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2024年12月

閑話休題 Vol.93「城」(2)

三人の武将と城

 

〇織田信長

 

本拠の城を頻繁に変える。

「勝幡城」(しょばたじょう)に生まれる。

築城の技術とまちづくりを追求。

最初に築いたのは小牧山城、見上げるような総石垣を築き、まっすぐな「大手道」。

織田信長の天下構想が、お城や城下町。「楽市楽座」、商人や工人の城下町を形成。

1555年(天文24年/弘治1年) 清州城、一族間の内紛を鎮めて、尾張統一。

1563年(永禄6年) 小牧山城

1560年(永禄3年)桶狭間の戦い 美濃攻めの準備として小牧山に城を築いて拠点。

1567年(永禄10年) 岐阜城 斎藤氏が籠っていた美濃の稲葉山城を4年かけて制し、岐阜城の大改修。地名を「井ノ口」から「岐阜」へと変更。

1569年(永禄12年) 二条城 足利義昭を擁して上洛を果たし、京都の拠点。現存する二条城とは別

1576年(天正4年) 安土城 琵琶湖のほとりに築城。最上階は金色、下階は朱色の八角形の57階の建造物で、住み、来賓を迎えるため贅を尽くした

 

〇豊臣秀吉

 

大坂城、イエズス会宣教師「ルイス・フロイス」は、すべてにおいて、信長の建造物を上回ると。天守は生活の場ではありません。金銀や高価な武具、茶道具などの財宝で飾り立て、賓客を招いては、財宝を見せびらかした。表御殿の黄金の茶室から「三国無双」と呼ばれた天守、洋風ベッドを置いたという奥御殿の寝室。

1566年(永禄9年) 墨俣城、斎藤軍の前で、数十日間で完成させて、美濃攻略が前進。

1574年(天正2年) 長浜城、浅井長政を制し信長からの土地に築城。城下町として統治。

1580年(天正8年) 姫路城 信長に中国地方の攻略を命じられて、播磨へ進出。黒田官兵衛の姫路城を大改修して、毛利家との闘いに備え。

1583年(天正11年) 大坂城 三重の堀と運河に守られた要塞。城内には山里のような風情を持つ山里曲輪(城内に庭や池、茶室を設けた曲輪)も造り、大名や有力商人達を招き茶会や花見を楽しみました。

1586年(天正14年) 聚楽第 京都における滞在所。天皇などを迎えるための、政庁の役割

1590年(天正18年) 石垣山城 敵からは一夜で築城したように見えた。

この年、小田原城を落として、天下統一。

1591年(天正19年) 名護屋城 8ヵ月の工事で肥前に名護屋城、朝鮮半島へ出兵する拠点。

1594年(文禄3年) 伏見城 隠居所として聚楽第の一部を解体して築城。地震で倒壊したため、木幡山に移築。この伏見城で病死。

 

〇徳川家康

 

1603年(慶長8年)に征夷大将軍となると、江戸を天下の政庁とする

姫路城に類似した、大天守と小天守を組み合わせた連立式天守。大天守も圧倒的な大きさで、石垣を含めた城全体の大きさは、およそ68m。複雑で防御性の高い天守曲輪(詰丸)を備える、南側の大手には五連続の外桝形を連ね、かつ北側には三連続の「馬出し」を配置。

 

1560年(永禄3年) 岡崎城 家康生誕。人質として身を寄せていた今川義元が桶狭間で戦死し、岡崎城に戻りました。

1570年(元亀1年) 浜松城 今川家の浜松城を攻略。武田信玄の侵攻に備え、本拠地を移しました。

1586年(天正14年) 駿府城 駿河の支配を目指して築城。

1602年(慶長7年) 伏見城(改築)二条城

1600年に「関ヶ原の戦い」で勝利し、天下取りに成功。伏見城を経て、二条城を造営。

1604年(慶長9年) 江戸城

1603年(慶長8年)征夷大将軍に任命され、江戸幕府を開府しました。

1610年(慶長15年) 名古屋城 尾張国統治の拠点を名古屋に制定。

1615年 徳川幕府によって「一国一城令」

1616年(元和2年)に隠居し、大御所、駿府城で病死。

 

