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2024年10月

閑話休題 Vol.91「忍者」(3)

〇忍者の歴史

 

一説には、聖徳太子に仕えた「大伴細入」(おおとものほそひと)が優れた軍術をもって功績を上げ、「志能便」(しのび)という称号を与えられたという逸話から、「大伴細入」が最初の忍者であるとされています。

 

忍者の存在は13世紀後半の悪党(寺院や貴族などの荘園領主に対して反抗的な行動を取った)にあると考えられています。「乱波」(らっぱ)・「透波」(すっぱ)・「草」(くさ)・「奪口」(だっこう)・「かまり」など呼ばれていました。

 

室町時代 荘園を経営する寺社の勢力が弱体化するにつれて、悪党の活動は減少していき、悪党の血を引いた「地侍」が頭角をあらわします。

 

戦国時代 足利家、織田家、徳川家などの戦国大名の傭兵となり、京都や奈良、滋賀、和歌山へ出陣し、夜襲や密かに忍び入り火を放つことが中心でした。地侍は「忍者」と呼ばれるようになります。

 

1590年(天正18年)徳川家康が江戸に入府すると、忍者は江戸城下に住み、大奥や大名屋敷などの警備、普請場の勤務状態の観察など。鉄砲隊として甲賀百人組、伊賀百人組が編成され、江戸城大手三之門の警備。

 

戦闘をすることは少なくなり、情報収集や、警護をすることが主な任務となります。

 

明治新政府 日本陸軍、日本海軍、警察が創設され、忍者は役目を終え消滅します。

江戸時代ごろから小説や芸能に忍者が描かれるようになっていきました。

江戸時代初期の忍者は忍術を使って敵のアジトに忍び入り、大切な物を盗んでくるというパターンで描写されていきます。

 

著名なのは「石川五右衛門」の物語です。忍術は、派手で摩訶不思議な術で変化。巻物をくわえて印を結ぶとドロンと消えたり、ガマに変身する妖術を使う。

 

江戸時代後期になると、歌舞伎や浮世絵などにおいて黒装束を身に付けて手裏剣を打つイメージ。

 

〇忍具(にんぐ)  忍者が活動に用いた道具。

 

手裏剣 

手投げの刃物で、形は棒状の物から十字型、円形のもの。重くかさ張るので実際に携帯していた数は多くても34枚。

くない 

両刃の道具で「苦無」あるいは「苦内」。武器以外にも壁や地面に穴を掘るスコップ。「サバイバルナイフ」に近い。

忍刀(しのびかたな) 

携帯性や機能性向上に工夫された刀です。刀剣独自の反りは少なく、「直刀」(ちょくとう)。

鎌(かま) 

日本の農具。

撒菱(まきびし) 

鋭利なトゲがあるため追っ手の足を傷付ける武器。

五色米(ごしょくまい)

赤・青・黄・黒・紫の5色に染めた米。野鳥に米だと認識されにくい。

 

仲間へのメッセージ。

忍装束(しのびしょうぞく)

実際は茶色(柿渋色やクレ色)に近い物を着用。

 

〇代表的な忍者

 

服部半蔵 

世襲の役職で12代にわたる。知られているのは、2代目当主「服部正成」(まさなり)は16歳の時に三河宇土城の夜襲で戦功を挙げ、徳川家康から槍を贈られ、伊賀忍者150人を預けられました。本能寺の変では、明智光秀軍に退路を断たれた徳川家康を堺から岡崎城へ送り届けます。徳川家康はこの功績を評価し、伊賀忍者300人を「伊賀同心」として支配を許可しました。それ以降も1590年の小田原征伐などで戦功を多く立て、遠江国に8,000石の領地を得ます。江戸城の半蔵門は、門外に服部正成の屋敷があったことから。

 

猿飛佐助

架空の忍者で、文学・講談などに登場。幼少期、信濃の山の中で修行をしていたところ甲賀流忍術の開祖戸沢白雲斎に見いだされ、弟子となります。佐助は角間渓谷(真田忍者の修行場)で3年間忍術を修行。その後「真田幸村」に見いだされ、猿飛佐助幸吉の名をもらい、「真田十勇士」筆頭になった。

 

〇組織

 

「日本忍術協議会」 選手は全部で6枚の十字型手裏剣を渡され、審判および的に礼をした後、忍者が使った呪文といわれる「九字」を切る。その後、6m(女性は5m)離れた的に向かって5枚の手裏剣を打ち、九字の礼法点数と的中点数の合計得点を競う。

 

全日本忍者手裏剣打選手権大会

伊賀忍者特殊軍団「阿修羅」 伊賀流忍者博物館」

パルクールの実践者「トレーサー」

 

