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2024年7月

閑話休題 Vol.88「槍」(3)

〇槍のいろいろ

 

直槍:日本の一般的な槍。海外の槍とは違って製造に特殊技能が必要であるが刀剣などで切断されにくく海外のと比較して頑丈である。戦国時代後半に普及し、中でも柄の長いものは長柄槍と呼ばれ、穂先の長いものは大身槍と呼ばれる。日本刀と共通の反り以外の鎬・目釘の要素を持っている。

 

ローチン:琉球(沖縄)に伝わる古武術「ティンペー術」にて使用する手槍。海亀の甲羅から作った盾「ティンペー」とセットで用いて使用する。「るろうに剣心」の登場人物・魚沼宇水で有名。

 

:漁に用いられる。タレント・濱口優でお馴染み。

 

神話では、北欧神話にてオーディンが使用した伝説の槍「グングニル(グングニール)」、

キリスト教にてイエス・キリストの脇腹を貫いた槍「ロンギヌスの槍」が有名。

ケルト神話で太陽神ルーが使用した槍「ブリューナク」、

インド神話にて破壊の神シヴァが携えている槍「トリシューラ」など。

 

 

麻雀では、他家がカンを宣言した時にそれが自分の上がり牌であった場合、ロンを宣言できる「槍槓(チャンカン)」というルール及び上がり役が存在する。

「ゼロの使い魔」では、ハルケギニアに召喚されたタイガー戦車を「ガンダールヴの槍」。

 

漫画「BLEACH」では脅威の射程距離を誇る斬魄刀「神鎗」が登場する。鎗となっているが脇差しサイズの日本刀。卍解は「神殺鎗」。

市丸ギンの始解の神鎗(しんそう)では、門の内側から長く伸ばした刀身で一護を攻撃しています。驚くことに、卍解の神殺鎗(かみしにのやり)では、なんと13kmも刀身が伸びるとギンは言います。この時の「13kmや」というセリフが衝撃的だったので、ジャンプ連載時ではネット上で「13kmや」がネタに。さらに、伸縮速度は音速の500倍、一護も驚きを隠せませんでした。しかし、神殺鎗は、実際は13kmも刀身は伸びず、伸縮速度も音速の500倍ほど速くはありません。真の能力は、伸縮する際に一瞬だけ刀身を塵とし、一部だけを塵に変えないで、相手の体内に刃の内側に仕込んだ猛毒を残すのです。

 

Fate」にも『ゲイ・ボルグ』という槍が出てくる。元ネタはケルト神話。

 

「全身に何百の武器を仕込んでも、腹に括った「一本の槍」にゃ敵わねぇこともある・・・」 赤足のゼフ (ONE PIECE)

「俺の槍を磨け」 アルゴニアンの侍女

 

 

BLEACH

50回(平成16年度)小学館漫画賞少年向け部門受賞。20182月時点でコミックスシリーズ累計発行部数は、国内で9000万部、全世界では12,000万部を突破。テレビ東京はテレビ東京の業績に貢献度の高い作品として、『NARUTO -ナルト-』『遊☆戯☆王』と共に『BLEACH』の名前を挙げた。

「ヴォーカルトレーニングの全て」 Vol.13

〇頭声と胸声

 

 高い声が出る人や、女性にありがちなのは頭声の方にすべての声を集め、胸声をまったく使っていない状態です。

 逆に、胸声だけでキープして出している場合があります。そうすると、あまり頭部に響かないのです。

 日本人のトレーナーは、頭声を早くから要求しがちです。後者よりは前者をめざしているのです。しかし、結局、頭声、胸声は区別して覚えていくものではなく、歌のなかでの声のひびきのバランスで考えるべきことなのです。

 世界各国をまわると、後者タイプのヴォーカリストが少なくないことに驚かされます。上に響きをもってこなくとも、胸で、かなり高い音まで出しているのです。これには強靭な身体と息の力を必要とします。

 

 高いところで、胸声をキープしていると、身体が強くなってきます。この歌い方は、シャウトもでき、ことばが響きに流れずにしっかりと伝わりますから、迫力ある歌を歌うときには欠かせません。

 しかもトレーニングにとっても最も大切なこと、声を出すことで身体が鍛えられていき、声と身体とを1つにすることができるのです。

実際のトレーニングの場では、一時的に音がこもったり、フラットしがちで、暗い音色となることもあります。しかし、それは胸を開くための準備であり、深いポジションを獲得することがねらいなのです。つまり、時間がかかるので、多くの日本人は音程や発音という目先の問題の解決に走ります。