〇奄美・沖縄地方「グスク」

 

グスクの石垣と建築群(首里城。沖縄県那覇市)

鹿児島県の奄美諸島および沖縄地方の城は「グスク」または「スク」と呼ばれる。

12世紀、沖縄地方に点在していた領主の「按司」(あじ)の居城で、城内に「ウタキ」(御嶽)や「ウガンジュ」(拝所)と呼ばれる沖縄地方特有の信仰施設を持つ。

三山時代に多くのグスクが築かれ、現在までに見られる。土木や建築の技術、特に石垣は日本内地の石垣とは異なり、琉球石灰岩を加工した石積みの石垣で、外観も曲線をなして角さえも丸みを帯びている。

中国や朝鮮半島で「馬面」(マーミェン)や「雉」(チ)と呼ばれる横矢がかりの出張りや、城門においては牌楼や石造のアーチ門(拱門)が見られる。

舎殿のほか、櫓としては門上の櫓のみである。

「ヴォーカルトレーニングの全て」 Vol.18

失われた声を取り戻す心を感じ声に表現する 

ヴォイストレーニングメニュー100

67 都の西北

 腕を振りながら、早稲田大学の「都の西北」をうたう。

 他の校歌や寮歌でもよい。

 68 キック

 「エイ」とキックしながら、声を出す。

 69 腰振り

 ツイスト、ゴーゴー、イケイケ

 お好きなスタイルで。

 70 胴上げ

 「ワッショイ、ワッショイ」

 おみこしでもよい。

 71 お経

 「ナムアミダブ…」「ナンミョウホウレンゲイキョウ…」ご利益がある。

 72 笑いの増幅リレー

 一人が笑い出したのを受けて、全員で笑う。

 おたがいに指さすと効果的。

 73 まねする

 TVをつけ、しゃべっている人々の表情、音量をまねる。

 74 なわとび

 「123…」

 カウントして縄をもっているつもりで飛ぶ

(複数のときは「お入んなさい」で…)。

 75 倒立声出し

 逆立ちをして声を出す。

 頭をつけるヨガの倒立でもよい。

 76 ウエーブ

 手を上にあげてゆらす。一人でもよい。

 77 ネコののび

 昼寝から目ざめたネコのまねをする。

 78 カラス

 夕暮れを思い浮かべて

「カァ、カァ、カァ、カァ、カァ…」

 79 背中で語る

 相手の背を見て考えたこと、思い浮かべたことをあてる。

 80 頭で語る

 テレパシーで、相手の考えたこと、思い浮かべたことをあてる。

 81 お茶くみ

 熱いお茶を運び、人にまわし、飲むところまでパントマイムで。

(同じく、着る、脱ぐ、顔を洗う、シャワーをあびる、入浴する)

 82 インディアンの歩き方

 胸を張ってその勢いで前に進む。

 ぐるぐる円を描いてまわる。

 83 関西弁

 関西弁でしゃべりまくる。次に広島弁、博多弁などで。適当でよい。

 84 カクテルパーティ効果

 他の全員が大声で邪魔するなかで1対1で聞きとり、話す。

 85 ドロボウと警察ゴッコ

 二者の心理になって尋問のやりとりをする。

 86 ナンパ

 ナンパのトレーニング。

 87 性転換

 女は男ことば、男は女ことばを使う。

 88 イタイ!

 痛みを思いっきり表現する。「Ouch!」(アウチ!)

 89 性格占い

 自分の性格をものに例えたり、ことばで表現する。

 90 花鳥風月

 火、水、花など、しぜんの風物の一つになる。

 91 風水の術

 ことばの出るまえの心の動き(風)を感じる。

 風が流れるか、感じるか、響くか、そのことに集中して、風と一体になる。水になりきる。

 92 ものになりきる

 「あつい雲よ」「私の海、ふるさと」

 その気にじっくりなるまで待って、実感できたらことばにする。

 93 笑わせる

 人を笑わせてみる。

できたら、ことばで、無理ならくすぐってもよい。

 

 

 94 死ぬふり

 

 死んだふりをする。

 

 息をひそめじっとしている。

 

 

 95 いびき

 

