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2022年4月

「物語」(4) Vol.61

○全集と分類法

『日本昔話名彙』 柳田國男監修 日本放送協会編 日本放送出版協会 1948

完形昔話の下位区分に誕生と奇端、兄弟の優劣など10グループ183話型、派生昔話のもとに笑話、化物話など6グループ146話型、その他に12話型。

『日本昔話集成』 全6巻 関敬吾著 角川書店 19501958 

昔話約8000を、動物昔話、本格昔話、笑話の三部に分類、およそ650話型を設定。アールネートンプソン(AT)と同様の分類を採用。

『日本昔話大成』 全12巻 関敬吾・野村純一・大島広志編 角川書店 19791980、明治末~昭和51年までに直接昔話の語り手から採集されたおよそ35000の事例を『集成』に基づいて動物昔話、本格昔話、笑話の3部に分類、集成の話型番号を適用。

『日本昔話通観』 全31巻 稲田浩二・小澤俊夫編 同朋舎出版  19771990

「むかし語り」「笑い話」「動物昔話」「形式話」の4部分類。

『日本昔話事典』 稲田浩二ほか編 弘文堂 1977https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=man_view&id=2000001674

 

<世界のタイプインデックス>

The types of the folktale : a classification and bibliography Antti Aarnes Verzeichnis der Marchentypen (FF communications NO.3); translatedand enlarged by Stith Thompson. Hellsinki 1961 (FFcommunications no.184) フィンラントのアンティ.A.アールネが、1910に世界で初めて作成した昔話の国際的な分類基準が『昔話の型目録』(FFC 3)で、後にアメリカのスティス・トンプソンが1927に改定増補したものが本書で、1961に更に改定。分類は、動物昔話、本格昔話、笑話、形式譚、未分類に大別、すべての話型に分類番号(AT番号)を付している。

The types of internation folktales : a classification and bibliography : based on the system of antti Aarne and Stith Thompson Hans-Jorg Uther part 13  Suomalainen Tiedeakatemia, (FFcommunications no. 284286) 本書は前褐のアールネ=トンプソンの『昔話の型』をベースにしており、そこでATにウターを加えて、ATUと略している。ウターはATで採用していた5部分類を、動物昔話、魔法物語、宗教的物語、現実的物語、愚かな鬼の物語、逸話と笑話、形式譚に変更し話型に12399の番号。

 

 

○古典文学の覚え方語呂合わせ(NAVERまとめ)

[平安の物語成立順]『タイヤ、うおっ!幻影=土』:タ(竹取物語)、イ(伊勢物語)、ヤ(大和物語)、う(宇津保物語)、お(落窪物語)、幻(源氏物語)、影(栄華物語)、土(堤中納言物語)

[平安の日記文学成立順]『十日、マイム、晒さねば』:十(土佐日記)、日(蜻蛉日記)、マ(枕草子)、イ(和泉式部日記)、ム(紫式部日記)、晒(更級日記)、さ(讃岐典侍日記)

[八代集]『今後、周囲にごしゅうい(ご注意)気をつけ、しっかり、せんと、死んじゃうよ』:古今集、後撰集、拾遺集、後拾遺集、金葉集、詞花集、千載集、新古今集

[栄花物語と鏡物の歴史書成立順]『えーい、大根水増し!』:栄花物語、大鏡、今鏡、水鏡、増鏡

[軍記物]『歩兵平原体操着()』:歩:保元物語、兵:平治物語、平:平家物語、原:源平盛衰記、体:太平記、操:曽我物語、着:義経記

[六歌仙]『おお! おっ きー フン あり そう』:大伴黒主、小野小町、喜撰法師、文屋康秀、在原業平、僧正遍昭

参考文献:Wikipedia、ほか

No.368

森羅万象

希望

側面

巧み

輝く

美しい

甘んじる

老醜

気の毒

存在価値

補足

精進

念頭

努力

 

不調

指導

生き方

現役

力量

こだわり

平常心

いらだち

姿

芸風

功績

荒い

色気

憧れ

堂々

「歌の裏ワザ」Vol.4

〇すごいか、おもしろいか、心地いいかをめざそう

 

 うまく歌おうと思ってうまく歌っても、「うまいなぁ」それだけです。私はこの仕事を始めて、全国いたるところにとても歌のうまい人がたくさんいることを知りました。歌がうまいのでプロになりたいという人とも多く会いました。

