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2024年1月

閑話休題 Vol.82「薙刀」(2)

〇歴史

 

人が最初に手にした武器は石でした。石器を発明し、石刀、石鏃(セキゾク)を持つようになり、これを棒の先につけて石槍とします。さらに金属を用いた鉾、長刀と長い柄の武器が出てきます。

薙刀は、「菖蒲造」と呼ばれる形の刀身を、長い柄の先に付けたのがはじまりです。9世紀半ばから矛に代わって使われ始めました。

長い柄の先に刀身が組まれているので、離れた距離からの斬り付けられ、騎馬武者のように弓が扱えない下級武士や雑兵に薙刀は広く使われました。平安末期の源平合戦には僧兵が好んで用いました。

 

鎌倉時代 柄(つか)の長さ約4尺、刃の長さ約3尺で総長約7尺と、比較して短いのが特徴です。遠距離から馬上で弓を射る騎射で名乗りを上げて一騎討ちを行うには、手持ちの武器による接近戦(打物戦)が行われます。やがて、戦闘が、徒戦(かちいくさ)となると、薙刀は武士から足軽まで広く用いらます。

鎌倉時代頃から刀身の身幅を広げて、反りを強くした形状に変わりました。重量を増すため、棟(むね:刃先と反対側)側に山型の突起を付けた薙刀が制作されます。

一騎打ちが、戦闘方法として主流となっていたので、長いリーチを取って相手を攻撃できる薙刀が重用されたのです。

武蔵坊弁慶が義経と五条大橋で振って戦ったのが薙刀です。

♪京の五条の橋の上、大の男の弁慶が、長い薙刀振りかぶり、牛若めがけて斬り掛かる

 

南北朝時代 長大に発達しました。なかには、柄の長さ約5尺、刃の長さ63寸で総長約113寸(約333cm)の大薙刀も制作さました。

小薙刀では、柄の長さ約3尺、刃の長さ22寸という寸法の薙刀が制作され、歩兵の主要武器として使用されました。馬上の武器としては太刀、大太刀、槍、鉞なども使われたが、薙刀が一般的でした。

斬るだけではなく、刺突や石突を使用した打突、柄での打撃ができる薙刀は、騎射技術を失った南北朝時代や室町時代、武士の重要な武器でした。大薙刀では、敵の騎馬の足を薙ぎ払って落馬させました。

南北朝時代後半には、長巻、槍が、戦国時代には、火縄銃が出現して、薙刀は使われなくなっていきます。

応仁の乱の頃より、足軽による集団戦に変わりました。重量のある薙刀を振り回すと、誤って味方を討ってしまうことになりかねません。

槍は、薙刀と同様に長い間合いがある分、足軽なども容易に扱うことができ、甲冑の隙間から相手を突き刺しダメージを与えられます。

 

室町時代 柄の長さ9尺、刃の長さ2尺となり、柄の長さに比べて、刃が短くなります。

 

江戸時代 武士の間では、薙刀は嫁入り道具として定着、美術品としての需要が高まります。名工による刀身を用い、拵は金梨子地、蒔絵、螺鈿などの細工を施し、鞘も実用を外れた特異な形状や豪華な仕上げ。刀身のみならず拵や鞘も合わせて文化財指定された薙刀もあります。これら江戸期の鞘には、家紋が入れられています。女性が菩提寺に奉納することもありました。武道としての薙刀術が確立、各藩で様々な流派が生まれます。

薙刀や槍は、武の威力の象徴として大名行列の先頭に立てられました。

 

明治時代 刃の反り具合から、反りの大きい「巴形」、反りの小さい「静形」と分けられる。撃剣興行で人気。明治中期以降、女子武道として薙刀が重視されるようになり、多くの女学校で薙刀の授業が行われます。大日本武徳会は、昭和9年に薙刀術教員養成所を設立します。

 

大正時代 太平洋戦争後にかけて、女性のたしなむ武道。

 

昭和30年、山内幸子元公爵夫人を会長に全日本なぎなた連盟が発足します。ひらがなでの、なぎなた、に統一します。

 

現在 0地方の伝統芸能や古流武術としての薙刀を伝承する団体が現存。武道・競技としての「なぎなた」が学生の部活動など。

全日本なぎなた連盟によって現代武道として制定されています。天道流、直心影流、戸田派武甲流、楊心流などがあります。剣道などとの異種試合もあります。すね当てを着用します。