 思いっきりいびきをかいてみる(起きたまま)。

 

 

 96 寝ごと

 

 横になって、寝ごとをいう。

 

 

 97 内緒話

 

 声をひそめて、息でしゃべる。

 

 

 98 ギンギンギラギラ

 

 「ギンギンギラギラ夕日が沈む」を歌う。

 

 

 99 ふくろう

 

 ホーホーッと高低いろんな高さで鳴く。

 

 

 100 ハッケヨイ

 

 行司役をやってみる。

 

「よい声になれるヴォイストレーニング~声の科学」 Vol.16

〇子音のトレーニング① カ行とガ行

 

カ行音の成り立ち

カ行の子音「k」は、奥舌と軟口蓋でつくる破裂音で、奥舌を軟口蓋につけて息の出口をふさぎ、息を吐き出すとき、この閉じた部分を突き破ることによって発します。

 

濁音と鼻濁音

ガ行音はさまざまに発されます。学問の「ガ」は、濁音で発音します。ところが、音楽(オンガク)の「ガ」は、濁音と鼻にかかった鼻音とに分かれます。破裂音で濁音「g」に、ガと鼻から抜いたやわらかい「ガ」となるのです。これを鼻濁音と呼びます。

 

〈カ行のトレーニング〉

カ 金で母さん、悲しませたか/噛んだら噛むだけ辛いカラシ/重ねて確認、確実に

キ きっとキミは来てくれる/気さくで気がつき器量よし/地球の危機きっとくる

ク 黒い鯨の口/熊本の空港にくる/ひゃっくり、びっくり、くりくりの目

ケ 経験は人間を形成する/今朝すごいけんまくで喧嘩した/やけ酒のわけ

コ 子供の心に入り込む/今度、近藤さんと来よう/濃いコーヒーよリココアが好み

 

〈ガ行のトレーニング〉

ガ ガサツでガミガミ外国人

ギ 銀座の銀行義理づきあい

グ グッチにガマグチ、グチを言う

ゲ ゲコゲコ、玄関に一撃

ゴ ゴマすり、ゴリゴリ、ご苦労さん

 

〇子音のトレーニング② サ行とザ行

 

シとサスセソの違い/シとスィの違い

「刺す」と「死す」の発音を比較し、呼気の通るすき間の位置を比べてみてください。サは舌先が上歯ぐきの裏に近づくのに対して、シは舌の上面の前の方が、上あごの前方の硬口蓋に近づき、舌先の下がサと違い、下歯ぐきの裏から離れた状態で発されます。先生を「シェンシェイ」となまるのは、この混同です。スェスェ、スェンスェン、センセイとくり返して直しましょう。

 

ザ行音の成り立ち

ザ行は「サ」と違い、舌先がまず上歯ぐきの裏に接します。それを押し破って、破裂音とし、そのすき間から生じる摩擦音が加わって「dz」の音をつくります。このように破裂音と摩擦音の組み合わさった音を破擦音といいます。ちなみに、風邪(カゼ)が「カデ」となる人は、舌が歯ぐきから離れるからです。

 

〈サ行のトレーニング〉

サ さざなみのささやき/サメとサバとサンマ/さっさと財布を探さなきゃ

シ シタールの静かな調べ/知ったら嫉妬、知らぬが花/椎茸と塩を仕入れる

ス 透き通る素肌ヘキス/すべてを捨てて救う/炭火を入れるのが済む

セ 背骨を矯正する先生/せせらぎと船頭の声/背伸びする制服の生徒

ソ そばでそつと添い寝する/食欲をそそるソウル/外の掃除が騒々しい

 

〈ザ行のトレーニング〉

ザ 残念、残酷、ざまあみろ

ジ じいさん、自分で、持参する

ズ ズボン、ずりおち、ずいぶんだ

ゼ 絶体絶命、銭がない

ゾ 像の銅像、どうぞどうぞ

 

〇子音のトレーニング③ 夕行 ダ行 ナ行

 

チ、ティ、ツィの違い

チ「tʃi」をささやくように「チー」と伸ばして発音すると、最初の「チ」の音のあとに、「シ」のような摩擦音が「シー」と続きます。「アチー!」の「チ」です。「ティ」ではありません。

