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2022年3月

「物語」(3) Vol.60

○物語と日本の歴史

 

『伊勢物語』中央の貴族のなかに、地方を題材とした物語が生まれた。

『大鏡』物語風物史のなかでも、比較的自由な批評精神。従者が重要な地位。

六歌仙の時代、漢詩・漢文への対抗意識で、和歌は、日常的なものとなった代わりに、詩情の豊かさに欠ける。物語がこの時代を代表する文学として登場。

(摂政政治)物語の時代『かぐやひめ』伝奇的要素、異国文化への憧憬、唐の影響。

『源氏物語』宮廷貴族の不安と憂鬱、宗教的感情、淫蕩と退廃、冷静な批評心と反省。

(十一世紀末の院政)説話集『今昔物語』、いろいろな階層の人々の生活や気質や東国の住民の生活や戦争など。

『平家物語』戦記文学の最高作品、平家一族の没落を物語った叙事詩、歴史と人間の運命の転変を物語る。

[「物語による日本の歴史」武者小路穣、石母田正(講談社学術文庫)による]

 

 

○『平家物語』にみる伝承

 

「中世の文化は、漢字漢文に親しむ貴族や、経論を学び梵字まで知っている僧侶だけが生み出したわけではない。宮廷の文化は、仮名文字しか読めない女性にとって支えられていたし、祭礼や歌や舞を担い、地方の歌謡を都に持ち込んで流行の旋風を起こした人々も無文字の人々であったに違いない。無文化の社会に豊かな文化があり、活発な知的活動もあった。

文字のない社会では、ことばは声で伝えられ、記憶された」

内乱のさまざまな出来事を日記に記した貴族は多かったし、戦闘に加わった武士が、自分の戦功を述べた軍忠状を書くようになるのは、鎌倉時代後期以降。

「人々に書写されて広まっていく間に、書き誤ったり、書き換えられたりすることが起こって、異本ができていく」何人もの作者がいて、いくつもの『平家物語』が書かれた、琵琶法師の語りによって親しまれ、語りの台本が作られた。

「琵琶の前奏、間奏に導かれる語りは、節のない素声(しらごえ)、口説(くどき)、合戦の場を語る早い拍子の拾イ、最も旋律的なフシなどさまざまな語り方の組み合わせ」

約二百の『平家物語』の章段が「平物」「伝授物」「灌頂巻」「小秘事」「大秘事」に分類、内容、節回し、発声などがさまざまに分けられて、稽古の階梯(かいてい)が定められる。

「灌頂巻」は高貴な女性が語る段で平曲の秘伝を伝授する巻

「一字一字が意味と由来を持つ漢字を学んでしまった日本人は、声から文字へという自然な流れと逆に、文字を声に移すために文字に合うことばを選ぶ、という努力を続ける」

「声を文字(仮名)に書き留めることと、文字(漢字)を声に移すためにことば(和語)を選ぶ、という二つの営み」

[「中世の声と文学」大隅和雄(集英社新書)による]

No.367

揚げ幕

身上

値打ち

早変わり

奈落

息切れ

花道

勝負

一瞬

美学

心がけ

意見

異口同音

健康

 

幼い

記憶

咀嚼

解明

物覚え

忘却

活躍

セリフ

しぐさ

音調

身振り

手振り

振り返る

大げさ

「歌の裏ワザ」Vol.3 

○ハイトーンを出すには、自分のメソッドをつくる

 

 ハイトーンは、高い声のトレーニングばかりしていたら、何となく出るところまで出るようになります。なぜなら、ギアがトップにシフトするからです。

よく特別なメソッドのように、生理的理屈なのに高音メニュを使えば、誰でもすぐにできるというトレーナーがいます。こんなことは当たり前です。高い声ばかり、続けて出していたら、誰でも高音へシフトして、出せるようになります。

