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2025年6月

閑話休題 Vol.99「香道」

1.源氏物語 香の文化の物語

1)「空薫物こころにくくかをりいで 名香(みようごう)の香など匂ひみちたるに君の御追風(おんおいかぜ)いと殊(こと)なれば うちの人々も心づかいすべかめり」(第五帖「若紫」若紫(藤壺の姪、のちの紫の上))

<空薫物> 御所で香るような馥郁(ふくいく)とした芳香。

<名香> 仏に祈るときに焚く香 奥の間に誰かがいて祈っている。

<君の御追風> 光源氏は 最高の香を身に焚きしめて 風に乗って漂っていった。

 

2)「風はげしゅう吹きふぶきて 御簾の内の匂ひ いとも深き黒方(くろほう)にしみて 名香(みょうごう)の煙もほのかなり 大将の御匂ひさへ薫りあひ めでたく極楽思ひやらるる夜のさまなり」(第十帖「賢(さか)())

<いとも深き黒方><名香の煙>黒方は最高のルームフレグランス、藤壺ならではの香り。

<大将の御匂ひ>若い光源氏、至高の香りが入り乱れるなどあることでない、極楽のような香りだ。

 

3)第三十二帖「梅(うめ)(がえ)」“六条院の薫物(たきもの)合せ”(明石の姫君の11歳 成女式)

光源氏が四人(紫の上、朝顔の君、花散里の君、明石の上)に香づくりを命じた。

「正月(むつき)の晦日(つごもり)なれば、公私(おおやけわたくし)のどやかなるころほひに、薫物(たきもの)合せ給ふ」

判定は、兵部卿宮、彼を源氏は「古今集」を引き合いに持ち上げている(「君ならで誰にか見せん梅の花 色もをも香も知る人ぞ知る」)。

「香染」「医心方」

<空薫物> 沈香をくだいて磨()って粉にしたものに、麝香とか特別の木の樹脂などを調合して練香をつくり、それを焚く。

 

2.香道の稽古 六国五味の伝が初伝、烓合(たきあわせ)が二伝、以上、皆伝まで八段階の免許。    

第二段階に入ると烓()き合()わせ。空薫物を『宇津保物語』『源氏物語』『日本書紀』『文華秀麗集』『菅家文草』『更級日記』『大鏡』『栄華物語』『今昔物語』『明月記』『宇治拾遺物語』

「競馬香(較べ香)」は、京都上賀茂神社の競べ馬に由来する組香。

「腕香」、「頭香」:麝香や竜脳や丁字()、白檀などを調合した練香を修験者が生身の腕や頭の上で焚いた。

 

3.茶道と香 茶道の点前に炭(すみ)点前(てまえ) 初炭点前で主人が客の前に持ちだす炭斗(すみとり) 炭斗のなかの右に香合の台となる炭を一つ置き、香合(香の入物)を置く。炉には練香を焚く。茶席では、客は必ず香名、香元をたずねる。

 

4.組香としての「源氏香」の成立は、だいたい江戸時代の享保年間。

染物屋で用いている「紋帖」を見ると、江戸時代のきまりと思われる“但し書”がついている。「箒(はは)()」の形は「吉、五、六月」、「花散里」は「凶、五月」、「行幸(みゆき)」は「吉、冬春」などと、文様の吉凶と季節が指定されている。吉凶の割合は、桐壷、夢浮橋を含めて2430と、凶が多い。

 

染織や調度品の文様として「源氏香」が用いられると、上流階級では香道の上で、「盤物(ばんもの)」という道具を使って遊ぶ組香が行われる。「源氏舞楽香」は、「紅葉賀(もみじのが)」と「花の宴(えん)」を基にして作られた遊びで、六種の香を用いて