参考文献:「月刊秘伝」2020.7月号 山田雄司

「忍者の掟」川上仁一 角川新書  

「忍者を科学する」中島篤巳 洋泉社新書

刀剣ワールド

https://www.touken-world.jp/knowledge-ninja/

Wikipedia

 

「ヴォーカルトレーニングの全て」 Vol.16

11.楽器の音色を聞く

 人の心を動かす曲の進行を味わうトレーニングです。

楽器を変えて、聞いてみてください。

 1. ピアノ

 2. ギター

 3. チェンバロ、ハープ

 4. トランペット、サックス

 5. マンドリン、チター

 6. 尺八、フルート、クラリネット

 次にどんなポピュラーの曲でもよいですから、各パート(ギター、ベースなど)に耳を傾けてみてください。

12 リズムとコードを聞く

 ドラムやギター、ベースに耳を傾けて、リズムを聞いてください。自然に身体をのせて、リズムを感じてください。身体を動かしてみてください。

 コード(和音)は、それぞれ独特の響きを持っています。各コードをゆっくりと弾いて、それを感じましょう。コード進行の美しい曲を聞くとよいでしょう。

たとえば、「ドレミソ、ドレミソ♯、ドレミラ、ドレミファ」の違いを感じることから、始めるのもよいと思います。

13 罵倒することばの力

 汚いことばの迫力を学びましょう。

 「死んじまえ、てめえー」など、好きなようにつくって大声でいってみましょう。

 「帰れ、帰れ」

 「倒せ、倒せ」

 「引っ込め!」

 「くたばれ」

14.人に対する呼びかけ

 これは、香具師の口上のようなものをトレーニングするとよいですが、もっと身近なところから、例をとりましょう。好きなTVコマーシャルでもよいです。

 「ちりがみ交換」

  おなじみのちりがみ交換でございます。

  ご家庭でご不用になりました

  古雑誌、古新聞などがございましたら

  多少に関わらず、ご利用ください。

 「笑っていいとも」

  友だちの友だちは皆ともだちだ

  世界に拡げよう 友だちの輪

15.身体を感じる

 力一杯、立ってみます。そこから、力を抜いて立ってみます。

 次に片足で立ってみます。さらに、目をつぶって立ちます。ゆっくりと身体をゆすります。そこで、片足ずつ、力をかけてみましょう。

 今度は少しずつ息を吐きながら、頭を下げます。そして、次に少しずつ息を吸いながら頭を上げます。重力を感じてください。重力とは、自分の身体を下に引っ張る地球の力のことです。

 次に、思いっきり、息を吐きます。口のなかから、肺から口につなげて息を吐きます。お腹から、お尻から、そして最後に足の裏から息を口まで通じて呼吸してみましょう。

 さらに二人で背をあわせ、片方の人がもう一方の人を背負ってゆさぶりながら、共に「アーアーアー」と声を出してみましょう。

※その他、いろんなトレーニングのきっかけとなるコンセプトを掲げておきます。自分なりにイメージをふくらませ、活用してみてください。楽しみながら、身体、息、声を発見し、感受する心と肉体を鍛えていってください。

16.カニ

 ブクブクいいながらガニ股で歩き回る。

17.金魚体操

 足を持ち上げ、左右にゆすりながら、声を出す。

18.ポンプ

 「フー」「シュー」「シュワ」と前屈するとともに声を出す。

19.汽笛

 頭に「ポアー」「ポー」。

20.手裏剣投げ(手裏剣よけ)

 「シュワ」「ハッ」「サッ」。

21.剣道

 「メーン」と踏み込みながら。

22.ため息

 「フゥー」「ハァー」「ア~ア……」。

23.ブリッジ

 腰をもちあげて吐き、おろして吸う。

24.掌を太陽に

 「てのひらを太陽に透かしてごらん」と歌を歌いながら、小さくなった姿勢から「エーイ」と飛びあがる。

(「てのひらを太陽に」詞/やなせたかし 曲/いずみたく

C 1995 by All Staff Music Co., Ltd.)

25.ひねり

 身体をひねりながら、声を出す。

26.ダラダラ

 両手を下げ、「ダラダラダラダラ」といいまくる。

27.腕立て

 「1234」と大声でカウントしながら、腕力の続くかぎり。

28.反復飛び

 「1234」と大声でカウントしながら、脚力の続くかぎり。

29.エアロビ

 足あげて吸い、下げて吐く。

30.飛行機

 「ブーン」と両手を拡げ飛びまわる。空中戦もOK。

「バババババン」。

 

「よい声になれるヴォイストレーニング~声の科学」 Vol.14

〇ハミング

 

ハミングは口を閉じることで障害物をつくり、高い周波数が出てきません。「hun」「hu」は鼻から空気が抜ける音で、「n」は口を閉じた音です。声の周波数は出ていません。