注意することは、喉を固めず、ひびきの焦点と方向性を定め、集中することです。

ただし、ひ弱な声ですから、当たり前のように、すぐに限界がきます。

無限に高いところまでは、誰も出せませんし、出す必要もありません。こんなムダな挑戦のために、多くの人がとてつもない年月をムダにしています。

マライアキャリーのような笛声は、声帯にもよるのです。同様に、男性が女性以上に高い域を歌おうとすることも難しいことです。

その目標は、自己満足の他に、意味があるのでしょうか。女性に任せたらよいのです。

しぜんと高い声で歌える人が歌っているのは、もって生まれた喉と、それを妨げずに使う器用さを伴ったからです。

トレーニングには、できることとできないことがあります。できないことにセッティングして、喉に無理がきては、もっと大切なことがなおざりになります。ストライクゾーンは人によって違うということです。

 

 現実的には、ヴォイトレでは声のていねいな扱い方を、中低音域で獲得していくことの延長上に、高音は取り組むことです。

特に高音でやるだけやってきた人(自己流やトレーナーなどによりくせのついた人)は、一度そこを忘れて、喉を休め、楽に声の出る感覚を取り戻すことです。

一方、まともに高いところを出したことのない人や、高いところの方が自他ともに出やすい人は、高いところでトレーニングしてかまいません。

そういうメニュは、たくさんあります。他人のを使うよりも、自分で考えた方が、自分にふさわしいものができます。できたら、ハイトーンで、自分の得意なフレーズをそこだけ繰り返しやってみてください。

 大切なのは、力や勢いでぶつけるようにするのでなく(大声でなく)、焦点を絞り込み、ひびきを集めるようにしていくということです。

 

声楽でのアプローチもおすすめです。ただ、浅くうすっぺらい共鳴(キンキン声)を目的にしないことです。

日本人は比較的、鼻にかけやすいので、頭部共鳴ばかり中心にする人が多いようです。しかし、本来は、体壁振動としての胸(ペット)でのしっかりした共鳴が大切です。その上に頭部でまとめるのが理に適っているのです。このあたりは、自分に合った方向をとりましょう。

 

いろんなヴォーカルの高音を聞くのはとても参考になります。そこから考えてみれば、おのずとわかるのではないでしょうか。ただし、ハイトーンが魅力のヴォーカルよりは、声域全てをバランスよく使える人を見本にした方がよいです。

胸から頭のてっぺんまでの線上で、共鳴ポイントをとり、高低と関係なくある程度、自由に動かせるようにと伝えています。

教科書的に答えるなら、低い声は胸声、高い声は頭声で眉間や頬骨などを意識してくださいということです。

 

声域は、広がればよいというわけではありませんが、使いようです。厳密な再現性をもって、コントロールできるのが、歌に使える声域です。

本来、かなりの自由度(音色、強弱、ふくらまし、発音)をもっていなくてはいけないのです。

 

 

○ファルセットは、鼻腔の奥を意識して、身につける

 

 地声(modal register)と裏声(falsetto register)。声帯はその開閉によって振動して、声を生じます。話しているところが、地声です。

高くなると、その開閉のスピードが高まります。その限度を超えたとき、完全に閉じずに部分的に開閉することで振動を速くするのが裏声です。つまり、ギアの切り替えだと思えばよいでしょう。

ここでは裏声に対しての地声(表声)として述べます。

それに対し、頭声は、高音域の正しい発声によってもたらされる声の出し方とその音質のことをいいます。その上にある男性の裏声を、ファルセットといいます。

 

ここはファルセットで歌わなければ、と決めつけはして欲しくないのです。声のひびかせ方の一つとして、練習してみるのはとてもよいことです。

裏声で出してみてください。

「ホーホー・・・」と、いろんなところ(特に頭に)にひびきます。

一番出しやすいものか、一番完成度のあるものの中で使えそうなものをストックしておきましょう。

私としては、声は、再現性に尽きると思うゆえ、レコーディングでは加工できたが、ライブでは使えないファルセットはちょっと・・・ですが。

自分の表現の可能性を大きく広げる声として、ファルセットや裏声は研究してみる価値があります。

 

