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2024年6月

閑話休題 Vol.87「槍」(2)

〇使い方

 

槍のメリットは、間合いの広さです。離れた場所から刀剣や盾の相手へ攻撃したり、振り回せます。短くすれば近接戦闘にも対応できたと言います。

戦闘時に相手との距離がとれることによる恐怖感の少なさや振りまわすことによる打撃や刺突など基本操作や用途が簡便なため、練度の低い徴用兵を戦力化するにも適する。

剣よりも刃先に使用される石(黒曜石など)や金属(青銅、鉄など)が少なく済む。

 

欠点としては、大型ゆえ閉所での戦闘には向かないことや、長い柄が不利に転じ得る、携帯に不便などである。

 

担架やもっこの代用品として負傷者や荷物などを運ぶ道具。旗竿、軍旗や優勝旗などの旗竿はしばしば槍を模した穂先などの装飾。

複数の槍を使って壁を作る、物干し竿代わりにするなどにも使われました。

 

投擲用の槍は、独自の発展を遂げた。古代ローマのピルムは最も高度に発展したものの一つ。弓がなかったアフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、ニューギニア島、ポリネシア・メラネシア・ミクロネシア太平洋諸島圏及びハワイ諸島、南米奥地などでは、近代まで狩猟具や武器として用いられてきた。

飛距離を増大させる槍投器が世界各地から発掘されている。

現在の陸上競技でも投げた槍の飛距離を争う、やり投があります。

 

〇種類

 

大身槍 穂が長い槍のこと。

柄の形状は、扱いやすいように穂よりも短く、太くなるのが特徴です。穂の長さが長大になればそれだけ重量が増し、扱いにくくなるため、大身槍を扱うことができたのは筋力と腕力が優れた使い手でした。

史上最も有名な3口の槍「天下三名槍」(てんがさんめいそう)が、大身槍です。

菊池槍 短刀に長い柄を付けた槍。

刀身に短刀を使用しているため、片刃となっている。1336年の「箱根・竹ノ下の戦い」「菊池武重」(きくちたけしげ)が竹の先に短刀を縛って武器としたことがはじまり。

刃長は6寸(約18cm)前後と1尺(約30cm)前後の2種類があり、後者は「数取り」(かずとり)、隊長が所持していました。長さが異なる菊池槍で、一目見て兵士の数が分かるようにしたのです。

 

鎌槍 穂の側面に「鎌」と呼ばれる枝刃が付いた槍のこと。相手の足を斬る目的で付けられたと言われる一方で、深く貫きすぎることを防ぐ役割ももっていました。

片方だけに鎌が付いた槍を「片鎌槍」(かたかまやり)、十字に鎌が付いた槍を「十文字槍」(じゅうもんじやり)、「両鎌槍」(りょうかまやり)、「十字槍」(じゅうじやり)と呼びます。

 

十文字槍には、左右の枝刃の長さが異なる「片鎌十文字槍」、鳥が飛び立つ様子に似た「千鳥十文字槍」、枝刃の取り外しが可能な「掛け外し十文字槍」。

左右の鎌が上下向きになっている「上下鎌十文字槍」(または「卍鎌槍」)など様々な種類がありますが、費用がかかるため、主に大将が使用していました。

戦国武将「真田幸村」(真田信繁)は、「大坂冬の陣・夏の陣」で朱色の十文字槍を持ち、騎乗で「徳川家康」のいる本陣へ突撃したという逸話。真田幸村は、この活躍から「日本一の兵」(ひのもといちのつわもの)と呼ばれるようになりました。

 

袋槍 穂の茎(なかご:刀身の中でも柄に収める部分)が筒状になった槍のこと。「かぶせ槍」とも呼ばれており、穂の着脱が容易なため、近くの竹などを切り出して先端に差し込めば急造の槍として使用できました。

明治時代まで全国展開した刀工一派「信国派」の中でも、筑前で活躍した信国派は槍の制作を得意としており、多くの袋槍を遺したことで知られています。

 

管槍(くだやり 穂に近い柄の上方に鉄製の管を嵌めた槍のこと。管を嵌めることで素早く刺突ができるようになるため、「早槍」とも呼ばれます。

江戸時代 近松門左衛門」は、浄瑠璃「堀川波鼓」(ほりかわなみのつづみ)で「きぬは紅梅、魚(うお)は鯛、云(い)ふも管槍、人は武士」(花であれば桜、魚であれば鯛、槍であれば管槍、人であれば武士が最も優れている)と記した。

