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「歌の裏ワザ」 Vol.10

〇英語は、強い呼気と強アクセントで発音

 

英語では、舌や唇をしっかりと使わなくては発音自体ができない場合があります。特に呼気(ブレス)は、日本語よりかなり強くします。

H・・・ブレスを強くします。

W・・・ uよりもさらに唇を突き出します。

Y・・・唇を横に引っ張ります。

N・・・舌の先端部を上あごにつける(ナ行は舌の中心部を上あごにつけている)。特にNIはヌィに近いようです。 シナトラの“New York New York”は、「ヌィーヨーク、ヌィーヨーク」に聞こえませんか。

th・・・「ザ」よりも「ダ」に近い。

 

子音を無理にでもしっかりと言うことです。特に最後のSは抜かしてはいけません。

 ここで、息のトレーニングがものを言います。日本語の発音のような浅い息では、なかなか英語らしい発音に聞こえないのです。

 

 日本語を音楽的に使えるようにしていくには、イタリア語あたりの発声から始めるのもよいと思っています。一時、発声を発音に優先してもよいでしょう。

 私は、世界中で使われ、なまりも許されている英語に限って言うなら、日本語なまりでも充分だと思っています。LとRなどを言い分けるよりも、説得力のある声にする方がずっと大切なはずです。

 

 

○子音の調音点を使った発声器官のブラッシュアップ

 

英語などを歌うときに素早く口の動き、子音の発音などにもつながります。

スキャット da  ba  la  ya  pa  の組み合わせなど

パパー ラパパッ(「ろくでなし」)

シャバダバダ、シャバダバダ (「11PM」)

 

 

〇リズムの変化は、プレイヤーマニュアルで

 

まずは、カウントをとりましょう。

曲のイントロから、ワン、トゥ、スリー、フォーと一曲すべて、カウント出しします。

8ビート(8feel)は、表(ダウンビート)裏(アフタービート)かイーブン(同じ)です。

ドラムのハイハット(8拍)と、スネア(強拍のダウンビート3、7)と、バス・ドラム(キック、ダウンビート1、3、5、7)を聞き分けましょう。

 

 

○構成をつかむ

 

曲は、およそ4つが単位になっているのが多いと思ってください。起承転結で4つ、メロディをみても、たとえば、AABAなどとなっているものが多いでしょう。それぞれを、さらに4+4+4+4で分けてみましょう。(BをB1+B2+B3+B4のように)

 

 

○アウフタクト

 

 四拍子では強-弱-中強-弱、三拍子では強-弱-弱となります。歌の中では、四拍子で四拍目から始まっても、強く出始める人が多いようです。これは弱く立ち上がるわけですから静かに入ります。これをアウフタクトといいます。(テレサ・テンの「別れの予感」や、谷村新司の「昴」など)

 

 

○シンコペーション(切分音)

 

 リズムに変化をつけるために、強弱をずらす場合があります。歌が単調にならないためによく使われます。これをシンコペーションといいます。体で覚えていくと軽快な切れが出て、歌がひきたちます。

シンコペーションは、タイのときと強拍のところが休符になるときがあります。

 

シンコペーション(切分音)に慣れましょう。

裏拍と表拍がつながり、アクセントが裏にうつります

(例)タンタンタヌキの  タンタターヌキの

  •  ● ● ●   ●  ●

 

 

○タイ

 

同じ高さの二つの音を結び弧線で表されます。二つの音が結ばれて、その二つの長さ分の音になります。二音が一音となって伸ばして歌うと、最初の音の方にアクセントがつきます。弱拍のところからタイ記号がつき、そこが強拍となります。これもシンコペーションです。

 

 

○スラー

 

 タイが同じ高さの二つの音につくのに対して、異なる高さの二音以上の音符につくのがスラーです。これは、スラーの部分を滑らかに歌うということです。途中でブレスをしないように気をつけましょう。スラーにおいても、スラーをかけた最初の音は強拍になります。タイと同じようにシンコペーションになるときもあります。

 

 

〇リズムにのる

 

リズミカルな曲、アップ・テンポのリズムの曲は、伴奏がリズムを強く刻んでくれます。何回もかけて、体を動かしましょう。

リズムを手足や足先でとる人がいますが、できるだけ体全体で感じながら身につけましょう。

 曲の前奏に入ったときにはもちろん、その前にスタンバイしたときから、曲のリズムに体を乗せておくことです。ステージの脇で、すでに歌う曲のリズムを体で現しておきましょう。

 曲のなかでは、足やひざなどでリズムを取るのも悪くはありません。リズムをとっている体の動き自体も、歌の表現のひとつとなりますから、自由にしぜんと体を動かしたほうがよいでしょう。自信のない人は、いつも手足で刻んでいましょう。

 

 

〇リズムをメトロノームだけで歌う

 

8ビートを重点的に学んでおくと、ほとんどの曲はカバーできます。そこからいくつかのパターンに応用してみましょう。

 メトロノームで、やってください。ひざや机を叩いたり、足を動かしてやってみるとよいでしょう。

 同じ曲のテンポを変えてみて、曲の感じの変化をつかんでください。

♪=80 ♪=120 ♪=60

 

ワン、ツー、スリー、フォー

これで、ワンを大きく言う

次に、ツー、フォーを大きく言う

 

このワンと言っている間に「ワンエン(ド)」と2倍の速さで言ってみてください。

 この「エン」にあたる部分が裏拍、それ以外が表拍です。ここで、ツー、フォーにアクセントをつけると、8ビートになるわけです。

 少し応用してみましょう。

ワン エン ツー エン スリー エン フォー エン

(1)(2) (③) (4) (5) (6) (⑦) (8)

 

16ビート 4拍で16なら、1拍で4つです。

日本語には、長さの等時性があるので、それを利用します。

3連符の練習は、サクラサクラ~~、5連符のは、サクラサクのように、機械的にいうと、均等に切れていくのです。

タタタタ  ダタタタ  タタタタ  ダタタタ

ドレミファ ソー××  ソファミレ ドー××

 

 

〇客のノリではなくリズムのノリでのせる

 

(1)~(8)のうち、○印の数字に強くアクセントをおいてみてください。

(①)(2)(③)(4)(⑤)(6)(7)(⑧)

(1)(②)(3)(④)(⑤)(6)(7)(⑧)

(①)(2)(3)(④)(⑤)(6)(7)(⑧)

(1)(2)(③)(4)(5)(6)(⑦)(⑧)

 

複合リズムパターンも覚えておきましょう。

 これは二小節で一つのパターンとなりますから、(1)~(8)+(9)~(16)で繰り返します。

(①)(2)(3)(④)(5)(6)(⑦)(8)

(9)(10)(⑪)(12)(13)(⑭)(15)(16

(①)(2)(3)(4)(⑤)(6)(7)(8)

(⑨)(10)(11)(12)(⑬)(⑭)(⑮)(16

(1)(2)(3)(4)(⑤)(6)(7)(⑧)

(9)(⑩)(11)(12)(13)(14)(15)(16

 

 次に三拍子のトレーニングです。ワルツやマーチがその代表です。

ワン エン ツー エン スリー エン

(1)(2)(3) (4) (5) (6)

ワンを強く出してやってみましょう。

(①)(2)(3)

他のところもアクセントをおいてみましょう。

(1)(2)(③)

(1)(②)(3)

 

 三連もトレーニングしておきましょう。バラード系の歌によく使われるリズムです。

ダ  タ  タ    ダ  タ  タ

  • )(2)(3) (④)(5)(6)
  • )(2)(③) (④)(5)(⑥)

(1)(②)(3) (4)(⑤)(6)

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