左方(紅葉賀)青海波 秋風楽 光源氏

右方(花の宴)春鶯囀 柳花苑 朧月夜

に分け、碁盤目になった香盤の上に、桜、紅葉、菊、檜()(おうぎ)の立(たて)(もの)(造花のようなもの)を差し立てて、香を交互に焚いて、当てると立物を進めて勝負を競う。青海波、秋風楽、春鶯囀、柳花苑はいずれも雅楽の曲名、十二音階の調子笛を用いるなど、凝りに凝った仕立て。東福門院(後水尾天皇中宮・徳川秀忠の女(むすめ))は、この舞楽香を高度にして、光源氏と朧月夜の人形、八種の楽器、造り花、幔幕(まんまく)などを具(そな)え、楽しまれた。

 

5.連歌と香

「連歌では一巻を巻きあげるつど、執筆がこれを読み上げ、成就したその一巻の流れと到達したものを共有する。香道では聞香を終え、執筆の記録した料紙を上客から廻し読み、一座で創りあげたものを共にする。この記録の料紙こそ、連歌が求めつづけている座の芸術を、香りで象徴しながら個性ある筆致で刻むものだと思われる。

また「花月香」のように、記紙のかわりに香札を使う場合、記録の料紙には連衆の名の他に札名による花や木の名を併記するが、これなども景物を冠名とする連歌の付合のいとなみを感じさせる。

要するに連歌の側からいえば、連歌が表そうとするものを、香道は香りの世界を媒介に象徴的に成り立たせていったものと思われる。」

 

参考文献:「香と日本人」稲坂良弘(角川文庫)/「人はなぜ匂いにこだわるか」村山貞也(KKベストセラーズ)/「香と香道」香道文化研究会編(雄山閣)

「ヴォーカルトレーニングの全て」 Vol.24

〇歌のレベルについて

 歌は誰でも歌えます。しかし、ほんの少しさわりの部分を聞くだけで次のような段階での差があるのがわかります。このことを、わかっている人は少ないようです。

レベルA.誰でも歌えるレベル(今の器のなかで)

メロディ、ピッチ、リズムが正確であり、口先でなんとか歌えるのが、一般の人か、ちょっとうまい人です。

レベルB.うまく歌えるレベル(今の器のなかでのコントロール)

イメージと発声とを一致させ、歌らしく歌えるのが、カラオケ上級者です。

レベルC.すごく歌えるレベル(プロの器のなかでのコントロール)

身体、息も含めて、ヴォーカリストとしての統合的な要素をもち、イメージを全身で表現できるようになってはじめて、プロといえます。

 ブレスヴォイストレーニングは、プロの器づくりとそのなかでのコントロールをめざしています(多くのヴォイストレーニングがレベルBを最高としているのは、日本のプロといわれるヴォーカリストのレベルが低いからですが、タレント、アイドルでないからこそ、これからプロになろうという人は、レベルCをめざさないといけないはずです)。

ことばからメロディへのトレーニング

1.朗読をする

2.リズムをとり、リズム通りに朗読する

3.譜面からメロディを感じる(声は出さなくてよい)

4.ヴォカリーズ(母音)で歌う

5.自分のキィでメロディをつけて歌う

〇自分の声は聞けない

 音楽はイメージを重視して、できるだけトータルに捉えることです。自分で出した声を音楽性に照らしあわせて判断するのは、難しいものです。全体の流れやイメージがわからないまま、部分的に加工してばかりいると、うまく聞こえないものです。

 スポーツなどでも、自分のフォームをあとでビデオでみるのはよい勉強になります。しかし、みながらやっても、どうしようもないでしょう。やるときには、思いきってやるしかないのです。イメージした通りに身体は動いてしまうのですから、原因はイメージにあり、修正はそこで行なうべきなのです。

 同じようにピアニストが自分の音を聞きながら、チェックするわけにはいきません(すぐれたピアニストは、イメージで演奏を進めていっているはずです)。ヴォーカリストは、自分の生の声は聞けません。ですから、歌の途中での修正などはできないのです。そういうことから、音に関するイメージづくりと身体の感覚との結合はとても大切なことなのです。

 イメージをしっかりもったら、そこに音、そして声がついていくかどうかをチェックするのです。歌は人前に提示していくのですから、思いっきりのよさ、吹っ切った気持ちでやることも大切です。