管槍を考案したのは、槍術家の「伊東佐忠」(いとうすけただ)。伊東佐忠は、戦場で左手を負傷した際、槍に管を嵌めて扱いやすくした。特に尾張藩で発達。

 

 

蜻蛉切(とんぼぎり) 正式名称を「槍 銘 藤原正真作」(号 蜻蛉切)、徳川家康の重臣「本多忠勝」が愛用した笹穂型の大身槍。笹穂型とは、刀身が笹の葉に似ている。刃長は43.7cm、柄の長さは約6mあったが、晩年は約90cmに詰められました。名称の由来は、壁に立て掛けてあった槍の刃に触れた蜻蛉が真っ二つに切れたことから、天下三名槍の中で最も切れ味が優れていたことを示す。

 

日本号(にほんごう/ひのもとごう)は、正式名称を「槍 無銘(名物 日本号)」。「正親町天皇」から「足利義昭」「織田信長」「豊臣秀吉」「福島正則」に渡り、黒田家へ伝来した大身槍です。刃長79.2cm、茎長80.3cm、拵を含めた全長は321.5cm。正三位の位を賜ったという言い伝えから「槍に三位の位あり」と謳われた名槍で、「黒田長政」の家臣「母里友信」(もりとものぶ)が酒飲み対決で福島正則を圧倒した末に譲り受けた。この逸話から「呑み取りの槍」という別名が付けられ、民謡「黒田節」が生まれました。

 

御手杵(おてぎね)は、正式名称を「槍 銘 義助作」。鞘の形状が手杵(てぎね:餅つきに使う道具)に似ている。刃長4尺6寸(約139cm)、茎を含めると7尺1寸(約215cm)、鋒/切先(きっさき)から石突(いしづき:柄の先端)までの全長は11丈1尺(約333.3cm)、刃長は「天下三名槍」でも最大級。

下総国の大名「結城晴朝」(ゆうきはるとも)が、戦場での首級を槍に刺して帰城した際、ひとつの首が転がり落ち、手杵のように見えたため、手杵形の鞘を作りました。

「ヴォーカルトレーニングの全て」 Vol.12

〇声は表現から定まる

 

 単に声量の変化だけでは歌は聞かせられません。ヴォーカリストは歌の案内役です。少なくとも、聞いている人に先を越されぬようリードし、どの一瞬も、ことば、メロディ、フレージング、リズム、センスなどで聞きごたえを与え続けなくてはなりません。

 一本調子の歌は、何も生み出せません。もたないから、きき手にヴォーカリストの歌うところの先にいかれます。結末までの流れまでをすべて見抜かれてしまうのです。それでは、聞くところがありません。

退屈な時間を与えるのは罪です。ヴォーカリストは、演奏中、ずっとその流れを引っぱり、楽しませてあげなくてはならないのです。

 そのために、声量の変化とともに、音色の変化が欠かせません。(※統一した音色をもって、自由に変じる。つまり、変じるために統一したものが必要で、それがベースだったのです。もちろん、歌い手には、変化させずに歌う人も少なくありません。)

 音色はつくるのではありません。正しい発声であれば、それぞれの声域、声量にあわせて、色つや、響きが出てきます。

発声は統一しているのですが、その表現によって、音色は、ことばやリズム、センスに伴って微妙に変わるものです。喜怒哀楽を中心とした感情や歌の背景にあるものを表現できるようになっていきます。

 

○ステージの環境

 

 バンドでやるときには、ドラムやギタリストなどと音量を張り合わないこと、各パートのバランスをしっかりととることが大切です。日本のヴォーカリストは声量がないので、バンドのヴォリュームを絞るべきでしょう。

 声域、声量によって、それぞれにでてくる音色をミックスさせたり、違うレンジで自由自在に使うのが、声の技術です。

そのためのトレーニングがあるのではなく、歌のなかでの表現から音色が決まってくるのです。強く激しい、柔らかく甘い、おっとりとおだやか、などと、伝えたい内容を最も効果的に表現できるベースの声でどのレンジも統一して、歌いわけていきます。

ですから、プロは曲の組み合わせをいろいろと変えながら、お客を飽きさせずに1曲のなかでもみせ、さらに何曲も聞かせ続けられるのでしょう。その表現が音色を選び全体を構成し統一していくのが、ヴォーカリストの世界です。