ハミングだけでは、何を歌っているのかわからなくとも、基本周波数は出ています。たとえば、音楽のメロディラインのキーがよくわかるということです。基本周波数の変化が、音階の違いです。歌声ではなくとも、メロディはとれるのです。

 

〇ハミングのトレーニング

 

声帯をきちんと合わせ、充分に声の響きとして、コントロールするのに、ハミングは、よく用いられます。長時間続けても、喉を痛める危険が少ないので、調子の悪いときの調整にも使います。

鼻のつけ根に響きがくるようにしてみてください。なめらかに、一音一音をつなげていくことです。口は最初は閉じて、次に少し開いて行なうとよいでしょう。

ハミングが苦手な人は無理にやらなくてもよいでしょう。ナ行、マ行の音を使いましょう。

 

[声を柔らかくする]

次の音で練習しましょう。

ンガングンギンゴング(ガ行は鼻濁音)

ナネニノヌノナノ、ンナンネンニンノンヌ

マメミモメモマモ、ンマンメンミンモンム

 

〇裏声とファルセットについて

 

音声学上では、声区という考えがあります。これは低声区、中声区、高声区と三つに分けます。低声区を胸声区、高声区を頭声区と二つに分けている場合もあります。さらに、仮声区=ファルセットというつくり声を、その上におきます。

ファルセットとは、falsettoで、これはfalse、嘘の、間違った、偽の、といった意味です。ヨーデルとかハワイアンでおなじみの声です。

一般的に、裏声といわれているものも、いくつかあります。

 

・響きを頭に逃がし、頭の一部から出ているように聞こえる声

音色はぼやけて、声の方向性も厳密にはコントロールできないものです。強くはできません。とくに、日本人のアマチュア、ママさんコーラスなどによく見られます。

 

・地声と裏声の間のような声

半裏声と言えます。しぜんな呼気だけで小さい音を身体で出せます。身体は、脱力した状態を保ちます。息の支えを乱さないように少しずつ大きな声にしていく練習をしていくとよいでしょう。

 

・裏声をやや強めたような声

シャープな響きとなり、強く出すことができます。高音域と中音域の境もスムーズに、調節できるようになります。

 

〇ファルセットの難しさ

 

よく歌を歌うときに、腹式発声のことをいわれると思いますが、それは声の聞こえがよいということ以外に、音が安定するのです。喉の筋肉だけでもピッチを変えようとすれば、変えられるのですが、逆にちょっとしたことで変わってしまいます。肺からの空気流で音を変える場合は、お腹で支えるので、安定して同じ音を出せるのです。

ファルセットというのは、喉の筋肉を使うので、ふらつくことが多いのです。ファルセットにすると、音が安定しないということは、よくあることだと思います。逆に、ファルセットで歌いこなせるということは、高度なテクニックだといえるのです。

黒人のファルセットがなめらかなのは、黒人の筋肉を見てもわかるとおり、喉の筋肉もしなやかなのではないかと思います。個人差があると思いますが、声帯も強いし、体格、身体の柔軟性の違いもあるでしょう。

 

・ヨーデル、ファルセットの声

地声も出ているが、それよりも高い声が出ている。声帯の筋肉が張っている状態でこういう声を出すと、筋肉が収縮する。

判断のより処  No.398

たとえば、歌うのに

「それが何のためか」

と問う必要があるでしょうか。

歌うこと自体に価値があると考えると、

この問いは、不要と思います。

歌い手同士のなかでも、好きで歌っているのですから、

そういう問いは、なされないでしょう。

人から聞かれたら、 「ほっといてくれ」といえばいいだけのことです。

 

ただ、他にやりたいこと、やらなくてならないことが出

てきたとき、

やめなくてはいけない事情が生じたとき、

続けるのかどうか迷ったとき、

もうやめたいと思ったとき、

自ずと問うのではないでしょうか。

 

でも、今、行なっていることが、一所懸命なら、

必ず、いつかどこかで何かに役立つと思えばいい、

そして、一所懸命に取り組んだなら、役立たないはずがない、

そう確信しています。

 

ですから、

あなたが、なんであれ、

一所懸命、取り組めることをやればよいと思います。

何でもやっていくと、考えるまでもなく、

残るものは残り、戻るものは戻ることでしょう。

 

だからこそ、そうなれない人には、問うてきたのです。

ここにいらした人にも、

「ここに来たときには、 一所懸命、

レッスンに専念しましょう」

と。

 

#最近、ここの創成期の会報を読み返してまとめています。

ここにいた人のレッスンなどを残し伝えるのも、

ここの役割であり、私の使命かと思っているからです。

https://vccarchive.hateblo.jp/

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