ティ「ti」、ツィ「tsi」を伸ばすと、「イー」となります。この2つは、ティーポット、ツィードなどの外来語の発音以外は使いません。

 

ダ行音の成り立ち

「ダ、デ、ド」は、夕行が無声音、ダ行音は有声の破裂音です。ヂとヅは音の上では、ジとズと同じです。「ヂャヂュヂョ」も「ジャジュジヨ」と同じで、特別なとき以外は使いません。

このように、ザ行音と共通のところが多いので、「ダデド」と「ザゼゾ」を混同しないように注意しましょう。「さざ波」が「サダナミ」、「なでる」が「ナゼル」、「のど」が「ゾ」になる人は、要注意です。

 

ナ行音と夕行音

ナ行は、舌の接するところは夕行と同じです。夕行音は破裂音ですが、ナ行音は舌を歯ぐきにつけたまま、息を鼻へ抜く鼻音になります。

「ナ」は、そのまま声を出さなければ、鼻から息が静かにもれます。そこで、鼻に手を当てながら「ナ」を発音すると、声が鼻に響いて振動するのがわかるでしょう。ナ行音は、鼻にこもらせないことがポイントです。

 

ハミングとナ行

響きを集める目的で、ハミングを使ってみましょう。

口の中を閉じ、唇も軽く閉じます。その状態で鼻のつけ根を意識してハミングをします。声を一点にめがけて出すようにすると、響きがまとまります。

やりにくければ、MinMin…と声を出してみましょう。Na(ナ)やNya(ニャー)でも、かまいません。口の中を響かせようとして口を開けすぎないように注意してください。

 

〈夕行のトレーニング〉

夕 たまに玉ネギを使った/楽しい旅をしたい/ただで食べるタコ焼き

チ 知恵と力で勝ち取る/塵はきちんと持ち帰れ/地下鉄でチョコをちょっと食べる

ツ きつい靴は窮屈だ/つまみにつけたさつまあげ/つまらない付き合いを続ける

テ おてんとうさんがテラスを照らす/丁寧に手を洗う/転校生の手書きの手紙

卜 遠くにトンボが飛んでいる/灯台のともしびが届く/遠い都市の時計が止まるとき

 

〈ダ行のトレーニング〉

ダ 大ちゃん、大好き、大胆な

ヂ 赤地と白地の生地

ヅ 堤さんとつづきさんの小包

デ デレデレ、電話に出るな

ド 堂々、どしどし、どんくさい

 

〈ナ行のトレーニング〉

ナ 何が何でも夏がいい/泣き顔なのに涙がない/海原の七不思議

二 煮込んだ肉のいい匂い/二人三脚で荷造りして逃げた/兄さんを二度と憎まない

ヌ 濡れたような絹を縫う/ヌルヌルぬめる/塗り薬が塗れぬよ

ネ 寝るに寝れない熱帯夜/年々きれいになる姉さん/来年を念じながら眠る

ノ ノックののち覗く/納期でノイローゼの農民/野はのどかでノスタルジイ

 

〇子音のトレーニング④ ハ行 バ行 パ行 マ行

 

ハ行音の注意点

「h」の音は、ハーと息を吐くときの喉音です。喉の奥を「アエオ」より狭くして出す摩擦音です。「h」は咽頭からの深い声、喉声ですが、「ハヘホ」はこの「h」音と母音「アエオ」でつくられます。

「ヒ」と「シ」は調音点が近いため混同しやすく、「日比谷」と「渋谷」、「質屋」など、よく聞き間違えられます。地域によっては「ヒ」と「シ」を逆に発音するところもあります。

 

もっとも息の速いパ行

日本語を発したとき、もっとも速いのは、パ行「パピプペポ」です。波形に強い揺れが出て揺れるのです。

パ行は、唇で空気をためて、はじくように発声します。破裂させる音なので、手をあてるとわかるでしょう。一方、大声と発音の速度とはあまり関係ありません。

 