 高いところは輝き、スリリングで、中間は説得力があり、低いところはしびれるような声区別の発声でパターン化させただけでは、ワンパターンです。さらに音楽に結びつけて、深めていく必要があります。

 常にステージに立っているイメージでトレーニングすることをお勧めします。できるかぎり、大きな空間を意識して、しっかりと歌いましょう。

 最初からマイクに頼らないことです。マイクに頼らずに仕上げておけば、本番はマイクが助けてくれます。もちろん、マイクの性質は知っておきましょう。

 リハーサルと本番も、音そのものの響きや聞こえ方は違うので、自分の身体の感覚で覚えておくことです。観客がいると音が吸い込まれる分、音も変わります。モニターがよく聞こえる位置に立ったり、マイクの特性を観客席に行なって確認するくらいのチェックはしたいものです。

 

[メロディを表現するトレーニング]

ことばでしっかりと感情を込めて読んでから、低いところでメロディをつけてみましょう。

ここで使う声域は、ラシドレミファソの1オクターブです。(ラ、シは、ドより低い音で)

1)あなたを愛することを(レミファレドレミドミレラ)

2)よあけのひかりに(ドソソソファミファ)

3)はじめて知った(レミファレシドレ)

4)ゆめはすべて くだけちった(ファミファミレド ファミファミファソ)

 

次に少し高いところでやってみてください。

さらに高いところでやってみてください。

 

〇ヴィブラート

 

 歌声を聞いてプロだと感じさせる要素の1つは、心地よいヴィブラートです。わずか1フレーズでも、プロだとわかるのは、ヴィブラートのもたらす明瞭で活き活きした、自然で躍動感のある声の動きです。その声の動きに、メリハリ、ヴォリュームがついているので、一本調子にはなりません。

 ヴィブラートは、しばしば間違って解釈されます。混同されているのが、トレモロや声の揺れです。これは、いけないものです。それをヴィブラートといって、教える人もいます。

 ヴィブラートは直接にコントロールできるものではなく、声の動きのなかで生じてくるものです。無理につけようとしないことです。

 すぐれたヴォーカリストは、ヴィブラートによって流れをつくり出します。よいヴィブラートであれば、スムーズにレガートで音程やことばのつなぎなどに荒れが感じられるはずです。変にかけると、不自然な声となります(これを難なく聞かせてしまうため、ヴォーカリストが上達しない原因の一つがエコー(リヴァーブ)装置です。カラオケは、これが苦手な日本人を助ける魔法の装置です。)。

 ヴィブラートと大げさに言わずとも、しっかりしたトレーニングでは、常に発声に伴っています。

声を伸ばしていくと、しっかりした芯が一本通っていて、声そのもののヴォリュームのキープが確実にできるようになります。その上でゆらぎが生じるのです(1秒間に6回くらいの規則正しい周期をもったものといわれます)。揺れ幅は、音量が増したり、高音になると大きくなります。

 これがヴォリューム感であり、情感をゆすぶる表現と直接に結びついています。高音の方が感情表現しやすいのも、揺れ幅が大きくなるからです(ピッチのゆらぎが大きくなります)。

 ヴィブラートがついていないと、喉が緊張して、柔軟性のない重く固定された薄っぺらい声か、がさつく声となります。これでは素早い音程の変化やことばの変化に、うまくついていけません。(ノンヴィブラート唱法とか言う人もいますが、程度問題です。)

 声量や声域を伸ばしていくのは、ヴィブラートによるフレージングともいえます。

 喉声で力まかせに歌う人は、生声になり、不規則な周期の揺れとなります。もっと悪いのは、息の支えなしに歌っている人です。こういう人は、喉声であることさえ、気づいていないのです。

(ところが、それでうまいと勘違いするのが多くのカラオケ愛好家たちです。)高音や声量を上げたとき、あごや舌、喉が緊張するのは、そのためです。

逆に声を胸に押しつけたような発声では、音程などが狂いやすく、高いところや低いところで声が出にくくなります。本当は、息の支えの上で“浮いている”ような、声をとらなくてはいけないのです。

 

[ヴィブラートのための準備練習]

声を伸ばして、ことばをいってみましょう。

1)オーイ ハァーイ

2)ヤーイ エーイ

3)ラララーララー

4)イーチニィーノサァーン

5)マママーマーマー

 