「リズムなぎなた」も人気。外国人の人気も高く、海外からの参加者も多いようです。

漫画「あさひなぐ」は、作者こざき亜衣が2011年よりビッグコミックスピリッツで連載されヒットしました。女子高生もの。後に映画、舞台化します。伊丹市でコラボし、なぎなたの街伊丹として地域振興に供しています。

「ヴォーカルトレーニングの全て」 Vol.7

○伝わる声こそ、正しい声

 

ことば1つをとっても、それを本当に伝えて相手の気持ちを動かそうとするときには、体や息が使われるでしょう。その感覚をより確実にパワフルに伝えようとすることで、声の可能性、能力も開いていくのです。

 音楽的な才能を伸ばすには、一流の音楽をよく聴き、よく感じることです。精神的な成長により、人間として偉大で奥深く畏敬ある表現を極めること、精神的に覚醒し、感覚を研ぎ澄ますこと、これは実際の能力よりも、どれだけ意欲をもち、真摯に取り組み続けるかということがあって初めて、才能が問われます。

 

私は時折、よい例、悪い例をみせます。何が正しいのかは、すぐにわかります。

伝えようと本気になったとき、働く声、つまりテンション高く体と心と声とが一体になったもの(人間の遺伝子レベルの情報です)<A>、悪い見本のときは、伝えようと思わない、するとテンションが下がり、部分的に声が働き、状態が悪く出ます<B>

トレーニングは、それらとは違います。そこに表現がいるのです。

 そのことによって、発声器官が本来の機能を取り戻していくのです。そこから、自然な声が発現されていきます。

1.伝わらない声 2.伝えようとする声 3.伝わってしまう声の順に向上させていくのです。

 しっかりと音声で伝えられない人は、しっかりとは歌えないでしょう。伝えようとする強い意志があれば、ことばが音声と融合してきます。

すでに知られている世界、あなた自身が決めつけていた世界から、あなた本来の持つ未知の能力を掘り出す世界への探究が、ヴォイストレーニングなのです。

 

〇日本語を音楽的にこなすには

 

 日本語は、第1音節が低く、第2音節が高いことが多く、それに対し、拍は第1拍が強いから矛盾が生じやすく、難しくなります。日本語は、必ずしも低いところを弱く、高いところを強く発音するのではないからです。このへんは、1音ずつ均等の長さにわけず、フレーズのなかで、ことばのイントネーションを生かすように処理していくとよいでしょう。

 音色も変えるのではなく、表現に応じて自動的に変えていく、伝えるイメージによって自然と最もよくなってしまうようでなくてはなりません。発声器官をコントロールして変えようなどとは思わないことです。

 

[発声]

 声を出すときには一瞬にして、母音、ピッチ、音量が定まります。息を声音にすることを声立てといいます。

1.二重母音:2つの母音を1音にするつもりで発声してください。

  ea(エアー)

  ua(ウアー)

  oa(オアー)

  ia(イアー)

  ae(アエー)

  au(アウー)

  ao(アオー)

  ai(アイー)

 

2.こんどは3つの母音です。

  eae(エアエ)

  uau(ウアウ)

  oao(オアオ)

  iai(イアイ)

  aea(アエア)

  aua(アウア)

  aoa(アオア)

  aia(アイア)

 

〇日本語の特質を知っておこう

 

 「A」の響きのまま、「EIOU」と深みが保てるように言ってみてください。日本語のアは浅いので、のどを開き、声を落とさずに出すことです。外国語の母音のなかで最も深い音を使ってトレーニングしてみるとよいでしょう。

 強弱アクセントを利用して、ボールがポンポンと跳ねていくように、ことばを送っていきましょう。ことばが流暢に出て、止まらないようにしましょう。この前へ前へと流れていく動きこそ、ことばがリズムを伴ったときに、音楽的になっていくための第一歩なのです。

 強アクセントのくる母音は長母音が多いので、強くなるとともに長くなりやすいのです(伸ばすのでなく、切り込みを鋭くしましょう)。

ことばの強拍と音楽の強拍が一致すると、自然に前へとことばが動いてきます。アイススケートで左右の足が交互に出て推進力を得るようにです。

 

