閑話休題 Vol.93「城」(2)
三人の武将と城
〇織田信長
本拠の城を頻繁に変える。
「勝幡城」(しょばたじょう)に生まれる。
築城の技術とまちづくりを追求。
最初に築いたのは小牧山城、見上げるような総石垣を築き、まっすぐな「大手道」。
織田信長の天下構想が、お城や城下町。「楽市楽座」、商人や工人の城下町を形成。
1555年(天文24年/弘治1年) 清州城、一族間の内紛を鎮めて、尾張統一。
1563年(永禄6年) 小牧山城
1560年(永禄3年)桶狭間の戦い 美濃攻めの準備として小牧山に城を築いて拠点。
1567年(永禄10年) 岐阜城 斎藤氏が籠っていた美濃の稲葉山城を4年かけて制し、岐阜城の大改修。地名を「井ノ口」から「岐阜」へと変更。
1569年(永禄12年) 二条城 足利義昭を擁して上洛を果たし、京都の拠点。現存する二条城とは別
1576年(天正4年) 安土城 琵琶湖のほとりに築城。最上階は金色、下階は朱色の八角形の5層7階の建造物で、住み、来賓を迎えるため贅を尽くした
〇豊臣秀吉
大坂城、イエズス会宣教師「ルイス・フロイス」は、すべてにおいて、信長の建造物を上回ると。天守は生活の場ではありません。金銀や高価な武具、茶道具などの財宝で飾り立て、賓客を招いては、財宝を見せびらかした。表御殿の黄金の茶室から「三国無双」と呼ばれた天守、洋風ベッドを置いたという奥御殿の寝室。
1566年(永禄9年) 墨俣城、斎藤軍の前で、数十日間で完成させて、美濃攻略が前進。
1574年(天正2年) 長浜城、浅井長政を制し信長からの土地に築城。城下町として統治。
1580年(天正8年) 姫路城 信長に中国地方の攻略を命じられて、播磨へ進出。黒田官兵衛の姫路城を大改修して、毛利家との闘いに備え。
1583年(天正11年) 大坂城 三重の堀と運河に守られた要塞。城内には山里のような風情を持つ山里曲輪(城内に庭や池、茶室を設けた曲輪)も造り、大名や有力商人達を招き茶会や花見を楽しみました。
1586年(天正14年) 聚楽第 京都における滞在所。天皇などを迎えるための、政庁の役割
1590年(天正18年) 石垣山城 敵からは一夜で築城したように見えた。
この年、小田原城を落として、天下統一。
1591年(天正19年) 名護屋城 8ヵ月の工事で肥前に名護屋城、朝鮮半島へ出兵する拠点。
1594年(文禄3年) 伏見城 隠居所として聚楽第の一部を解体して築城。地震で倒壊したため、木幡山に移築。この伏見城で病死。
〇徳川家康
1603年(慶長8年)に征夷大将軍となると、江戸を天下の政庁とする
姫路城に類似した、大天守と小天守を組み合わせた連立式天守。大天守も圧倒的な大きさで、石垣を含めた城全体の大きさは、およそ68m。複雑で防御性の高い天守曲輪(詰丸)を備える、南側の大手には五連続の外桝形を連ね、かつ北側には三連続の「馬出し」を配置。
1560年(永禄3年) 岡崎城 家康生誕。人質として身を寄せていた今川義元が桶狭間で戦死し、岡崎城に戻りました。
1570年(元亀1年) 浜松城 今川家の浜松城を攻略。武田信玄の侵攻に備え、本拠地を移しました。
1586年(天正14年) 駿府城 駿河の支配を目指して築城。
1602年(慶長7年) 伏見城(改築)二条城
1600年に「関ヶ原の戦い」で勝利し、天下取りに成功。伏見城を経て、二条城を造営。
1604年(慶長9年) 江戸城
1603年(慶長8年)征夷大将軍に任命され、江戸幕府を開府しました。
1610年(慶長15年) 名古屋城 尾張国統治の拠点を名古屋に制定。
1615年 徳川幕府によって「一国一城令」
1616年(元和2年)に隠居し、大御所、駿府城で病死。
〇奄美・沖縄地方「グスク」
グスクの石垣と建築群(首里城。沖縄県那覇市)
鹿児島県の奄美諸島および沖縄地方の城は「グスク」または「スク」と呼ばれる。
12世紀、沖縄地方に点在していた領主の「按司」(あじ)の居城で、城内に「ウタキ」(御嶽)や「ウガンジュ」(拝所)と呼ばれる沖縄地方特有の信仰施設を持つ。
三山時代に多くのグスクが築かれ、現在までに見られる。土木や建築の技術、特に石垣は日本内地の石垣とは異なり、琉球石灰岩を加工した石積みの石垣で、外観も曲線をなして角さえも丸みを帯びている。
中国や朝鮮半島で「馬面」(マーミェン)や「雉」(チ)と呼ばれる横矢がかりの出張りや、城門においては牌楼や石造のアーチ門(拱門)が見られる。
舎殿のほか、櫓としては門上の櫓のみである。
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