マ行音とバ行音の混同

両唇を用いる点で、マ行はバ行音と近い発音法であるため、両者は混同しがちです。

さびしい←さみしい/さむい←さぶい/けむい←けぶい/ムミカンソー(無味乾燥)←ムビカンソー/ムボービ(無防備)←ムモービなど、いろいろあります。

さびしい←さみしいのように、両方が一般化してきているものもありますが、本来の発音はどれなのかを注意することで、ことばに対する関心を高めるようにしましょう。

 

〈ハ行のトレーニング〉

ハ 箱を博物館へ運ぶ/華やかではかない花火/蜂に刺されて鼻はれた

ヒ 広い額の人にひるむ/光る瞳にひかれる/昼寝する人に昼飯広げる人

フ 不快不安感が心を塞ぐ/工夫をこらした豆腐のフライ/不意に触れ合う二人の心

へ 塀や兵器のない平和な世界/へとへとにへたばる/平気で変な返事する

ホ 星が微笑む豊作の村/頬のほてりは惚れてる証拠/本を翻訳したのは本当?

 

〈バ行のトレーニング〉

バ バイバイ、バラ色のバス

ビ ビタミンBとビタワン

ブ 不恰好な部下をブイブイいわす

べ べっぴんなベイビー、べたぼめ

ボ ボスのボサボサ帽子

 

(パ行のトレーニング〉

パ パパのパパイヤ、パイナップル

ピ ピチピチのヒッピー

プ プータローは、プリンス、プーさん

ペ ペリカン便、ペダルでペチペチ

ポ ピンポン、パンポン、ポンポンド 

 

〈マ行のトレーニング〉

マ まるで待ちかねたように松の木/前々から前歯が曲がっていた

ミ 耳に水が入る/未知なる道を見つめる/みんなで未来を見つけよう

ム 無邪気な娘に夢中/息子は六日に婿入り/昔むかしの虫かご

メ 名月に女神を愛でる/しめしめ、しめじ飯だよ/迷宮で女神にめぐり逢う

モ 桃をもらって来い/もうモラルをもとう/身も心も燃え立つ

 

〇子音のトレーニング⑤ ヤ行 ラ行 ワ行

 

ヤユヨとは

ヤユヨは、「イア」「イウ」「イオ」のように、「イ」の口の形をして「ア、ウ、オ」を発音します。そのため、イ、ユ、ヨが混同されています。行く(ユク、イク)、良い(ヨイ、イイ)などです。これはどちらも認められています。力が入ると、「ヨコハマ」が「ィヨーコハマ」のようにねばっこくなってしまうようです。

 

R」「L」の発音

ラ行は、日本人にとってはなかなか難しい音で、いくつかのパターンがあります。「ホラーッ」のような、はじめるように聞こえる弾音と、「ブルンブルン」というときの強い震え音、巻き舌で話すときの音です。

英語の「L」の発音は、前もって舌先が歯ぐきに触れていて跳ねる音です。ラジオ、ロボット、リズムなど、語頭に多く用いられます。

R」の発音は、舌先は軟口蓋で口の奥で発し、Rは唇を丸め、舌先を上(口蓋)につけず口先で発します。

 

「わたし」と「あたし」

ワ行の「w」は、口構えをウ「u」に近い形にして発する両唇摩擦音です。しかし「w」は、英語の発音ほど両唇を近づけません。「わたし」と「あたし」を区別できますか。

 

〈ヤ行のトレーニング〉

ヤ 深夜の山はやばい/闇の中で優しい声に安らぐ/安い八百屋が休み

ユ 湯上がり、雪でゆとりの日/優雅な百合の花/憂鬱は優柔を誘発する

ヨ 夜な夜なヨーグルトを食べる/陽気な妖精と夜を明かす/よそよそしさを装う

 

〈ラ行のトレーニング〉

ラ ラベンダーとバラの快楽/ライブのラストはラブソング/桜は暗いときに開く

リ 理想を力説するリーダー/リリカルな輪郭と彩り/漁師の料理が立派にできた

ル 投げる走るも攻めるが肝心/落雷のなか落涙する/留守にルビーを盗まれた

レ 彼は熱烈で華麗、でも冷淡/レンガづくりの歴史的レストラン

ロ 浪曲を6曲録音する/ロザリオを持つ牢屋の老人/路地をうろついていろ

 