高くなるにつれて、イメージでは低くなるようにもつとよいでしょう。

お腹の支えがはなれ、喉がしまってきたらストップです。

このときには、いくつかの解決方法があります。

・声量をおさえて、顔面を捉えて喉を解放する。

・高くしてファルセットにする。

ここでうまくいく人は、高音から練習するのもよいでしょう。しかし、声の芯がなく、まとまりに欠ける人は、一度、中低音域で徹底したヴォイトレをした方が、結果としてよいでしょう。

「ネェ」「ニャー」「ホー」 

ヨーデルの「ラリホー」

「フンンン」「ルルル」

見本:ヨーデル、ボビー・マクファーリン、スタイリスティックス、アースウインド&ファイアー

美空ひばりさんの、「哀愁波止場」などのファルセットを聞いてみてください。

 

 

○広い声域の歌は、自分に合わせてアレンジする

 

歌の音域が広すぎるからといって、歌えないということではありません。こういうときのテクニックをお教えしましょう。

歌はだいたい広くても1オクターブ半の音域です。このとき一番下の音から一番上の音まで、一気に上がったり下がったりはしません。また、すべての音域を曲の始めから最後まで使っているような曲はほとんどありません。

歌い出しの部分が低くて、少しずつ上がって、サビで最高音を使っているようなパターンが多いのです。

 最高音に自分の一番上の声が出るようにキーを設定します。

 たとえば、低い音からミソドレミファソラと上がっていくときに、最初のミソは低すぎて出ないでしょう。その時に、ミソドをソソドとかソドドとか、あるいはドドドにして歌詞をつけてみてください。コード音の中の音で処理すると、それほど違いはないでしょう。低いところの声は、もともと語るように歌うわけですから、語りとして処理してもよいわけです。ミソドをドドドにすると、音域が半オクターブ狭くなるのです。同じコードのなかで、ほとんど抵抗なく処理できます。

女性なら裏声を、男性ならファルセットを使って原曲通りに歌うこともできます。下げてだめなら、思い切って上げることで、うまくいくこともあります。

 

 

〇発音で口を大きくあけない

 

喉声にしないためにも、口をあまりあけないで発音できるようにすることです。

ことばを明瞭にすることと、側鳴り声(そばなり声)=骨振動は違います。

メッサ・ディ・ヴォーチェ 強弱を順につけて、変化させます。

あくびで弛緩します。赤ちゃんのように。

あごをひいても喉を圧迫しないように。

 

 

○日本人の発声トレーニング

 

鼻腔共鳴中心で、Na、Ma、ラを使うことが多いです。

小さい声、低い声は表現に耐える力でキープするのが難しいです。ひびきを上にあげるようにしましょう。マイクを近づけ、リヴァーブを弱めます。

低くしていくと、息声になったり、喉でつくるようになります。そのまえにストップです。

 

 

○発声のためのメソッドや曲を編集しておこう

 

「何をトレーニングすればよいのですか」と聞かれることが少なくありません。

レッスンを受けているなら、その録音を聞き、分析し、判断し、それに合わせるとよいでしょう。

できたら、編集して簡単なところ(ウォームアップや調子の悪いとき用)、何とかできるところ(本レッスン)、できないところ(調子のよいとき用)など分けておきます。多くの人はできないところばかりに挑戦して、さらに声の調子を悪くしています。

レッスンでは、あなたの見えないところでよりよく導いているのですから、家では一ランク下げたトレーニングをすると、ちょうどよいのです。

一人での自主トレーニングでは、できないところでなく、できるところをより確実にしていきましょう。その勢いで、調子のよいときに、できないところもクリアしてしまうというのが最良の裏技でしょう。

 

音源は、アレンジして使いましょう。自分のメニュとして、よいところだけ、つぎはぎして使うのです。そのくらいの手間は惜しまないように。

 

