« 2024年4月 | トップページ | 2024年6月 »

2024年5月

閑話休題 Vol.86「槍」(1)

〇定義

 

槍は、長い柄の先に刀剣を付けた武器。「穂」と「柄」を組み合わせた武器。

穂は、槍の先端部に付ける刀身部分。

「長柄槍」では約20cm、「大身槍」(穂が長い槍)では約60cm前後と、槍の種類によってその大きさは違う。

柄は、槍や刀剣を手で持つところで、強度が左右される部分です。

長柄槍では約46m前後、大身槍では4m、記録上では8m前後の柄も存在しました。

 

鎗、鑓とも書く。現代中国語で、「槍」(qiāng, ㄑㄧㄤ)という漢字は銃を表す(本来の槍と区別するために、銃を「火槍」と表記することもある)。

日本で槍が使われた例は、絵画では『紙本著色拾遺古徳伝』(元亨3年(1323年))

「やり」という日本語は、建武政権期に大光寺合戦(1333年–1334年)で「矢利」が使用されたのが初出である。

 

剣と並ぶ、手元用の戦闘武器だが、剣と違って切断ではなく刺突を目的とする武器。

衝撃に耐え得るように分厚く丈夫に作られている。

長さは一般的には2mから3m前後(身長の倍くらい)だが、大規模な歩兵戦が行われた時代には4mから6m以上の槍も用いられた。

室内での戦いや個人戦闘といった場所で使う事を目的に作られた長さが1m前後の短槍もある。投擲に用いる槍も存在する(投槍)。

 

柄の長い刀(剣)は、長刀・薙刀(ナギナタ)、長柄刀となり、刃渡りを得るために槍よりも刃が大きくなり、バランスをとるために柄は短めになる。

 

旧石器時代から槍状の武器は用いられていた。鉄砲・銃が台頭するまでは、剣と並んで戦場での主力武器。

槍は、世界中で近接戦の主力武器として最も使用されました。

槍を扱う武術は「槍術(そうじゅつ)」という武術があり、剣術などと並んで流派が今も多く存在します。

 

〇歴史

 

弥生時代。槍の前身である矛が使用されています。

藤原氏初期の伝記「藤氏家伝」(とうしかでん)には、宴会の席で酔った「天武天皇」が床に槍を刺したとあります。この時期の主力武器は矛、盾、弓でした。

 

鎌倉時代。武器は、薙ぎ払うことに特化した長柄の武器「薙刀」や太刀で、矛は一時的に姿を消します。

 

安土桃山時代になって、戦闘形式が騎馬戦から徒歩戦、個人戦から集団戦へと移行したことで、薙刀よりも槍の方が有用となりました。

 

近世以降は銃剣を着剣した小銃が狭義の槍になるが、その使用法は槍そのものである。

 

江戸時代になると、槍は大名の格式を表す道具、武術「槍術」(そうじゅつ)として様々な流派が生み出されます。

「ヴォーカルトレーニングの全て」 Vol.11 

〇声量について

 

 フレージングのなかで用いられる音の強弱について、もう少し詳しく説明します。

 音量の大小は、fmfpmpppなどで表されます。f(フォルテ)がついていたら大きく歌い、p(ピアノ)では小さくします。クレッシェンド、デクレッシェンドも使います。

 しかし、これらは声量の大小でなく、表現の強弱といった方がよいのです。これが、何デシベル(db)というように単純な音圧ではないのです。

 声の大小は、表現の強弱にそのままつながりません。声の大小は、出す側の感じで、表現の強弱はお客の方での受け止め方だからです。むしろ、p…緻密 f…ひろがり、と捉えるとよいでしょう。

 つまり、音量、声量というのは、聞く人には相対的なものです。ある音に対してそれまでより少しでも大きくなれば、それは大きく聞こえます。何デシベルだから、大きいとか小さいということではありません(もちろん、どなり声なら100デシベルで大きいなどと、いえなくもありませんが…)。

 大きな声が出てもまったく表現力がない人もいれば、小さな声しか出なくても驚くべき表現力をもっている人も少なくありません。

特にポピュラーではマイクを使うので、発声のよしあし、特に声やひびきのコントロールがシビアに問われます。

 しかし、そのことが、大きなスケールのヴォーカリストを生みにくくしているのも確かでしょう。

 大きな声で歌えるようにトレーニングすると、身体がついてきます。身体が鍛えられ、呼吸のコントロールも自由になります。当然のことながら、声も自然に出るようになってきます。