しっかりとお腹から声を出して、やや早めにいってみましょう。

1)レロレロレロレロ

2)ラレラリラルラロ

3)ラレリロルレラロ

4)ランラララララン

5)タッタッタッンタンタタ

 

ドレミレドの音階で低いところから、半音ずつ高いところへ移行しましょう。

1)ガーゲーギーゴーグー

2)ゲーゲーゲーゲーゲー

3)ガーガーガーガーガー

4)ラーラーラーラーラー

5)アーオーイーアーオー

 

〇ことばの響きの統一

 

 響きに流れてことばが何を言っているのかよく聞きとれない。部分的にキンキン響いたり、かすれ声となる。このように、いくら声が響いても、ことばそのものが壊れてしまっては仕方ありません。

 高音で「アエイオウ」と言おうとすると、どうしても、ことばが流れがちになります。しかし、そこで、ことばを捉えなくてはならないのです。そのためには、喉が開いていて、深いところで声をキャッチしていることが必要なのです。この点では、一流の声楽家と一流のポピュラー・ヴォーカリストは共通しています。

 ことばを区別するより、ことばをつなげるトレーニングが優先します。自分のなかで最も、深く出しやすい母音を選び、そこから各音に展開したり、その逆を行ないます。さらに、その応用パターンを行なってみましょう。

 これは、できたら、メッサ・ディ・ヴォーチェ(弱-強-弱)で膨らませるように行なうと効果的です。徹底して低音で声のきっかけ(声たて)と息とのミックスをマスターした上で、中音域に入っていくことです。

 そこで問題なければ、中音域から高音域にかけて、これをトレーニングしてみます。芯がついた声に自然と頭声の響きがのっていくことで、感情表現に自在に対応できる声となってきます。

 声をとりにいく力は、声となったところで抜きます☆。決して、力で押しつけてはなりません。脱力によってのみ、胸声、頭声のバランスは自然に保たれ、理想的な声がそこで発見できるのです。一本、縦に線が通り、声が自由にそこを移動できる感覚です。その声のみ、確実に私たちがキープし、歌に自由自在に使えるものです。

 

[ことばをつなげるトレーニング]

(アを中心とする例)

アーイ アーウ アーエ アーオ

イーア ウーア エーア オーア

 

アーイーア アーウーア

アーエーア アーオーア

イーアーイ ウーアーウ

エーアーエ オーアーオ

(以下、イ、ウ、エ、オを中心にやってみましょう)

「よい声になれるヴォイストレーニング~声の科学」 Vol.10

〇暗い声の人は、明るい声にして幸運を

 

暗い声を明るくする方法

舌がうまく前に動かないと、こもります。喉の奥、舌のつけ根に響きがこもっているのです。これは、寝起き状態と同じです。舌を高くし、前に声を集めるようにします。話し声も、やや高めにするとよいでしょう。

「イ」の口形で、アエイオウを言います。

「イエイアイオイウ」「イ」は、もっとも明るい母音です。(明るいものから順に「イエアオウ」、子音のtがイの位置と同じです。)

「ガナタラバパ」をくり返す。(タラは、舌先で発します)

「バベビボブ、パペピポプ、マメミモム」

声をのみ込むような状態で、奥の方でしゃべっているようであるなら、軟口蓋と歯を意識して、唇を使う音で顔面にもってくるようにします。(バ、パ、マ行がよいでしょう。)

 

〇太った方が、声が出るのか

 

オペラ歌手などのイメージからでしょうか。「太った方が声が出やすいのですか」などと聞かれることがあります。体格のよさや首の太さなどは確かに、声に有利な要素のひとつかもしれません。しかし、そうでないから不利ということではありません。無理に体型を変えようとしなくてもよいでしょう。

声楽家のなかには、太っている人の方がよい声だというイメージもあり、体重を増やしたり、胸筋などを鍛えたりしている人もいます。役者などは、役作りにも関わるでしょう。人それぞれです。

ただ、極端なダイエットは声によくありません。「変えられないものは考えない」「変えられるものも、その必要性をまず考える」ことでしょう。その上で判断してください。

 

・暗い声

エネルギーが弱い、声が小さい、聞き取りにくいというのが暗い声といえる。肺から声帯を振るわせる空気のスピードが遅くなればなるほど、周波数が小さく、力強く張れば張るほど、声は高くなるということがいえる。