 一流のヴォーカリストの声の音色は日本人がめざすほど明るくはありません。表情や響きで輝きをつけていることを知っておいてください。最終的に、歌にまとめるときは、胸に押しつけずに解放させることが必要です。

 たとえ、一時、音域も音量もとれなくなり、響きもことばも不明瞭になっても、ただ1つ、声そのものの持つ表現に耳を傾けてみることです。そこに重みが加わり、魂が身体が入り込んでいるなら、最初の段階としてはよいのです。(この見極めは難しく、個人差もあります。感覚が伴わないこと、声を壊す方向にやりがちです。常に「バランスのチェック」をすべきです。)

 さて、一番、困るのは、すべての声域にわたって、一見、声は統一されているものの、気持ちをのせられる声になっていない場合です。日本人のヴォーカリスト志願者のほとんどがこれを無視して声域を獲得し(たつもり)、音響技術で補っています。それではいくら、先に述べた部分的なトレーニング(発声器官、呼吸法、共鳴のトレーニング)をしても、根本的な解決になりません。本人がそのことにまったく気づかず、上達していると信じてやっていることが、問題なのです。

 

[胸声をキープするトレーニング]

なるべく声を変えないでやってみましょう。

 ことばは何でもよいでしょう(「ラ」)

1)ドレミファミファソラ

  ファソラシ ソラシド

2)ドミソ レファラ ミソシ ファラド

3)ドド♯レレ♯(半音ずつ4つ)で1オクターブ上まで

4)同じく半音ずつ5つで1オクターブ上まで

5)ドレミ、ド♯、レ♯ファ(全音で3つの音)で1オクターブ上まで

 

〇音域別のトレーニング

 

低い音は、人によっては比較的、共鳴をつかみやすいといえます。喉に緊張感を与えないなら、初心者のトレーニングに最適です。ポイントは、声が自然と深く出るポジション(私は「声の芯」と呼んでいます)をつかむことです。  

話している声よりも低い音域はほとんど使ってきていません。だから、悪いくせがついていないといえます(そこでの息で声をみつけることです)。  

普段高めの声を使っている人は、最初はやりにくいので、やや低目から始めます。続けていくに従い、しっかりとした声が出るようになります。そのときに、太くて男みたいな声と思わず、本当にしっかりした声を出している魅力的な女性の声をめざしてください。(世界の女性ヴォーカリストや女優の声の質感を何度も聞いて、捉えておくことが不可欠です)。   

最も低いところで自然に出る声を私は「最下音」と呼んでいます。これ以上、低い声を出そうとすると喉で無理に出すことになります。そこは、深い息だけになるのがよいのです。 

 

[中音域でのトレーニング]

低音で始まり、中音域で橋渡しをしてサビの高音に入るというのが多くの歌です。特に声の差がつくのは、中音域です。中音域は、簡単に出せるだけにしっかりと出すのは、なかなか難しいところなのです。中音域でのメリハリ、声の厚み、ヴォリューム。そこで実力は判断できるのです。  特にソラシドあたりで、声をそろえようとするとかなりの実力が必要となります。多くの人は、ここでヴォリューム・ダウンします。

私のヴォイストレーニングは、しっかりとこれらの音をそろえて出せるようにした上で高音域に入るので、ここでは一時的には、あまり響かせないようにしています。  

中音域なのに、安易に頭声に移行すると、すでにそこで明るく薄っぺらい響きとなり、それなりに盛り上がってしまいます。すると、次にくるサビが冴えなくなり、パンチが効きません。  

曲の構成からいうと、中音域は橋渡しのところで、メロディよりもことばの占める要素がまだ大きいところです。つまり、盛り上げるまえの抑えの部分、ことばにたくさんの息吹、感情を送り込んで、メリハリをつけるべきところなのです。いわばパンチの効いた声が柔らかく深いものであれば、どんな歌にも充分に対応できます。この中音域には安定感とヴォリューム感が不可欠です。  

 

[音域移行のトレーニング]

 高音へ移行するトレーニングは、高音をとりにいくためではなく、すでにとれている高音をより使いやすく、感情表現ができるようにするために行なうことです。つまり、高音域を作っていくのではなく、すでに作られた高音域をより自然に使えるようにしていくために行なうのです。    高音の獲得は目的ではなく、結果なのです。人によって違います。

