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閑話休題 Vol.73「日本酒」(2)

<工程と材料>

精米、洗米、浸(しん)(せき)、蒸(じょう)(まい)、麴造り、酒母(しゅぼ)造り、仕込み、もろみ造り、上槽(じょうそう)、火入れ、貯蔵、加水、瓶詰め、ラベル張り、出荷の順。

日本酒ならではの工程が、蒸米、麴造り、酒母造り。米には糖分が含まれていないので麴によってデンプンを糖化させてから酵母を加える。米を蒸してデンプンが分解しやすい状態にしてから麴菌を増やす。麴菌がデンプンを糖に変えている最中に酵母を投入、酒の素となる酒母を作る。

日本酒を作る麹:黄麹菌/アスペルギルス・オリゼ

 

米:「酒造好適米」(「酒米」)を使う。人気の酒造好適米4種:1位.山田錦(兵庫産)、2位.五百石(北陸地方)、3位.美山錦(長野県や東北地方)、4位.雄町(岡山県雄町)※山田錦と五百石で酒米の作付面積60

水:硬水使用が多い。「灘の宮(みや)(みず)」は硬水、カリウム、リン、マグネシウムなどミネラル分の多い硬水の酒は発酵が早く、辛口でキレがいい。軟水は米の香りを残したまろやかな味。日本では、水に近い方がいいお酒、クセのない方がいいお酒という嗜好「ワインは油絵、日本酒は墨絵」。

 

<味わい>

[a軽やか(辛口)、bしっかり(甘口)]×香り[c香り高い、d穏やか]

acフルーティ:淡白な味や薄味の料理が合う、タイ、スズキなど白身の魚「紀土(きつど)無量山(むりょうざん)」(和歌山県)、「大吟醸玉鋼(たまはがね)()瓶囲(びんがこ)い」(島根県)

ad軽快:油の少ないコハダの酢〆など「播州(ばんしゅう)一献(いっこん)純米超辛口」(兵庫県)、「日高(ひたか)()純米初しぼり無濾過生酒」(宮城県)

bc熟成:濃い味や甘みの強い料理、漬けマグロなど「木()戸泉(どいずみ)秘蔵純米古酒十年」(千葉県)、「七本(しちほん)(やり)山廃純米2017」(滋賀県)

bd旨口:マグロ中トロ、ブリなど「COWBOY(カウボーイ) YAMAHAI(ヤマハイ)」(新潟県)、「龍力(たつりき)特別純米生酛(きもと)仕込み」(兵庫県)

・「瓶内2次発酵タイプ」:殺菌などのための火入れをしないので瓶の中で発酵が続く。「南部美人あわざけスパークリング」(岩手県)

・「活性にごりタイプ」:発酵途中のもろみ(蒸し米に麴などを加えた日本酒の素)を粗漉しして瓶に詰める。「るみ子の酒特別純米活性濁り生原酒」(三重県)

・「炭酸ガス注入タイプ」:清酒に炭酸を入れる。「一代弥山(みせん)スパークリング」(広島県)

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