 欧米人にとっては、すべての音節を同じ長さで発音することはありません。そこで「福島」を「フクシイマア」などというわけです。「シイ」にアクセントがつき、強く、伸び、結果として音楽的になるのです。ことば自体が、ズッター、ズッター(弱強弱強)とかタンタッタッ(強弱弱)というリズム(律)を持っているのです。

 日本語は等拍(長さ)ですから、文字の数で数え、しかも均等においていきます。強弱より高低に区わけがいき、前に行けないのです。従って歌うのも大変です。動き、流れがないから、いつもそれを作らなくてはならないのです。

そのため、ことばでの処理と別に必要以上に長く揺らす、ヴィブラートでの感情移入という、音楽的表現が切り離して発展しました。

 欧米人なら、ことばを自然に歌にすればよいのに、日本の歌は、大げさに歌わなくてはならなくなるのです。そこから、どうしても不自然になります。(お客さんの聞き方の問題もあります。)

 

 たとえば日本語の助詞は、強い拍にきたら、めんどうになります。メロディやフレージングでもメリハリはつけにくく、自然とディミニュエンド(だんだん弱く)させたり、響きに逃がすようになりがちです。(外国人には、日本語は銃弾のように聞こえるそうです。「オ・ハ・ヨ・ゴ・ザ・イ・マ・ス」。)

 日本語は、頭にアクセントがきているので、アクセントが1拍目にあるような場合は比較的、歌いやすいのです。しかし、その場合も頭打ちなので、その後の流れは出にくいのです(アフタービートの弱さ)。

 ピアニストでも、かつての日本人は、頭打ちでポツリポツリと切れるのに対し、海外の人は、後打ちで、ズダーン、ズダーンと次に流れを持っていくので、歌っていてものりやすいのです。あるいは極端なヴィブラートをつけ、音声処理してしまう歌手(多くは声楽出身)も、うまくありません。

 これらのことを含めて考えてみると、発声を日本語でなくイタリア語あたりで習得することは、理にかなったことでしょう。つまり、イタリア語で学んだフレーズの感覚やセンスで日本語を処理して、しかも、日本人に伝わるように歌詞の見せ方を考え、歌うというステップを踏んだ方が、実際のところ、早いようです。「NHKイタリア語会話」など、お勧めです。

 

〇母音のトレーニング

 

 日本人の声は、薄くひらべったく浅いのです。ここは、欧米人の深い発声を見習った方がよいでしょう。外国人の映画の俳優やキャスターを手本に発声(発音でなく)トレーニングをしましょう。日本人のアナウンサーは、この点ではあまりお手本になりません。

 出だしを高め強め、一音単位にすべての音をはっきりという、しかも高低アクセントに気をつける、これは日本人が歌を習って歌うとき(あるいは、音程のための「コールユーブンゲン」を使う練習法)に似ています。

 

○母音

 

 すべて、のどをあけて同じように響くようにしていくことです。たとえばイタリア語は、ことばの最後以外はすべて母音とともに発声されます。

 支えが浅く、胸に力が入っていると、ふるえ声(トレモロ)になります。

 日本語は、子音が発音上、独立することがあります。たとえば、スーパーのスはsuですが、スケートのスはsで母音のuがつきません。トレーニングでは、カタカナで読んだままの発声ではよくないのです。(子供の教科書読みのようなものです。音は、はっきりしているのに、逆に内容が伝わらない、心を打たないのです。)

 それでは、やってみましょう。一番、出しやすい高さの音でやってください。

「よい声になれるヴォイストレーニング~声の科学」 Vol.5

〇男性の声の高音化現象

 

以前の日本人の男性の声は、基本周波数が150ヘルツくらいで、300ヘルツ以上の声を出すことはほとんどありませんでした。しかし、最近では驚いたときや感情をぶつけたいときに、そのくらいの高周波数を出すことが珍しくなくなってきています。

高音を出すのは声を聞こえやすく、通りやすくしようとするからです。周波数の幅が広がって、抑揚がつくので、注意を喚起し、声を伝えやすくしているのです。

職業や客層にもよります。

 

〇性別も声紋分析ならば間違わない

 

たいてい声変わりは、十代半ばに起こります。男性は、声帯の振動数が大きく変わって低い声になります。思春期以降であれば、声を聞くだけでそれが男性なのか、女性なのか判別できます。ただ、声の低い女性、声の高い男性などといった例外もあります。電話で声を聞いたときに男性なのか、女性なのかがわからないといったケースも起こります。