何もわからない時期は、30分流しっぱなしで声を出していれば、それでもよいのです。ハミングでもかまいません。

毎日、声は出しましょう。高音から低音まで。そこからリラックス、体、息、声づくり、発声、歌など、目的を細かく分けて、メニュをつくっていきましょう。

詞も曲も一日一曲、マスター(もしくは自作)していきましょう。

 

No.367

<レッスンメモ>

 

1.状態調整(1日でも整える)ベターに応用

2.条件づけ、鍛錬、基礎

 

伝えるー伝わる(どう聞こえるのか)

声に何がのっているのか 声は相手へのプレゼント

「声は第二印象」トラウマ(声の好嫌)

人を動かす、どう聞こえるか、アイキャッチ

1.態度マナー 2.自信 3.声のトーン 4.語り口

赤ん坊に習う

ニートの問題 かけ声 力が働く 声かけ オノマトペ

高級者 笑顔とことば 「笑い声」 〔笑顔も声も面倒=演出する 体とメンタル〕

ビジネス コールセンター

武道

夫婦 カップル カチンとくるとき、子育て 喧嘩も解決も声一つ 呼吸と「声の切り替え」

うまくいかない人 正直 まじめ

自信、愛される声に生まれ変わる 自信持つとよくなる カラ元気から

声で勝たなくてよい器 声はよいより雰囲気がよい いい感じ

声量を出す

声は第六感 裏読み(本音) KY(気配) あの人の声が残る

ことばで受けとめあう メール使うな!→アー!(フランス)殺されなければいい

 

1.ヴォイスレコーダーを使うこと

2.声かけ 声でカバー

3.あいさつ 

 

1.大声出すと元気になる(逆でない)

2.声(声の出せる人生その機会 楽しい Jリーグ 応援)声を出すのは楽しい(一人でも二人でも)

マッサージ

 

声は人生の履歴 

問題も学べる 磨ける 鍛えられる 

才能 素質 環境でなく機能 使い方

気づくことで変わる 認識と意識

声は得である(第六感) 弱点が強みになる

 

No.367

<レクチャーメモ>

 

3つのアート 

 

音楽を純粋に極めていくことは、社会に対して無関心を貫いていくことにもなります。そうして、恵まれた家庭に育ち、ボヘミアン的なアートを創造していた人たちもいたわけです。そうしたものは純粋アートであって、商業アートや写実派アートは、区別されていたようです。写実派とは、日常的に感じる生活や社会問題を取り上げるものです。

 

 

〇欧米との一体化 

 

1980年代、日本人と洋楽との距離が縮まりました。1985年は世界がひとつになる、ライブエイドがあり、これは世界84カ国に中継されました。「ウィ・アー・ザ・ワールド」です。

「ベストヒットUSA」(1981年から1989年)のようなMV番組は、1970年代からの短波やFMラジオ、あるいは、レンタルレコードなどで普及しました。

 

 

Jポップス 

 

Jポップスとは、外国人が日本のポピュラー音楽を聴くとしたら、そのように名付けるだろうという想定で日本人がつくったようなものでした。

いつも、欧米の方を本場として見て、そこに認められたものを認めるというような体質が、日本には根強くあったのです。

 

フランク・シナトラからフランク永井、ペギー・リーからペギー葉山と名づけたのです。日本のジョーン・バエズの森山良子、日本のボブ・ディランの岡林信康だったのです。

 

 

〇海外での日本人歌手の成功歴 

 

坂本九「上を向いて歩こう」1963年アメリカビルボードNo.1

沢田研二1975年フランスでナンバーワン

ピンクレディー1979年ビルボード37

その他、少年ナイフ、ラウドネス、松田聖子、Puffy、アジアでは浜崎あゆみW-inds、嵐などが人気を得ました。しかし、アニソンの人気は全世界に普及しているのです。                                     

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「声の裏ワザ」Vol.3 

〇声の共鳴を感じ、息でコントロールする

 