仮に私がマライア・キャリーの高音が欲しいとして、そこでトレーニングをするのは、最初から無理とわかります。しかし人は、自分にないものを欲しがり、あこがれの人、そっくりになりたいのです。私がみて、それで成功した人はいません。自分の資質や可能性を知ることです。もう一つの理由は、すでに10代で楽に出る人がたくさんいるということで、こういう人は100人に1人で、私も高音からトレーニングします。日本の高音域ヴォーカリストの大半は、努力せずにすでに出せていたのです。確実なところをより確実にしていくことによってのみ、声はヴォリュームを増し、そのなかで音域も獲得していきます。  

ですから自信の持てるところの声域で、メリハリをつけるトレーニング、より確実に深く声をつかまえ、身体の力でそれをコントロールすることを繰り返すことです。そのことによって、自然と声が導き出てくるようになり、気づいたら、声域、声量とも拡がっているというものなのです。   

何ごとも、「早くやりたい」「まだできないか」とがんばっているときには目的は達成できず、そんなことを考えることもなくなるほど量をこなしたとき、目的のものは手中に入っているのです。気づいてみれば、すべては気の遠くなるようなトレーニングをやってしまった後だったということです。  

ですから、中音域で、声を動かすトレーニングを徹底させることをお勧めします。  

1)弱くから強くする  

2)強くから弱くする  

3)弱くから強くして弱くする  

4)強くから弱くして強くする  

 

このとき、発声器官での調整は絶対にしないこと、喉を楽にして、負担をかけないことです。  

胸声と頭声のバランスは、ポピュラーの場合、歌のスタイルによってかなり異なってきます。

 まずは、1オクターブ(たとえば、下のドから上のドまで)は、胸声でキープしておくことをしっかりと行います。これをもう23音(レ、ミまで)、胸声のまま伸ばそうとする方向でのトレーニングがあります。ただし、無理をして声をつぶす危険があるようならやめます。  

逆に、23音上から(レかミ)、頭声でとり、そこから下へ降りてくるトレーニングもよいでしょう。特に高い音が出やすい人には、有効です。ヴォリュームをつけ、胸の響きをも感じてください。  

声楽では、バランスを上に持っていきます。頭声での響きを加え、声楽特有の美しい響きの発声とします。  

しかし、ポピュラーでは、このバランスは自由に決めていくべきだと思います。声楽の人からは理解できず、否定されるべき発声で、素晴らしい個性的な歌の世界を築き得たヴォーカリストばかりいるのがポピュラーの世界でしょう。美しい声よりも優先すべきものを捉えて、声はそれを自由に伝えられるように、身体と一体化すべきなのです。ただし、その根本には、口や舌に余計な力を加えたり、喉声にしないなどという共通の条件があります。つまり、声を統一することに関しての基本は同じことなのです。

 

〇高音域発声のチェック

 

  高音域の発声については、次のポイントでチェックしてみてください。そして正しい発声のできる範囲内でトレーニングをすることです。   

 

正しい発声については、次のような特長があります。

□力強さがあり、共鳴する(響く)

□ヴォリューム感があり、低音から高音まで音色が統一である

□しなやかさがあり、ムラがない

□美しさを感じる

□劇的(ドラマチック)である

□透明感がある、遠くから聞こえる

□均質で無理がない

□柔軟である

□軽快であってリズムが感じられる

□何度も、同じことを繰り返せる

 

間違った発声については次のようになります。

□喉を酷使しているように感じられる

□鼻声や不自然なかすれ声になる

□強弱のメリハリにムラがある   

□ヴォリュームが出ない

□キンキン響くか、かすれたり、喉声になる

□重々しくこもっている

□ひずんでいる、無理を感じる

□音を低くすると極端にヴォリュームがダウンする

□長時間、同じことを繰り返せない

□音色にムラがある 

 

〇裏声とファルセット

 

 日本人の女性の場合は、地声を使わないように教えられて、裏声だけで歌っている人も少なくありません。しかし、裏声で人を感動させるためには、なかなかの素質が必要です。私は、地声で可能性を追究することを勧めています(地声を喉声という意味で使っている人もいますが、ここでは、裏声、ファルセットに対する声として使います)。ホイットニー・ヒューストンやセリーヌ・ディオンなど(ベルディングというものです※)。声によほど恵まれていない限り、使い方でみせていく、そこで裏声よりは地声の方が可能性が大きいからです。

 トレーニングで確実に大きく変えられるのは、身体と息です。その線上にのる声は、いくらでも発展できますが、裏声ではすぐに限界がきます。というのも、響きの調整のトレーニングくらいしかできないからです。

 ただし、自分の作詞や作曲の才能を中心にして世界を切り開いていこうという人には、その限りではないと言っておきましょう(私自身は決してよいとは思いませんが、こういう歌い方をめざす人が多いからです)。