〈ワ行のトレーニング〉ワ 私は笑いながら別れをかわした/忘れられない脇役の笑い声/我の脇に若い人

 

〇拗音・撥音・促音のトレーニング 

 

拗音…ャ、ュ、ョ

カ「ka」に対してキャという音があります。音韻論的には、キャはカ「ka」の中に半母音「j」がはさまって「kja」という拍(音節)になっているとも考えられます。このように子音+母音の拍(これを直音といいます)に対して、半母音が入った拍を拗音とよびます。

拗音は、音声学的にみると、「k」「ɡ」「ŋ」「b」「p」「m」「ɾ」は、半母音「j」を経て母音「a」「u」「o」につながる音であり、その他は「ʃ」「ʒ」「」「」「ɲ」「ç」に母音「a」「u」「o」がついたものです。また、千住(センジ)、手術(シュジツ)、新宿(シンジク)などのように、拗音なのに、拗音でない発音になることもあります。

 

撥音…ン「m」「n」「ɳ」「ɴ

撥音は、両唇や舌などで口からの呼気の出口を閉じ、鼻腔へ逃がす音です。文字は同じ「ン」で表記しますが、後にくることばによっては音は違います。             

原則として、「ン」のあとに「p」「b」「m」の両唇音がくる場合は「m」の音になります。「t」「d」「n」「r」などの歯ぐきと舌先を使う音がくるときは、「n」の音。あとに「k」「ɡ」「ŋ」(鼻濁音)など軟口蓋と後舌でつくる音がくる場合は「ɳ」の音。「s」「a」「o」「u」「w」「i」「e」「ʃ」「j」などの音の前にあるンは、聞き取りにくいので、はっきりと出すようにしましょう。繊維(センイ)、官位(カンイ)など、「ン」のあとに「い」がくると、難しいです。

 

促音…っ

促音は、小さい「っ」を使って表記します。そのあとに続く音を発する口構えのまま一拍分、息をこらえます。そして、次の音を強い息で出します。つめる音、つまる音で圧迫した声の出し方で、日本語の特徴のひとつです。ガッカリは「k」の口構え、ヤッパリは「p」の口構えとなります。いつも小さい「っ」の発音が伴うとは限りません。

促音が小さい「ッ」で表記されるため、たとえば「カムチャツカ」(×カムチャッカ)、「かつて」(×かって)、「トロツキー」(×トロッキー)など、本来促音でないものが、促音のように間違って発音されるケースもあります。

 

「華奢でキュートなギャルは、社長の出張に躊躇した」

1)キャキュキョ「k」ギャギュギョ「ɡ」ギャギュギョ「ŋ

2)シャシュショ「ʃ」ジャジュジョ「dʒ」

3)チャチュチョ「」ニャニュニョ「ɲ

4)ヒャヒュヒョ「ç」ビャビュビョ「b」ピャピュピョ「p

5)ミャミュミョ「m」リャリュリョ「ɾ」

 

〈撥音のトレーニング〉

「仙台の新聞社でガンガン働いている」それぞれの「ン」の違いを知りましょう。

n:仙台、先頭、宣伝、反対、残念、線路

m:新聞、先輩、連盟、憲法

ŋ:ガンガン、散会、宣言、演劇

 

〈促音のトレーニング〉

「やっぱり、がっかり。やっただけでおわった。」

 

「学ぶということ」 No.400

「いろんな本を読んでから、レッスンに出た方がよいのでしょうか。」

と聞かれることがあります。

 

レッスンを最大限、有効に生かすためには、

まずは自分を白紙にする方がよいです。

もちろん、頭も。

 

これまでのことは、忘れましょう。

 

学んだことが邪魔をするということは、往々にしてあります。

しかし、学んでいなければ、いろいろと邪推することになります。

 

一度、全てを受け入れつつ、徐々に多くに学び、

その都度ではなく、ストックして、

いずれ取捨選択されていくのを待つことです。

どちらにしろ、切り替える能力をつけて、対応していきましょう。

 

 

自分の頭、

自分の身体、

他人や専門家の頭、

自分の直感、

専門家の大局観、

しぜんの道理へと

学びを深めていくのです。

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