭義には、民話(昔話)、伝説。ドイツ語のメルヘン/メルヒェン(Märchen)、英語のフェアリーテイル(fairy tale)を含んでいる。

口承文芸:昔話・伝説・世間話などの民話、新語作成、新文句(新句法)、諺、謎、唱え言、童言葉、民謡、語り物などに分類される。

伝説:所在や時代背景が示され、登場人物も歴史上の有名な人物やその土地の実在の人物。

世間話:体験談や実話として語られる民話。

おとぎ話:太閤秀吉が抱えた御伽衆の語った面白話が起源で、御伽という風習は夜伽(=通夜)、古くからある徹夜で語り明かす伝統(庚申待)。夜伽話、転じて御伽話。

童話とメルヘン:大正時代「メルヘン(メルヒェン)」は「童話」「おとぎ話」と訳された。

<説話の種類>

昔話や伝説などの民話、おとぎ話、広くは神話や仏教説話もモチーフによって起源説話、神婚説話などと分類。啓蒙的な要素を持ったものもある。次のは、柳田國男による分類法。

Ⅰ.完形昔話

誕生の奇譚:桃太郎、力太郎、一寸法師、瓜子姫など。主人公の異例な成長ぶり:田螺長者、蛇息子など。財宝の発見:八石村、取付く引付く、わらしべ長者、笠地蔵など。危機の打開:鬼の子小綱、食わず女房、宝化け物など。動物の援助:舌切り雀、文福茶釜、花咲爺、瘤取り爺など。主人公の知恵:姥捨山、金の茄子、田能久、俵薬師など。言葉の力:蟹問答、大工と鬼六、化け物問答など。

Ⅱ.派生昔話因縁話:皿皿山、灰坊太郎、手なしむすめなど。鳥獣草木譚:雀孝行、かちかち山、海月骨無しなど。化け物話:蜘蛛の糸、狐狸の仇討、猫の浄瑠璃など。

 

<説話文学>「説話集」:説話を集めた作品のこと

758 - 822年頃『日本現報善悪霊異記(日本霊異記)』景戒 - 日本最古の説話集。

 

984年『三宝絵』源為憲

1107年頃『江談抄』藤原実兼

1120年頃『今昔物語集』

1154年以後『中外抄』中原師元

1161年以前『富家語』高階仲行

1179年頃『宝物集』平康頼

12世紀中期『古本説話集』

1215年以前『古事談』源顕兼

1216年以前『発心集』鴨長明

1219年『続古事談』

1222年『閑居友』慶政

1239年以後『今物語』藤原信実

1242年以後『宇治拾遺物語』

1250年頃『撰集抄』

1252年『十訓抄』

1254年『古今著聞集』橘成季

1257年『私聚百因縁集』愚勧住信

1283年『沙石集』無住道暁

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