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「声の裏ワザ」Vol.4 

〇トレーナーにつくか迷ったら、ついてから考える

 

 迷ったら行動する。すべて体験してみるとよいでしょう。私は十代から声楽も10年以上学びました。他にもいろいろとお世話になりました。声中心に、きっと誰よりもそこに時間とお金を使いました。

 選ぶまでは迷い、迷ったら、世界の果てまで探せばよいでしょう。もしあなたにとってそれが一番大切なことなら。その自分を信じて迷わず、目一杯、吸収しつくすことです。

 最近は、いろんな人が転々としてきます。トレーナー暦をプロフィルにでも入れたいのでしょうか。

「どこでもうまく行かなかった」と、トレーナーを見切ってきた割に、本当の力が全くついていない人が多いのです。時に、「そこでももっと学べたのに」、「学べている人がいるのに」と思わざるをえません。

人間関係、設備、距離やお金などの問題は、それぞれにあると思いますが、第一義のこととは思えません。学び取る力がなければ、どこに行っても同じです。学ぶ力をつけなくてはいけないから、本には学び方を中心にのせるようにしました。

何を学ぶかを教えてくれるのは、小中高校です。本来は、そこで何を学びたいのかを決めて、大学などにいくのでしょう。

あなたはトレーナーのために歌うのではないのです。トレーナーをあなたの表現のために使わなくてはいけないのです。思う存分に使えばよいのです。

 

 

〇トレーナーについたら、その得手を知る

 

 トレーナーにつくのは、より厳しいチェックのためです。そして、必要なことを課題として受けとるためです。

自分ではわからない、みえない、先の問題までみたいときに頼りになります。多くの場合、現状でのアドバイスをもらうためについているようですが。トレーナーにもよるので、そこを見極めていきましょう。

レベルの高い人ところでは、ことばでなく、感覚での伝達となります。そうではない場合、ことばを交わさざるをえません。ことばでのアドバイスがないと、レッスンをしたと思わない人もいます。

ことばに頼りはじめると、本質を見えなくしていくこともあるのです。本を読んで、知識を得て、トレーナーが信じられなくなる人もいます。トレーナーにつくなら、しばらくは本は不要なのです。

一方で、トレーナーについているから、通っているから、うまくなる、安心だというのは問題です。トレーナーを本当に利用しようとしたら、相当なトレーニングで、トレーナーと同じくらいの感覚までアップしないと難しいでしょう。

そうでなければ、カンセリングやストレス解消と割り切って使うのも一手です。自分の作品のコメンテーターとして使う方がよいトレーナーもいます。

知っておいて欲しいのは、トレーナーもそれぞれに得手不得手があるということです。それを見極め、どこまで使うのかもあなたの力量なのです。

 

 

〇トレーナーは、自分のために使う

 

必ずしもトレーナーがあなたへの正答をもっているとは限りません。多くの経験からもっとも適切な処方をもつのがすぐれたトレーナーですが、時には試行錯誤のこともあります。

トレーナーの発声や歌が、必ずしもあなたの手本とは限りません。ポップスのヴォーカルにおいては、資質によって、かなり違ってくるものです。

しかし、声の専門家に値するトレーナーなら、そのアドバイスに一理あるのも確かです。

 習うというのは、一度、無地になり、相手の流儀に従うことでもあります。トレーナーにつく以上は、素直になることです。すべてを疑っていては、得られるものも得られません。すぐには、意味も説明もわからないこともあるでしょう。もし、そのすべてをことばで説明され、わかったところで、大した効果はないでしょう。

声を実感していくこと、あなたの感覚のメモリーがしだいに細かく厳しくなっていくようにしましょう。声を出しているだけでもかまいません。レッスンで何も感じないなら、トレーナーよりもあなた自身のスタンスが問題かもしれません。

 

 

〇ポップス志望でも声楽家で学べるものは大きい

 

 声楽は世界中で声の専門家といえる人材を多数、輩出してきた、つまり発声のメソッドとして、長く使われ、その実績のあることが認められています。ダンスにおけるクラシックバレエと同じく、声について知りたいなら、どこかで声楽には深く関わっておくとよいと思っています。トレーナーもそれぞれに考えが違います。

声楽家の声は、一声でわかります。この声と体が変わるというところは、私がヴォイトレで求めているのと同じです。

特に日本人、日本語、日本を一時、切って、人間として発声の原点に戻して、再び使い方を得ていくプロセスとして、わかりやすいとこともあります。

合唱やミュージカルなどでもなければ、そのままは使わなくてもよいのです。

体のオリジナル、発声原理としてのクラシックとして、体-息-声までつなげて、声の繊細なコントロールを得たら、あとは、あなたが自由に使えばよいのです。そのプロセスで補うべきことがたくさん得られます。

声を充分に共鳴させ、そこでどの音(高さ、発音)も声を動かせるようにして、高低長短をつけ、音程メロディの動きにしていくのが、オーソドックスな歌唱の発声です。

 

 

〇ポップスのトレーナーなら、何を学ぶかを絞り込む

 

それに対して、ポップスのヴォーカル出身のトレーナーは、好き嫌いに偏向しがちです。トレーナー自身が自分の趣向に気づいていないのは、けっこう大きな問題です。しかも中途半端にかなり低いレベルで(ことばや共鳴方法だけ取り出して)使っていることも多いのです。

自分と違うタイプは育てられず(そのよさを理解しない)、同じタイプは自分と同じようにしてしまうか、自分の力以下にとどめてしまいがちです。そのトレーナーの力量以上に育てた実績がないことが多いのが気になります。なかには、ステージ経験だけが頼りで、音声学などに無知の人も少なくありません。

その人の専門を見極めて、そこを学ぶようにするとよいでしょう。

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