でも、「うまいけど、それだけ」と思わせる人が大多数でした。歌い慣れたうまさは、素直さ、自然さ、新鮮さを失わせ、型破りの何かが出てくる余地をなくしているのです。マイナス点をなくした予定調和という感じでは、心を打たれないのです。

一方で、多くのプロとも接してきました。一流のプロほど、うまいというのを抜きで、「もっとステージを見たい」「そのCDが欲しい」と思わせるのです。

 

いったい何が違うのでしょう。そういうところを徹底して考えることです。とどのつまり、プロフェッショナルな考えをもって実践できているかどうかなのです。

アマチュアもプロも、歌からみたら、区別はありません。歌は、人前で人様の時間をいただいて表現するものだから、それはお金をいただくことと変わりません。(そこが絵画や写真の表現とは大きく違います。)

もちろん、自分一人で歌って楽しむというのもありますが、うまいというのは、他人の評価ですから、ここでは自己満足のための歌は省きます。

うまくてもつまらない、飽きる、いやらしい、不快だというよりは、下手でも魅力的だ、また聞きたい、見たいという方がずっとよいでしょう。

 

 それには、あなたの感じたこと、伝えたいことと、歌や曲、詞との距離がないこと、形だけになっていないこと、つまり、“(うまい)歌のように”なっていないことが大切です。

トレーナーは、歌を本当に魅力的にすることができるのでしょうか。いや、そんな魔法のようなことはできません。

トレーナーの大半は、へたをなくして正確に、かつ声を聞きやすく、つまり、うまくみえるようにしているだけです。トレーナーの歌う歌自体は、そういうサンプルだからです。

とはいえ、私のできることも、こういうことを気づかせて、そのために必要な材料を与えることです。

人が聞きたいもの、心地よいもの、おもしろいもの、できたらおどろくほどすごいもの、それを目指してください。おのずと魅力的なステージになっていくことでしょう。いつも、“どう歌うかでなく、どう聞かれるか”から、チェックしてみてください。

 

 

〇コンプレックスを感じるなら、イントロまでで成り切る

 

 ときに、歌や声の力を客観視するまえに、自分はへただというコンプレックスの塊の人とも接します。(なかには、すでにハイレベルで、もっとうまくなりたいという人もいます。)逆に、へたすぎて習ってもどうにもならないと思っている人もいることでしょう。

でも、自分を表現したいという欲求に目覚めたら、好きなようにすればよいのです。結果をすぐに問うから、続かないのです。

若くして器用でうまかったゆえに、さっさとあきらめた人も、すべてをこの道に捧げたために、遅くしてプロになって、ずっと続けている人もいます。人、それぞれです。

 アートや表現に携わるかぎり、常に絶望や壁と対峙するものですから、行きづまるのは悪いことではありません。必然です。やめる自由もあるし、あえて選んだというのなら、コツコツと積み重ねていけばよいのです。

へたな理由は、多くの場合、うまい人よりも経験不足なだけです。同じだけの量を行った上で、初めて学び方のセンスが問われます。私は大谷翔平選手よりも野球をやっていないから、彼とは比べられません。しかし、「同じだけやっていればもっとうまかったかも」、などといっても仕方ありません。彼は私がこういっている時間も野球の練習をしているのです。

今のあなた自身も、あなたが選び、行ってきたこと、つまり、過去の集大成なのです。性格も考え方も、声も歌も、同じです。

それをじっくりとみて、変える必要があれば、変わっていけばよいだけです。毎日の行動から変えていくのです。実のところ、声や歌よりも、性格や考え方の問題の方がずっと大きいのです。

 

 イントロは曲に入ってから歌い出しまでの間です。この間にその曲のイメージをつくり、スタンバイ体制を整えます。その歌を歌う心持ちになるのです。

 歌は、初めて聴く人にもその内容がわかるようでなくてはいけません。自分イコール歌の世界の代表者、語り部として登場するつもりになりましょう。心を落ち着け、歌い出しにそなえましょう。

 歌が始まっていきなり曲のなかに気持ちを入れ込むというのではありません。イントロで曲の情景を思い浮かべ、雰囲気、リズム、呼吸、言葉をしっかりと整えておくことです。ここは歌に大切な最大の“ため”の部分です。イントロの前から体でリズムのテンポなどをとっておきましょう。歌いだしまでに、プロの表情、しぐさになりきってみましょう。

 

 

〇歌詞の忘れるパターンとリカバーをマスターする

 

 プロでもときどき歌詞を間違えて歌っています。すまして歌い切ってしまうことに慣れましょう。メジャーな曲以外なら、間違えたという顔をしなければ、ほとんどわかりません。