 ところが多くの人は、早くからマイクを使って歌い、それをフィードバックするので、口先だけでの音量調節、せいぜい不器用に響きの方向を変えるくらいのことしかしなくなるのです。カラオケのようにエコーがついていると、身体から鍛えることは不要であり、本当の声量を出すことが不可能となります。

 マイクで歌うとうまく聞こえるという人は、要注意です。カラオケでのトレーニングは、よほどキャリアがしっかりとしていない場合は、大して伸びないことが多いようです。特に声に関しては、です。

 

[感情を表現する]

強く感情を込めて表現してみましょう。最初は大きな声で、次に小さな声で。

1)あなたと離れてくらした日々

2)いつしれず変わってしまったのは

3)ときの流れゆくままに

4)雨はやんで、あなたは去った

5)遠くで希望をみつめながら

 

前のことばに次の感情を込めて表現してみましょう。

1)あまい

2)さびしい

3)悲しい

4)せつない

5)腹立たしい

 

〇フレージングとメリハリ

 

 f(フォルテ)は、「感情を強く」、p(ピアノ)は「感情を弱く」です。表現の度合としては、弱い声でも感情が強く伝わるということもありますから、ややこしいのですが、とにかく、歌の場合、1曲を通して、何かを伝え続けるための起伏、波であると捉えてください。

 声はその内容に関心のある人は大きく聞こえ、関心がない人には聞こえにくくなります。聞く人の注意、集中力にかかっています。そのため、聞き手を引き込み、驚かせたり、心地よくしたりするようにみせなくてはなりません。

 一本調子だと、聞く方は慣れて飽きて、聞かなくなってしまいます。声を張り上げても、単にうるさいだけのノイズになります。マイクのヴォリュームを絞られ、終わりです。

 声量の使い方は、発声や歌い方の問題と直結します。が、表現内容との一致、さらにパフォーマンスやステージとも大きく結びついているだけに、わかりにくいのです。

 

 発声では、自分の声がどう出ていて、それが聞いている人にどのような効果を生じているかまで、感じなくてはなりません。変化のない声量、単調な音色は、お客を飽きさせます。

 

○ヴォリューム感の変化

 

 ヴォーカリストはリラックスして歌いますが、歌のなかでは、表現にたるみは許されません。それをさけるため、前打ちにしたり、シンコペーションをつけるときもあります。音量、音色での調整もできます。だらだらとなってしまうことは最大のタブーです。

 そのための驚きと意外性は、メリハリやff(フォルテッシモ)とpp(ピアニッシモ)クレッシェンドとデクレッシェンドなどでの組み合わせです。しかし、身体が充分に使えていなくては、その変化が表現と一致しません。すると、聞いている人にうまく伝わりません。

 

○構成、コントラストでみせる

 

 強く、あるいは弱く表現をしたいときの、一番、簡単な方法は、その表現の前でセーブしておくことです。つまり、PPの前はやや強く、ffの前はやや弱くしておくのです。すると、コントラストをより明確にできます。

普通は、盛り上げるときには、506070と考えます。しかし多くの人が実際にそうしているつもりでも、声では、505560くらい、表現としては、505255くらいとしか伝わっていません。

もし、506070と伝えたければ、身体としては、5070100くらいに使っていかなくてはならないからです。しかも、しぜんに。

 しかし、504070とすると、同じ70でも、100も使わず、まさに70のままで70を伝えられます。これは、60に対して70より、40に対して70を使った方が、大きく強く聞こえるからです。逆に弱くしていくときも同じです。

 

○声量より、メモリ幅

 

 私が思うに、プロのヴォーカリストは、050100幅の声量のレンジをもちます。アマチュアは、それに対して304050くらいです。一声だけでも、そのくらい違います。その上に、それをコントロールする繊細な力までいれると無限の差がついてきます。それは、5051の間に10のメモリが刻めるかというようなものです。

 

 プロのヴォーカリストの声量を聞いてあんな声はでないというまえに、最少の声量、感情表記のp(ピアノ)やpp(ピアニッシモ)にも注目してください。

あなたよりも、小さな声が出る、いえ、使っているのです。これは、小さな声にもきちんと身体がついているからです。

 

○小さな声、弱い声とテンション

 

 多くの人は、あるレベル以上に小さな声になると、ことばもピッチも狂いがちになり、表現ものってきません。0というのは息です。息から息をほんの少し声にしたところでさえ、彼らは歌えるのです。