 自分の好きなフレーズ(48フレーズ)を自由に思いのままに表現してみましょう。メロディ、ことば、リズムを変えてもよいでしょう。

 原曲よりも、よくなりましたか。

 伝えたいものが表現できたら、その表現の気持ちを残したまま、正確に歌ってみましょう。

(参考)楽器と声との違い

楽器…調律は済んでいます。 筋肉コントロール、つまり弾く技術がいります

声…調律が必要です=発声コントロール 発声技術は、初歩レベル(ことば)では皆、もっています。これをメロディ、リズムの処理ができるようにしていくことが必要です。

〇集中力について

 音楽とともに流れる時間は止まらず、待ってくれません。そこで、すべてを正しく行なおうとすると、何よりも集中力が不可欠となります。

1.立っている

2.姿勢のキープ、視線を集中

3.発声(ゆっくりと) 声に集中

4.イメージ 音(ピッチ、リズム)に集中

 このように、一点へ集中するとリラックスできます。それも目的の一つです。

 それぞれについて、集中力をきたえるトレーニングをやってください(音読30分、続けることなど)。

〇ピッチをイメージして表現するトレーニング

 歌は、テンポの速い曲も少なくありません。口が早くまわることも必要ですが、できたら、早口ことば(これを感情を込めていうのは、結構難しいので)よりも、ピッチをイメージできる速さであげられるようにしていくべきです。口先でテンポをとって速く読むことを競っても、表現が薄まってはどうしようもありません。早い歌詞、リズムもヴォーカリストは、できるだけゆっくりと時間をかけてこなし、ことばのなかに情(情景、心情)を充分にふくませておくことです。結果として速度だけを調節すべきです。速くしたり、遅くしたりすることによって、少しも伝えるものを失ってはいけないのです。

1.楽譜を目で見て、ピッチ、進行、フレーズをゆっくりとイメージする

2.ピアノでゆっくりと弾き、感じます 

感じたままに声にする

3.感じたことを少しずつ速く感じていきます 

そのまま声にする

4.正しいリズムを感じ、正しいテンポに整えフレーズを形成する

 つまり、速いということは、速いことでさらに緊迫した感情が加わらなくてはいけないのです。

 好きな曲のフレーズを速くするトレーニングをしましょう。メトロノームなどを使ってやるとよいでしょう。速さによって、曲のイメージがどのように変化するのかを感じてください。そして、自分の速さを決めて、それを基準に毎日、トレーニングしてください。テンポの感覚も難しいものです(最初は同じテンポなのに速く感じたり、ゆっくり感じたりすることが少なくありません)。慣れていってください。

〇楽譜からトータルイメージで捉える

 野球の選手は、落下しているボールをとるのに数値で計算はしません。これは、バッターのスイング、打ったときの音、風の方向、強さなどのデータから、どういう球道で飛んでくるのかが、瞬時にトータルのイメージとして浮かぶからです。

 ヴォーカリストにとって、このデータの基本となるのが楽譜にあたります。データ通り歌うのではなく、データから多くのものを読みとり、感じ、それを表現していくのです。

 楽譜の読み方については、楽典で最低限は知っておくとよいでしょう。フレーズ中心にトレーニングをしてきましたが、歌一曲を大きなフレーズでいくつかの構成に捉え、それを楽譜で確認してみてください。

〇呼吸上に歌うこと

 息は吐くと入ってきます。しゃべりまくった次の瞬間に、一気に入ってきます。このしぜんな動きの延長上に歌もあります。たいていは、歌はしゃべるよりもハードな動きになります。しかし、身体が鍛えられたら息をそのまま、声にするようにといっています(ただし、深い息でないとできません)。本当は、その間に「発声法」などという媒体が入ってはいけないのです。

 話し声での息や共鳴は、声と息との結びつきや共鳴においては、それなりに合理的なものです。これをヴォイストレーニングのベースにすることができます。口先でしゃべっている人が、全身で語りかけるようになったとき、そこに歌が生まれるのです。

 全身で語りかけてみてください。

1.おかあさん

2.ワーッ

3.ヤァーヤァー

4.オーイ

5.ヤッホー

6.エーイ

7.ファイト!

8.イクゾー!