詞を歌うのではなく、詞に表れた思いを伝えるのです。ことばでなく、メロディやリズムや音色、呼吸で、あなたが再構築するのです。歌、音楽の流れをこわさなければよいのです。ステージでは即興で、よりよくことばを選び変えるくらいの気持ちでいることです。

 

 忘れるにもいくつかのパターンがあります。どんなことが起きても大したことではありません。

大切なのは、しっかりと反省して二度と同じレベルのミスをしないことです。100回覚えたけど忘れた、そしたら、次は200回覚えるとよいでしょう。

ステージというのは、どんなに備えたつもりでも、「もっとやっておけばよかった」と直前に思うものです。

短い時間に準備をできる力をつけるのも、大切なことです。ステージ前には、歌詞などかまっていられません。することはたくさんあるのですから。

間違えたり、うまくいかなかったことは、徹底してチェックしましょう。二番から入ったとか、サビのあと忘れたとか、いくつかのパターンが出てきたら、ノートに記録して、それに対応する練習を考えるのです。一曲ずつに作戦ノートを作りましょう。

それと忘れる練習もします。朝一とか、昼一とかに、ステージと思って、人前に立ったつもりでチェックします。

途中の歌詞から、パッと切り出してみるのもよい方法です。そのうち、新曲の歌詞を見ると、どこを間違えやすいのか、気をつけるのかをパターンとしてわかるようになるでしょう。

それとともに、リハまでに最悪のケースでの対処法を決めておきましょう。プレーヤーも巻き込んでおくとよいでしょう。

歌は、暗記したものを復唱するのではありません。いつもそこで歌をつくるつもりで行うことです。そういう即興力をつけてください。

客にとまどいを見せないようにしましょう。ミスしても応援してくれるでしょうから、恐れは不要です。

 

 インプロ(即興)のトレーニングを積んで、どんどんはずして歌って欲しいのです。知らない歌をカラオケでコードを頼りに歌ってみるとよいでしょう。メロディを音程として、正しく歌おうなどと考えることは、ステージではタブー、練習でもあまりよくありません。

身体にあなたのすべてに、そのメロディが呼吸し始めるまで、聞きこみ、歌いこみ、一体化してしまうことです。

バンドなら、キーボードはもちろん、ギター、ベース、ドラムがどうなっているのかも、身体に入れてしまいます。コードからも外れるなら、音楽の流れが入っていないからです。心地よく流れていかないという感覚に鋭くなってください。修正と創造で歌をリアルタイムに紡ぎだしてください。

 

 それにしても、日本人のフェイク、アドリブは、前もって練習したものばかりです。練習としてはよいのですが、聞いたアーティストのコピーの域を出ていないのは、どうなのでしょう。

それらは、いくつかに大別できます。それをよく知るパターンとして、覚えておきます。

次に、自分の曲に応用するところから始めてみましょう。○○風にくずすという歌い方でよいです。プレーヤーなら、フレーズナビ(パターン)は必修です。それをヴォーカルも学んでおくとよいでしょう。

3コーラス以上ある曲では、どこかに違うアレンジを入れ、客を飽きさせないようにしていますね。

 たとえば、サビを3度上げる、最後の音を上げる(下げる)、シンコペーション、ためる、ことばにする、装飾音、経過音などを入れる、スキャットを入れる、テンポアップ、フェルマータ、もしくはブレイクからインテンポなど、いろいろあります。それらを盗み、今のレパートリー曲で試してみましょう。

 日頃から、楽器プレーヤーやジャズのインプロに親しむとよいでしょう。作曲家、編曲家、アレンジャーの初歩的なことを学んでおきましょう。

 

(ちなみに、プロの一例で。2006年末の紅白では、細川たかしさんは「浪花節だよ人生は」で、「人の情けに」の次に「つかまりながら」を忘れて、瞬時に『あ、歌詞わすれてしまいましたー』折れた情けの、枝で死ぬ、『ごめんなさい』『ハイ』、浪花(あ)節だよ、女の、女の人生は」とアドリブで処理しました。森昌子さんは、「私は飛び立つ青い鳥になる」を「私は歌う」と、後の歌詞で出てしまったので、そのまま「青い鳥の歌」と戻さずに歌い切っていました。)

No.368

<レッスンメモ>

 

声の響く体 肩上げ下げ(肩甲骨 胸開く(後ろに引く)) 肋骨位置 背伸び(腹筋)

重心下げる(土踏まずうしろ) 足 膝屈伸 指つかむ 四股を踏む

 