 

・明るい声

声が明るいというのは、発声にエネルギーを費やしているということがいえる。

 

〇声は似させても無理がくる

 

声には、先天的なところと後天的なところがあります。厳密には、指紋と同じで、“一人ひとり”声紋は違うので、他人と全く同じにはなれません。声帯や発声器官での限界もあります。

男性が女性の声でしゃべろうとしても、不しぜんになります。もしその声を自分の普段の声として使うのなら、仕事にも耐えられないでしょう。あなたのイメージも異なってきます。できたら、選ばない方がよいでしょう。そこが楽器を学ぶことと違っています。

相手とあなたの骨格、声の発声器官などが近ければ、似せるのは比較的容易です。しかし、あまりお勧めしません。声や歌は、けっこう加工できるので、それをわかりにくくしてしまいます。

成果をあげたいなら、好き嫌いはさておき、「自分がもって生まれた楽器をきちんと使いこなすことに目標を絞る」ということです。つまり、神様が、あるいはあなたの先祖代々、ご両親が与えてくれた「あなたの体という楽器を目一杯、生かすこと」こそが、もっとも有利なことだということに早く気づいてください。

 

〇日本人の声に、メリハリ、インパクトはつくのか

 

欧米圏の言語を話す人の声との大きな違いの原因となっているのは、高低アクセントと浅い発声ポジションで成り立つ日本語そのものの性質、そしてコミュニケーションに対する日本人の考え方です。

たとえば、日本とは、それなりの年齢をした女性が子供のように甘えた声ではしゃいだ話し方をするなど、声への偏ったイメージづくりがあります。大人としてのよい声のイメージがもてないといってもよいでしょう。

日本人では、声をぶつけあい主張し合うような風潮がなく、明瞭に断定する表現をさける傾向にあります。つまり、声にメリハリなどがあまり必要とされなかったのです。話し方も声もあいまいなものの方がよかったのです。

この音声への認識力の弱さと、その効果的な使用法への無頓着さは、寡黙なのをよしとした日本の文化、風土の影響を抜きに語れません。そのため、音声表現力においては、日本は未だ三等国から脱しえていないのです。

 

〇誰でもなりたい声になれるわけではない

 

ヴォイストレーニングに対して、

「どんな声でも出ますか」

「高い声、大きな声が出ますか」

「せりふや歌がうまくなりますか」

「声帯など発声器官も変わりますか」

などと聞かれることがあります。

声という音の発信源としての楽器が体ですから、声帯など、自分のもつ発声器官で決まることが大きいのです。体格、首などと、発声器官も、大きく関係します。

声帯を中心とした発声器官自体は、トレーニングで変わっていくところもあります。そこが、変わらなくても、声の出し方で変えることもできますので、心配する必要はありません。

「心配することが、発声を一番悪くする」のです。

 

〇喉に力が入っていませんか。

 

喉をあける方法

次の順でやってみてください。

1.あごをひく

ほとんどの人は、あごがまえに出ているので、斜めうしろにひくことです。胸の位置を少しあげてからひくと、首や喉を圧迫しません。親指であごを強く押してみてください。この状態で声を出すとよいです。

2.舌は平らにする

喉がつまる原因の一つに、舌が硬くなることがあります。舌根(舌の奥の方)が盛り上がると、口の中が狭くなり、変に共鳴した、つめた声となります。すると、音色も発音も不安定になります。舌が平らになった状態を鏡で確認して声を出してみましょう。

喉は下がって口の奥が広くなり、下あごが下方に開いて首と近づきます。口は縦に開く感じです。

 

・喉声(強く喉を使った声)

喉の筋肉に力を入れて発声している。実際につぶしてなくとも、つぶした声よりも、もっと喉に力を入れている人がいます。同じ喉声でも、人によって声が違う。それは共鳴体の違いと、発声の仕方の違いが関わっている。口の形、大きさなどによっても声は変わる。

「日々是好日」 No.394

ワークライフバランスを整えましょう。

それには、まず、自分自身が安全で健康でなくては、なりません。

 

マイナスの感情にとらわれないこと、

失敗に寛容になること、

自分の失敗は、他人より劣っているためではないと考えましょう。

 

あなたらしくあること、

自分に優しく、他人と比較しないこと、

そして、自分の行なっていることを冷静に分析しましょう。

 

まさにマインドフルネスの目指すところです。

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