「最強トレーニング」 Vol.4

〇原稿を読んでみよう

 

 それでは、次の文章を読んでみて、それを録音しましょう。そして、聞いてみましょう。

 

<『読むのでなく伝えるための声』

「うまく伝えることをめざすのであれば、教科書を棒読みするようにではなく、人に伝わるように声で表現できなくてはなりません。

大切なことは伝えることであり、読むことではありません。

文字を棒読みしているだけでは、伝わりません。

かといって効果を計算したり、感情を移入するとわざとらしくなるのが関の山です。

基本の力がないと、何十回読んでも、プロのようには聞こえないのです。」>

 

いかがでしたか。心地よく聞いていられなかったとしたら、何が悪かったのでしょうか。

自分で、思いつくかぎり書き出してみましょう。

 次に三回、繰り返し練習して、四回目に録音してチェックしましょう。だいぶ、よくなるでしょう。

 

今度は、次の基準でチェックしてみましょう。

□声は、プロのように聞こえ、魅力的で個性的な声か

□発音、言葉、アクセント、イントネーションが正しいか

□つっかかったり、いい間違えたり、流れが滞ったりしていないか

□わかりやすくインパクトがあり、感情のこもった表現か

□音声でもれなく内容が伝わっているか

□無駄やミスもなく、最高の表現を出せたか

□聞いたあとの感じがよいか、安定していたか

 

〇聞く人の聞き方を変えること

 

話す人  A 内容        B 伝え方

聞く人  C 理解度(質、知識) D 聞き方(熱意)

 

 話がよいといわれるためには、このADの合計点が高いことが必要です。

ところが、多くの人はA(内容)しか考えていません。

よく見てください。このうち半分は、聞く人の理解度や聞き方の問題です。

内容がいかによくても、それをうまくやらなくては、半分失敗です。聞く人を聞く気にさせるのは、話す人の伝え方によります。

 

C(理解度)、D(聞き方)は、B(伝え方)によってコントロールされます。

4つのうち、3つは話す人の伝え方にかかってくるのです。

聞く人の理解度のなさは、わかりやすくし、熱意のなさは、興味を起こさせることで、はじめて話の内容が伝わるのです。

 だから、内容がなくとも伝えるすべがあったら、聞く人をある程度、満足させられるとさえいえるのです。

 つまり、声をよくするのも大切ですが、声などを使って聞く人の聞き方を変えることは、もっと大切なのです。

 

話す人  A 内容        B 伝え方

聞く人  C 理解度(質、知識) D 聞き方(熱意)

合計    点

 

〇声のマナーのチェック

 

下手な話というのは、内容よりも伝え方、それも基本的なことを踏まえないために、そのように思わせてしまうのです。特に話す姿勢は、そのまま、すぐに声に影響してきます。

たとえば、次のようなことをしていないか、チェックしてみましょう。

□聞く人を見ていない

□下ばかりをみて話す

□原稿から目をあげない

□声が小さい

□発音がよくない

□聞き取りにくい言葉が多い

□話に切れ目がない

□読んでいるように聞こえる

□だらだらしている

□独り言のようだ

□何がいいたいのかわからない

□何度もいい間違える

 

 

〇話と声のチェックポイント

 

話と声について、次のチェックをしましょう。

最初に他の人のをチェックして、次に自分についてチェックするとやりやすいでしょう。

 

(話のよい例)

□好感度・マナー

□態度がよい

□姿勢がよい

□熱意がある

□テンションが高い

□自信がある

□ていねいである

□一所懸命さが伝わる

□誠実そうだ

□慣れている

 

(話の悪い例)

□だらしない

□自信がなさそう

□テンションが低い

□見下している

□平坦、一本調子

□早口

□テンポが遅すぎる

□語尾の切れが悪い

□発音が不明瞭

□不慣れで落ち着きがない

 

(声のよい例)

□声が大きい(適切だ) (声の大小)

□声のメリハリがある (声の強弱)

□声のスピード(テンポ)がよい 

□声の高さ(ピッチ)がよい (声の高低)

□声の感じがよい (声の音色)