 リラックスをして、少し大きな声を出してみましょう。これを40くらいとしましょう。これは、一番歌いやすい声で、最もあなたの声の音色がうまくでる声です。

これを強くしていくと、少しずつ身体に負担がきます。そして、50を超え、6070となり、80くらいのff(フォルテッシモ)では、全身(むしろ、全霊、身体でなくテンションの問題です)を使う感覚となります。

逆に弱くしていくと、30くらいまでは何とか同じ状態を保てる人でも、さらに、2010pp(ピアニッシモ)にすると、やはり身体に相当の負荷がかかってきます。息との結びつきだけで出る声になってくるからです。息との結びつきだけで出る声になってくるからです(ここで述べた声量と身体の関係は、そのまま声域(ff-高音、pp-低音)とおきかえられます)。

 私の声は小さく出しても、かなり広い範囲で多くの人に聞こえます。普通の人の声では、かなり集中してもらわないと、聞きとってもらえないでしょう。

その代わり、多くの人は、まったく感じない負荷を私は身体に感じます。

 ポップスのヴォーカリストなら日常会話の声がそのままリズムかメロディを伴うと歌になるくらいのレベルをめざして欲しいものです。シャンソン歌手のエディット・ピアフは、「電話帳を読んでも歌になる」と言われました。

 

[ヴォリュームをコントロールする]

強くから弱くしてみましょう。

1)あなた あなた あなた

2)おーい おーい おーい

 

弱くから強くしてみましょう。

1)あなたの あなたの あなたの

2)えーい えーい えーい

 

強くから弱くして強くしてみましょう。

1)ハイ ハイ ハイ

2)ライ ライ ライ

 

次のことばを、強弱をいろいろと変えて言ってみましょう。

1)いのち かけて いつまでも

2)いまは もう 戻れない 

3)ハイ あおい ラララ

 

小さな声で身体から表現してみましょう。

1)小さい夢をみつけた 心の片隅に

2)愛の甘いゆめ、熱く燃える心

 

「よい声になれるヴォイストレーニング~声の科学」 Vol.9

〇うるさい音、嫌な音

 

人間だけでなく動物にも共通することですが、本能的に嫌な音、たとえば爆発音などを嫌い、逃げる性質を持っています。つい身構えてしまうのは、そのせいです。

自分が過去にその音が嫌いになるような経験をしたため、その音がすると、反射的に嫌な音と判断することもあります。

人は、衝撃音が不規則に連続すると嫌な音と感じるのです。これが、恐怖を感じる音ともいえます。

たとえば、黒板を爪でひっかく音(黒板には見えない凹凸があり、爪でひっかくと、凸の部分と爪とがぶつかる音が不規則に繰り返され)は、不快な音になります。

それなのに、バイオリンの音も弓で弦をひっかく衝撃音の連続なのに、美しい音に聞こえます。なぜなら、バイオリンの音には規則性があるからです。もちろん、下手なバイオリニストの音は、聞くとストレスです。

これらは、声にも当てはまります。

 

〇声のくせは、個性とは違うのか

 

声のくせは、その人の声の特徴ですから、個性といえなくはありません。しかし、もって生まれた声を充分に生かしきっている、といえないから、くせと思われるのです。

ガサついている声は比較的、大きな声を出している人に多くみられます。声帯に力が入っていたり、喉や口内が詰まったりしているのが主な原因です。

喉をしめつけるくせがついている人もいます。

小さな声しか出ない人は、響きが出てこないので、硬く聞こえます。聞きづらい声というのは、うまく使えていないから共鳴していないのです。決して生まれつきということではありません。

まず、間違ったイメージや思い込みをとることです。他の人の声やその使い方の影響もこれに入ります。自分に合っていない声を出そうとすると、無理が生じます。

次に、発声上の問題です。高い声や大きな声を出しすぎている人は、低音でゆっくりと出してください。リラックスして、強い息を使わずに声を出します。かすれたり、喉にひっかかるのはよくありません。

最後に、発音の問題があります。

身体や息のトレーニングで、イメージとしては、少しでもお腹から(できたら背骨から)息が流れるようにしましょう。喉から上ではなく、お腹全体に意識をもって出すことです。

 

〇自分の声を聞いて、矯正する

 

A.キンキン声、金切り声

これは、頭のてっぺんから出る声で女性に多いのですが、男性にもみられます。男性では背が低く太っている人に多いようです。声は通りますが、カン高いため、抜けて出てくるだけで、本当に響きがよいのとは違います。