 声自体の魅力からいうと、薄っぺらい声で声域も狭く、声量も絶望的です。特に低中音域はエコーなしでは聴くに絶えないレベルを出られないでしょう。

 男性の場合も、小さく浅い声をやわらかく高音にあてて歌うヴォーカリストが、特にニューミュージックやロックの若手に多く見られるようになりました。ヴォーカリストにはいろいろなスタイルがあり、このタイプは主流になりつつあります。それでもプロになった人は、何らかの世界(ヴォーカリストの魅力は声だけではなく、多くの要素があります)が開けたので、よいのでしょうが、これからトレーニングをしていこうとする人は、お勧めできません。高齢になるにつれ、喉の耐久性に難が出やすくなるからです。

 

1オクターブの上下降のトレーニング]

 1オクターブをとるのは音程のトレーニングでなく、声の統一の調整のトレーニングとして行なうとよいでしょう。 

上から1オクターブ下へいくトレーニング  

完全に声をとらえて、そこから胸声のバランスを増やします。 下から1オクターブ上へいくトレーニング  胸声をとらえつつ、予め、上でのイメージを明確にして、一気に高い音に移りましょう。結果として上にバランスが移ります。 

音が下がるときに注意する  特に音が下がっていくときには音高(ピッチ)に注意します。かなり意識しないと、息の支えが抜けてしまいます。  

「よい声になれるヴォイストレーニング~声の科学」 Vol.11

〇大きな声を出すために喉は鍛えられるのか

 

日本人ほどカラオケやスポーツの応援、演説などで、すぐに喉が痛くなるような声の弱い国民はあまりいません。ふだん大きな声を出したことがないのに、無理をして限度をわきまえずに、声を出し続けるために障害が起こるのです。この頃は少なくなりましたが、カラオケでの喉の異変は、国民病のようなものでした。(急性声帯炎などのはれ)

理想的な発声は、喉への負担を最小限にします。「喉がすぐに痛むのは、よい発声ができていない」ということになります。「再現性こそが上達の前提」です。

声帯(喉)ではなく、お腹から声を出す感覚で発声することです。実際に、声帯に息を送り出し、声をコントロールしているのは、お腹です。喉をリラックスさせようと思っても、喉そのものをコントロールすることはできないからです。

喉が痛くなったから、せりふや歌も伝わらないとは必ずしもいえません。ひずんだ声でこそ、伝わるものもあります。でも、その痛さゆえ伝わる気がするというのは、よくありません。痛みや不快感は、発声への警告なのです。

 

・つぶした声(圧迫起声)

かつては、選挙戦後の政治家の声は、炎症を起こし、つぶしたような声になりました。声道内の空気流が渦を巻いている。声帯の周りが炎症を起こしてざらざらになり、ノイズ成分や摩擦音が出てくるのです。

 

〇かすれた声は喉に悪い

 

悪い状態で声を出しすぎると、喉に炎症をおこしたり、ポリープができたりしやすくなります。この場合は、声(声帯)を休めて、治るのを待たねばなりません。そのまま使い続けると、さらに悪化してしまう場合もあるので注意してください。声がかすれるという場合、声帯が発声障害を起こしているという可能性も考えられます。

つぶした声の方が感情が伝わりやすいし、声もコントロールしやすいという人もいますが、決して勧められません。つぶした声は、声質が悪く、声量、声域も狭くなり、不しぜんで細かなコントロールができにくいものです。しかも、長く休めると、もとの細い声に戻ります。つまり、何ら身についていないのです。楽器を壊しているなら、不利になるばかりです。将来の不安も大きくなるでしょう。

ですから、喉をつぶそうとしたり、無理にからした声を出そうとしたりしないことです。充分に声を休めたあとに、ファルセット(裏声)や低い声、小さな声やハミングができるかどうかでチェックするとよいでしょう。

声は喉だけでコントロールできるものではありません。

私は、声がよくても悪くても「鍛えられていて再現性があればよい」と判断しています。しかし、一般的なヴォイストレーニングでは、調整中心ばかりで、そういう鍛え方をするのは稀です。

「声は声そのもので勝負するわけではない」のですが、「持って生まれたものを充分に活かすこと」です。「自分のやりたいこと、好きなことと、できることは(高いレベルでは)違う」ということを、知ってください。

声の使い方がよいとは、楽器(身体)の機能の活かし方から問われるべきでしょう。喉という楽器を、その原理にそって使わなくては、発声も本当にはよくなっていかないのです。

声量を増やすために、喉を無理に鳴らそうとしている人をよくみかけます。しかし、声量は共鳴のさせ方で変わってくるもので、喉をいかに強く鳴らすことができるかではないのです。

