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2022年8月

「戯画」(2) Vol.65

<近代・現代>

1862年(~87年)、横浜「The Japan Punch」創刊、イギリス人チャールズ・ワーグマン。(1841年ロンドン「Punch」)

「トバエ」TOBAEなど、フランス人ビゴーらの政局批判、社会風俗描写。

1874年日本人による最初の漫画雑誌「絵新聞日本地」を仮名垣魯(かなかきろ)文(ぶん)が創刊。

1877年「団々(まるまる)珍聞(ちんぶん)」の本多錦吉郎や小林清(きよ)親(ちか)の戯画 明治前半記に政治風刺画、長原止水(しすい)。1878年「驥尾(きび)團子(だんご)」

1896年北沢楽天の杢(もく)兵衛(べえ)・田吾作もの。1905年「東京パック」創刊、「漫画師」と名乗る。

戯画は、大津絵、鳥羽絵・於(お)東京(どけ)絵(え)、狂画、ポンチから、パックの創刊で、[漫画]という呼び名に。1908年小川芋銭「草汁漫画」、1909年小杉未醒「漫画と紀行」。

版画中心の美術雑誌「方寸」に森田恒友、山本鼎(1907年[漫画家]という)らの漫画的作品。河鍋暁斎の戯画本『暁斎酔画』、『暁斎楽画』 子ども漫画本 

1910年飯沢天羊「罵倒漫画」、1911年川端龍子(りゅうし)「漫画東京日記」、1912年森田太三郎(たさぶろう)「名流漫画」。

明治20年代、新聞に漫画。「東京日日新聞」の小林清親、「二六新報」の長原孝太郎、「時事新報」の今泉一瓢(いっぴょう) 

30年代にかけては「團團珍聞」の田口米作、「時事新報」「東京パック」の北沢楽天

大正期:新聞漫画 朝日新聞の岡本一平(漫画漫文、描写の簡略化、長編ストーリー)→1915年、東京漫画界結成。

時事新報の小川治平、国民新聞の池部鈞(ひとし)、毎夕新聞の下川凹天 

朝日新聞掲載の麻生豊の「ノンキナトウサン」「只野凡児」のアメリカ風コミック形式 

昭和初頭:柳瀬正夢を中心とするプロレタリア漫画 第二次「東京パック」からは松山文雄。

小山内竜、小野佐世男などの異色漫画家。新漫画派集団による近藤日出造、横山隆一、杉浦幸雄らは、ナンセンス漫画。

昭和戦前期:円本ブーム 『現代漫画大観』全10巻、『一平全集』全15巻、『楽天全集』全12巻 講談社の『のらくろ』全10巻。

冒険ダン吉、タンク・タンクロ—、フクちゃん、轟先生などのキャラクターで象徴される戦前戦中の漫画は、戦後、貸本漫画・劇画・コミック・ストーリー漫画・マンガなどと名称を変えていく。戦後は、横山泰三、小島巧、長新太。昭和20年代半ば頃まで、子どもは「赤本漫画」を駄菓子屋や縁日の屋台などで横井福次郎・手塚治虫。20年代後半、貸本屋が現れ「貸本漫画本」。

月刊の貸本漫画誌 1956年創刊「影」(日の丸文庫)、1957年創刊「街」(セントラル文庫)

「影」の195712月号、辰巳ヨシヒロの「幽霊タクシー」に劇画工房という言葉が使われ、絵物語と漫画を合わせたような[劇画]が注目。昭和40年代にコミック本、アニメの原作、海外への翻訳出版。平成以降、海外で「マンガ」定着、ウェブマンガ。日本のコミックは、アニメ化や翻訳によって世界に普及する。

「歌の裏ワザ」Vol.8

〇ハスキーヴォイスやシャウトは応用

 

 プロには、ハスキーな声の歌手もたくさんいます。私は、声が悪そうでも、鍛えられていて再現性がきけばよいと判断しています。しかし、ヴォイストレーニングでは、そういう方向を目指すのは稀です。

基本を習得し、あとでどこまで応用できるかで試すのです。その応用で許されるレベルに入っていたら、そういう声も、その人には使えるといえます。

声は声そのもので勝負するわけではないのですが、持って生まれたものを充分に生かすことです。自分のやりたいことや好きなことと、できることは(高いレベルでは)違うことを知ってください。

 

 

〇歌の芯

 

ハスキーな声もシャウトも、プロは歌の芯が見えているのです。つまり、息の線でしっかりと演奏しているものに音色(声)がついたといってもよいでしょう。楽器としての喉の確保ができていない人が、その声の音色や出し方そのものを真似るのは危険です。

 サッチモやジャニス・ジョプリンは、喉も強かったのでしょうが、使い方が理にかなっていたのです。ダミ声?とんでもありません。演奏として、理にかなった使い方が、結果としてできているからこそ、その声が柔軟に動き、そのパワーに多くのファンがいるのです。

