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閑話休題 Vol.68「庭園」(2)

<歴史>

古代:池泉舟遊(ちせんしゅうゆう)式(池泉周遊式)

庭園は古代から仏教世界の中心とされてきた須弥山を表す石の山のまわりに配する。

推古天皇「須弥山(しゅみせん)」と「呉橋(くれのはし)」。百済の帰化人の路子工(みちのこのたくみ)。

『懐風藻』(751年)中国古来の三月上己の曲水宴を日本的風物に詠い込んだ日本的曲水観と見る。中国色を巧みに日本の風物に調和。吉野川(離宮)、大堰川(嵐山)など海浜・荒磯・島など景勝地の印象を描写。瀬戸内海 築山・池・島・白砂・水流・滝などの自然要素で構成される伝統様式。

 

平安時代:京都の山紫水明 平安時代の寝殿造り庭園 奈良時代から海景の縮景庭園

平安中期 浄土宗の影響で西方浄土の極楽に見立てた浄土庭園、橘俊綱が書いたといわれる『作庭記』。 四季折々を歌に詠む情緒的な文学の世界。

 

中世:中世―座観式、定視式、鑑賞式、茶庭(ちゃにわ)式、露地式

源頼朝の鎌倉永福寺、浄土式庭園形式。西園寺公経の北山第。足利義満の舎利殿(金閣寺)。

夢窓疎石の西芳寺の庭 石組みの最高峰。天龍寺(京都)、瑞泉寺(鎌倉)。

枯山水庭園では、大徳寺大仙院、龍安寺方丈石庭。

わび茶のための庭園空間が露地。海景から深山へ。待庵露地、官休庵露地など。

 

鎌倉時代:「造園のプロ」の登場「石(いし)(だて)(そう)」 

仏教寺院は宗教的雰囲気、寺の荘厳のため。

写景、写意、象徴化(書における楷書、行書、草書、生け花における真、行、草)。

 

近世:池泉回遊式。大名の屋敷に廻遊式庭園。築山中心の池泉回遊式庭園として、小石川後楽園、兼六園、後楽園、栗林公園、水前寺成趣園。

 

近現代:自然主義、自然風景式、日本庭園を併設 洋風化しなかった。

19世紀後半、欧米でジャポニスムの流行 庭石・太鼓橋・灯篭・茶室 

1893年『日本庭園入門』イギリス人建築家ジョサイア・コンドル

小沢圭次郎 1915年『明治庭園記』。近藤正一『名園五十種』。

磯谷宗庸の三菱深川親睦園日本庭園内の洋館はジョサイア・コンドルが手がけた

小川治兵衛(植治)は、京都の南禅寺近辺に野村碧雲荘、平安神宮神苑、八坂神社神苑、円山公園、長浜の慶雲館本庭。

大江新太郎1924年「作庭意匠」。築山、平庭、露地の3つの分類に壷庭と崖庭。

1919年に日本庭園協会が設立。古宇田實、保岡勝也、重森三玲、龍居松之助、吉永義信、森蘊ら。

昭和の造園は「用」と「景」、「環境」と「芸術」に二極化。建築では用と美、土木では用強美、造園では用と景は、実用性、機能性。「景」は、景観性、美観性。イサム・ノグチの「モエレ沼公園」。

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