□歯切れがよい (アーティキュレーション)

□発音がよい (アクセント)

□間がよい (呼吸、表現)

 

〇よい声とはどういう声でしょうか

 

声の使い方は、身近にいる人から学ぶのが一番、早いものです。話と同じく、その人のよいところから、学んでいくのです。

次のは、声のよしあしを知るためのチェックリストです。

□大きい

□ひびく

□安らぐ

□落ち着ける

□ゆったりしている

□安定感がある

□心地よい

□リズムがある

□楽しい

 

□明るい

□元気が与えられる

□聞きやすい

□ことばがはっきりと聞こえる

□滑舌がよい

□つっかえない

□迫力がある

□色気がある

□精神性が感じられる

 

〇悪い声とはどういう声でしょうか

 

□小さい

□かすれている

□安らがない

□落ち着かない

□せわしない

□不安定

□不快

□リズムが悪い

□ハリがない

□元気がない

 

□暗い

□聞きにくい

□ことばがもごもごしている

□滑舌が悪い

□よくつっかえる

□弱々しい

□事務的に聞こえる

□こもっている

 

あなた自身が、どのような声や話し方、態度に引きつけられ、どのようなものに反発し、おかしいと感じるか、それがそのまま、自分の声を使うときの留意点になります。

よいところのすべてをまねる必要はありません。自分ができるところから習得していきましょう。

なかには、自分と相反する要素もあります。その人にはよくても、自分には合わない声の使い方もあります。それらをうまくとり入れるには、自分のキャラクター、能力、勝負どころを知り、自分の個性をよりよく活かそうとしていくことです。

 

〇声がよいということ

 

声がよいとは、より大きく強く高く(低く)出せるだけでなく、声がしっかりと統一されており、かすれたり割れたりしないということです。しかも、長時間、声を出しても異常をきたさず、体調の悪いときも(風邪などをひいていても)、表現を保つのに充分な声が確保されていることです。

人前で声を使うときには、声の調子を万全に整えておかなくてはいけません。そういった、声の管理もヴォイストレーニングで扱うべきことなのです。

 自分の伝えたいものが思うままに伝わることを助けてくれる声、そのためには、鋭くも柔らかく、練れた声でなくてはならないのです。

声がよいと感じると、聞く人も、おのずと熱心に聞く態度になるものです。

 

〇声べたの人を反面教師にする

 

声のよい人を見て感心をしたら、あるいは、不幸にして、まわりにまったくいないのなら、声のよくない人をじっくりと観察するとよいでしょう。あなたのまわりにもたくさんいるでしょう。

そこであなたの気づくことのなかには、あなた自身が話すときに相手が思うことと重なることもあるはずです。

 

次のような点について考えていきましょう。

1.何がよくないのか(不快なのか)

2.(その人は)どう直せばよいのか

3.自分についてはどうか

4.自分はどう直せばよいのか

 

それから、もう一度、声のよい人をみて、考えてください。

1.その人はどのようにしているか(その人なら、どのようにするか)

2.それはどうしてなのか

3.自分はそれができるか

4.自分にとってもっともよい直し方はどうなのか

 この繰り返しだけでも、声の欠点は、かなり改良されるはずです。

「AIと芸道」 No.406

芸の道、これは、なにも芸能や芸術だけでなく、なんらかの専門性をもつ道を選んだということです。

私も、なにかに触発されて、人生を決めた、それが転機になった人たちと、多く接してきました。

誰かの声や歌を聞いて、それを選んだとき、いわゆる純粋経験を経て、人生は大きく変わります。つまり、その人が、自分自身に、個性に目覚めたわけです。

それは、なによりも身体性に根ざすものです。誰かの声とは、誰かの身体の発した音波動=声なのです。それを自分の身体で受けとめ、習得していくのです。

たとえ、それで大成しようが、人生のよすがになろうが、そこからの歩みは、身体に蓄積されます。

一方、AIは、身体性を伴いません。その情報やその処理は、いくらあっても、そうした個性たるものの価値を損ねるものではありません。

むしろ、さらにその意味を深め、人生を輝かせるものとするでしょう。

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