 声の中心線をつかみ、息で動かしていくような感じにイメージします。低音域から中音域では胸を、それより高いところでは頭(顔の前面のひびき)を中心にしましょう。

それが体の真ん中に一本通っていて、その線上で逃がさずコントロールできるようにします。芯のみえない声でのデッサンは乱れます。声の粒子を集めるつもりで、焦点をしぼり、方向性をもった声にしましょう。

発音やピッチによって、あまり変わらないように声質(音色)を統一していきます。

切れとコクのある声、

滑らか、柔軟性にとんでしぜんとひびく声、

パワフル、芯があり、インパクトの強い声をイメージしましょう。

 

レガートで、静かな音の揺れ(ビブラート)を感じてみましょう。

 アタックやスタッカートは、喉で切らないようにしましょう。

声を出さずに、体(息)でやってから、少しずつ声にしていきましょう。

 

口の中のチェックをします。口をあけるのと、喉をあけるのは違います。

スーッと吸うと、奥にすずしく感じる軟口蓋があります。これが上がって、喉仏が下がっているのを、喉があくというのです。口先(あご)を大きくあけると、声は却って出にくくなります。

大きな口は、ビジュアルとして伝えるには、よいこともありますが、発声には不自由なこともあります。

 

口の中をたてにあける m-ma m-mi

 

 

○クールダウンを欠かせるな

 

「ア・ア・ア」「ア!エ!イ!オ!ウ!」とよく行われている発声トレーニングは、使い方しだいで、喉を痛めかねません。強くぶつけるように出してはなりません。日本語の「あ」は浅く、喉に負担をかけやすい発声です。

母音の発声トレーニング(ヴォーカリーズ)は、やわらかく、滑らかに、ていねいにしましょう。特に“発声時”に急に声にしないように、息の流れのなかで、しぜんと瞬時に切り替わるようにしましょう。(声立て)

声楽家の歌唱や外国人ヴォーカリストのレガートの1フレーズを使うとよいでしょう。(たとえばアヴェマリアやアメージンググレース)

 

半母音(Y.W)での練習

a a

wa - a

wo - o

 

舌を平らに喉を下げ、軟口蓋をあげ、口の中を広くたてに、あくびのようにします。

声を少しずつ大きくしてから小さくしていくメッサ・ディ・ヴォーチェが有効です。

1.声を少しずつ大きくする

2.声を少しずつ小さくする

3.1と2を組み合わせる

 

 

〇出した声にイメージを入れて動かしていく

 

 イメージした声が出ないとき、直接、そこに近づけていこうとすると、無理が生じることもあります。

そういうときは、自分なりにいろんな声を出して、フレーズとともに覚えておいてください。声の柔軟性、応用性が高まります。

ここでは、イメージに伴って引き出されてくる声を、発声練習の声(基本の声)から少しずつ、変じさせてください。

基本の声をベースで歌うのは、それが変じてこそ魅力となっていくからです。いろんな声をいくら覚えて使い分けても、バラバラでは、発声によくないし、歌も寄せ木細工みたいになりかねません。一つでも通じる声をもって、その変化でみせていくのです。

 

 

○表現のチェック

 

表現をチェックするには、日頃使っている日本語から入ることです。方言なら、さらによいでしょう。

日常出している声のチェックからしましょう。

「オーイ」「バーイ」

声の届く距離に敏感になりましょう。あなたの声に「何か」をのせて伝えるのです。

「どう出すか」より「どう聞かせるか」をいつも考えてください。

洋画を見ながら、英語、イタリア語、フランス語などのせりふを、真似して言ってみましょう。

 

 

○声に張りがない、言葉が不明瞭な場合

 