 

〇聞きやすい声、通る声

 

通る声とはいったいどのようなものでしょうか。まず、イメージが湧きやすいようにいくつか例を挙げてみましょう。

日本でいえば、たとえば戦国時代などの武将やお坊さんの声が挙げられるでしょう。もちろん、当時の声が録音されて残っているわけではないのですが、文献などから、彼らがいかに大勢の人を前に大きな声を使っていたかがわかります。

当時は、マイクや拡声器といった代物が存在しないので、より遠くへ、より多くの人に情報を伝えるために、通る声を会得していたと考えられます。そうでなければ、一人前にはなれなかったでしょう。

通る声は、人間の耳の感度のいちばんいいところにその周波数が集まっています。2500ヘルツ〜4000ヘルツのところです。

通る声には欠かせない要素があります。まず、腹式呼吸での発声ができていること、すると声の周波数は、25003000ヘルツあたりに集まってきます。腹式呼吸での発声の場合、肺からの空気を一定にコントロールして声帯を振動させるので、スムーズに発声するため、周波数が安定してくるからです。

この周波数帯は人間の耳がもっとも感知しやすいところです。これを腹式呼吸ではなく発声した場合では、空気の流れが乱れ、声帯の振動が一定にならず、周波数も不規則に乱れるのです。

この聞きやすい周波数の声と50ヘルツくらいの声とを比べると、人間の耳の感度では聞こえ方が300倍くらい違ってくるのです。

つまり、ウグイスの鳴き声は300分の1のヴォリュームでも、50ヘルツの声と同じくらい聞きやすい音になります。聞きやすい声というのは、それだけで遠くまで響かせることができるのです。

 

〇小さくても通る声

 

小さい声なのでエネルギー量は小さくても、成分をはっきりとわかるようにします。「あ」を「あ」と聞かせる声の周波数成分(フォルマント)がきれいに出ていると、暗い声のときのように、わかりにくい感じにはなりません。レベルとしては同じくらいでも、よりはっきりと聞こえる。いわゆる通る声です。

重要なのは、声が高周波まで伸びていることです。高周波の成分を含んだ子音をきれいに発声しましょう。言葉の音節を発しているリズムで、音節のひとつひとつを一定のリズムに乗って発していけば、テンポよく聞こえます。

二つめは、周波数のリズムです。声の高低のリズムと言い換えることもできます。ビートという意味でのリズムに乗って言葉を発していたとしても、発せられた言葉の周波数に変化がなければリズミカルな話し方には聞こえません。基本周波数の上がり下がりにリズムが必要なのです。これによって、聞く側に適度な刺激を与えられるからです。

三つめは、音量、声のヴォリュームのリズムです。言葉を発するうえでの強弱です。強調するところでは音量を上げ、あまり強調する必要のないところでは少し小さな声で喋るという変化をつけることです。こうすると、聞き手に声や話し方が魅力的なものに感じられるようになります。

 

〇振り込め詐欺にだまされるのは、なぜ

 

通常、人が話すスピードは1分間に400語ですが、振り込め詐欺は1分間に530語と速いです。この早口に、被害者は、まずパニックに陥ってしまいます。

530語というのは、人間が緊張したときの心拍数と同じです。早口を耳にすると、心拍数もそれに同調して上昇しがちなので、交感神経が高まり、身体が興奮し、脳も混乱してしまうのです。

「事故」「100万円」など、キーワードとなる言葉で声が高くなります。同じ言葉を繰り返すのも、この手の犯罪の特徴です。

 

〇声で嘘を見抜く

 

嘘をついている場合、緊張したり、動揺すると、声帯から発する基本周波数に変化が表われます。言いにくいことをごまかそうとすると、基本周波数が乱れます。興奮してくるとさらに変化が表われ、基本周波数は倍くらいの数値で上下することもあります。

人間は、一精神状態が興奮していくと、身体の筋肉も緊張します。それに伴って、声帯の振動音も高くなっていくため、振動数の変化、つまり声帯の張り具合から、いつ緊張したのかもわかるのです。つまり、嘘の発見などにも使えます。

「異なる意見を聞く」 No.395

自分と同じような考えは、自分がわかっているのですから、違うこと、反対のことに気づくために、

いろんな場に出たり、いろんな人の意見を聞くのです。

 

対立したり、反論されたりすること自体を

楽しみましょう。

 

そのためには、同調圧力を廃し、

相手が言いたいことを

本音でいえるような場づくりが大切です。

 

年を重ねることに気をつけたいことです。

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