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閑話休題 Vol.91「忍者」(3)

〇忍者の歴史

 

一説には、聖徳太子に仕えた「大伴細入」(おおとものほそひと)が優れた軍術をもって功績を上げ、「志能便」(しのび)という称号を与えられたという逸話から、「大伴細入」が最初の忍者であるとされています。

 

忍者の存在は13世紀後半の悪党(寺院や貴族などの荘園領主に対して反抗的な行動を取った)にあると考えられています。「乱波」(らっぱ)・「透波」(すっぱ)・「草」(くさ)・「奪口」(だっこう)・「かまり」など呼ばれていました。

 

室町時代 荘園を経営する寺社の勢力が弱体化するにつれて、悪党の活動は減少していき、悪党の血を引いた「地侍」が頭角をあらわします。

 

戦国時代 足利家、織田家、徳川家などの戦国大名の傭兵となり、京都や奈良、滋賀、和歌山へ出陣し、夜襲や密かに忍び入り火を放つことが中心でした。地侍は「忍者」と呼ばれるようになります。

 

1590年(天正18年)徳川家康が江戸に入府すると、忍者は江戸城下に住み、大奥や大名屋敷などの警備、普請場の勤務状態の観察など。鉄砲隊として甲賀百人組、伊賀百人組が編成され、江戸城大手三之門の警備。

 

戦闘をすることは少なくなり、情報収集や、警護をすることが主な任務となります。

 

明治新政府 日本陸軍、日本海軍、警察が創設され、忍者は役目を終え消滅します。

江戸時代ごろから小説や芸能に忍者が描かれるようになっていきました。

江戸時代初期の忍者は忍術を使って敵のアジトに忍び入り、大切な物を盗んでくるというパターンで描写されていきます。

 

著名なのは「石川五右衛門」の物語です。忍術は、派手で摩訶不思議な術で変化。巻物をくわえて印を結ぶとドロンと消えたり、ガマに変身する妖術を使う。

 

江戸時代後期になると、歌舞伎や浮世絵などにおいて黒装束を身に付けて手裏剣を打つイメージ。

 

〇忍具(にんぐ)  忍者が活動に用いた道具。

 

手裏剣 

手投げの刃物で、形は棒状の物から十字型、円形のもの。重くかさ張るので実際に携帯していた数は多くても34枚。

くない 

両刃の道具で「苦無」あるいは「苦内」。武器以外にも壁や地面に穴を掘るスコップ。「サバイバルナイフ」に近い。

忍刀(しのびかたな) 

携帯性や機能性向上に工夫された刀です。刀剣独自の反りは少なく、「直刀」(ちょくとう)。

鎌(かま) 

日本の農具。

撒菱(まきびし) 

鋭利なトゲがあるため追っ手の足を傷付ける武器。

五色米(ごしょくまい)

赤・青・黄・黒・紫の5色に染めた米。野鳥に米だと認識されにくい。

 

仲間へのメッセージ。

忍装束(しのびしょうぞく)

実際は茶色(柿渋色やクレ色)に近い物を着用。

 

〇代表的な忍者

 

服部半蔵 

世襲の役職で12代にわたる。知られているのは、2代目当主「服部正成」(まさなり)は16歳の時に三河宇土城の夜襲で戦功を挙げ、徳川家康から槍を贈られ、伊賀忍者150人を預けられました。本能寺の変では、明智光秀軍に退路を断たれた徳川家康を堺から岡崎城へ送り届けます。徳川家康はこの功績を評価し、伊賀忍者300人を「伊賀同心」として支配を許可しました。それ以降も1590年の小田原征伐などで戦功を多く立て、遠江国に8,000石の領地を得ます。江戸城の半蔵門は、門外に服部正成の屋敷があったことから。

 

猿飛佐助

架空の忍者で、文学・講談などに登場。幼少期、信濃の山の中で修行をしていたところ甲賀流忍術の開祖戸沢白雲斎に見いだされ、弟子となります。佐助は角間渓谷(真田忍者の修行場)で3年間忍術を修行。その後「真田幸村」に見いだされ、猿飛佐助幸吉の名をもらい、「真田十勇士」筆頭になった。

 

〇組織

 

「日本忍術協議会」 選手は全部で6枚の十字型手裏剣を渡され、審判および的に礼をした後、忍者が使った呪文といわれる「九字」を切る。その後、6m(女性は5m)離れた的に向かって5枚の手裏剣を打ち、九字の礼法点数と的中点数の合計得点を競う。

 

全日本忍者手裏剣打選手権大会

伊賀忍者特殊軍団「阿修羅」 伊賀流忍者博物館」

パルクールの実践者「トレーサー」

 

参考文献:「月刊秘伝」2020.7月号 山田雄司

「忍者の掟」川上仁一 角川新書  

「忍者を科学する」中島篤巳 洋泉社新書

刀剣ワールド

https://www.touken-world.jp/knowledge-ninja/

Wikipedia

 

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