毎日、言葉のトレーニングをなるべく、大きな声でするようにしてみてください。普段の声に気をつけるだけでずいぶんとよくなります。

声に張りがある上で、そこで言葉がきちんとその言葉を伝えられるように、生きた言葉で入っているということです。

言葉のトレーニング、特に感情を入れて、歌詞を読むトレーニングをしてみてください。

 鼻にかかりすぎて、言葉がはっきりしないときには、鼻の病気(蓄膿症、アデノイド)もあります。これは耳鼻咽喉科で、みてもらってください。

すぐに鼻にかかりすぎてしまう人は、鼻にあまり抜けないように意識してみてください。

言葉が言い切れず、しどろもどろになっている人は、はっきりと言葉を言い切ることです。

「ガヤダ」という言葉を繰り返してください。

「ラレリロル」「カケキコク」「ガゲギゴグ」「ダデヂドヅ」などを練習してみてください。(「ガゲギゴグ」は鼻音にならないように、ただし、歌のなかで鼻音になるのはかまいません。)

 

舌がまわりにくいなら、舌のトレーニングをします。

喉の管理は、痛めるまえにストップしてください。

 

 

〇声がかすれるなら、唾液で喉を潤そう 

 

喉に違和感、異常を感じたら、休めてください。

大声、長時間厳禁、トレーニングして痛めたという人は、その分、声を使い喉をロスしたのです。

声は消耗品と思ってください。ヴォイトレした分、声を休めることです。特に口内の乾燥を避けてください。適度に唾液が必要です。

 

あくびして、「あ~あ」といってみましょう。

仰向けになって声を出します。横向けになって声を出します。

喉と口の中でなく、強い息で英語のように話すと、胸の中心に発声ポジションが落ちます。

風邪のときには、喉を休めましょう。

 

過労と冷房など、急激な温度変化に注意しましょう。

・喉、肩、体を冷やさない

・ほこり、たばこをさける

・アルコールでは、水分が失われる

・おしゃべりしすぎない

・人は人、自分は自分

 

喉のウォーミングアップメニュ

ドレミ(全音ずつ)ドド♯レ(半音)

 

 

〇喉を強くしたいのなら

 

 喉を鍛えるという人もいます。そういうハードな方法を取れる人もいますが、無理な人もいるということです。年齢、キャリア、資質によって、ケースバイケースです。

喉が弱くても、自分の喉と声としての使い方をしっかりと知っていけば、大丈夫です。それぞれに喉は違うのですから自分に合った方法をとることです。ただし、トレーニングで長期的には喉が鍛えられていくのは、確かです。

1.喉が強くなる(無理がきく、タフになる)

2.喉の使い方がよくなる(いざとなっても、声をコントロールできる)

3.喉の限界と危険の避け方がわかる。(休め方、治し方がわかる)

この3つがプロの喉をつくるのではないでしょうか。

 

大きく変わることも、あまり変わらないこともあるのです。時間をかけていくなかで考えてもいきましょう。それも自分の声の個性を知ることになります。

 

 声帯や体というのは、誰一人同じ人はいません。めざす声も、声の使い方も上達のプロセスも異なります。そこでは、一つのトレーニング方法が万能というわけにはいかないのです。その人によって、時期によって、目的によって、優先順位によって、すべて変わるのです。

喉のクールダウンをしましょう。

 

 

〇声質をよくしたいなら、発声に無理をしないこと

 

鼻濁音で鼻のひびきをつけてみましょう。

鼻濁音の「ガゲゴ」で歌ってみます。

ing 昔は「ガ」(濁音)行全てを、歌ではやわらかく鼻濁音にして歌ったものです。

フランス語、外国語からも応用できます。

 

鼻声の人は、mは唇でのハミング、nは口蓋を舌先で離し、鼻腔共鳴にnaが使われるのです。

鼻をつまむと鼻声になります。これらは、声のひびきや発音をクリアにするための補強トレーニングです。

 

第一に姿勢をよくすることです。姿勢が悪いと映えないばかりか、声も出にくく、喉が詰まりがちになります。 背中を丸めた悪い姿勢で歌うのではなく、なるべく胸を張って堂々と歌うことです。

Ha(ハッ)でスタッカートにするのは、お腹でハッと切りやすいからです。(hは声帯閉鎖音)

私の基本メニュは、「ハイ」ですが、この「ハッ」からきたものです。「ハン」「フン」「ヘン」といってみてください。

 

 

〇食べ物は、直前でなければノープロブレム!