1.体、体が一つの意識(皮膚、腸)

手のぬくもり、筋肉ほぐす―暖かい息と冷たい息

心―気のつかいすぎ―深い呼吸 

感覚を鋭くすること

ふいご、オーボエ、風船>呼吸

手で触る 尾てい骨―百会 足芯―てっぺん

息で大笑い

 

2.呼吸―「時計でチェック」 

お腹ポコッと息の結びつき(触ってチェック)吹き飛ばす

手のひらで感じて あくびで吸いため息で吐く 

びっくりする

 

3.発声―「顔と同じで正解ない」

自分の声と応用の声 

動き(得意なスポーツ)と発声

クラシック歌手の顔 もっともよい声

○あ○い○う○え○お アーイ アーオ

 

4.共鳴 リップトリル(ブルブル) ハミング(ムー) ミャウヤオ 

手をあて感じる 方向変える 

耳ダンボ 蝶番に手を 見点と方向(届かせるゲーム)

母音→子音(調音)

 

5.発音ウムテウト(ウ→イ) 母音別の共鳴

もっともよい声(高大)の発音で読む、歌う―言霊

声小 表情、口を動かす(ビジュアル)息吐く

かすれる 響く音bmn

こもる 上唇邪魔 鼻腔共鳴不足→ニャー

滑舌 口を開ける運動→開けすぎるとラ行→ダ行(クレヨンしんちゃん それそだ)

早口 間と呼吸

上ずる 重心、顎引く

甲高い 口横に引きすぎ、上あごに舌先×

(タ、ナ、ラ行以外すべて)→下あごへ共鳴位置←共鳴ずらす

低くこもる 下あごに響く 下歯についている 口角あご舌上歯に みけんに

No.368

<レクチャーメモ>

 

息とスピリット

息には、消息、生息という言葉もあり、生きることに結びつきます。

合唱では同じ言葉を同じ呼吸で発して、声を合わせるわけです。

スピリトゥスから、スピリットになるわけです。それが、一体感を高め、自分たちだけでなく聞いている人も感動します。

 

ミュージックの語源は、古代ギリシャの神話に遡り、ムーサイといわれる女神が、詩、演劇、舞踏、語りなどを司りました。これらの文芸がムーシケで、ミュージックとなります。

ヨーロッパの中世の大学では、7つの自由学科があり、その中に音楽が入っています。しかも代数、幾何、天文とともに理数系の科目でした。実技はなく音楽理論、もしくは哲学というようなものです。

ミッションは、宗教用語で伝道という意味があります。自分の人生に与えられた使命をどのように実行していくかです。

プロフェッショナルは、宗教用語で信仰を告白することです。自分の生涯を神に捧げるという公言です。

「声の裏ワザ」Vol.4 

〇トレーナーにつくか迷ったら、ついてから考える

 

 迷ったら行動する。すべて体験してみるとよいでしょう。私は十代から声楽も10年以上学びました。他にもいろいろとお世話になりました。声中心に、きっと誰よりもそこに時間とお金を使いました。

 選ぶまでは迷い、迷ったら、世界の果てまで探せばよいでしょう。もしあなたにとってそれが一番大切なことなら。その自分を信じて迷わず、目一杯、吸収しつくすことです。

 最近は、いろんな人が転々としてきます。トレーナー暦をプロフィルにでも入れたいのでしょうか。

「どこでもうまく行かなかった」と、トレーナーを見切ってきた割に、本当の力が全くついていない人が多いのです。時に、「そこでももっと学べたのに」、「学べている人がいるのに」と思わざるをえません。

人間関係、設備、距離やお金などの問題は、それぞれにあると思いますが、第一義のこととは思えません。学び取る力がなければ、どこに行っても同じです。学ぶ力をつけなくてはいけないから、本には学び方を中心にのせるようにしました。

何を学ぶかを教えてくれるのは、小中高校です。本来は、そこで何を学びたいのかを決めて、大学などにいくのでしょう。

あなたはトレーナーのために歌うのではないのです。トレーナーをあなたの表現のために使わなくてはいけないのです。思う存分に使えばよいのです。

 

 

〇トレーナーについたら、その得手を知る

 

 トレーナーにつくのは、より厳しいチェックのためです。そして、必要なことを課題として受けとるためです。

自分ではわからない、みえない、先の問題までみたいときに頼りになります。多くの場合、現状でのアドバイスをもらうためについているようですが。トレーナーにもよるので、そこを見極めていきましょう。