自分の声を高めに思い込んで喉をしめて出していることがほとんどの原因です。まずは、ことばをしっかりと深く話すことから始めましょう。低い声の「ハイ」で胸の響きを感じましょう。

 

B.かすれ声(嗄声)

かすれている声、息もれする声は、高音に届きにくく、響きに欠けます。鼻に抜けて、いつもかぜ気味の声のような人もいます。

これは、息がうまく声にならないため、無理に喉に力を入れて押し出すときに表れます。息を浅く短く吐きすぎ、声を出すのに不しぜんにつくっているのです。裏声にも切り替えにくく、つまってきます。発音は不明瞭で、柔軟性に欠けます。

急にたくさんの声を長時間使うと、喉が疲れ、響きの焦点が合わず、声が広がってしまいます。「声立て」(息を声に変えること)が雑で、力でぶつけて出す人に多くみられます。あごや喉が硬く、よくない状態での発声です。

 

C.しゃがれ声、にごり声

あまりに声が出しにくい場合は、声の診断を受けてください。多くは、「声立て」の問題です。脱力して呼吸で支え、発声の感覚を養いましょう。

ハスキー・ヴォイス、セクシー・ヴォイスといわれることもあります。こういう声は、日本では、とくに女性はコンプレックスを抱くようですが、外国の女優にはたくさんいます。その声を聞いて自信をもってください。

 

D.小さい声、細い声

外見的には、あごや首、体格などが弱々しい人、または、その人の内向的な性格からきていることも多いようです。大きな声をあまり使わなかったのでしょう。

体力、集中力づくり、身体の柔軟から始めることです。なるべく前方に声を放って出すことを意識しましょう。声を出す機会を多くとってください。

 

〇モテない理由は声の使い方にある

 

第一印象というのは、見た目がいちばんです。ところが、声の質やトーンも重要なポイントです。

かつて、モテない度ランキングで常連の出川哲郎さんの場合、「声がうるさい」「声がきたない」「不快」など、声の印象も相当悪かったようです。

出川さんの声は、本当は、とてもよい声です。じつによく通る声なのです。

ただ、喋り方で損をしているのです。

まず早口のために、言っていることが理解しにくい。

「かんべんしてくださいよ〜」と、だらしなく伸びる語尾に好感を持てる人も、いないはずです。

 

〇声のタイプ

 

ここで、簡単に声のタイプを分けてみます。

あなた自身の声やまわりの人の声では、どれが思い当たりますか。

カン高い声………声帯が疲れやすく、声が割れる。

キンキン声………金切り声、金属的に響き、不快。

かすれ声…………息の音が多くて、聞き取りにくい。

ぜいぜい声………息苦しくて、ひどいカゼのように聞こえる。

こもった声………口のなかでモゴモゴと、ことばがはっきりしない。

鼻声・甘え声……やや高めで鼻にかける。日本ではかわいらしさと思われている。

 

やわらかい声……やさしく包容力がある。

響く声……………耳にやさしく響くくらいならよい。

なめらかな声……流れるような感じで快い。

よく通る声………うるさいなかでも、聞こえる、疲れない。

 

まず、自分の声に関心を持つこと、次に、いろんな声をしっかりと聞くことです。

生の声とその使い方は、違うものです。生の声をよくするには、次の3つが必要です。

・自分のなかの最もよい声を知り、とり出すこと(ベターな声)

・その声をよりよくしていくということ(ベストの声へ)

・よくない声をよくしていくこと(もしくは使わないこと)

 

声をどのように使っていくかということも、大切なことです。持って生まれた声がよくなくても、使い方がよければ、むしろ個性的で魅力ある声になることが多いのです。

「幸福の条件」 No.393

人間は何に幸福を感じるのでしょう。

ミシガン州立大学の20万人分のデータのメタ分析によると、次の4つだそうです。

自治、多様性、困難、貢献。

 

実のところ、自分の人生を自分でどのぐらい自由にコントロールできているかということです。

このなかでは、影響が大きいのが、貢献といわれています。

他人のために今、自分が何をできているかということです。

誰かの役に立っていること、それが何かを考えてみるとよいでしょう。

« 2024年4月 | トップページ | 2024年6月 »

ブレスヴォイストレーニング研究所ホームページ

ブレスヴォイストレーニング研究所 レッスン受講資料請求

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

発声と音声表現のQ&A

ヴォイトレレッスンの日々

2.ヴォイトレの論点