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「声の裏ワザ」Vol.5

○確実に上達していくためのプランニングをする

 

確実に上達したいのは、誰もの願いです。しかし、成果は、総合的な結果として出てくるので、ひたすらインプットとアウトプットをしつつ、洗練させていくことです。情熱と時間をかけましょう。

時間と練習場所をキープしましょう。

演出家、プロデューサーのアドバイスが受けられるとさらによいでしょう。

10年の計画を立ててみてください。それがきちんと立てば、実現していきます。

まず、ゴールを決めましょう。今、一番好きな人物の活動などから考えてみるとよいでしょう。

 

 

○ヴォイトレに必要なツール・教材は使い方次第

 

本来、声のアイテムは、あなたの喉(体)と、情熱だけです。しかし、ほかにいろんな道具を使う学び方もあります。古典的なところでは、エンピツ(わりばしやスプーンなど)、ティッシュ、ろうそくなど、さまざまです。ツールもメニュの一つと考えれば、いろんな応用も考えられます。

あとは喉を守るためのもの、体を冷やさないためのもの、体力づくり、スタジオ管理のものなど。

メトロノーム、楽器、ピアノ(キーボード)、楽譜、楽典、楽譜台、空調、加湿器、空気清浄器、マスク、のど飴・・・。しかし、何よりも大切なのは、すぐれた作品と最低限の音響機材ですね。

 

 

○その日に応じた練習にする

 

 喉が疲れているときには、喉に負担をかけるハードなトレーニングはよくありません。喉の状態をよくするためにヴォイストレーニングをするのですから、喉を充分に休ませることが大切です。体と息のトレーニングを中心にしましょう。

 こういうときは、トレーニングそのものよりも、それによって息、呼吸、体をよい状態にすることが目的プラスになると思いましょう。トレーニングは、明日のためにするのです。

 

 

○風邪など、体調の悪いとき

 

 風邪のとき、咳き込むなら、息を吐くトレーニングもやめましょう。咳は声帯にとって、とても悪いのです。こういうときは、風邪が治ったときに、すぐに以前の状態に戻れるためのトレーニングを行なうことです。

体は使わないと衰えますから、病み上がりのときも、声が出にくくなってしまいます。元に戻るのに何週間もかかることもあります。だから、少しでも体を動かしておき、状態が悪くなるのを極力、防ぎましょう。特に呼吸です。これは体だけでなく、心にも言えます。常に楽観的に考えることが大切です。

 

 

○喉のケアと薬

 

 発声練習では、風邪の人がいたり、声帯の充血などで、風邪もひきやすくなります。マスクやのど飴などで予防し、うがいや手洗いをまめにしましょう。ぬるいお湯やお茶を飲むのもよいでしょう。

トローチの服用は、喉に炎症を起こしているとき以外は不用です。たくさん飲むと胃に負担になります。喉を強く刺激するようなもの(メントール系)もいりません。

のど飴は甘くなく、なめているというだけで、唾液の分泌を促すようなものでよいでしょう。

風邪薬の鼻水止めに効く抗ヒスタミン剤や咳止めは、喉を渇かせることがあるようです。(麦門冬湯や響声破笛丸という漢方薬をすすめる医者もいます。)

 

 

○生活習慣について声によくないこと

 

 どのようなスタンスで考えていくかということによります。舞踏家やスポーツ選手にとってよくないことは、発声にとってもよくないと思ってください。

寝不足では、声が出にくくなったり、喉にかかりやすくなります。ということは、声にとってもよくないということなのです。(しかし、一睡もできなかったからといって声が出ないわけではありません。)

ただトレーニング中は、毎日、自分の体調と声とを丹念にチェックしていくので、あまり不安定な要因をつくらないにこしたことはありません。毎日、同じ時間、同じメニュが理想的です。(目的に合わせて変えるのはよいでしょう。)

 

 

○判断基準をアップする

 

 ヴォイストレーニングは、基本を執拗なまでに繰り返す必要があります。ときには単調に感じて、やめたくなるときも出てきます。そういうときに自分に厳しくできる人でなくては、独習は難しいでしょう。

この厳しさというのは、ストイックということよりも、より厳しい判断基準をもって行なうということです。判断基準そのもののレベルアップこそが、決め手です。独習には、あなたにプロの耳と判断力が必要です。

何事も学んだから必ずしもよくなるのではないということを忘れないでください。長くいると、何事も学んでいない人よりもすぐれますが、世の中に問わないと、おごりや慢心が入ってきます。とはいえ、それも含めて本人の力次第なのです。

 

 

○レッスンの使い方

 

 トレーニングというのは基本的には自分でやるものです。それをチェックしたり、新しいアプローチやヒントを授かったりするために習いにいくのです。

 そこで、より深いこと、本物のこと、ある種の真理のようなものに触れ、自分の毎日行っていることの意義や効果を再確認し、そして、さらに修練を積んでいくわけです。

私は、そのようなことを自分で盗める場でなくては、あえて学びにいく必要もないと思います。つまり、いずれは、絶対に一人で行ったり他のところでできないことのためだけに、レッスンを使うようにしていくように、と思っています。

そこにいることで何かトレーニングをやっているつもりになるような、安心感しか与えないところでは、楽しい、落ち着く、親しみがわくだけで、当の目的とそれているのにさえ、気づかなくなっていきます。

自分でできることはすべて自分でやり、自分でできないことだけのために、トレーナーの才能をあなたが最大限に引き出して、使うことです。自主的に学べるようになることからです。

 

 

○一流作品での聞き取りを

 

 世界で一番、自分がうまいと思う人は、日本人のなかにはいないでしょう。ならば、徹底して一流の作品を鑑賞して聞き取ることです。

誰よりも細かいところまで読み取れ、大きな違いに気づけるようになることが、勉強としては一つのやり方です。漠然と聞くのでなく、そういうものを全身で真剣に聞くことで、感覚が変わってくるのです。(レッスンもまた、全身で行う時間です。そうして、格がついてくるのです。)

 

 

  • 鑑賞レポート

 

NO.1  タイトル(作品名)「            」

アーティスト名[               ]       

1.【意図、ポイント】感じたこと、伝えたいこと

       

2.【せりふ、詞】ことば、ストーリー、ドラマ、情景と、その描写など

       

3.【表現基礎】構成、展開、表現、解釈、メロディ、リズム、演奏、アレンジ、など

       

4.【声での表現】声質、声の使い方、みせ方、創意工夫、加工装飾、構成、展開など

 

5.【ことば(せりふ、詞)を記入してください】チェックしたいフレーズを抜き書きしてください。

 

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