 反面、ビロードのような声(プレスリーやシナトラの若い頃)は、もって生まれたものではありますが、理想的な声の美しいひびきです。喉の状態からみて、発声上は、こちらの声の使い方をお勧めせざるをえません。

 

 

○ハスキーヴォイス、シャウトの歌手

 

・ペギー・リー  ・シャーデー  ・ブルース・スプリングスティーン  ・ブライアン・アダムス  ・クリス・レア  ・トム・ウェイツ  ・レイ・チャールズ  ・ベット・ミドラー  ・クリス・コナー  ・ケイウンスク  ・内藤やす子 ・もんたよしのり ・葛城ユキ ・中村あゆみ 

 

ジャズでは器楽的な音として声を使うことが発達しました。

1920年代のジャズ

キャブ・キャロウェイ

 

ロバート・プラント

イアン・ギラン

デヴィッド・カヴァーデイル

 

ただ、大声を出すと、喉の調子が損なわれます。シャウトについても、

1.手本、2.選択、3.自分のベター、4.自分のベストという順で育てましょう。ドス声、おどし声、泣き声、怒り声、自分のもっているいろんな声のことを考えましょう。

 

 

〇声を伸ばすより切ること

 

あなたの歌いたい歌のなかで、どこで本当に声を伸ばさなくてはいけないのかを考えてみましょう。案外と伸ばす必要のない箇所が多いはずです。

 プロは歯切れよく、言葉を切って歌っています。伸ばすところは考えて伸ばしているのです。アマチュアの人はどこもかしこも伸ばして歌う人が多いです。歌にしまりがないのです。

ですから、最初に考えることは、伸ばすことよりも、できるかぎりリズミカルに言い切って歌えないかということです。その上で、歌い上げたいところ、伸ばしたいところを厳選するのです。お手本の歌手の通りに歌わなくてもよいのです。自分でアレンジして歌ってみてください。

 

 

〇声が固い、ツヤがないなら、出しすぎないこと

 

普段の声から固いという場合もあります。これらすべての声の固さ、ツヤがない、柔らかみがないというのも、その人の声の特徴というよりは、声がうまく使えていないために障害をきたしている状態です。

 大きな声を出しすぎている人は、トーン・ダウンしてみてください。特に高音はあまり出さずにゆっくりと歌ってみてください。そこで、リラックスして強い息を使わず、確実に声にしてみてください。かすれたり、声が割れたりするのはよくありません。

 声を柔らかくするトレーニングとしては、鼻音(カ、キ、ク、ケ、コ)やマ行を使うと効果的です。

 

 

〇マイクと音響での調整

 

マイクのポジションをチェックしてください。

大きな声で歌う人は、口からマイクを離しすぎることが多いようです。マイクによって声の固さ、柔らかさを調節してみてください。

最近では、声量のない人が多いので、全体的にヴォリュームを上げがちです。そこに大きな声を使うから、思わずマイクを遠ざけてしまうようです。こういうときはヴォリュームの方を調節するのです。

小さく高く出すのが苦手な人は、声を大きく出して、声帯に力が入っていたり、のを詰めているのです。

さほど大きな声を出さない人にも、歌うときにのどをしめつける人が少なくありません。小さな声しか出せない人は、ひびかないので、マイクを通すと固く聞こえます。

「声の裏ワザ」Vol.8

  • トレーナーの指導法

 

トレーナーや本が、発声の基礎をきちんと踏まえていないか、踏まえているのに説明しないの、ただ、中途半端に説明するなら、しないほうがよいとも思われます。

私は、本を読んだ人には、レッスンでは本のことも忘れてもらいます。そのためのレッスンというスタンスだからです。

長く続けばあるべきところへ戻されていくのに、効果がないとか、逆効果だと見切って途中でやめるから、本来の効果まで達しないことがほとんどなのです。

 

 

〇ストライクゾーンで

 

 声優には、若くして抜擢され、アニメ声や他の役柄の声を与えられる人がいます。そこは、演出としてみて、トレーニングとしては、その人のベターをベストにする方向をそらしてはなりません。そこがその人のストライクゾーンだからです。

 日本人の声は生声っぽく浅いのですが、役者も(アナウンサーにもいます)、十年、二十年とプロの深い声になっていきます。それは表現活動が優先されるために、おのずと自分の中心で動かせる声が選ばれ、人に働きかける声が選ばれ、磨かれていくからです。(再現性、応用性のある声が選ばれます。)

 

「スタートラインに立つ」 No.372

大体の人にとっては、一流で素晴らしいもの、天才的なものは、自分からかけ離れたものであり、接点がつかないものです。

自分には、わけのわからないもの、そこから入ることが、大きく伸びる秘訣です。

大体は、自分でもできそう、やってみたいから入るわけです。そのくらいの程度を目的としているので、大体は、普通で終わるのです。

そのうち、とてもできそうでないものに出会えたら、幸運です。できると思っていたことが、とても難しく果てしない道だと理解できたら、大体、挫折します。そこから、ようやく歩み出せるのです。“大体”から脱するわけです。

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