 

〇なぜ声で年齢がわかるのか

 

年齢も、声紋分析によってほぼ正確に判別できる要素です。

声は25歳を過ぎるころから少しずつ衰えていきます。声帯と、口の構えを作る筋肉、神経の伝達能力が劣化するためです。脳神経が声帯と口の構えは指令を出しますが、脳神経自体も衰えます。声紋にあらわれる口や喉の奥の筋肉の老化状態を読み取っていくと、年齢は5歳刻みで推測することができるという研究者もいます。

たとえば「アー」と声を伸ばしたとき、若い人なら波形の揺れが少なく、年齢をとるほどに揺れは大きくなります。筋肉の衰えが起きて、声帯を長い間、同じ状態に維持することができなくなるからです。口の形も一定に保てなくなります。

また、年をとると肺からも一定の圧力で空気を送り込むことが難しくなります。つまり、加齢とともに、声帯の状態、口の形、肺から送る空気などを一定に保つことが困難になり、それが声紋の波形にあらわれてしまうのです。

高齢者の声がかれてくるのは、咽喉内の粘膜が老化して、喉に炎症が起きたときと同じように粘膜に凹凸ができてくるからです。肺から送られた空気がこの凹凸を通過するときにいくつかの渦が生じ、かすれた声を作り出すのです。肌や体や脳の老化に個人差があるように、声の老化にも個人差はあります。ですが、急に声を「若作り」しても、声紋分析すればわかってしまうそうです。

 

〇赤ちゃんの泣き声はサイレン

 

<赤ちゃんの泣き声が遠くまでよく聞こえるのは、ヴォリユームが大きいというよりも、人によく聞こえる周波数だからです。救急車のサイレンとほぼ同じ25004500ヘルツで、人間の耳の感度のいいところを本能的に捉えています。

この泣き声を分析すると、「おなかがすいている」「眠い」「苦しい、痛い」「さびしい」という、おもに4種類の感情にわけられます。>

一般的にいって通じやすい声の基本は、お腹からの腹式呼吸で出す声です。これは、人にとって聞きやすい、2500ヘルツから4000ヘルツ付近の音がよく出るのです。

 

〇体調判断も声でできる

 

風邪をひいたときには、声が悪くなります。これは、喉や鼻に炎症が起こり、痰がからむなど、共鳴体の大きさも形も微妙に変わってくるからです。体調が悪いと、体力も失われます。すると、腹筋を使った発声ができなくなります。それらによって、声自体にも変化が生じるのです。

喉に炎症を起こした場合は、声帯や声道の状態も変わります。摩擦音を発することもあります。すると声がかれる状態となります。さらに症状が悪化して気管支炎になると、呼吸が気管支を通るたびにゼーゼーといった音が鳴るようになります。

声によって体調を判断するのは比較的容易なことなのです。

 

〇自分のよいときの声を聞いてまねする

 

自分の絶好調のときの声を録音しておき、それを聞きながら、その声が出るまで、トレーニングを重ねるとよいでしょう。また、声は体調のバロメーターとしても活用できます。体調がすぐれず腹筋に力が入らなければ、声も低くなるからです。

「イーロン・マスク氏の3つのミッション」 No.389

「何が最も人類の未来を左右するのかを考えた。

その結果3つの領域が最も重要だと思うに至った。

1つ目はインターネット、2つ目は持続可能エネルギー、3つ目は宇宙開発だ。」

イーロン・マスク氏のことばです。

 

そして、彼は、学生時代の夢を遂げていったのです。

幼い頃、いじめられたため、SFの世界へのめり込んだそうです。

 

この3つは、ペイパル、スペースエックス、テスラに当たります。

今や、彼は、全米一、37兆円の資産を持ちます。

 

ロケット3回の打ち上げ失敗の直後、

「楽観的、悲観的、そんなことは知らん、やり遂げる、

地獄なぞ、ものともせず、必ずやり遂げると、神に誓うことだ。」

 

当時、婚約していた女性によると、

「寝てるのに、突然叫びだし、私にしがみついてきたりするんです。

内臓に来てしまって、叫んでは吐いていました。

私はトイレで横から彼の頭を支えてあげました。」

(10/5国際報道「イーロン・マスクの素顔と野望」)

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