 

 声に関する食べもののよしあしに関しては、諸説ありますが、大して気にすることはないでしょう。かなり、主観的な思い込み、迷信、ジンクスで語られています。

ただし、辛すぎるものや刺激の強いものなどはよくありません。でも声を出す直前でなければ、あまり気にする必要はないと思っています。声帯に直接、飲食物はふれないのですから。

喉の筋肉によくないことはあります。急に冷たいものを食べたり、飲んだりすると、冷えます。たとえば、歌ったり話したりして、喉がほてってきたからといって、氷をかじったり、コーラをがぶ飲みするのは、タブーですね。炭酸飲料はよくないでしょう。ウーロン茶やミルクを嫌う人もいます。お腹が鳴ったり、ゲップやしゃっくりは、困りますね。

 

 食べ物は、栄養価の高いものがよいでしょう。スポーツ選手用のメニュなどを参考にしましょう。ハチミツ、レモンとお湯割り、花梨、リンゴ、あたためたミルク、肉、こんにゃくなどが、声によいといわれています。

なす、みかん、メロン、キウィフルーツ、桃、さくらんぼ(果物はアレルギーによる)など、辛すぎるもの、冷たいものは、よくないといいます。

こういったものは健康法と同じく、相性なので自分で考えましょう。

それよりも水分補給を忘れずに。喉を乾燥させたくはありません。飲料は、外から摂りすぎず、自分の唾液に頼りたいものです。

 タバコを吸うと、タールやニコチンが煙となって体の中に入ります。声帯は肺と口の間、煙の通り道に突き出ているために打撃を被ります。タバコを吸い続けると、声帯がブヨブヨになって、声がかすれたり、出にくくなることもあります。

 

 お酒に関しては、個人差がありますが、飲んだときは、しゃべらず、声を出さないようにしてください。お酒は血行をよくする半面、神経を鈍くします。声帯は一時、血のめぐりがよくなり、調子がよくなりますが、充血して疲れも早く出てきます。耳が聞こえにくくなり、発声の感覚もつかみにくくなります。自分の声が聞こえないために、声をはりあげがちに、無理に使いすぎてしまうのです。

まして、飲食物がお腹にたまると、わかりますね。

お風呂場も、湿りすぎ、響きすぎ、気分よすぎでは、あまりお勧めできません。

 何事も、不安になったり、トレーニングの成果に関わるように思うのなら、やめた方がよいでしょう。トレーナーや医者は、最悪のことを考えるのです。

 

 

〇お腹から声を出すのは、声で発声器官を鍛え、整えていくため

 

 息を吸いすぎると、コントロールしにくく、いきなり強い声になりやすくなり、うまく伸ばせません。

お腹からストレートに声が出ているイメージをつかみましょう。

すべてを真似するのでなく、一番わかりやすいところ、自分で近づけるところをコピーするのです。

歌と同じことばや同じ音色や同じピッチでなくて、一番出しやすいようにやりましょう。大切なのは、表面でなくて、内面の感覚として共通すること(原理)をつかんでいくのです。

 お腹から声が出る充足感、これは体のリラックス、喉の状態、発声(声たて)など、体-息-声のコンビネーションが必要です。

私はそこで声を使っての、体の強化トレーニング(同時に喉の筋肉の強化)を試みています。

 

「主体的であれ」 No.367

ロケット博士の糸川英夫は、「乗り物に酔うのは、外からの影響に受け身で対するからで、自分が揺らしていると考えたら酔わない」と言っていました。主体的であれということです。

自分の学んでいる場は、自分のために使えるところです。なのに、自分のものだという自覚がないと、もったいないことです。

自分からきれいにしようとか片づけようとしないようになれば、そこは、学ぶ場として成り立ちません。

研究所も、街も、日本も、地球もそうであるのです。是非、まずは自分のものとして大切に使ってください。

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