レベルの高い人ところでは、ことばでなく、感覚での伝達となります。そうではない場合、ことばを交わさざるをえません。ことばでのアドバイスがないと、レッスンをしたと思わない人もいます。

ことばに頼りはじめると、本質を見えなくしていくこともあるのです。本を読んで、知識を得て、トレーナーが信じられなくなる人もいます。トレーナーにつくなら、しばらくは本は不要なのです。

一方で、トレーナーについているから、通っているから、うまくなる、安心だというのは問題です。トレーナーを本当に利用しようとしたら、相当なトレーニングで、トレーナーと同じくらいの感覚までアップしないと難しいでしょう。

そうでなければ、カンセリングやストレス解消と割り切って使うのも一手です。自分の作品のコメンテーターとして使う方がよいトレーナーもいます。

知っておいて欲しいのは、トレーナーもそれぞれに得手不得手があるということです。それを見極め、どこまで使うのかもあなたの力量なのです。

 

 

〇トレーナーは、自分のために使う

 

必ずしもトレーナーがあなたへの正答をもっているとは限りません。多くの経験からもっとも適切な処方をもつのがすぐれたトレーナーですが、時には試行錯誤のこともあります。

トレーナーの発声や歌が、必ずしもあなたの手本とは限りません。ポップスのヴォーカルにおいては、資質によって、かなり違ってくるものです。

しかし、声の専門家に値するトレーナーなら、そのアドバイスに一理あるのも確かです。

 習うというのは、一度、無地になり、相手の流儀に従うことでもあります。トレーナーにつく以上は、素直になることです。すべてを疑っていては、得られるものも得られません。すぐには、意味も説明もわからないこともあるでしょう。もし、そのすべてをことばで説明され、わかったところで、大した効果はないでしょう。

声を実感していくこと、あなたの感覚のメモリーがしだいに細かく厳しくなっていくようにしましょう。声を出しているだけでもかまいません。レッスンで何も感じないなら、トレーナーよりもあなた自身のスタンスが問題かもしれません。

 

 

〇ポップス志望でも声楽家で学べるものは大きい

 

 声楽は世界中で声の専門家といえる人材を多数、輩出してきた、つまり発声のメソッドとして、長く使われ、その実績のあることが認められています。ダンスにおけるクラシックバレエと同じく、声について知りたいなら、どこかで声楽には深く関わっておくとよいと思っています。トレーナーもそれぞれに考えが違います。

声楽家の声は、一声でわかります。この声と体が変わるというところは、私がヴォイトレで求めているのと同じです。

特に日本人、日本語、日本を一時、切って、人間として発声の原点に戻して、再び使い方を得ていくプロセスとして、わかりやすいとこともあります。

合唱やミュージカルなどでもなければ、そのままは使わなくてもよいのです。

体のオリジナル、発声原理としてのクラシックとして、体-息-声までつなげて、声の繊細なコントロールを得たら、あとは、あなたが自由に使えばよいのです。そのプロセスで補うべきことがたくさん得られます。

声を充分に共鳴させ、そこでどの音(高さ、発音)も声を動かせるようにして、高低長短をつけ、音程メロディの動きにしていくのが、オーソドックスな歌唱の発声です。

 

 

〇ポップスのトレーナーなら、何を学ぶかを絞り込む

 

それに対して、ポップスのヴォーカル出身のトレーナーは、好き嫌いに偏向しがちです。トレーナー自身が自分の趣向に気づいていないのは、けっこう大きな問題です。しかも中途半端にかなり低いレベルで(ことばや共鳴方法だけ取り出して)使っていることも多いのです。

自分と違うタイプは育てられず(そのよさを理解しない)、同じタイプは自分と同じようにしてしまうか、自分の力以下にとどめてしまいがちです。そのトレーナーの力量以上に育てた実績がないことが多いのが気になります。なかには、ステージ経験だけが頼りで、音声学などに無知の人も少なくありません。

その人の専門を見極めて、そこを学ぶようにするとよいでしょう。

「声や歌とは何か」 No.368

「どうして」の問いに対しては、「どのように(how)」と理由を答えるか、「なぜ(why)」と意味を答えるか、の2通りがあります。

声や歌は「どんなものか」は答えられるでしょう。でも、「なぜあるのか」には、そう簡単には答えられません。

「私にとって」での答えは、一般的には当てはまらないかもしれないし、個々にいろいろな答えがあるのでしょう。

でも、考えてみましょう。シンプルに「楽しいものだから」でよいのかもしれません。

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